5月の壁面飾りは高齢者と作れる8案|110円材料でこいのぼり・母の日も簡単

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五月の連休が近づくと、施設の壁がまだ桜のまま——そんな場面に毎年ひやりとしている方は少なくありません。こいのぼりを貼るのは決まっているけれど、それだけでは寂しい。かといって、はさみを持てない方、指先に力が入らない方もいる中で、全員が参加できる飾りとなると急に難しくなります。

結論から言えば、5月の壁面飾りは「こどもの日」「母の日」「新緑と5月の花」の3本柱で組み立てれば迷いません。この3つを2案ずつ、さらに手指が動きにくい方向けの2案を足した合計8案があれば、どんな顔ぶれの施設でも1か月分の壁が埋まります。材料は110円ショップの折り紙・色画用紙・お花紙が中心で、1テーマあたり220〜330円が目安です。

この記事では、8つの飾りの作り方を工程ごとに紹介しながら、こいのぼりや菖蒲の由来といった「作りながら話せるネタ」もあわせてお伝えします。手を動かす時間が、そのまま昔話の時間になる。それが5月の壁面飾りのいちばんの値打ちです。

📝 この記事でわかること
・110円材料で作れる5月の壁面飾り8案の手順と所要時間
・手指の力が弱い方・車いすの方も参加できる工程の分け方
・こいのぼり・菖蒲・母の日の由来など、作りながら話せる小ネタ
・8案を難易度・時間・費用で比べた早わかり表と貼り替えのコツ
目次

5月の壁面飾りを高齢者と作るなら「行事・花・新緑」の3本柱で決まる

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5月はモチーフが多すぎて、かえって迷う月です。こいのぼり、かぶと、菖蒲、藤、つつじ、カーネーション、新茶——どれも定番で、どれから手をつけるか決まらないまま4月が終わってしまう。だからこそ、最初に柱を3本立ててしまうのが早道です。

迷ったら5月5日のこどもの日を軸にすれば外れない

5月の壁面は、こどもの日を中心に据えると全体がまとまります。こどもの日は5月5日の国民の祝日で、内閣府によれば「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」という趣旨が定められています。実は法律の文面に「母に感謝する」まで入っているので、こどもの日と母の日を同じ壁に並べても、テーマとしてはまったくちぐはぐになりません。

5月3日は憲法記念日、5月4日はみどりの日で、みどりの日は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」という趣旨です(出典:内閣府「国民の祝日について」)。新緑の若葉を壁に足す根拠は、この祝日の趣旨そのものにあるわけです。

ただし、こいのぼり一色にすると「うちには男の子はいなかったから」と、輪に入りにくい方が出てきます。柱を3本にしておくと、そういう方の居場所が壁の中に残ります。

母の日は毎年日付が動く|2026年は5月10日、2027年は5月9日

母の日は5月の第2日曜日なので、日付は毎年変わります。2026年は5月10日、2027年は5月9日です。「毎年5月10日ごろ」と覚えていると、掲示物の日付を書き間違えて貼り直すことになります。カレンダーで第2日曜を確認してから、飾りの完成日を逆算しましょう。

母の日の始まりは1908年、アメリカのアンナ・ジャービスが亡き母を偲ぶ追悼式を開き、参列者に白いカーネーションを配ったことだと伝えられています。100年以上前に、一人の娘の思いから始まった日だという話は、作業中の会話としてよく効きます。

気をつけたいのは、母親を早くに亡くした方、お子さんのいない方への配慮です。「お母さんに何を贈りましたか」ではなく「この時季に思い出す人はいますか」と広く聞くと、誰も置き去りになりません。

材料費は1テーマ220〜330円|110円ショップで揃う3点

5月の壁面に必要な材料は、折り紙・色画用紙・お花紙の3点でほぼ足ります。ダイソー・セリアとも折り紙と色画用紙は税込110円が基本で、ダイソーには特厚口画用紙の四ツ切4枚入り、八ツ切10枚入りが各110円で並んでいます。同じ110円でも店によって枚数・厚み・色数が違うので、大きな飾りが多い月は枚数より1枚のサイズを優先して選ぶと結果的に安く済みます。

