敬老の日が近づくと、外国人のお友だちや海外に住むお孫さんに「敬老の日って英語でなんて言うの?」と聞かれて、答えに詰まってしまうことがあります。翻訳アプリに入れてみたら「Old People’s Day」と出てきて、これでいいのだろうかと不安になった、という声もよく聞きます。
結論からお伝えすると、敬老の日の英語表記は「Respect for the Aged Day」です。これは誰かが勝手に訳したものではなく、日本の法律「国民の祝日に関する法律」の政府公式英訳で使われている正式な言い方です。そして、英語圏の人に伝えるときは、この名前に「9月の第3月曜日」という日付と「長寿を祝う日」という趣旨をセットで添えると、ぐっと伝わりやすくなります。
この記事では、公式表記の根拠から、カードや手紙にそのまま書けるメッセージ例文、アメリカの Grandparents Day との違い、世界各国の敬老にあたる日まで、順を追って整理しました。英語が得意でなくても、書き写すだけで使える形にしてありますので、気楽に読み進めてみてください。
・敬老の日の公式英語名は「Respect for the Aged Day」(国民の祝日に関する法律の政府英訳)
・日付は9月の第3月曜日。2026年(令和8年)は9月21日
・英語圏に「敬老の日」にあたる国民の祝日はなく、アメリカの Grandparents Day は祝日ではない記念日
・カードには直訳より「Thank you」「Wishing you good health」で気持ちを書くほうが自然に届く
敬老の日を英語で言うと?公式表記は「Respect for the Aged Day」

政府の法令英訳が使っている正式名はこれひとつ
敬老の日の英語名は「Respect for the Aged Day」です。根拠は、法務省が所管する日本法令外国語訳データベースに掲載された「国民の祝日に関する法律(Act on National Holidays)」の英訳で、そこには「Respect for the Aged Day: The third Monday in September. This day is for honoring the elderly who have contributed to society over the years and celebrating their longevity.」と記されています。
なぜ公式訳を知っておくとよいのかというと、ネット上には「Senior Citizens Day」「Elderly Day」「Aged Day」など複数の言い方が出回っていて、どれが正しいのか判断できなくなるからです。会社の英文カレンダー、学校の掲示、外国人のお客様への案内など、公の場に書くものは公式訳に合わせておけば間違いになりません。
ちなみに、日本の祝日はすべてこの法令英訳に対応表があります。元日は New Year’s Day、成人の日は Coming-of-Age Day、体育の日から名前が変わったスポーツの日は Sports Day、勤労感謝の日は Labor Thanksgiving Day です。敬老の日だけを覚えるより、9月の祝日である秋分の日(Autumnal Equinox Day)とセットで覚えておくと、秋の連休の説明がしやすくなります。
注意したいのは、この英訳はあくまで法令の公式訳であって、英語圏の人が日常的に口にする言葉ではない点です。アメリカやイギリスの人に「Respect for the Aged Day」とだけ言っても、日本の祝日を知らない相手にはピンときません。次の見出しで触れる「日付」と「趣旨」を必ず添えてあげてください。出典は日本法令外国語訳データベースシステム(Act on National Holidays)で確認できます。
「Keiro no Hi」とローマ字で書いてもいい場面
相手が日本文化に興味を持っている人なら、「Keiro no Hi (Respect for the Aged Day)」とローマ字+英訳を併記する書き方が親切です。海外の観光ガイドや英字メディアも、日本の年中行事を紹介するときはこの併記の形をよく使います。
この書き方が好まれるのは、固有の文化行事は無理に訳すより現地名を残したほうが理解が深まるからです。お正月を「Oshogatsu (Japanese New Year)」、七五三を「Shichi-Go-San」と紹介するのと同じ発想で、敬老の日も日本独自の祝日として紹介したほうが「へえ、日本にはそんな日があるんだ」と会話が広がります。
具体的には、こう書きます。「September 21, 2026 is Keiro no Hi, or Respect for the Aged Day, a national holiday in Japan.(2026年9月21日は敬老の日、日本の国民の祝日です)」。カードの書き出しや、施設だよりの英語版、SNSの投稿にそのまま使える一文です。
