3月が近づくと、デイサービスや特養の壁を前にして「今年のひな祭りはどう飾ろう」と悩む方は少なくありません。市販の壁面セットを貼れば5分で終わりますが、それだと利用者さんは眺めるだけ。かといって全員参加の制作にすると、手が動かない方が置いていかれたり、途中で飽きてしまったりします。
結論から言うと、ひな祭りの壁面飾りは「110円ショップの材料」と「工程を3つに分ける段取り」があれば、手先が不自由な方も含めて全員が主役になれます。おひなさま作りは高齢者にとってなじみの深い題材で、手を動かしながら自然と昔話が出てくる──つまり回想法の入口としても働くのです。
この記事では、折り紙と画用紙だけで作れる8つのデザイン、材料費と所要時間の比較、飾る時期と外す時期の目安、そして現場でよく起きる失敗と立て直し方まで、そのまま現場で使える形でまとめました。作りながら話せる由来の豆知識も添えています。
・110円材料で作れるひな祭り壁面飾り8案の作り方と所要時間
・折る・切る・貼るの工程を分けて、麻痺のある方も参加させる方法
・飾る時期は立春から雨水まで、外す時期は3月中旬までという目安
・作りながら話せる由来の豆知識と、現場でよくある5つの失敗
ひな祭りの壁面飾りを高齢者と作ると、施設の3月が変わる理由

完成した壁面飾りそのものより、作っている時間のほうに価値がある──これがひな祭り制作の本質です。理由と、そのために必要な設計を順に見ていきます。
職員が作った「きれいな飾り」より、みんなで作った「少し歪んだ飾り」
壁面飾りの目的は、館内をきれいにすることではなく、利用者さんが「自分がここに関わった」と実感することにあります。だからこそ、多少バランスが崩れていても、本人の手が入った作品のほうが価値があります。
背景には、施設で暮らす方が役割を失いやすいという事情があります。家庭では家事や近所づきあいで日々役割がありましたが、入所や通所が始まると「してもらう側」に固定されがちです。ひな祭り制作は、その構図を一時的にひっくり返す数少ない機会になります。
具体的には、完成した壁面の脇に「制作:〇〇さん、〇〇さん…」と参加者の名前を書いた札を貼る施設が増えています。名前が貼り出されると、家族が面会に来たときの話題になり、「これ、お母さんが作ったんだって」という会話が生まれます。ここまでセットにして初めて、制作が本人の誇りに変わります。
注意したいのは、名前の掲示は本人と家族の同意が前提だという点です。氏名の公開を望まない方もいますし、認知症の進行を家族に知られたくないという事情を抱えた方もいます。名字だけにする、あるいは掲示せず個別に写真を渡すなど、施設ごとの運用を決めておくと安心です。
手を動かしていると昔話が出る──回想法として働く仕組み
ひな祭りの制作中は、正面から「昔のお話を聞かせてください」と尋ねるより、はるかに自然に思い出話が出てきます。手を動かしていると、話すことへの構えが下がるからです。
これは回想法という心理療法の考え方に近い働きです。回想法は、昔の写真や音楽、使い慣れた家庭用品などに触れながら過去の経験を語り合うもので、1960年代にアメリカの精神科医ロバート・バトラーが提唱しました。脳の活性化、活動性・自発性・集中力の向上、自発語の増加、精神的な安定、不安や孤独感の緩和などが期待されるとされています。
グループ回想法の標準的な実施方法は、10名前後のグループに対しリーダーとサブリーダーの2名体制、1クール8〜10回、1回あたり約1時間とされています。壁面飾りの制作レクも1回45〜60分で組むと、この枠組みにそのまま重なります(出典:健康長寿ネット「回想法」/公益財団法人長寿科学振興財団)
ひな祭りは題材としても優れています。雛人形を出した記憶、姉妹で並べた記憶、あるいは「うちは男ばかりで飾らなかった」という記憶まで、誰にでも何かしらの接点があるからです。桃の花を折りながら「実家の裏に桃の木があってね」という一言が出れば、そこから10分は会話が続きます。
ただし、思い出が常に明るいとは限りません。戦時中に雛人形を手放した、嫁ぎ先で飾らせてもらえなかったという話が出ることもあります。その場合は無理に明るい方向へ引き戻さず、「そういうご時世でしたね」と受け止めるだけで十分です。話題を変えるなら、目の前の作業に戻すのが自然です。
男性利用者が「見ているだけ」にならない役割の作り方
ひな祭りは女の子の行事という印象が強く、男性利用者が輪の外に出てしまいがちです。これを防ぐ最も確実な方法は、制作の中に「工作らしい工程」を意図的に用意しておくことです。
