「そろそろ身の回りを片付けておかないと」と思いながら、押し入れを開けては閉じる。そんな日が続いていませんか。終活の身辺整理は、やることが多そうに見えて、どこから手をつければいいのか分からなくなりやすい作業です。子どもに迷惑をかけたくない気持ちと、まだ早いのではという気持ちが、同時に胸の中にあるのも自然なことです。
先に結論をお伝えすると、身辺整理は「物・お金・デジタル・契約・人間関係・重要書類」の6項目に分けて、完璧を目指さず1日15分から始めるのがいちばん続きます。そして最初の一歩は、押し入れではなくエンディングノートを開くこと。書きながら「何が家のどこにあるか」を洗い出すと、片付けの順番が自然に見えてきます。
この記事では、身辺整理と生前整理・断捨離の違いから、6項目それぞれの進め方、捨ててはいけない物、遺言書や相続税の基礎知識、スマホやネットの「見えない持ち物」の扱い方、医療の希望を家族に伝える方法までを順にまとめました。お茶でも飲みながら、気になるところから読んでみてください。
・終活の身辺整理で整理すべき6項目と、手をつける順番
・捨てていい物・捨ててはいけない物の見分け方
・遺言書の種類と費用、相続税の基礎控除の考え方
・スマホやSNSなどデジタル資産と、医療の希望の残し方
終活身辺整理とは?生前整理や断捨離と何が違うのか

身辺整理は「物」だけでなく「人生の棚卸し」
終活における身辺整理とは、身の回りにある物だけでなく、人間関係や財産なども含めて整理し、見つめ直す作業のことです。押し入れの片付けを思い浮かべる方が多いのですが、実際には通帳や保険証券の所在、スマホのパスワード、年賀状のやり取りをしている相手まで、「自分に何かあったとき、家族が困るもの」全体が対象になります。
こうした考え方が広まった背景には、単身や夫婦のみの高齢世帯が増え、離れて暮らす子どもが親の持ち物や契約を把握しきれなくなった事情があります。昔は同居の家族が自然と知っていた「どこの銀行に口座があるか」「どこの保険に入っているか」が、今は本人の頭の中にしかない、ということが珍しくありません。
具体的には、物の整理(衣類・書籍・思い出の品)、お金と財産(預貯金・不動産・保険・ローン)、デジタル情報(パソコン・スマホ・各種アカウント)、契約サービス(サブスクリプション・公共料金)、人間関係(連絡先リスト・感謝のメッセージ)、重要書類(権利書・証券・本人確認書類)の6つに分けて考えると、全体像がつかみやすくなります。
ただし、6項目すべてを同じ熱量でやる必要はありません。持ち家か賃貸か、子どもが近くにいるか、おひとりさまかによって、優先すべき項目は変わります。「全部やらなければ」と構えるより、自分の暮らしで家族が困りそうなところから順に片付けていく、くらいの気持ちで十分です。
生前整理・断捨離との違いを一覧で整理
身辺整理・生前整理・断捨離は似た言葉ですが、目的と範囲が少しずつ違います。混同したまま始めると、「物を捨てたのに家族は結局困った」ということが起こりやすいので、最初に整理しておきましょう。
断捨離は、ヨガの思想に基づいた考え方で、不要なものを断ち切り、ものへの執着心をなくすことでシンプルに暮らすことを目指すものです。主役は「今の自分の暮らし」で、対象は主に物です。一方、生前整理は亡くなる前に財産や持ち物を片付けておくことを指し、終活の身辺整理はそれに人間関係や医療・葬儀の希望まで加えた、より広い範囲の準備と考えると分かりやすいでしょう。
| 言葉 | 主な目的 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 断捨離 | 今の暮らしをシンプルにする | 物・執着心 |
| 生前整理 | 元気なうちに持ち物と財産を片付ける | 物・財産 |
| 終活の身辺整理 | 家族の負担を減らし、自分の希望を伝える | 物・お金・デジタル・契約・人間関係・書類 |
とはいえ、言葉の定義に厳密な決まりがあるわけではなく、本や業者によって使い方が少し違います。呼び方にこだわるより、「自分は今どこまでやりたいのか」を決めておくことのほうが大切です。
家族にとってのメリットは「探す手間」と「迷う気持ち」が減ること
身辺整理のいちばんのメリットは、残された家族の物理的・精神的な負担を大幅に軽くできることです。物の量が減れば片付けの手間が減りますが、それ以上に大きいのが「これは捨てていいのか」「どこに何があるのか」と迷う時間がなくなることです。
家族が困るのは、実は物の多さよりも情報がないことです。たとえば通帳が見つからないまま口座を探す、請求書が届いて初めて契約の存在を知る、大切にしていた品かどうか分からず処分をためらう。こうした一つひとつの迷いが、悲しみの中にいる家族にとって重い負担になります。
整理の結果を「一覧」にして残しておけば、家族はそれを見て手続きを進めるだけで済みます。物を減らすことと、情報を残すこと。この2つがそろって、はじめて「家族を困らせない身辺整理」になります。