気をつけたいのは、ローマ字だけで書いてしまうことです。「Happy Keiro no Hi!」だけでは、相手はお祝いの言葉なのかどうかも分かりません。ローマ字を使うときは必ず英訳か短い説明を添える、これを守るだけで伝わり方が変わります。
日付まで英語で言えると会話が続く
敬老の日は「the third Monday in September(9月の第3月曜日)」です。内閣府の国民の祝日一覧でも日付は固定日ではなく第3月曜日と定められており、2026年(令和8年)は9月21日にあたります。年によって9月15日から21日の間を移動する仕組みです。
移動祝日になったのには経緯があります。敬老の日は1966年(昭和41年)に国民の祝日として制定され、当初は9月15日で固定されていました。2001年の祝日法改正でいわゆるハッピーマンデー制度の対象となり、2003年から9月の第3月曜日に移りました。土日と合わせて3連休をつくり、ゆとりある国民生活を実現するという狙いです。
英語で説明するなら、「It falls on the third Monday of September, so the date changes every year. In 2026, it’s September 21.(9月の第3月曜日なので毎年日付が変わります。2026年は9月21日です)」と続けます。「毎年日付が変わる」という部分は、日付固定が当たり前の国の人ほど驚くポイントです。
やりがちな失敗は、古い資料を見て「September 15」と書いてしまうことです。9月15日は現在「老人の日」という別の日になっています(詳しくは次の章で説明します)。祝日として紹介するときは第3月曜日、と覚えておいてください。日付は内閣府「国民の祝日について」で毎年確認できます。
「Aged」は失礼にならない?語感の話
「Aged(年老いた)なんて書いて失礼にならないのかしら」と気にされる方がいます。結論としては、法律用語・公式名称としての「Respect for the Aged Day」はそのまま使って問題ありません。ただし、個人に向けたカードや会話で相手を「the aged」と呼ぶのは避けたほうが無難です。
理由は、英語でも高齢者を指す言葉には日本語と同じような温度差があるからです。公文書や統計では the aged、the elderly が使われますが、日常会話では older people、senior、あるいは単に grandma / grandpa と呼ぶほうが柔らかく響きます。日本語で「老人の皆さま」より「おじいちゃん、おばあちゃん」のほうが親しみやすいのと同じ感覚です。
具体的な使い分けはこうです。掲示物やカレンダーの表記は「Respect for the Aged Day」、本人へのメッセージは「Happy Grandparents’ Day」や「Thank you, Grandma」。職場で外国人同僚に説明するときは「a holiday to honor older people in Japan」と言い換える。同じ日を指していても、相手との距離で言葉を選ぶわけです。
日本語の呼び方でも同じ悩みは起こります。「高齢者」「シニア」「お年寄り」のどれを使うか迷ったことがある方は、こちらの記事も参考になります。

「高齢者」という言葉を使おうとして、ふと「この呼び方で大丈夫かな?」と手が止まった経験はありませんか。ビジネスメールや町内会の案内文、あるいは介護の現場で、相手…
英語で説明するときに外せない3つのポイント
趣旨は法律の一文をそのまま借りる
敬老の日がどんな日かを英語で説明するなら、法令英訳の一文をそのまま借りるのが確実です。「This day is for honoring the elderly who have contributed to society over the years and celebrating their longevity.」——これで趣旨の説明は完結します。
この一文が便利なのは、日本語の条文「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。」を、公式に対応づけた訳だからです。自分で訳そうとすると「多年にわたり」をどう表すかで悩みますが、over the years というシンプルな表現で足りると分かれば気が楽になります。
短く言いたいときは、「It’s a day to thank older people and celebrate long life.(お年寄りに感謝し、長寿を祝う日です)」で十分伝わります。子どもや英語初心者の相手にはこちらのほうが親切です。長い版と短い版、両方を手元に持っておくと場面に応じて使い分けられます。
避けたいのは、「a day to respect old people」とだけ言って終わることです。間違いではありませんが、「長寿を祝う」というお祝いの側面が抜けてしまい、しめやかな記念日のような印象になります。celebrate という言葉をどこかに入れるのがコツです。