男性が敬遠するのは、折り紙で花を折るような細かく装飾的な作業です。一方で、寸法を測る、厚紙を切る、竹ひごを組む、糊付けの土台を作るといった工程には手を挙げる方が多くいます。前職が大工・電気工・機械工だった方なら、精度を要求される役割ほど張り切ることがあります。
具体的には、ぼんぼりの骨組みを作る、屏風の折り目をつける、背景の色画用紙を定規で切り出す、といった担当を先に割り振っておきます。「〇〇さん、この線をまっすぐ切れる人がいなくて困っているんです」と頼る形で声をかけると、参加率が上がります。
注意点として、性別で役割を決めつけるのは逆効果です。折り紙が得意な男性もいれば、細かい作業が苦手な女性もいます。あくまで「こういう工程があります」と選択肢を並べ、本人に選んでもらう形にしてください。
麻痺・視力低下があっても参加できる工程の切り分け
片麻痺や視力低下がある方でも、工程を細かく分ければ必ずどこかを担当できます。鍵は「両手を使う作業」と「片手でできる作業」を最初から分けておくことです。
紙を折る作業は両手が必要ですが、のりを塗る、シールを貼る、スタンプを押す、ちぎった紙を台紙に置くといった作業は片手で完結します。ちぎり絵は特に相性がよく、和紙や折り紙を指先でちぎる動作は片手でもでき、細かい寸法を求められないため視力が落ちていても失敗しません。
具体的な配分としては、8案のうち紙皿のおひなさま・ちぎり絵の菱餅・手形の桃の木の3つが片手対応です。10人のグループなら、両手作業を6人、片手作業を4人という形で最初から2ラインを走らせると、待ち時間が生まれません。
注意したいのは、片手作業を「簡単な作業」として下に見た言い方をしないことです。「こちらは簡単ですから」ではなく「この色の組み合わせは〇〇さんにお任せしたい」と役割として渡すこと。本人の自尊心に直結する部分なので、言葉の選び方を職員間で揃えておくと安心です。
110円で揃う材料と、壁に貼る前に確認したい4つのこと
材料は100円ショップでほぼ完結します。ただし、壁に貼る段階で施設特有の確認事項があるので、ここを飛ばすと後で貼り直しになります。
基本の材料は折り紙・色画用紙・のり──110円で何枚買えるか
ひな祭りの壁面飾りに必要な材料は、折り紙・色画用紙・のり・はさみ・両面テープの5点で足ります。すべてダイソー・セリア・キャンドゥで1点110円(税込)で揃います。
色画用紙は店によってサイズと枚数が異なります。セリアの色画用紙は363mm×257mm(B4よりやや小さい)サイズで、色によって5〜8枚入り。四六判半裁(54.5cm×78.8cm)の大判も置かれています。ダイソーは四つ切り・八つ切りといった大きなサイズや定番色が揃いやすく、セリアはくすみカラーやニュアンスカラーが豊富という違いがあります。
10人分の材料費の目安は、折り紙2袋(220円)、色画用紙3色(330円)、のり2本(220円)、両面テープ1個(110円)で合計880円ほど。背景に使う模造紙や大判の色画用紙を足しても1,100円前後に収まります。行事費として計上しやすい金額です。
- ☑ 折り紙(金銀入りの多色セット)2袋
- ☐ 色画用紙 ピンク・黄緑・白の3色
- ☐ 背景用の大判紙(水色または生成り)1〜2枚
- ☐ スティックのり2本(液体のりは指が汚れやすい)
- ☐ 貼ってはがせる両面テープ・マスキングテープ
- ☐ 先の丸い工作ばさみ(利用者用)
注意点は、はさみの選び方です。工作用の先が尖ったはさみは、隣の方に向いてしまったときに危険が伴います。利用者さんに渡すものは刃先が丸いタイプに統一し、切る工程は職員が座る位置を決めてから始めてください。
材料の使い回しや別の季節の工作アイデアは、こちらもあわせて参考になります。

デイサービスのレクを任されたとき、あるいは家で過ごす時間をもう少し豊かにしたいと思ったとき、「工作でもしてみようか」という選択肢が浮かびます。ところが実際に探し…
背景の作り方で完成度の7割が決まる
壁面飾りが「なんとなく寂しい」印象になる原因は、多くの場合パーツではなく背景にあります。白い壁に直接パーツを貼ると、余白が広く感じられて散らかって見えるのです。
背景に1枚色紙を敷くだけで印象が変わるのは、色の面積比が整うためです。ひな祭りなら、淡い水色(春の空)か生成り(畳・和紙の質感)を土台にすると、ピンク・白・黄緑のパーツが引き立ちます。金屏風を模した金色の折り紙を貼り重ねると、写真映えも良くなります。
具体的な寸法の目安は、背景を横90cm×縦60cmほどの長方形に取り、中央にお内裏さまとお雛さまを配置し、左右に桃の花とぼんぼりを散らす構成です。パーツの数は、主役2体+花8〜12個+ぼんぼり2個+文字(ひなまつり)で十分にまとまります。増やしすぎると、かえって主役が埋もれます。