なお、家族のために頑張りすぎて、思い出の品まで手放してしまう必要はありません。残したい物は「残す理由」を書き添えておけば、家族はむしろ安心して受け取れます。捨てることだけが身辺整理ではない、と覚えておいてください。

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自分にとってのメリットは「今の暮らし」が軽くなること
身辺整理は家族のためだけのものではありません。自分の価値観や大切なものを見つめ直す機会になり、今の生活の快適さと安全性が高まるという、自分自身へのメリットもあります。
床に積まれた本や段ボールが減れば、つまずきや転倒のきっかけが減り、地震のときに物が倒れてくる心配も小さくなります。身辺整理は防災対策にもつながる、ということです。年齢を重ねるほど、この「今の安全」の意味は大きくなっていきます。
また、持ち物を一つずつ手に取っていくと、「自分はこういうことを大事にしてきたんだな」と気づく瞬間があります。趣味の道具、仕事の記念品、旅先で買った置物。どれを残すかを選ぶ作業は、これからの時間をどう過ごしたいかを考える作業でもあります。
ただ、気持ちが沈んでいる時期に無理に始めると、「終わりの準備」という印象ばかりが強くなってしまうこともあります。気が乗らない日は休んでかまいません。「これからを身軽に過ごすための片付け」と捉えられる日に、少しずつ進めていきましょう。
身辺整理はいつから始める?「元気なうち」が合言葉になる理由
最適なタイミングは「体力と判断力があるうち」
身辺整理を始める時期に、決まった年齢はありません。目安としてよく言われるのは「元気で、体力と判断力があるうち」です。60代でも70代でも、「そろそろ」と思った今がそのタイミングと考えてよいでしょう。
理由はシンプルで、身辺整理には体と頭の両方を使うからです。重い箱を運ぶ、押し入れの奥から物を出す、といった体力仕事に加えて、「これは残す」「これは手放す」「この口座はまとめる」と判断し続ける作業でもあります。体力だけ、判断力だけでは進みません。
たとえば、退職して時間ができた時期、子どもが独立した時期、還暦や古希といった節目、引っ越しや住み替えを考え始めた時期は、始めるきっかけとして自然です。家族が集まるお盆や年末年始に「実はこんなことを考えている」と話してみるのも一つの方法です。
注意したいのは、「もう少し落ち着いたら」と先延ばしにしているうちに、体調を崩して片付けどころではなくなるケースです。完璧な準備が整う日は来ないと考え、思い立った週のうちに、引き出し一つからでも手をつけておくのがおすすめです。
「1日15分」が続く人と挫折する人の分かれ道
身辺整理を続けるコツは、完璧を目指さず、1日15分から始めることです。休日に丸一日かけて一気に片付けようとすると、たいてい途中で疲れて、部屋が「出しっぱなし」の状態で止まってしまいます。
15分という短さには意味があります。短い時間なら、今日やる場所を「この引き出し一段」「この棚の一列」と小さく区切れます。小さく区切れば判断の数も少なく、疲れる前に終わります。終わったという手応えが、翌日も続ける気持ちにつながります。
具体的には、朝のお茶のあと、夕方のニュースの前など、毎日の習慣とセットにしておくと忘れにくくなります。キッチンタイマーをかけて、鳴ったら途中でもやめる。やめた場所には付箋を貼って、明日の続きがすぐ分かるようにしておきます。
一方で、15分の枠にこだわりすぎる必要もありません。調子の良い日は30分続けてもいいですし、疲れた日は5分で切り上げても構いません。大切なのは「毎日少しずつ触れる」ことで、時間の長さではありません。週に何日できたかを手帳に丸で記録すると、続いている実感が持てます。
片付けは「出したら、その日のうちに戻す」が鉄則です。15分で終わらない量を一度に出すと、床に物があふれて危なくなります。引き出しなら一段、紙類なら封筒一つ分など、15分で戻せる量だけ出すようにすると、途中でやめても部屋が散らからずに済みます。
体調を崩してからでは、家族の負担がむしろ増える
「まだ自分でできるから大丈夫」と思っていても、入院や介護が必要になると、身辺整理は一気に家族の仕事になります。その時点では本人に確認できないことも多く、家族は推測で判断するしかありません。
背景にあるのは、判断を本人しかできない物が意外と多いという事実です。どの写真を残したいか、どの人に訃報を知らせてほしいか、趣味のコレクションを誰に譲りたいか。こうしたことは、家族がどれだけ親身になっても、本人の意思なしには決められません。
たとえば、急な入院で「保険証券はどこ?」「かかりつけの病院はどこ?」と家族が慌てる場面はよくあります。財産や契約の情報を一覧にしておくだけでも、こうした場面の混乱は大きく減らせます。身辺整理の中でも、情報の整理は体力を使わないので、先に進めておく価値があります。