敬老の日の趣旨は、法律で「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。」と定められています。政府の公式英訳では「honoring the elderly who have contributed to society over the years and celebrating their longevity」。制定は1966年(昭和41年)、第3月曜日への移行は2003年からです。(出典:内閣府「国民の祝日について」/日本法令外国語訳データベースシステム)
9月15日の「老人の日」は祝日ではない
英語で説明するときに混乱しやすいのが、9月15日の扱いです。現在、9月15日は「老人の日」、9月15日から21日までの7日間は「老人週間」と定められていますが、これらは国民の祝日ではありません。根拠は祝日法ではなく老人福祉法で、2001年の同法改正によって設けられたものです。
なぜこの日が残ったのかというと、2003年に敬老の日が第3月曜日へ移った際、長年親しまれた9月15日という日付を記念日として残す形がとられたためです。国や自治体はこの週間に合わせて高齢者福祉の啓発キャンペーンを行っています。詳細は内閣府「老人の日・老人週間」のページで公表されています。
英語で書き分けるなら、敬老の日は「Respect for the Aged Day (a national holiday)」、老人の日は「Old People’s Day on September 15 (not a public holiday)」と、祝日かどうかを添えるのが親切です。海外の人にとって「holiday=会社や学校が休みになる日」なので、この区別は実務上も意味があります。
気をつけたいのは、翻訳アプリが「敬老の日」を「Old People’s Day」と訳してしまう場合があることです。この訳語はむしろ9月15日の老人の日に近く、祝日名としては不正確になります。アプリの出力をそのまま掲示物に使う前に、一度この記事の表記と見比べてみてください。
祝日名は「the」を付けるかどうかで迷わない
英文に組み込むとき、「Respect for the Aged Day」の前に the を付けるべきか迷う方がいます。祝日名として単独で使うときは冠詞なしで問題ありません。「Respect for the Aged Day is a national holiday in Japan.」で自然な英文です。
これは、英語では祝日名が固有名詞として扱われ、Christmas や Thanksgiving と同じように冠詞を取らないのが基本だからです。名前の中にすでに the が入っている(the Aged の部分)ので、さらに前に付けると二重に感じられます。
実際の使い方はこうなります。「We have a day off for Respect for the Aged Day.(敬老の日で休みです)」「Respect for the Aged Day falls on September 21 this year.(今年の敬老の日は9月21日です)」。前置詞は on を使い、月日を続ければ完成です。
細かい話に見えますが、社内メールや取引先への英文連絡で祝日休みを伝える場面は意外と多いものです。「Our office will be closed on Monday, September 21, 2026 for Respect for the Aged Day, a national holiday in Japan.」——この一文を保存しておけば、毎年日付を変えるだけで使い回せます。
アメリカの Grandparents Day とはどう違う?

2026年は9月13日、レイバーデーの次の日曜日
アメリカで敬老の日に近い位置づけなのが National Grandparents Day(祖父母の日)です。日付はレイバーデー(9月の第1月曜日)の次の日曜日と決まっており、2026年は9月13日(日)にあたります。日本の敬老の日である9月21日とは、8日違いという近さです。
この決め方には理由があります。レイバーデーを基準にすることで、夏の終わりと新学期の始まりという家族が集まりやすい時期に自然と重なります。日付が毎年動くという点は、第3月曜日の敬老の日と発想が似ています。
英語で違いを説明するなら、「In Japan, we have Respect for the Aged Day for all older people. In the U.S., Grandparents Day is mainly for grandparents in the family.(日本の敬老の日はお年寄り全般を対象にしますが、アメリカの祖父母の日は家族の祖父母が中心です)」と対比させると分かりやすくなります。
注意したいのは、日付をうろ覚えで伝えないことです。「9月の第2日曜日」と紹介している日本語サイトもありますが、正式にはレイバーデーの次の日曜日で、年によって第2日曜日とずれます。2026年は9月13日、と数字で押さえておきましょう。
ひとりの主婦の運動から生まれた記念日