1テーマあたりの実費は、折り紙1袋+色画用紙1袋で220円、お花紙を足しても330円が目安です。8案すべて作っても1,000円台に収まります。のり・両面テープ・丸シールは通年で使うので、年度初めにまとめ買いしておくと5月にあわてません。

買い足しでよくある失敗が、赤系だけ足りなくなることです。こいのぼり、かぶとの前立て、カーネーション、つつじと、5月は赤とピンクの消費量が突出します。赤・ピンクの折り紙は最初から2袋用意しておくと安心です。

貼り替えは前月末の午後に|30分×2回で終わる段取り

壁面の貼り替えは、月末の1日で全部やろうとすると必ず残業になります。おすすめは「前月の最終週に30分×2回」に分けるやり方です。1回目でパーツを作り置きし、2回目で古い飾りを外して貼る。この分割なら、レクリエーションの時間内に収まります。

パーツ作りは利用者の方と、貼り付けは職員が脚立を使って、と役割を分けるのが現実的です。高い位置の作業は転倒事故につながるため、利用者の方には座ったままできる工程だけをお願いします。

季節の先取りも大切です。5月の飾りは4月末には貼り終える。桜が散ってからこいのぼりを作り始めると、完成する頃には連休が終わっています。

✅ 5月の壁面 準備チェックリスト
  • ☑ 折り紙(赤・ピンクは2袋)・色画用紙・お花紙を揃えた
  • ☐ 今年の母の日が第2日曜の何日か確認した
  • ☐ パーツ作りの日と貼り付けの日を分けて予定に入れた
  • ☐ はさみを使わない工程を1つ以上用意した
  • ☐ 4月末までに貼り終える日程になっている

1年を通した壁面の回し方や、貼り替えを5分で終わらせる土台の作り方は、こちらの記事でまとめています。

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こどもの日の飾り2案|うろこ貼りのこいのぼりと新聞紙のかぶと

柱の1本目は、やはりこどもの日です。ここでの狙いは「見栄えの派手さ」ではなく「工程の単純さ」。同じ動作の繰り返しで完成する形にすると、手が思うように動かない方でも最後まで参加できます。

【1案目】うろこ貼りのこいのぼり|3人で30分、失敗しようがない

色画用紙で長さ60cmほどの鯉の胴体を切り出し、そこに折り紙を丸く切ったうろこを重ねて貼っていくだけの飾りです。うろこは1枚ずつ少しずらして下から上へ貼ると、それらしく見えます。3人がかりで30分、鯉2匹分が仕上がります。

この作り方が高齢者向けに向いているのは、貼る位置が多少ずれても完成度が下がらないからです。折り目を合わせる工程がゼロなので、「うまく折れない」という挫折が起きません。うろこの丸は職員が事前に円切りカッターで抜いておくか、丸シールで代用すれば、はさみを使わずに済みます。

注意したいのは、うろこの色を1色でそろえてしまうこと。同系色の3トーン(濃い赤・朱・薄紅など)を混ぜると、遠くから見たときの立体感が段違いになります。真鯉は黒に金や銀を1割混ぜると光を拾います。

【2案目】新聞紙のかぶと|大きく折るほど手が震えても仕上がる

かぶとは折り紙の定番ですが、15cm角の折り紙で折ると指先の細かい作業が続き、途中で手が止まる方が出ます。そこで新聞紙を正方形に切って折るやり方に変えます。紙が大きいぶん折り目を押さえやすく、手が震えても角が合います。

折り上がったかぶとに金色の折り紙で前立てを付け、壁面の中央上部に配置すると、こいのぼりの群れを見下ろす構図になります。新聞紙のままだと生活感が出るので、表面に薄墨色や紺の画用紙を貼るか、金の折り紙を細く切って縁取ると引き締まります。