ただし、体調を崩してから始めても「遅すぎる」ということはありません。できる範囲で、ノートに少し書き残すだけでも家族には十分な手がかりになります。できないことは家族に頼み、判断が必要なところだけ自分で決める、という役割分担も一つの形です。
家族に「身辺整理を始める」と伝えておく
身辺整理を始めるときは、できれば家族に一言伝えておきましょう。黙って進めるより、家族を巻き込んだほうが結果的に早く、揉めごとも少なくなります。
理由の一つは、家族にとって意味のある物が混じっていることです。自分にとっては古いアルバムでも、子どもにとっては大事な記録かもしれません。黙って処分したあとで「あれは欲しかった」と言われると、お互いに気まずい思いをします。
伝え方は大げさでなくて構いません。「最近、押し入れを少しずつ片付けているの。欲しい物があったら言ってね」くらいの軽い言い方で十分です。電話やLINEで、片付けた棚の写真を送るのも、会話のきっかけになります。
家族によっては、終活の話題そのものを嫌がる場合もあります。「縁起でもない」と言われたら、「これからを身軽に暮らすための片付け」と言い換えてみてください。無理に話し合いの場を設けるより、日常の会話の中で少しずつ共有していくほうがうまくいくことも多いものです。
整理すべき6項目と、あんしんノート流の手をつける順番

まずはエンディングノートを開くのが近道
身辺整理の最初の一歩は、押し入れの片付けではなく、エンディングノートの作成から始めるのがおすすめです。書きながら自分の持ち物や契約を洗い出すことで、何をどの順番で整理すべきかが見えてきます。
エンディングノートは、万が一のことがあった場合に、家族に必要な情報や希望を伝えるためのノートです。「終活ノート」「もしもノート」とも呼ばれます。遺言書と違って法的な効力はありませんが、そのぶん形式が自由で、思いついたところから書き始められます。
主な記入項目は、基本情報、人生の記録、財産情報、契約情報、医療情報、葬儀・埋葬の希望、相続についての考え、大切な人へのメッセージ、ペットのこと、デジタルデータの情報、遺言書の有無などです。入手方法は、市販のノート、市役所などが無料で配布している版、パソコンのWordテンプレート、スマホアプリなどがあります。
注意したいのは、全部の欄を埋めようとして手が止まってしまうことです。書けるところだけ書いて、空欄はあとで埋めれば大丈夫。むしろ「書けなかった欄」が、身辺整理で調べるべき項目のリストになると考えると気が楽になります。

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6項目を「家族が困る度合い」で並べ替える
6項目のうち、どこから手をつけるかに迷ったら、「自分に何かあったとき、家族がいちばん困るのはどれか」で順番を決めるのが実用的です。物の片付けは目に見えて達成感がありますが、家族が本当に困るのは、目に見えない情報のほうであることが多いからです。
高齢者あんしんノートでは、6項目を「家族が困る度合い」「本人しか分からない度合い」「体力の必要度」の3つの観点で整理してみました。情報系の項目は体力を使わずに進められ、しかも本人しか分からないので、先に片付ける価値が高いという結果になります。
| 整理する項目 | 家族が困る度合い | 本人しか分からない度合い | 体力の必要度 | おすすめ順 |
|---|---|---|---|---|
| お金・財産 | ◎ | ◎ | 低い | 1番目 |
| 重要書類 | ◎ | ○ | 低い | 2番目 |
| デジタル情報 | ◎ | ◎ | 低い | 3番目 |
| 契約サービス | ○ | ○ | 低い | 4番目 |
| 人間関係 | ○ | ◎ | 低い | 5番目 |
| 物の整理 | ○ | △ | 高い | 並行して少しずつ |
高齢者あんしんノート調べ(6項目の性質を編集部で比較整理)
もちろん、この順番は一つの目安です。物があふれていて転倒が心配な方は、安全のために物の整理を先に進めてください。家庭の状況に合わせて入れ替えて構いません。
実は「物の整理」は最後でもいい
意外と知られていないけれど、身辺整理で物の片付けを最初にやる必要はありません。むしろ、情報の整理を先に済ませておくほうが、物の片付けもスムーズに進みます。
理由は、物の中に「情報」が紛れているからです。古い通帳、保険会社からの封書、昔の契約書、使っていない銀行のキャッシュカード。これらは押し入れや引き出しの奥から出てくることが多く、先に財産や契約の一覧を作っておけば、「これは一覧にある口座の通帳だから保管」「これは一覧にない口座だから確認が必要」と、その場で判断できます。
逆に、物の片付けから入ると、重要な書類をうっかり古紙回収に出してしまったり、判断に迷う書類の山が部屋の隅に積み上がったりしがちです。整理したつもりが、あとで家族が一枚ずつ確認し直すことにもなりかねません。