Grandparents Day は、ウェストバージニア州の主婦マリアン・マクエイド(Marian McQuade)さんが1970年に始めた運動が出発点です。1973年に同州が最初に制定し、各州の知事や議員への働きかけが続いた結果、1978年8月にジミー・カーター大統領が宣言に署名。1979年から全米で祝われるようになりました。
マクエイドさんが働きかけた背景には、施設で暮らす高齢者が家族と離れて孤立している状況への問題意識があったと伝えられています。「孫の世代に、祖父母から学ぶ機会を持ってほしい」という願いが運動の核でした。日本の敬老の日が1947年の兵庫県の村での「としよりの日」に始まり全国へ広がった経緯と、草の根から始まった点がよく似ています。
英語で紹介するときは、「It started with one housewife’s campaign in the 1970s.(1970年代のひとりの主婦の運動から始まりました)」という一言を添えると、相手の反応が変わります。制度の話より、人の話のほうが記憶に残るからです。
気をつけたいのは細かい年号の断定です。運動の開始年や州の制定年は資料によって表記の揺れがあります。会話で使うなら「in the 1970s」「around 1978」とゆるやかに伝えておくと、後で訂正する必要がありません。
実は、英語圏には「敬老の日」にあたる国民の祝日がありません。アメリカの Grandparents Day も、イギリスやカナダの Grandparents Day も、法律で定められた休日ではなく記念日の扱いです。「日本には高齢者を敬うための国民の祝日がある」という事実そのものが、外国人との会話でいちばん驚かれるポイントになります。説明に困ったら、まずここから話してみてください。
カードを贈る文化の違いを知っておく
アメリカでは Grandparents Day にグリーティングカードを贈る習慣が定着しています。カード売り場に専用コーナーができ、孫が手作りのカードを学校で作って持ち帰ることも珍しくありません。一方、日本の敬老の日は花や食べ物などの品物を贈る形が中心で、カードを添える人は多数派ではありません。
この違いは、記念日の成り立ちからきています。Grandparents Day は「祖父母と孫の交流」を目的に生まれた家族の記念日で、言葉を交わすことが中心にあります。対して敬老の日は「社会に尽くしてきた高齢者を敬愛する」という公的な趣旨から出発しているため、地域の敬老会や自治体からの記念品といった形が発達しました。
海外に住むお孫さんやお友だちに贈るなら、この違いを踏まえて「品物+ひとことカード」の組み合わせにすると喜ばれます。英語のカードは長文である必要はなく、3文程度で十分です。具体的な例文は次の章にまとめました。
やりがちなのは、日本語のメッセージをそのまま長く訳して送ってしまうことです。「いつまでもお元気で、末永くお幸せに」といった定型句を直訳すると、英語では回りくどく響きます。短く、具体的に。これが英語カードの基本です。
そのまま使えるお祝いメッセージ英語例文
カードに書ける定番のひとこと
迷ったときは、次の5つから選べば失礼になりません。「Happy Respect for the Aged Day!(敬老の日おめでとうございます)」「Happy Grandparents’ Day!(祖父母の日おめでとう)」「Thank you for everything you do for our family.(家族のためにしてくれること全部に感謝しています)」「Wishing you good health and happiness.(健康と幸せを願っています)」「Thank you for always being there for me.(いつもそばにいてくれてありがとう)」。
この5つを勧める理由は、どれも相手の年齢に直接触れていないからです。英語圏では年齢を強調する表現が失礼と受け取られる場面があり、「お年寄りだから」というニュアンスを避けたほうが安全です。感謝と健康を願う言葉なら、相手が何歳でも成立します。
組み合わせて3文にすると、カードとして形が整います。たとえば「Happy Grandparents’ Day! Thank you for everything you do for our family. Wishing you good health and happiness.」——これで英語カードの本文は完成です。最後に「Love, Hanako」や「With love, Taro」と署名を添えます。
注意点として、「Happy Respect for the Aged Day!」は文法的に正しいものの、英語圏の人には耳慣れない言い回しです。相手が日本在住や日本文化に親しんでいる場合はこちらでよく、そうでなければ Grandparents’ Day のほうが自然に届きます。
- Step1: 書き出しを決める(Happy Grandparents’ Day! / Dear Grandma,)
- Step2: 感謝を1文入れる(Thank you for always being there for me.)