かぶとを飾る風習は、菖蒲とともに武家の厄除けから広がったものです。折りながら「昔は五月人形を飾りましたか」と聞くと、床の間の話、兄弟の話へと自然に広がっていきます。

こいのぼりが「出世の魚」になった理由を話すと手が止まらなくなる

こいのぼりの由来は、中国の正史『後漢書』にある登竜門の故事です。黄河の竜門という急流の滝を多くの魚が登ろうとして、鯉だけが登り切って竜になったと伝えられ、そこから鯉の滝登りが立身出世の象徴になりました。江戸時代には町人層を中心に広まり、明治初期ごろまでは黒い真鯉を一匹だけ掲げるのが基本だったといいます。

端午の節句そのものは奈良時代に中国から伝わりました。「端」は初めという意味で、5月の最初の午(うま)の日を指していたものが、「午」と「五」の読みが同じことから5月5日に定着したとされます。強い香りが邪気を払うと信じられた菖蒲を軒下に吊るし、菖蒲湯に入る風習もここから生まれました。1948年の祝日法公布によって、男の子だけでなくすべての子どもの幸福を願う「こどもの日」になっています。

この話をしてから作業に入ると、「うちは鯉が3匹だった」「屋根より高く上げられなかった」と記憶がつながっていきます。手を動かす時間より、話す時間のほうが長くなる日があっても構いません。

💡 暮らしの知恵
こいのぼりの吹き流しは、五色(青・赤・黄・白・黒)で邪気を払う意味を持つとされます。壁面で色に迷ったら吹き流しだけこの5色にすると、全体の色数が自然にまとまり、うろこの色選びも楽になります。

母の日の飾り2案|カーネーションと「ありがとう」の寄せ書き

母の日の飾り2案|カーネーションと「ありがとう」の寄せ書きの解説画像

柱の2本目は母の日です。壁の右半分を母の日コーナーにして、こいのぼりと分けて配置すると、見る人の目線が散らずに済みます。

【3案目】お花紙のカーネーション|1輪90秒、色で意味が変わる

お花紙を6枚ほど重ねて蛇腹に折り、中央を輪ゴムで留めて1枚ずつ起こすだけで、直径10cmほどのカーネーションになります。慣れれば1輪90秒。花びらの縁をぎざぎざに切ると、より本物に近づきます。

色を選ぶときに、花言葉を添えると会話が生まれます。赤は「母の愛」「愛を信じる」、ピンクは「感謝」「上品」「温かい心」、白は「純潔の愛」「尊敬」、そして母の日の始まりにちなんで「亡き母を偲ぶ」という意味も持ちます。白を選んだ方に理由を尋ねると、静かな思い出話が始まることがあります。

蛇腹折りは握力が要るので、輪ゴムで留める工程は職員が引き受けるとつまずきません。花びらを起こす作業は指先だけでできるため、力が弱い方にお願いする工程として最適です。

【4案目】ありがとうカードの壁面|字が書けない方はスタンプで参加

はがき大の色画用紙に一言ずつ書いて、壁一面に貼る形式です。「ありがとう」「元気でいてね」といった短い言葉でよく、書けない方には日付スタンプや指スタンプの花を押してもらいます。20枚ほど並ぶと、壁全体が一つの作品になります。

この飾りの利点は、面会に来たご家族が自分の親の字を探せることです。カードの隅に小さく名前を入れておくと、面会時の会話が「これ、お母さんが書いたんですね」から始まります。壁面飾りが家族との接点になる瞬間です。

注意点は、字の上手下手が目に見えてしまうこと。震える字を気にして参加をためらう方には、太めのフェルトペンを渡すと線が安定して見えます。マス目のある用紙にすると、かえって字の乱れが目立つので、無地の紙のほうが向いています。