失敗しやすいのは、背景を貼らずにパーツから貼り始めてしまうケースです。あとから背景を入れようとしても、パーツを一度全部はがすことになります。背景 → 主役 → 脇役 → 文字、の順番を職員間で共有しておくと、貼り直しの手間が省けます。
壁を傷めない貼り方と、途中で落ちてこない工夫
施設の壁は共用の財産です。貼り方を誤ると原状回復の費用が発生するため、テープの選択は慎重に行ってください。
壁紙が剥がれる主な原因は、強粘着の両面テープを直接クロスに貼ることです。ビニールクロスは表面の層が薄く、強い粘着剤を無理にはがすと表層ごと持っていかれます。1年後の退去点検や監査で指摘されるのは、たいていこの部分です。
装飾用の強力両面テープで直接クロスに貼り、3月末にはがしたところ壁紙の表層が持っていかれ、補修に費用が発生した──という報告は現場でよく聞きます。
対策:クロスに直接触れるのはマスキングテープだけにし、その上に両面テープを重ねる「二段貼り」にします。マスキングテープは幅の広いもの(幅2cm以上)を選ぶと保持力が上がります。壁面ボードや掲示板がある施設なら、そちらを優先してください。
もう一つの悩みは、暖房で乾燥した時期に飾りが落ちてくることです。原因は紙の反りで、特に薄い折り紙を1点だけで留めると、端から浮いて自重で落ちます。パーツの四隅または上下2箇所を留めるだけで、落下はほぼ防げます。
消防法と避難経路──掲示物で押さえておきたい線引き
意外と知られていませんが、社会福祉施設は消防法上の防炎規制の対象です。ここを踏まえておくと、監査や消防点検で慌てずに済みます。
消防法第8条の3により、老人短期入所施設・養護老人ホーム・特別養護老人ホームなど多くの社会福祉施設が防炎規制の対象になります。ただし、防炎性能が求められる「防炎対象物品」は法令で7品目に限定されています。カーテン、布製ブラインド、じゅうたん等、展示用合板、舞台用幕および大道具用合板、暗幕・どん帳、工事用シートの7つです。
つまり、壁に貼る紙の装飾はこの7品目には含まれていません。とはいえ「だから何を貼ってもよい」とはなりません。避難口誘導灯や消火栓の表示を覆う、避難経路の幅を狭める、スプリンクラーヘッドの散水を妨げるといった貼り方は、装飾の種類にかかわらず問題になります。
①誘導灯・消火栓・非常口の表示にかかっていないか ②スプリンクラーヘッドの真下・周囲を紙で覆っていないか ③廊下に張り出して通行や車いすの動線を狭めていないか。この3点を貼る前に確認するだけで、後日の指摘はほぼ防げます。判断に迷う掲示物は、所轄の消防署に問い合わせれば教えてもらえます。詳しい対象物品は公益財団法人日本防炎協会の解説で確認できます。
折るだけで形になるひな祭り壁面飾り4案

まずは折り紙が中心の4案です。いずれも工程が5手順以内で、15〜25分あれば完成します。
案1:三角に折るだけのお内裏さま・お雛さま
最も手数が少ないのが、折り紙を三角に折って重ねるおひなさまです。折り目が3回で終わるため、手指に力が入りにくい方でも自力で完成させられます。
この形が定番になっているのは、着物の合わせを表現するのに三角形が向いているからです。折り紙を対角線で三角に折り、下の角を少し上げて重ねると、それだけで衣冠束帯と十二単の輪郭に見えます。土台さえできれば、あとは顔を貼るだけです。
作り方の目安は、15cm角の折り紙で体、7.5cm角(15cm角を4等分)の白い紙で顔、金の折り紙を細く切って冠と扇にします。所要時間は1体あたり7分ほど。10人で20体作れば、壁面の主役だけでなく「ひな壇」風に段を作ることもできます。
失敗しやすいのは顔のパーツです。目や口をペンで描くと、手の震えで表情が崩れて本人ががっかりすることがあります。丸シールの黒(目)と赤(口)を貼る方式にすると、誰が作っても表情が安定します。
- Step1: 15cm角の折り紙を対角線で三角に折る(男雛は紫や紺、女雛は赤やピンク)
- Step2: 底辺の左右の角を、中心よりやや上で交差させるように折り重ねる
- Step3: 上部に白い丸(顔)を貼り、黒と赤の丸シールで表情をつける
- Step4: 金の折り紙を細長く切って冠・扇・笏(しゃく)に見立てて貼る
案2:じゃばら折りの扇と梅の花
じゃばら折りは、折り紙制作の中でも成功率が高い工程です。同じ動作の繰り返しなので、途中で手順を忘れても隣の人の手元を見れば追いつけます。