ただし、衣類や本のように「情報を含まない物」は、情報の整理と並行して進めても問題ありません。1日15分の枠を「月・水・金は書類とノート、火・木は衣類」のように分けるのも、飽きずに続けられる工夫です。
- Step1: エンディングノートを1冊用意し、書ける欄だけ埋める
- Step2: 預貯金・保険・不動産など、お金と財産を一覧にする
- Step3: 重要書類を1か所に集め、保管場所をノートに書く
- Step4: スマホ・サブスクなど、デジタルと契約を洗い出す
- Step5: 連絡先リストを作り、物の片付けを少しずつ進める
家族構成で変わる「優先項目」の選び方
同じ身辺整理でも、家族構成や住まいによって力を入れるべき項目は変わります。自分に近いタイプを見つけて、重点を決めておくと迷いが減ります。
夫婦ふたり暮らしの方は、どちらか一方だけが家計や契約を把握しているケースが多いので、お金・財産と契約サービスの共有が最優先です。「通帳や保険のことは夫しか知らない」「ネットの契約は妻しか分からない」という状態を解消するだけでも、残されたほうの負担は大きく変わります。
おひとりさまの方は、家族が近くにいないぶん、重要書類の保管場所と連絡先リストが要になります。誰に、何を、どこまで頼むのかを決め、その人に保管場所を伝えておくことが大切です。持ち家に住んでいる方は、家財の量が多くなりがちなので、物の整理も早めに少しずつ進めておくと安心です。
子どもが遠方に住んでいる方は、帰省のたびにまとめて話せるよう、確認したいことをメモにしておくと効率的です。反対に、子ども世帯と同居・近居の方は、家族が知っている情報も多いので、デジタル情報や人間関係など「本人しか知らない領域」に絞って進めると早く片付きます。
モノの整理で後悔しない|捨てていい物・捨ててはいけない物
迷わず手放せる物は「使っていない・重複・期限切れ」
物の整理で最初に手をつけやすいのは、今使っていない物、重複している物、期限が切れている物です。判断に迷いにくく、量も多いので、ここを片付けるだけで部屋の印象が変わります。
具体的には、古い衣類や壊れた家電など使っていない物、「いつか使うかも」というあいまいな理由で取ってある物、同じ機能を持つ複数のアイテム、今は使わない過去の趣味の道具やコレクション、情報が古くなった書籍や雑誌、賞味期限切れの食品などが挙げられます。
衣類については、1年間着なかったものは来年も着ることはないと考えるのが目安です。毛玉ができたり、取れない汚れが付いたりした服も手放す候補になります。趣味に合わない贈り物や、昔の資格の参考書、ノウハウ本なども、改めて手に取ると「もういらない」と判断しやすい物です。
ただし、「使っていない」と「価値がない」は別の話です。趣味の道具やコレクションの中には、専門店で値がつく物や、家族が思い出として欲しがる物もあります。捨てる前に家族に一声かける、専門の買取店に相談するなど、一呼吸おいてから処分すると後悔が少なくなります。
捨ててはいけない物は「重要書類・思い出・非常時の備え」
身辺整理の勢いで手放してはいけない物もあります。代表的なのは、重要書類、思い出の品、非常時の備えの3つです。これらは一度処分すると取り戻せないか、取り戻すのに手間がかかります。
重要書類とは、保険証、パスポート、通帳、不動産関連の書類などです。確定申告書や領収書など、法律で保管が求められている期間内の書類も捨ててはいけません。思い出の品では、家族写真やアルバム、子どもの成長記録、家系図や祖先に関する記録が該当します。非常食や防災グッズ、懐中電灯などの非常時の必需品も、減らしすぎないよう注意が必要です。
ほかにも、喪服のように急に必要になる物、扇風機や雪かき道具などのシーズン用品、高価なジュエリーや腕時計など価値のある物、そして自分以外の家族の所有物も、自分だけの判断で処分しないほうがよい物です。
特に注意したいのが「自分以外の物」です。夫婦や子どもの物が混ざっている押し入れを片付けるとき、「どうせ使っていないだろう」と処分してしまうと、あとで大きな揉めごとになります。家族の物は箱にまとめて名前を書き、本人に判断してもらうのが原則です。
状況:「今日こそ押し入れを空にする」と決めて、古い書類の束をまとめて紙ごみに出した。数か月後、使っていない地方銀行の通帳と、実家の土地の書類が見当たらないことに気づいた。
原因:書類を1枚ずつ確認せず、「古そう」という見た目で判断した。財産の一覧を作る前に物の片付けを始めた。
対策:紙類は「すぐ捨てる」「保管」「確認待ち」の3つの箱に分け、確認待ちの箱は財産一覧を作ってから中身を見直す。通帳や権利書らしき物が出てきたら、その場でエンディングノートに書き留めておく。
「必要・不要・保留」の3分類で判断疲れを防ぐ