- Step3: 健康を願う1文で締める(Wishing you good health and happiness.)+署名(Love, ○○)
孫から祖父母へ贈るやさしい英文
お孫さんが英語でカードを書くなら、短い文を並べるだけで気持ちは伝わります。「Dear Grandma, thank you for the delicious meals.(おばあちゃん、おいしいごはんをありがとう)」「You always make me smile.(いつも笑顔にしてくれるね)」「I hope we can see each other soon.(早く会えますように)」といった具合です。
難しい単語を使わないほうがよい理由は、祖父母世代の英語学習経験と相性がよいからです。中学英語の範囲で書かれた文は、受け取った側も辞書なしで読めます。凝った比喩や長い関係代名詞は、書く側も読む側も負担になります。
年齢の低いお孫さんなら、絵と単語だけでも構いません。「Thank you!」「I love you, Grandpa!」の一言に手形を押す、写真を貼る、といった形は Grandparents Day のカードとしてアメリカでも定番です。文章量より、手書きであることのほうが価値を持ちます。
気をつけたいのは、翻訳アプリで長い日本語文を英語にして書き写すことです。文法は合っていても、子どもらしい素直さが消えてしまいます。日本語で伝えたいことを先に3つ箇条書きにし、それぞれを短い英文にする——この順番なら、翻訳に頼っても自然な文章になります。
健康と長寿を願う言い回しのバリエーション
健康を願う表現は、次の4パターンを覚えておくと使い回せます。「Please take good care of yourself.(お体を大切に)」「Wishing you many more healthy years.(これからも健康な年月が続きますように)」「I hope you stay well and happy.(お元気で幸せに過ごされますように)」「Here’s to your health!(ご健康を祝して)」。最後のひとつは乾杯の場面でも使えます。
これらが便利なのは、日本語の「いつまでもお元気で」に対応する定型句だからです。日本語では長寿を願う表現が豊富ですが、英語ではこの数パターンでほぼ足ります。無理に多彩に書こうとせず、定型を正確に使うほうが好印象です。
還暦や米寿など節目の年に贈るなら、誕生日として祝う形にすると英語では収まりがよくなります。「Congratulations on your 88th birthday!(88歳のお誕生日おめでとうございます)」のように、数字を入れると具体的になります。長寿祝いの年齢は、還暦60歳、古希70歳、喜寿77歳、傘寿80歳、米寿88歳、卒寿90歳、白寿99歳、百寿100歳が目安です(現在は満年齢で祝う形が一般的です)。
やりがちな失敗は、健康を願うつもりで「Don’t get sick.(病気にならないでね)」と書いてしまうことです。直訳としては通じますが、命令形のため冷たく響きます。願う気持ちは wish、hope、take care を使う——これを覚えておけば大きく外しません。
【失敗パターン①】直訳して失礼になった
「敬老の日おめでとう」を単語ごとに訳し、カードに「Happy Old People’s Day!」と書いてしまう例があります。原因は、翻訳アプリの出力をそのまま採用したこと。英語で old people と名指しされると、相手は「年寄り扱いされた」と受け取りかねません。対策は、個人へのカードでは祝日名を使わず「Happy Grandparents’ Day!」または「Thank you for everything.」に置き換えること。祝日名を出すのは掲示物や説明文だけ、と決めておくと安全です。
職場や地域の行事で使う一文
職場の外国人同僚に休みを伝えるなら、「Monday, September 21 is a national holiday in Japan — Respect for the Aged Day.」の一文で足ります。理由を添えたいときは「It’s a day to honor older people and celebrate long life.」を続けます。
なぜ理由まで書くとよいかというと、海外から来た方にとって日本の祝日は数が多く、名前だけでは背景が分からないためです。ひとこと説明があると「日本らしい祝日ですね」と会話が生まれます。祝日の多さは日本で働く外国人がよく話題にする点でもあります。
地域の敬老会の案内を英語併記にするなら、「Keiro-kai (a local gathering to celebrate older residents) will be held on September 21.」のように、行事名+かっこ書きの説明という形が使えます。敬老会という言葉に対応する英単語はないため、説明を添えるのが実務的です。
注意点は、祝日だからといって全員が休みとは限らないことです。医療・介護・小売の現場は通常営業のところが多く、「a national holiday」とだけ伝えると誤解を招きます。「Our office is closed, but the store is open.」のように、自分の職場がどうなるかまで書き添えてください。
スピーチ・説明で使える英語フレーズの組み立て方
3文で作る万能テンプレート