介護の現場で扇と梅の組み合わせが定番になっているのは、折り紙をボール紙に貼ってからじゃばらに折ると、紙が薄くても形が崩れないためです。金色や銀色など光沢のある折り紙を混ぜると、蛍光灯の下でも華やかに見えます。
作り方は、15cm角の折り紙を幅1cmほどでじゃばらに折り、片端をまとめてテープで留めれば扇の完成です。所要時間は5分。同じ手法で小さめの紙を5枚作って放射状に並べると、梅の花の形になります。扇を大小2種類作って重ねると立体感が出ます。
注意点は、じゃばらの幅を細くしすぎないことです。幅1cmを下回ると、指先の力が弱い方には折り目がつけられません。定規で折り筋の位置に薄く鉛筆線を引いておくと、幅が揃って仕上がりが整います。
案3:5枚組みで作る桃の花
桃の節句の名のとおり、桃の花は壁面の余白を埋める主力パーツです。1枚の折り紙から複数作れるので、材料費を抑えたいときにも向きます。
桃の花びらは先端が少しとがった形をしています。この特徴を出すために、7.5cm角の折り紙を三角に折ってから先端を丸く切り、開いて5枚重ねる方法が使われます。桜は花びらの先に切れ込みが入り、梅は丸い花びらという違いを説明しながら作ると、話題が広がります。
1人5〜6輪作れば、10人で50輪以上。壁面の左右に枝を描いた茶色の画用紙を貼り、そこに散らすように貼り付けると、一気に春らしくなります。所要時間は1輪あたり3分ほどで、手が空いた方の「予備の作業」として最適です。
失敗しやすいのは、色を1色に統一してしまうケースです。濃いピンク・薄いピンク・白の3色を混ぜると、遠目に見たときの奥行きが出ます。1人1色ではなく、1人3色を配って混ぜてもらってください。
案4:ぼんぼりと金屏風
ぼんぼりと金屏風は、あるだけで壁面全体が「ひな壇らしく」見える背景パーツです。折り目が直線だけなので、男性利用者にも手を挙げてもらいやすい工程です。
ぼんぼりの形は、上の傘・胴・脚の3パーツに分解できます。パーツごとに担当を分けると、1人あたりの負担が減り、共同作業として成立します。金屏風は金色の折り紙を横に並べて貼り、山折り谷折りの筋をつけるだけです。
寸法の目安は、ぼんぼり1つで高さ20cmほど。壁面の左右に1つずつ配置します。金屏風は横40cm×縦25cmを目安に、お内裏さまとお雛さまの背後に敷きます。折り筋は3cm間隔でつけると、光の反射で立体的に見えます。
注意点は、金色の折り紙は表面がすべって糊が効きにくいことです。スティックのりだけだと乾いてから浮いてくるので、両面テープを併用してください。台紙側にのりを塗ってから金紙を置くと、しわが寄りにくくなります。
切って貼るだけ・手が動きにくい方も主役になれる4案
ここからの4案は、折る動作を含みません。片麻痺のある方、指先に力が入りにくい方、視力が落ちている方でも自力で完成させられる構成です。
案5:紙皿で作るまん丸おひなさま
紙皿を土台に使うと、細かい寸法合わせが不要になり、失敗がほぼ起きません。丸い形が着物の裾広がりに見えるため、そのままおひなさまになります。
この方法が有効なのは、紙皿に厚みと張りがあるからです。薄い折り紙と違って、片手で押さえるだけで作業が成立します。皿の縁の波型が、着物の重なりのように見えるのも利点です。
作り方は、直径15cmほどの紙皿を半分に折り、折り目を下にして立てた状態で、上半分に和柄の折り紙を貼るだけ。顔は別に作った丸い紙を貼ります。所要時間は10分ほどで、片手でも完結します。壁面に貼る場合は、折らずに平らなまま使うと収まりが良くなります。
注意点は、紙皿の表面加工です。撥水加工のある皿は糊が乗らないので、無地の紙皿か画用紙を丸く切ったものを使ってください。100円ショップの紙皿は加工の有無が商品によって違うため、購入前に裏面の表示を確認しておくと安心です。
案6:ちぎり絵で作る菱餅のタペストリー
ちぎり絵は、寸法も直線も要求されない数少ない技法です。視力が落ちている方でも、色さえ分かれば参加できます。
菱餅がちぎり絵に向いているのは、ピンク・白・緑という3色の面が明確に分かれているからです。台紙にあらかじめ菱形の輪郭と3本の区切り線を描いておけば、あとは「この段はピンクの紙を置いてください」と伝えるだけで作業が進みます。
作り方は、色画用紙を1辺30cmほどの菱形に切り、3段に区切ります。折り紙や和紙を2〜3cm角にちぎって、上からピンク・白・緑の順に貼っていきます。10人で取り組めば20分ほどで大きな1枚が仕上がり、壁面の中央に据える看板パーツになります。
ちぎる作業自体が指先の運動になりますが、量が多いと疲れが出ます。1人あたり15〜20片を目安にし、途中で「あと何枚」と見通しを伝えると、集中が続きやすくなります。