物を片付けるときは、「必要」「不要」の2択ではなく、「保留」を加えた3分類で進めるのが続けるコツです。迷う物に時間をかけすぎると、判断疲れで手が止まってしまうからです。
手順は4つです。まず特定のエリアを選び、そこにある物をすべて取り出します。次に、必要・不要・保留の3つに分けます。不要な物は処分し、保留の箱には「再確認する日」を書いておきます。この再確認の時期を決めておくのがポイントで、決めないと保留の箱が永遠に押し入れに残ってしまいます。
保留の再確認は、たとえば季節が一つ変わったころ、お盆や年末など家族が集まる時期に合わせると忘れにくくなります。そのときに一度も箱を開けなかったなら、中身は暮らしに必要のない物である可能性が高いと判断できます。
ただ、思い出の品は例外として扱ってください。写真や手紙は、保留の箱に入れたまま何年たっても構いません。無理に決断しようとせず、「残す物」として大切に保管し、エンディングノートに「写真は○○の箱にある」とだけ書いておけば十分です。
- ☐ 通帳・証券・権利書など重要書類が紛れていないか
- ☐ 家族の持ち物が混ざっていないか
- ☐ 家族が思い出として欲しがりそうな物ではないか
- ☐ ジュエリーや腕時計など価値のある物ではないか
- ☐ 喪服・防災用品など、いざというとき必要な物ではないか
思い出の品は「残す理由」を書き添えて託す
思い出の品は、無理に減らさなくて大丈夫です。その代わり、残す物には「なぜ大切なのか」を一言書き添えておくと、家族が扱いに迷わなくなります。
家族が遺品整理で最も困るのは、「これは大事な物なのか、ただ置いてあっただけなのか」が分からない物です。古い着物、手紙の束、旅先の土産物。本人にとっては思い出が詰まっていても、説明がなければ家族には判断がつきません。結果として、捨てるに捨てられず、家族の家の押し入れに移っただけ、ということも起こります。
書き添え方は簡単です。箱や品物に付箋を貼り、「母から譲られた帯。孫の成人式に使ってほしい」「新婚旅行の写真。処分してかまわない」など、一行でいいので希望を書きます。エンディングノートに品物の一覧と、譲りたい相手を書いておくのもよい方法です。
注意したいのは、特定の家族に「これはあなたに」と約束しておきながら、他の家族には何も伝えていないケースです。高価な物や形見の品は、兄弟姉妹間で不公平感が生まれやすいので、希望は家族全員が見られる形で残しておくと、あとの揉めごとを防げます。
お金と書類の整理|遺言書・相続の「知らなかった」を減らす
預貯金・保険・不動産を1枚の一覧にまとめる
お金と財産の整理でまずやりたいのは、持っている財産を1枚の一覧にまとめることです。金額を細かく書く必要はなく、「どこに何があるか」が分かれば十分です。
一覧が大切なのは、家族が財産を探す手間を大きく減らせるからです。どの銀行に口座があるか分からないと、家族は心当たりの金融機関を一つずつ問い合わせることになります。保険も同じで、加入していることを家族が知らなければ、請求されないままになってしまうおそれがあります。
一覧に書く項目は、預貯金(銀行名・支店名・口座の種類)、有価証券(証券会社名)、保険(保険会社名・契約の種類・受取人)、不動産(所在地・名義)、ローンや借入れ(借入先)などです。暗証番号やパスワードは一覧に直接書かず、別の方法で伝えるほうが安全です。
ここで一緒に考えたいのが、口座の数を減らすことです。昔、給与振込や付き合いで作った口座がいくつも残っていると、家族の手続きがその数だけ増えます。使っていない口座を解約してメインの口座にまとめておくだけで、一覧も手続きもすっきりします。ただし、年金の振込口座や公共料金の引き落とし口座を変える場合は、手続きの漏れがないよう順番に進めてください。

引き出しの奥から、もう使っていない古い通帳が何冊も出てきた——そんな経験はありませんか。ページには口座番号も残高も取引の記録もびっしり。「そのままゴミに出すのは…
遺言書は3種類|費用と特徴の違い
財産の分け方について希望がある場合は、エンディングノートとは別に遺言書を検討します。エンディングノートには法的な効力がないため、「誰に何を残したいか」を確実に実現したい場合は遺言書が必要になる、というのが大きな違いです。
遺言書には主に、自分で書く自筆証書遺言、公証役場で作成する公正証書遺言、内容を秘密にしたまま保管する秘密証書遺言の3種類があります。秘密証書遺言は実務上ほとんど使われていないため、実際には自筆証書遺言か公正証書遺言のどちらかを選ぶことが多いでしょう。
| 種類 | 作り方 | 費用の目安(2026年度時点) |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 自分で書く | 自宅で保管するなら手数料はかからない。法務局の保管制度を使う場合は申請1件につき3,900円 |