⚠️ よくある失敗①:男性利用者が手持ち無沙汰になる
母の日のカーネーション作りは、男性の参加率が下がりやすい工程です。原因は「花を作る=女性の作業」という思い込みが場に流れること。対策は、男性には土台の枠組み・台紙の色分け・完成品の配置決めといった「設計側」の役割を最初から割り振ること。「どこに貼ると見栄えがいいか決めてください」と頼むと、参加率が変わります。
✅ お花紙カーネーションの作り方
  1. Step1: お花紙6枚を重ね、幅2cmほどの蛇腹に折る
  2. Step2: 中央を輪ゴムで固く留め、両端をぎざぎざに切る
  3. Step3: 片側から1枚ずつ、内側に起こすように立てる
  4. Step4: 反対側も同様に起こし、緑の画用紙のガクと茎を貼る

5月の花と新緑で作る飾り2案|垂れる藤棚と丸シールのつつじ

柱の3本目は、季節そのものです。行事の飾りだけだと5月5日を過ぎた壁が急に古びて見えます。花と新緑を組み込んでおくと、連休明けからの3週間も壁が生き続けます。

【5案目】紙テープの藤棚|垂らすだけで立体感が出る

藤は5月の壁面で最も見栄えのする題材です。紫のお花紙を小さく丸めた粒を、紙テープや毛糸に上から下へ、大きい粒から小さい粒の順に貼っていきます。長さ40cmほどの房を5〜6本作って横木から吊るすと、それだけで壁が立体になります。

藤の見頃は4月上旬から5月中旬で、最も美しいのは5月とされます。連休のころに貼ると実際の季節とぴったり重なるので、外出できない方にも「今、外はこうなっている」が伝わります。

粒を丸める作業は指先の運動そのもので、片手でもできます。会話しながら20分続ければ、房1本分の粒が貯まります。丸めた粒を紙皿に集めておき、貼り付けは別の日に回しても構いません。

【6案目】丸シールのつつじ|はさみを使わず30分で満開

つつじは、110円ショップの丸シールだけで作れます。緑の画用紙で株の形を作り、そこにピンク・赤・白の丸シールを密に貼っていくだけ。5枚のシールを花の形に並べれば一輪になり、離れて見ると満開の株に見えます。

この案の値打ちは、刃物を一切使わないことです。認知症のある方や、はさみの扱いが不安な方にも安心してお願いできます。シールの台紙から剥がす動作が難しい場合は、あらかじめ縁を少し浮かせておくと自分で剥がせます。

つつじの見頃は4月中旬から5月上旬なので、藤より少し早めです。5月後半まで飾るなら、つつじの株を少しずつ減らして緑の若葉を足していくと、季節の進み方まで壁で表現できます。

花菖蒲を5月に貼ると季節が半月ずれる|見頃は6月

意外と知られていないのですが、端午の節句の「菖蒲」と、花の「花菖蒲」は別物です。節句で菖蒲湯に使うのはサトイモ科の菖蒲で、花は地味な棒状。壁面でよく描かれる紫の大きな花は花菖蒲で、見頃は6月上旬から下旬です。

つまり、5月の壁に紫の花菖蒲を大きく貼ると、外の景色と半月ほどずれます。厳密に合わせる必要はありませんが、園芸に詳しい利用者の方から「まだ咲いてないよ」と指摘されることは実際にあります。5月は葉菖蒲の細い葉をかぶとの脇に添える程度にとどめ、花菖蒲は6月の壁面に回すときれいに切り替わります。

逆に言えば、この違いを説明できると壁面の説得力が上がります。菖蒲の葉は刀の形に似ているため武家に好まれた、という一言を添えるだけで、細い葉が1本増えるだけの飾りに意味が生まれます。

よくある失敗②:藤を1色で作ると平べったく見える

藤棚を作った施設で最も多い失敗が、紫のお花紙1色で全部の粒を作ってしまうことです。原因は、材料を色ごとに1袋だけ買うから。結果として、壁に貼った時に房が影のない一枚の面に見え、写真に撮っても藤とわかりません。

対策は、濃紫・薄紫・白の3色を混ぜ、房の上部に濃い色、先端に近づくほど薄い色を置くことです。白を全体の1割ほど散らすと光が当たっているように見えます。すでに1色で作ってしまった場合は、房の先端3分の1だけ白い粒に差し替えると立ち上がります。