案7:手形スタンプの桃の木
手形を使った制作は、本人の身体そのものが作品に残る点で特別です。「今年の手形」として毎年残していく施設もあります。
手形が壁面に向くのは、大きな面積を短時間で埋められるからです。細かいパーツを何十個も貼るより、手形を並べたほうが遠目に映えます。茶色の絵の具で手形を押して幹と枝に見立て、その上にピンクの指スタンプで花を散らすと、桃の木が完成します。
準備するのは、水で落ちる絵の具、平らな皿、おしぼり、新聞紙です。1人あたりの所要時間は3分ほど。押した直後に必ず手を拭ける態勢を作っておくのが段取りの要点で、職員1人が「押す係」、もう1人が「拭く係」に分かれると流れが止まりません。
注意点は、皮膚が弱い方への配慮です。乾燥した手に絵の具が入り込むと、洗っても数日残ることがあります。心配な場合は、手にラップを巻いてからスタンプする、あるいは絵の具ではなくスタンプ台を使う方法に切り替えてください。
案8:トイレットペーパー芯の立体びな
芯を使った立体のおひなさまは、壁面から少し飛び出す立体装飾として使えます。棚やカウンターに置く飾りとしても兼用できます。
芯が使われるのは、円筒形が着物の胴体にちょうど合うからです。紙を巻き付けるだけで形になり、切ったり折ったりする工程がほとんどありません。施設で自然に集まる材料なので、費用もかかりません。
作り方は、芯に折り紙をぐるりと巻いて両面テープで留め、上に顔を貼るだけ。所要時間は1体5分ほどです。壁面に取り付ける場合は、芯を縦半分に切って平らな面を壁側にすると、厚みが半分になって落下しにくくなります。
注意点は、認知症のある方が口に入れてしまうリスクです。小さく切ったパーツや丸シールは特に注意が必要で、制作中は職員が座卓の上に出す量を管理してください。使わないパーツは箱にしまい、テーブルには進行中の分だけを出す運用が安全です。
| 案 | 材料費の目安 | 1個の所要時間 | 片手で可能か |
|---|---|---|---|
| 案1 三角おひなさま | 110円で20体 | 約7分 | 両手が必要 |
| 案2 じゃばら扇と梅 | 110円で15個 | 約5分 | 両手が必要 |
| 案3 桃の花 | 110円で60輪 | 約3分 | 両手が必要 |
| 案4 ぼんぼりと金屏風 | 220円で一式 | 約15分 | 分担なら可 |
| 案5 紙皿おひなさま | 110円で8体 | 約10分 | 片手で可能 |
| 案6 ちぎり絵の菱餅 | 220円で大判1枚 | 約20分(共同) | 片手で可能 |
| 案7 手形の桃の木 | 110円(絵の具) | 約3分 | 片手で可能 |
| 案8 芯の立体びな | 0円(芯は廃材) | 約5分 | 補助があれば可 |
※高齢者あんしんノート調べ。材料は100円ショップの110円商品を基準に算出した目安です
この8案は他の季節にも応用が利きます。背景を残してパーツだけ差し替える方式にすると、年間を通じて手間が減ります。

デイサービスや特別養護老人ホームの壁を前にして、「今月は何を貼ろう」と手が止まったことはありませんか。桜が終われば紫陽花、紫陽花が終われば花火、花火が終われば紅…
作りながら話したい由来と豆知識──会話が続く4つのネタ
制作中の沈黙を埋めるのに、由来の話は使い勝手が良い題材です。「知らなかった」と思ってもらえる話ほど、その場が温まります。
もともと女の子の行事ではなかった「上巳の節句」
ひな祭りは、最初から女の子のための行事だったわけではありません。起源は300年頃の古代中国で行われていた「上巳節」にさかのぼります。
五節句の2番目にあたる「上巳(じょうし)の節句」は、旧暦3月の最初の巳の日を指します。もともとは春を寿ぎ、無病息災を願う厄祓いの行事でした。人形(ひとがた)に厄を移して水に流す風習が、現在の流し雛につながっています。
これが女の子の行事になったのは、江戸時代の中期です。女の赤ちゃんが生まれたことを祝う初節句の風習が生まれ、女の子の誕生と健やかな成長を願う祭りへと変化しました。「桃の節句」と呼ばれるのは、旧暦の3月3日が桃の花の咲く時期と重なったことと、桃が邪気払いの縁起物とされてきたことによります。
制作中の話題としては、「昔は男の人も参加する厄払いの日だったそうですよ」と切り出すと、男性利用者が輪に入りやすくなります。厄除けという文脈なら、性別を問わず自分ごとになるからです。
菱餅の3色にこもった願い
菱餅のピンク・白・緑には、それぞれ意味があります。ちぎり絵で菱餅を作るときに紹介すると、色を貼る手が止まって話に集中する方が出てきます。