| 公正証書遺言 | 公証役場で公証人が作成 | 財産額で変わり、証人への謝礼なども含めて10〜20万円程度が目安とされる |
| 秘密証書遺言 | 内容を秘密にして公証役場で手続き | 実務上ほとんど使われない |
自筆証書遺言を法務局に預ける保管制度の手数料は、法務省の手数料ページで確認できます。公正証書遺言の手数料は相続・遺贈の対象となる財産額に応じて変わるため、日本公証人連合会の案内を見たうえで、最寄りの公証役場に見積もりを相談するのが確実です。書き方や内容の有効性については、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に相談してください。
相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×人数」
身辺整理を進めていると、「うちは相続税がかかるのだろうか」と気になる方も多いはずです。目安になるのが、相続税の基礎控除額です。遺産の総額がこの額を超える場合は、相続税の申告と納税が必要になります。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で求めます。法定相続人が1人なら3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円が目安です。遺産総額がこれを下回れば、基本的には相続税はかからない、ということになります。仕組みの詳細は国税庁のタックスアンサーで確認できます(2026年度時点)。
注意点がいくつかあります。相続を放棄した人も法定相続人の数に含めて数えること、養子がいる場合は数に含められる人数に制限があること。また、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って納税額がなくなる場合でも、申告そのものは必要です。申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内とされています。
ここでお伝えしたいのは、身辺整理の段階では「おおよそ基礎控除を超えそうかどうか」を把握しておくだけで十分、ということです。実際に税金がかかるかどうかは、不動産の評価や特例の適用で変わります。超えそうだと感じたら、早めに税理士や税務署の相談窓口で確認しておくと、家族も落ち着いて準備できます。
重要書類は「1か所・1冊・1人」にまとめて伝える
重要書類の整理は、「1か所に集める」「1冊のノートに所在を書く」「1人の信頼できる家族に伝える」の3つがそろえば完成です。家じゅうに散らばった書類を探す手間を、家族から取り除くことが目的です。
対象になるのは、権利書などの不動産関連書類、証券、保険証券、年金手帳や年金証書、本人確認書類、通帳などです。これらを種類ごとにクリアファイルに分け、一つの引き出しや書類ケースにまとめて入れておきます。
エンディングノートの保管場所にも気を配りましょう。貸金庫は、本人以外がすぐに開けられないことがあるため避けたほうがよいとされています。「エンディングノート在中」と明記した場所に保管し、信頼できる家族にその場所を伝えておくことが大切です。
やりがちなのは、防犯を気にするあまり、家族にも分からない場所に隠してしまうことです。見つからなければ、整理した意味がなくなってしまいます。「リビングの棚の一番下の書類ケース」のように、家族が迷わず行ける場所を選び、その場所だけは必ず口頭でも伝えておいてください。
スマホとネットの「見えない持ち物」を整理するデジタル終活
デジタル終活が必要な理由|相談は年間1万件超とも
デジタル終活とは、自分が亡くなったときや判断能力が低下したときに備えて、デジタル資産やオンラインアカウントの扱いを整理し、記録しておくことです。スマホを使う60代・70代が増えた今、身辺整理に欠かせない項目になりつつあります。
デジタルの持ち物が厄介なのは、目に見えないことです。押し入れの物なら家族が見ればすぐ分かりますが、スマホの中のネット銀行やサブスクリプションは、ロックを解除できなければ存在すら分かりません。デジタル遺品をめぐるトラブルは増えていて、相談件数は年間1万件を超えるとも言われています。
対象になる範囲は幅広く、スマートフォン本体、Facebook・X・InstagramなどのSNS、動画や音楽のサブスクリプション、ネット銀行、仮想通貨、写真などを保存するクラウドサービス、メールアカウントなどが含まれます。
「自分はスマホで電話とLINEくらいしか使っていない」という方も、一度アプリの一覧を眺めてみてください。ポイントカードのアプリ、ネット通販の会員登録、有料の天気予報や囲碁・将棋のアプリなど、思っていたより多くのサービスに登録していることに気づくはずです。
パスワードは「マスターパスワードだけ」を記録する