📊 データで見る
5月2日ごろは「八十八夜」にあたります。立春から数えて88日目にあたる雑節で、2026年・2027年はいずれも5月2日。新茶の茶摘みの目安とされ、「夏も近づく八十八夜」の唱歌でも知られます。壁面の隅に茶畑と茶摘み娘を添えると、こどもの日一色になりがちな5月の壁に落ち着きが加わります。

手指の力が弱い方も主役になれる飾り2案

手指の力が弱い方も主役になれる飾り2案の解説画像

ここまでの6案でも参加が難しい方はいます。指先に力が入らない、片麻痺がある、車いすから壁に手が届かない——そうした方が「見ているだけ」になる時間を減らすための2案です。

【7案目】手形・指スタンプの若葉の木|ベッドサイドでも作れる

大きめの模造紙に幹を描き、緑の絵の具をつけた手のひらを押して葉を作ります。手を広げられない方は、親指1本のスタンプでも構いません。20人分の手形が集まると、幅1mを超える大きな1本の木になります。

この案の強みは、居室のベッドサイドでも工程が完結することです。フロアに出られない方の分だけ職員が紙を持って回れば、その方も壁面の作者になります。名前を小さく添えておくと、ご家族が面会の時に必ず探します。

絵の具は水性で、手をすぐ拭ける準備をしてから始めます。皮膚が弱い方には水彩絵の具より、スタンプ台のインクのほうが落としやすい場合があります。作業後は必ず手を洗い、爪の間まで確認しましょう。

【8案目】ちぎり絵の柏餅とちまき|八十八夜のお茶とセットで

茶色と緑の折り紙を手でちぎり、柏餅とちまきの形の台紙に貼っていく飾りです。はさみものりの細かい調整も不要で、ちぎる動作だけで進みます。片手しか使えない方は、紙を職員が押さえれば同じ工程に加われます。

柏餅は、柏の葉が新芽が出るまで古い葉を落とさないことから「家系が絶えない」縁起物とされます。ちまきは中国から伝わった厄除けの由来を持ち、関西では柏餅よりちまきが主流という地域差もあります。「そちらではどっちでしたか」と聞くと、出身地の話が広がります。

湯のみと急須のちぎり絵を隣に添えれば、八十八夜の新茶とつながります。柏餅・ちまき・お茶が並ぶ壁は、食の記憶を刺激するため、昼食前に見上げる位置に貼るのがおすすめです。

📝 押さえておきたいポイント
工程を「切る・貼る・並べる」の3役に分けると、全員に仕事が生まれます。はさみが使える方は切る係、指先が動く方は貼る係、手が動かなくても目と口が達者な方は「どこに置くか決める係」。配置を決める役は責任もあり、完成後の満足度がいちばん高い役割です。

壁面以外にも、110円の材料で見栄えのする工作はいくつもあります。時間が余った日の一品として、こちらも参考にしてください。

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8案を難易度・時間・費用で比べた早わかり表

どれから手をつけるか迷ったときのために、8案を横並びで比べられるようにまとめました。人数は10人規模のレクリエーションを想定しています。

高齢者あんしんノート調べ|5月の壁面飾り8案 比較表

飾り難易度所要時間材料費はさみ
1. うろこ貼りこいのぼり30分220円不要
2. 新聞紙のかぶと20分110円少し
3. お花紙のカーネーション40分330円少し
4. ありがとうカード20分220円不要
5. 紙テープの藤棚60分330円不要
6. 丸シールのつつじ30分220円不要
7. 手形の若葉の木40分220円不要
8. ちぎり絵の柏餅・ちまき30分110円不要

材料費は110円ショップの税込価格をもとにした目安で、のり・テープ類は含みません。所要時間は10人で分担した場合の実作業時間です。

初めての施設は「うろこ貼り」と「丸シール」から始める

その年に初めて壁面作りを取り入れる施設なら、1案目のうろこ貼りこいのぼりと6案目の丸シールつつじの2つだけで始めるのが無難です。どちらも刃物を使わず、貼る位置が多少ずれても完成品が破綻しません。