ピンク(赤)は魔除けと桃の花、白は清浄と雪、緑は健康と新芽や葉を表します。赤は太陽の色に通じて魔除けを意味し、桃は古代中国で厄払いや不老長寿の力を持つとされてきました。3色を重ねることで、健やかな成長と健康を祈る形になっています。
色の並び順は、下から緑・白・ピンクが一般的です。雪の下から新芽が出て、その上に桃の花が咲く春の情景を表すという説明が知られています。ちぎり絵の台紙を作るときは、この順番に合わせておくと説明がしやすくなります。
なお、地域によって並び順や色数が異なることもあります。「うちのほうでは違った」という声が出たら、それも正解として受け止めてください。行事の作法は地域差が大きく、どれか一つが正しいという性質のものではありません。
ひなあられは関東と関西で別のお菓子
ひなあられは、関東と関西でまったく違う食べ物です。この話題は、出身地の違う利用者さんが集まる施設で盛り上がります。
関東のひなあられは、米を爆ぜて作ったポン菓子を砂糖で味付けした甘いものです。一方、関西のひなあられは餅を砕いて焼いた直径1cmほどの丸いあられで、塩味や醤油味のほか、砂糖がけやチョコレートがけなど味の種類が豊富にあります。
どちらも菱餅を砕いて外に持ち出したのが始まりとされています。関西の餅を焼くタイプが古い形態と考えられており、関東のポン菓子タイプは米を炒った「おいり」という浄めの習わしに由来する可能性が指摘されています。3色は菱餅の色に由来し、黄色を加えた4色の場合はピンク=春、緑=夏、黄=秋、白=冬の四季を表します。
おやつの時間に両方を出して食べ比べる企画にすると、制作と食事レクがつながります。ただし、あられは硬く小さいため、嚥下機能に不安のある方への提供は必ず個別に判断してください。
男雛と女雛、左右はどちらが正解?
意外と知られていませんが、お内裏さまとお雛さまの左右に「唯一の正解」はありません。制作した人形を壁に貼る段になって職員同士で意見が割れることがありますが、どちらでも間違いではないのです。
関東では向かって左が男雛、右が女雛。京都をはじめとする関西の一部では、向かって右が男雛、左が女雛です。関東式は明治以降に西洋式の国際儀礼(男性が右)を取り入れたもので、京雛は古来の日本の作法で左が上位とされたことによります。
一般社団法人日本人形協会も、地域や家庭の習慣に合わせてよいという立場を示しています。日本人形協会「雛人形の飾り方」を確認しておくと、家族から質問されたときにも答えられます。
現場での使い方としては、「〇〇さんのご実家ではどちら向きでしたか」と尋ねる材料になります。関西出身の方から「うちは逆だった」という話が出れば、そこから故郷の話題に広がります。並べ方を利用者さんに決めてもらうのも、参加の一形態です。
ひな祭りの由来・菱餅の色・ひなあられの東西差・雛人形の左右──この4つを頭に入れておけば、制作の45分間は会話が途切れません。どれも「正解を教える」のではなく「そういう説がある」と幅を持たせて話すのが、地域差のある行事を扱うときのコツです。
いつ貼っていつ外す?2月から3月の段取りカレンダー
壁面飾りは、貼る時期と外す時期で印象が変わります。雛人形の作法をそのまま当てはめると、施設の行事予定にきれいに収まります。
立春から雨水までに飾るのが目安
雛人形を飾り始める時期は、立春(2月4日ごろ)から二十四節気の「雨水」(2月19日ごろ)までが目安とされています。壁面飾りもこの期間に合わせると、季節感がぴったり合います。
雨水が区切りとされるのは、雪が雨に変わり、寒さがゆるんで春が近づく日とされているためです。この日に雛人形を飾ると良縁に恵まれるという言い伝えもあり、飾り始めの日として選ばれてきました。
施設の運営に落とし込むと、2月上旬に材料を発注し、2月中旬の週にレクで制作、2月下旬に貼り出し、という流れになります。制作日を1日にまとめず、2〜3回に分けて別のグループに担当してもらうと、参加できる人数が増えます。
気をつけたいのは、2月14日前後のバレンタイン装飾との入れ替えです。前の飾りを外す日と、ひな祭りの飾りを貼る日が同じだと職員の負担が集中します。背景だけ残してパーツを差し替える設計にしておくと、入れ替えが30分で終わります。
年始から3月までの飾りの流れは、こちらの記事も参考になります。

年が明けて壁のカレンダーをめくったものの、「そういえば施設の壁がまだクリスマスのまま」「母の部屋にも何か季節のものを飾ってあげたい」——1月は、そんな小さな心残…
「一夜飾り」を避けるスケジュールの組み方