デジタル終活で最も大切なのは、家族がスマホやアカウントにたどり着けるようにしておくことです。安全面から考えると、パスワード管理アプリを使い、そのアプリを開くためのマスターパスワードだけをノートに記録する方法がすすめられています。
すべてのパスワードをノートに一覧で書いておくと、ノートを見られただけで全部のアカウントに入られてしまうおそれがあります。管理アプリに集約しておけば、ノートに書くのはマスターパスワード一つで済みます。マスターパスワードは、ノートとは別に家族へ直接伝えておくと、さらに安心です。
パスワード管理アプリを使うのが難しい方は、スマホ本体のロック解除番号だけでも家族に伝わるようにしておきましょう。スマホが開けば、メールやアプリからたどれる情報が大きく増えます。ノートには「サービス名」「登録しているメールアドレス」だけを書き、パスワードは書かない、という分け方も一つの方法です。
注意したいのは、パスワードを変えたあとにノートを更新し忘れることです。書いた日付を一緒に記録しておき、年に一度、誕生日や正月などに見直す習慣をつけておくと、古い情報のまま残ってしまうのを防げます。
状況:親が亡くなったあと、クレジットカードの明細に毎月いくつかの請求が続いていた。スマホにロックがかかっていて、どのサービスの請求なのか、どこから解約すればいいのか分からなかった。
原因:ロック解除の番号を誰にも伝えておらず、契約しているサービスの一覧もなかった。
対策:契約中のサブスクリプションを「サービス名・支払い方法・解約方法」の3点で一覧にし、使っていない物は元気なうちに解約しておく。スマホのロック解除番号は、信頼できる家族1人に伝えておく。
SNSやスマホのサービスには「死後の設定」がある
SNSやスマホの主なサービスには、利用者が亡くなったときの扱いを決めておける仕組みや、遺族が申請できる手続きがあります。事前に知っておくだけで、家族の負担はずいぶん変わります。
Facebookは、アカウントを追悼アカウントに移行するか、削除するかを選べます。XやInstagramは、遺族からの申請によってアカウントを削除することが可能です。iPhoneを使っている方は、Appleの「デジタル遺産プログラム」で、生前に指定した人が自分のデータにアクセスできるように設定しておけます。
こうした設定や手続きの有無を、エンディングノートに「Facebookは削除してほしい」「写真は子どもに残してほしい」と希望として書いておくと、家族は迷わず対応できます。SNSに思い出の写真や文章が多い方は、残してほしいのか、消してほしいのかを決めておくことも、立派な身辺整理です。
ただし、各サービスの手続き方法や必要書類は変更されることがあります。ノートには「どのサービスを使っているか」と「どうしてほしいか」を中心に書き、具体的な手続きは家族がその時点の公式ヘルプで確認する、という形にしておくのが現実的です。
- ☐ スマホのロック解除方法を家族1人に伝えた
- ☐ ネット銀行・証券の口座をお金の一覧に入れた
- ☐ 契約中のサブスクリプションを一覧にした
- ☐ 使っていない有料サービスを解約した
- ☐ SNSを「残す・消す」の希望をノートに書いた
サブスクと公共料金は「引き落とし先」から逆にたどる
契約サービスの洗い出しは、記憶をたどるより、通帳やクレジットカードの明細から逆にたどるほうが確実です。毎月の引き落としを一行ずつ確認すれば、忘れていた契約も見つかります。
契約サービスが見落とされやすいのは、一度申し込むと自動で更新され、意識しなくても使い続けられる仕組みになっているからです。無料期間のつもりで登録したまま有料になっていた、というのもよくある話です。本人が気づいていない契約は、当然家族も知りません。
具体的な手順としては、通帳とクレジットカードの明細を数か月分並べ、定期的に出ていく支払いに印をつけます。電気・ガス・水道・電話などの公共料金、新聞、保険料、動画配信や音楽のサブスクリプションなどを一覧にし、それぞれの解約方法をメモしておきます。
やりがちな失敗は、明細が紙で届かないネット明細のカードを見落とすことです。紙の明細がないカードほど、家族には存在が分かりません。カード会社のアプリやWebサイトで明細を確認し、カードの枚数自体もできるだけ減らしておくと、後の手続きが楽になります。
気持ちの整理|医療の希望・人間関係・相談先の選び方
「人生会議」で医療とケアの希望を話しておく
身辺整理の最後の柱は、医療やケアについての希望を整理しておくことです。この取り組みは「人生会議」、英語ではACP(アドバンス・ケア・プランニング)と呼ばれ、将来の医療やケアについて、本人を中心に家族や医療チームが繰り返し話し合い、本人の意思決定を支える取り組みを指します。
なぜ元気なうちに話しておく必要があるのか。命の危険が迫った状態になると、約70%の人が、医療やケアを自分で決めたり、望みを人に伝えたりできなくなると言われているからです。そうなると、家族が本人の気持ちを推し量りながら決めることになり、大きな心の負担を抱えることになります。