この2案で場の空気をつかんでから、翌週に藤棚やカーネーションといった手数のかかる案に進みます。最初に難しい案を持ってくると「私には無理」と離脱する方が出て、翌月以降の参加率まで落ちてしまいます。

参加人数が5人以下の日は、所要時間を1.5倍で見積もってください。表の時間は10人で分担した前提なので、少人数だと藤棚1本に90分かかることもあります。

貼り方はマスキングテープが正解|壁を傷めず貼り替えも速い

完成した飾りを壁に留めるとき、両面テープを使うと剥がすときに壁紙まで持っていかれます。おすすめは、幅の広いマスキングテープを裏面に輪にして貼る方法です。粘着力は十分で、剥がすときに跡が残りません。

毎年使い回す土台(藤棚の横木、木の幹など)には、面ファスナーを壁側に貼りっぱなしにしておくと、翌年の貼り替えが5分で終わります。土台を残してパーツだけ差し替える発想に切り替えると、毎月の負担が目に見えて減ります。

ただし、賃貸物件や借り上げの施設では壁への直貼りが規約で制限されている場合があります。掲示板やパーテーションに模造紙を1枚貼り、その上に飾りを構成すると、壁に一切触れずに済みます。

遠くから見て伝わるサイズは1モチーフ20cm以上

壁面飾りは、車いすに座った位置から3〜5m離れて見上げるものです。細かい飾りをたくさん作っても、その距離では模様の集合にしか見えません。主役になるモチーフは20cm以上、こいのぼりなら60cm以上を目安にします。

色のコントラストも大切です。白い壁にパステルカラーだけを並べると輪郭がぼやけます。濃い色の台紙を1枚敷いてからパーツを貼ると、視力が落ちた方にも形が伝わります。

⚠️ 気をつけたいこと
飾りを天井近くまで高く貼ると、車いすの方の視野から外れます。目線の高さは床から120〜140cmが中心です。作品の主役はこの高さの帯に集め、上部には空や雲といった背景を置くと、座ったままでも全体が見えます。

作りながら思い出話が広がる|壁面作りを回想法として活かす

5月の壁面飾りの本当の値打ちは、完成品ではなく作っている最中の会話にあります。手を動かしながらの昔話は、意識して「回想法」として設計すると効果が変わります。

回想法とは|1960年代に提唱された、語り合う心理療法

回想法は、昔の写真や音楽、使い慣れた生活用品などに触れながら過去の経験を語り合う心理療法で、1960年代にアメリカの精神科医ロバート・バトラーが提唱しました。1対1で行う個人回想法と、10名前後にスタッフ2名が付いて8〜10回のコースで行うグループ回想法があります。

期待される効果として、活動性・自発性・集中力の向上、精神的な安定、不安や孤独感の軽減などが挙げられています(出典:健康長寿ネット「回想法」)。壁面作りは、季節の道具と手作業と会話が同時にそろう場なので、構えずに回想法の要素を取り入れられます。

注意したいのは、思い出したくない記憶に触れる場合があることです。話したがらない様子が見えたら深追いせず、手元の作業に話題を戻します。全員に均等に話させようとしないほうが、場は穏やかに進みます。

5月ならこう聞く|そのまま使える質問例10

質問は「はい・いいえ」で終わらない形にすると会話が続きます。5月の壁面作りで使いやすいのは次のような問いかけです。

①こいのぼりは何匹上げていましたか ②柏餅とちまき、どちらが多かったですか ③菖蒲湯には入りましたか ④五月人形はどこに飾っていましたか ⑤子どものころの連休は何をして過ごしましたか ⑥新茶はどこのものを飲んでいましたか ⑦田植えの手伝いはしましたか ⑧藤やつつじの名所に出かけたことは ⑨母の日にお母さんへ何かしましたか ⑩5月といえば何の匂いを思い出しますか