前日にあわてて飾る「一夜飾り」は縁起が良くないとされ、遅くとも1週間前までに飾り終えるのが望ましいとされています。
この慣習の背景には、準備を整えて神様や節句を迎えるという考え方があります。葬儀の準備が急ごしらえであることと対比され、祝い事の飾りを前夜に済ませるのは失礼にあたるという説明が一般的です。
2027年のひな祭りは3月3日(水曜日)です。1週間前は2月24日(水曜日)にあたるため、遅くともこの日までに貼り出しを終える計画にすると、慣習にも沿います。制作レクの日程は2月中旬の週に置くと、余裕を持って間に合います。
注意点としては、この慣習にこだわりすぎないことです。利用者さんの体調や職員のシフトによって予定がずれるのは日常茶飯事で、数日遅れても行事の価値は変わりません。「間に合わなかった」と職員が気に病むほうが、現場にとっては損失です。
3月3日を過ぎたら、いつ外すのが自然か
雛人形は「ひな祭りの後、なるべく早く片付ける」のが通例です。壁面飾りも、3月中旬までに外すと切り替えがきれいに決まります。
早く片付ける習わしの由来は、雛人形がもともと厄を引き受ける人形(ひとがた)だったことにあります。厄を移した人形をいつまでも置いておくと、厄が戻ってくると考えられてきました。「片付けが遅れると婚期が遅れる」という言い伝えは、この考え方が形を変えたものとされています。
ただし、厳格な決まりがあるわけではありません。片付けは晴れて乾燥した日に行うのが良いとされており、湿気の多い日を避けると保管中のカビや劣化を防げます。施設なら、3月上旬の晴れた日に外し、そのまま卒業・入学シーズンや桜の飾りに切り替えるのが自然な流れです。
注意したいのは、外すタイミングを利用者さんに伝えずに片付けてしまうことです。「自分が作ったものが急になくなった」と感じる方がいます。前日に「明日は次の飾りに変えますね」と一声かけるだけで、納得感がまったく違います。
外した飾りの保管と、来年への引き継ぎ
作った飾りを毎年ゼロから作り直すのは、材料費よりも職員の時間を消費します。保管の仕組みを作っておくと、翌年の負担が大きく減ります。
紙の飾りが傷む主な原因は、湿気と折れです。段ボール箱に無造作に入れると、翌年出したときに折れ跡やカビが出ています。A3サイズのクリアファイルや、書類用のフラットファイルに挟んで平らに保管すると、状態が保てます。
具体的には、行事ごとに透明の袋にまとめ、「ひな祭り/2026年制作/背景+おひなさま20体」といった内容を油性ペンで書いた札を入れておきます。翌年の担当者が中身を開けずに把握できるため、引き継ぎの手間が省けます。写真を1枚撮って一緒に入れておくと、配置まで再現できます。
注意点は、すべてを取っておこうとしないことです。手形など本人の記録として残す価値があるものと、消耗品として使い切るものを分け、後者は思い切って処分してください。倉庫が段ボールで埋まると、結局どこに何があるか分からなくなります。
よくある失敗4つと、その場でできる立て直し方
制作レクがうまくいかないときには、たいてい共通したパターンがあります。原因が分かっていれば、その場で立て直せます。
失敗パターン②:職員が「上手に作らせよう」として手を出しすぎる
最も多い失敗が、仕上がりを気にした職員が途中から作業を代行してしまうケースです。壁面はきれいになりますが、制作としては失敗しています。
「時間内に終わらせなければ」と焦った職員が、折り目を直す→代わりに折る→パーツを貼る、と作業を引き取ってしまう。利用者さんは手を止めて眺めるだけになり、完成しても「自分が作った」という実感が残らない。
対策:完成の期限をレクの時間内に置かないこと。「今日は折るところまで」「貼るのは来週」と2回に分ければ、代行する必要がなくなります。仕上がりの歪みは、あとから背景の配置で吸収できます。
職員が手を出したくなるのは、時間内に完成させる前提で計画しているからです。前提を変えれば、行動も変わります。制作を2〜3回に分割する設計にしておくと、焦りが消えて待てるようになります。
それでも手が止まっている方には、代わりに折るのではなく「ここを押さえていてください」と部分的な役割を渡します。作業の主導権を本人に残したまま支援できる形です。
細かすぎる工程で、15分で飽きられる
手数の多い工程を選ぶと、集中力が切れて途中離脱が起きます。目安として、1つの動作の繰り返しが15分を超えると離脱が始まります。
これは高齢者の集中力が低いという話ではなく、単調な作業を続けることへの意欲の問題です。同じ動きを延々と続けさせられると、作業の意味が見えなくなります。特に、パーツを何十個も量産する工程は要注意です。