命の危険が迫った状態になると、約70%の方が、医療やケアなどを自分で決めたり望みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。人生会議は「一度方針を決めたら終わり」ではなく、状況の変化に応じて何度でも繰り返すことが望ましいとされています。(出典:日本トータルケア協会)
話し合う内容は、家族構成や健康状態、今受けている治療や介護サービスといった「今の状況」、何を大切にして暮らしたいか、最期をどこで誰と過ごしたいかといった「価値観と希望」などです。治療の選び方そのものは、かかりつけ医など医療の専門家とよく相談して決めることが前提になります。ここで大切なのは正解を出すことではなく、自分の気持ちを家族と共有しておくことです。
人間関係の整理は「連絡先リスト」と「感謝の言葉」から
人間関係の整理というと、付き合いを減らすことを想像するかもしれませんが、終活の身辺整理で大切なのは、家族が困らないように「誰に何を知らせるか」を残しておくことです。その中心になるのが連絡先リストです。
家族は、本人の交友関係のすべてを知っているわけではありません。学生時代の友人、元の職場の同僚、趣味の仲間、町内会の知り合い。入院や訃報を知らせるべき相手が分からず、「知らせてもらえなかった」と後で悲しまれる、ということも起こります。
リストには、名前・関係・連絡先に加えて、「入院したら知らせてほしい」「葬儀には呼んでほしい」「年賀状のやり取りだけ」など、関わり方の希望を一言添えておくと家族が判断しやすくなります。年賀状や住所録を見ながら作ると、漏れが少なくなります。
あわせて、大切な人への感謝のメッセージを書いておくのもおすすめです。面と向かっては言いにくいことも、ノートの中なら素直に書けます。ただし、恨みごとや家族への不満を書き残すのは避けたほうが無難です。残された人がそれを読んで長く苦しむことになりかねません。
ひとりで抱えない|自治体や専門家の相談窓口を使う
身辺整理を進めていて、「これはどうしたらいいのか」と迷ったときは、ひとりで抱えずに相談窓口を使いましょう。終活の相談は、身近な公的窓口から専門家まで、いくつもの選択肢があります。
身近なところでは、お住まいの市区町村の高齢者向け窓口や地域包括支援センター、社会福祉協議会が、終活や将来の暮らしの相談に応じていることがあります。自治体によっては、終活の専用窓口を設けて、弁護士による無料の法律相談を予約制で開いているところもあります。まずは市区町村のホームページで「終活」と検索してみてください。
遺言書については公証役場で相談ができ、見積もりにも応じてもらえます。遺言や相続の中身、法的な手続きについては弁護士・司法書士・行政書士、相続税については税理士が専門です。エンディングノートを自治体が無料で配布している場合もあるので、窓口に行ったついでに尋ねてみるとよいでしょう。
注意したいのは、訪問や電話で「無料で終活の相談に乗ります」と近づいてくる業者です。中には、高額な契約や不要な商品の購入につなげようとするケースもあります。自分から探した公的な窓口や、家族が知っている専門家に相談するのが安心です。
タイプ別|あなたに合った身辺整理の進め方
最後に、読者のタイプ別に、身辺整理の進め方を提案します。すべてを同じようにやる必要はないので、自分に近いものを参考にしてください。
何から手をつけていいか分からない方は、エンディングノートの「財産」と「連絡先」の欄だけを先に埋めてみてください。この2つが埋まれば、家族が困る場面の多くは防げます。物の片付けは、そのあとで1日15分ずつで十分です。
物が多くて片付けから始めたい方は、衣類や本など情報を含まない物から手をつけ、書類は「確認待ち」の箱にためておきましょう。つまずきやすい床の物を減らすことを優先すると、安全面のメリットもすぐに感じられます。
スマホやネットをよく使う方は、デジタル終活を最優先にしてください。ネット銀行やサブスクリプションは家族が最も見つけにくい持ち物です。財産の分け方に希望がある方は、エンディングノートとは別に遺言書の準備を検討し、公証役場や専門家への相談を早めに予定に入れておくと安心です。
まとめ|終活の身辺整理は「情報を残す」ことから始めよう
身辺整理は、家族のための準備であると同時に、これからの自分の暮らしを軽くするための作業でもあります。まずは今週のうちに、エンディングノートを1冊用意して、預金口座の銀行名を書き出すところから始めてみてください。それだけで、家族にとっての大きな手がかりが一つ増えます。
※制度や手数料は2026年度時点の情報です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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