人前で敬老の日を英語で説明する場面では、次の3文構成が使えます。1文目で日付、2文目で趣旨、3文目で感謝。「Today is Respect for the Aged Day, a national holiday held on the third Monday of September.」「It is a day to honor those who have contributed to society for many years and to celebrate their longevity.」「Thank you for everything you have done, and please stay healthy.」
この順番が効くのは、聞き手が「いつ」「何の日」「だから何を伝えたいか」の順に理解するからです。日本語のスピーチのように前置きから入ると、英語では要点が届く前に集中が切れてしまいます。結論から短く、が原則です。
時間があるときは、2文目の後に具体例を1つ足します。「In many communities, schools and care homes hold small events called keiro-kai.(多くの地域では、学校や介護施設で敬老会という催しが開かれます)」。抽象的な説明に具体例が1つ入るだけで、記憶に残りやすくなります。
気をつけたいのは、暗記しようとして長文を作ってしまうことです。3文なら手元のメモを見ながらでも読めます。英語のスピーチは流暢さより、ゆっくり区切って話すほうが伝わります。1文ごとに一呼吸置く——これだけで印象が変わります。
- ☑ 日付は「the third Monday of September」+その年の月日をセットで言えるか
- ☐ 趣旨を「honor」と「celebrate」の2語で説明できるか
- ☐ 個人へのメッセージで「old」を使っていないか
- ☐ ローマ字表記に英訳か説明を添えているか
- ☐ 9月15日の老人の日と混同していないか
介護施設や学校で外国人の家族に説明するとき
施設で敬老会を開く際、外国籍のご家族に案内を出す場面が増えています。そのときは「We will hold a small celebration for Respect for the Aged Day on Monday, September 21. Families are welcome to join.(9月21日月曜日に敬老の日のお祝いを行います。ご家族もぜひご参加ください)」という2文が土台になります。
案内文に日付と参加可否を必ず書くのは、文化背景が違う相手ほど「行っていい行事なのか」が分かりにくいためです。日本人同士なら「敬老会のご案内」で通じることが、翻訳すると意図が薄れます。参加できるのかどうかを明記してください。
持ち物やプレゼントについても一言添えると親切です。「No gifts are needed. A handwritten card is always welcome.(贈り物は不要です。手書きのカードはいつでも歓迎します)」。これがあると、家族は何を準備すべきか迷わずに済みます。
施設で敬老の日の飾りつけを担当されている方は、壁面の準備と英語案内をセットで進めると当日が楽になります。9月の飾りづくりのアイデアは、こちらの記事にまとめてあります。

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長寿祝いを英語で伝えるときの言い換え
還暦や米寿を英語で説明するときは、「the 60th birthday celebration called Kanreki」のように、年齢+日本語名という形にします。Kanreki(還暦)は60歳、Koki(古希)は70歳、Kiju(喜寿)は77歳、Beiju(米寿)は88歳が目安です。
年齢を先に言うのは、英語圏に対応する行事がないためです。「Kanreki」とだけ言っても伝わらず、「60歳のお祝い」と数字を出せば「ああ、還暦って60歳のことか」と一発で理解されます。名称より数字が先、と覚えてください。
具体的には、「In Japan, we celebrate the 88th birthday as Beiju, a special milestone.(日本では88歳を米寿という節目としてお祝いします)」。米寿は「米」の字を分解すると八十八になることが由来なので、「The kanji for rice can be broken into the numbers 88.」と添えると盛り上がります。
注意したいのは、数え年と満年齢の違いです。還暦はもともと数え61歳で祝う習わしですが、現在は満年齢で行うのが一般的になっています。英語で説明する場面では細部に踏み込まず、満年齢の数字で伝えるほうが混乱がありません。
【失敗パターン②】「長寿を祝う」を直訳して誤解された
挨拶で「長生きおめでとうございます」を訳そうとして「Congratulations on getting old.」と言ってしまう例があります。原因は、日本語の「長寿=めでたい」という感覚がそのまま英語に移ると考えたこと。英語では「年を取ったことへの祝辞」と読めてしまい、場が凍ります。対策は、祝う対象を誕生日や節目に置き換えること。「Congratulations on your 88th birthday!」「Here’s to many more happy years!」と言えば、同じ気持ちが角を立てずに伝わります。
世界の「敬老の日」はいつ?アメリカ・アジア・ヨーロッパの比べ方
アジアでは10月に集まる傾向がある
韓国には「老人の日(노인의 날)」があり、毎年10月2日と決まっています。1997年に制定され、老人福祉法で10月2日を老人の日、10月を敬老の月と規定しています。10月2日という半端な日付になったのは、国連が定める International Day of Older Persons(10月1日)に合わせようとしたところ、韓国の国軍の日と重なったためと説明されています。