対策は、工程を切り替えることです。桃の花を10輪作ったら、次はちぎり絵に移る。ちぎり絵に飽きたら、貼る作業に回る。1回のレクで2〜3種類の作業を用意し、席を移動せずに回せる配置にしておくと、45分間もちます。
もう一つの工夫は、途中経過を見せることです。作ったパーツを実際に背景に置いてみて「もう半分できましたね」と全体像を共有すると、作業の意味が戻ってきます。完成予想図を紙に描いて机の中央に置いておくのも有効です。
完成した飾りが「誰の作品か」わからなくなる
全員で作った壁面は、貼り終えると個人の痕跡が消えます。すると「自分は関わっていない」と感じる方が出てきます。
集団制作の弱点がここにあります。壁一面を10人で作ると、1人あたりの寄与は10分の1に見えます。ましてパーツが混ざってしまえば、どれが自分のものか本人にも分かりません。
対策として、パーツの裏に小さく名前を書いておく方法があります。表からは見えませんが、家族が来たときに「これはお母さんが作ったものです」と裏返して見せられます。手形の桃の木のように、本人の身体の痕跡が残る技法を1つ混ぜておくのも確実です。
面会時の説明も含めて設計してください。完成した壁面の写真を撮り、参加者の名前を添えて掲示するか、家族への連絡票に添付する。ここまでやって初めて、制作が本人の記録として残ります。
誤飲・誤食のリスクを見落とす
丸シール、ちぎった紙片、小さく切った金の折り紙──制作で使う細かいパーツは、認知症のある方にとって誤飲の対象になり得ます。
特に注意が必要なのは、食べ物に見えるパーツです。ピンクや白の丸い紙片は、ひなあられや菓子と見分けがつきにくいことがあります。おやつの時間と制作の時間が近いと、区別がつかなくなる方もいます。
具体的な対策は、テーブルに出す量を管理することです。使わないパーツは箱にしまい、進行中の分だけをテーブルに置く。制作前におやつを済ませない、制作テーブルに飲食物を置かない、といった運用も併せて決めておきます。
職員の配置も重要です。誤飲リスクの高い方の近くには、必ず1人配置する。目を離す必要が出たら、その方の前のパーツを一度下げる。手間に見えますが、事故が起きたときの影響を考えれば、あらかじめ決めておく価値があります。
まとめ:ひな祭りの壁面飾りは「作る時間」が主役
ひな祭りの壁面飾りは、完成品の美しさを競うものではありません。折り紙を折る手の動き、隣の人と交わす昔話、自分の名前が壁の脇に並ぶ誇り──その一つひとつが、施設で過ごす3月を少しだけ違うものにします。手が動きにくくても、視力が落ちていても、工程を分けさえすれば必ず担当できる部分があります。
今回紹介した8案は、どれも110円ショップの材料で完結します。折る4案(三角おひなさま・じゃばら扇・桃の花・ぼんぼり)と、折らない4案(紙皿おひなさま・ちぎり絵の菱餅・手形の桃の木・芯の立体びな)を組み合わせれば、参加できる方の幅が一気に広がります。
要点を整理すると、次のようになります。
- 壁面飾りの目的は館内の美化ではなく、利用者さんが「関わった」と実感すること
- 材料は折り紙・色画用紙・のり・はさみ・両面テープの5点で、10人分880円ほど
- 片手でできる3案(紙皿・ちぎり絵・手形)を必ず混ぜて、2ラインで進める
- クロスに直接強粘着テープを貼らず、マスキングテープを下地にする二段貼りにする
- 誘導灯・消火栓・スプリンクラーを覆わないか、貼る前に3点だけ目視する
- 飾るのは立春(2月4日ごろ)から雨水(2月19日ごろ)まで、外すのは3月中旬までが目安
- 2027年のひな祭りは3月3日(水曜日)。一夜飾りを避けるなら2月24日までに貼り終える
最初の一歩としておすすめなのは、8案すべてに手を出さず、まず「案3の桃の花」と「案6のちぎり絵の菱餅」の2つだけで組んでみることです。この2つは折り紙1袋と色画用紙数枚で始められ、片手の方も両手の方も同時に参加できます。桃の花を散らした背景に菱餅を1枚据えるだけで、壁面としては十分に成立します。慣れてきた年から、おひなさまやぼんぼりを足していけば負担になりません。
行事の作法には地域差があり、菱餅の色の順番も、雛人形の左右も、地方や家庭によって違います。「これが正解」と決めつけず、利用者さんの記憶のほうを正解として扱ってください。そのやりとり自体が、この行事のいちばんの中身です。制度や施設の防火に関わる判断で迷う場合は、所轄の消防署や自治体の担当窓口にご確認ください。

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