特に強いのは⑩の匂いの質問です。菖蒲湯、新茶、草いきれ、田んぼの水——匂いの記憶は言葉より深いところに残っていて、ふだん口数の少ない方が急に語り出すことがあります。

写真を1枚撮っておくと、家族との会話が変わる

完成した壁面と作った方が一緒に写った写真を1枚撮り、面会時にご家族へ見せる、あるいは施設だよりに載せる。これだけで、家族の来訪時の第一声が変わります。「調子はどう」から「これ、お母さんが作ったんですね」に変わると、その後の会話が続きやすくなります。

掲示や配布に写真を使う場合は、必ず事前に本人とご家族の同意を取ります。同意が取れない方は、手元だけを写す、後ろ姿にするなど工夫すれば、同じ場面を残せます。

作った方の名前を作品の脇に小さく添えるのも有効です。「◯◯さん作」の一言があるだけで、廊下を通るたびに立ち止まる方が増えます。

💡 暮らしの知恵
自宅で介護をしているご家庭でも、壁面飾りは応用できます。大きな壁は要りません。冷蔵庫の扉や玄関の一角に、こいのぼりを2匹とカーネーションを3輪貼るだけで十分です。ご家族が「今月は何を貼ろうか」と一緒に考える時間そのものが、いちばんの効き目になります。

手を動かすレクが難しい日は、座ったままできる遊びに切り替えるのも一つです。道具のいらないレクをまとめた記事もあわせてどうぞ。

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まとめ|5月の壁面は「こどもの日・母の日・新緑」の3本柱で組み立てる

🍀 この記事の結論

5月の壁面飾りは、こどもの日・母の日・新緑の3本柱を2案ずつ組めば1か月もつ。材料は110円ショップで1テーマ220〜330円。

✅ 要点チェック
  • まず作る2案:うろこ貼りこいのぼりと丸シールつつじ
  • 母の日:第2日曜。2026年5月10日、2027年5月9日
  • 参加の工夫:切る・貼る・並べるの3役に分ける
  • 見え方:主役は20cm以上、目線は床から120〜140cm
  • 貼り方:マスキングテープと面ファスナーで壁を守る

5月の壁面飾りは、こどもの日・母の日・新緑と5月の花という3本柱で考えると、モチーフ選びで迷う時間がなくなります。今回紹介した8案は、いずれも110円ショップの折り紙・色画用紙・お花紙・丸シールで作れるものばかりで、8案すべてを作っても材料費は1,000円台に収まります。

大切なのは、完成度より参加のしやすさです。うろこは多少ずれてもいい、字が震えてもいい、丸めた粒がいびつでもいい。そう決めておくと、これまで見ているだけだった方が手を伸ばします。切る人・貼る人・配置を決める人と役割を分ければ、指先が動かない方にも必ず仕事が生まれます。

そして、作っている最中の会話こそが本体です。こいのぼりが登竜門の故事から来ていること、菖蒲が邪気を払うと信じられてきたこと、母の日が1908年に一人の娘の思いから始まったこと——こうした話を一つ添えるだけで、手元の作業が思い出話の入り口に変わります。

最初の一歩は、110円ショップで折り紙を1袋、赤とピンクを2袋ずつ買ってくること。それだけで、うろこ貼りのこいのぼりは今日から始められます。4月の最終週に30分の時間を2回、予定表に書き込んでおきましょう。連休前に壁が変わっているだけで、施設の空気は驚くほど明るくなります。

なお、行事の日付や花の見頃は年によって前後します。掲示物に日付を書く場合は、最新情報を公式サイトやカレンダーでご確認ください。

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この記事を書いた人

シニア世代の暮らしに役立つ情報を発信中。孫へのお祝いマナーや冠婚葬祭のしきたり、健康管理や終活の準備まで、日常の「困った」を解決する記事を心がけています。ご家族の方にも読んでいただける、安心できる情報源を目指しています。

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