中国では旧暦9月9日の重陽節(Double Ninth Festival)が高齢者を敬う日にあたり、2026年は10月18日です。2013年7月施行の高齢者権益保障法で「老年節」として法律に位置づけられました。英語では Seniors’ Day と紹介されることもあります。
日本・韓国・中国が9月から10月に集中しているのは偶然ではなく、収穫期にあたる時期に家族が集まる文化的な背景が共通しているためと考えられています。英語で話すときは「In East Asia, we honor older people in autumn.(東アジアでは秋にお年寄りを敬います)」とまとめると分かりやすくなります。
注意点として、韓国・中国のこれらの日は日本の敬老の日と違い、原則として休日にはなりません。「祝日ではないが法律に位置づけられた記念日」という点は、日本の老人の日に近い立ち位置です。
英語圏は「祖父母の日」という形をとる
アメリカの National Grandparents Day は2026年が9月13日(日)、イギリスの Grandparents Day は10月の第1日曜日で2026年は10月4日(日)、カナダは9月の第2日曜日で2026年は9月13日(日)です。いずれも日曜日に設定されているのが特徴です。
日曜日に置かれるのは、休日をつくる必要がなく、家族が集まりやすいからです。国民の祝日にすると経済活動への影響が出るため、もともと休みの日曜に記念日を重ねる——この設計思想が、日本の祝日制度との最大の違いです。
イギリスの Grandparents Day は2008年に始まった比較的新しい記念日で、慈善団体の呼びかけから広まりました。カナダも祖父母と孫の交流を目的としており、アメリカの流れを受け継いでいます。英語圏で「敬老の日」を説明するときに Grandparents Day を引き合いに出すと話が通じやすいのは、この共通性があるからです。
やりがちなのは、これらを「向こうの敬老の日」と一括りにしてしまうことです。対象が「家族の祖父母」に限られる点で、社会全体の高齢者を対象とする日本の敬老の日とは性格が異なります。会話では「similar but not the same(似ているけれど同じではない)」と前置きしておくと誤解が減ります。
比較して見えてくる日本の敬老の日の独自性
こうして並べてみると、日本の敬老の日は「国民の祝日として法律で休日と定められている」点で世界的にも珍しい存在だと分かります。高齢者を敬うために国全体が休むという制度は、他の主要国では見当たりません。
この違いが生まれた背景には、敬老の日が1966年に祝日化された経緯があります。国民の祝日に関する法律が「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」と趣旨を明記したことで、家族の記念日ではなく社会全体の祝日として位置づけられました。
英語で説明するときは、この一点を核にすると印象に残ります。「Japan is one of the few countries where honoring older people is a national holiday.(日本は高齢者を敬う日が国民の祝日になっている数少ない国のひとつです)」。相手が高齢社会に関心のある人なら、ここから話が深まります。
下の表は、各国の日付と位置づけを高齢者あんしんノートが公的資料・各国の記念日情報をもとに整理したものです。2026年の日付で比較してあります。
| 日本:国民の祝日(休日になる) | 海外:記念日(原則休日にならない) |
|---|---|
| 敬老の日/Respect for the Aged Day 2026年9月21日(月) 9月の第3月曜日・1966年制定 ※9月15日の老人の日は祝日ではない記念日 | アメリカ Grandparents Day:2026年9月13日(日) カナダ Grandparents Day:2026年9月13日(日) イギリス Grandparents Day:2026年10月4日(日) 韓国 老人の日:毎年10月2日 中国 重陽節(老年節):2026年10月18日 国連 高齢者の日:毎年10月1日 |
高齢者あんしんノート調べ(内閣府・各国の公的資料および記念日情報より作成/2026年時点)
英語のメッセージを贈るときに気をつけたい表現マナー
old・elderly・senior の使い分け
高齢者を指す英語には old、elderly、senior、older people があり、場面で使い分けます。個人に向けて使うなら older people か senior、公式文書なら the elderly、そして本人に直接 old と言うのは避ける——これが基本ルールです。
この序列があるのは、old が「古い・年老いた」という単純な形容詞で、価値判断を含んで響きやすいからです。elderly は丁寧ですが集団を指す言葉で、目の前の相手に使うとよそよそしくなります。older people は比較級を使うことで「〜より年上」という中立的な意味合いになり、近年の英語圏で好まれています。
具体例で見ると違いが分かります。「a service for the elderly(高齢者向けサービス)」は自然、「You are elderly.(あなたは高齢者です)」は不自然。「senior discount(シニア割引)」は日常語、「old man discount」は存在しません。制度名や商品名では senior、説明文では older people、と覚えておけば実用上は足ります。
気をつけたいのは、日本語の「シニア」と英語の senior が完全には一致しない点です。英語の senior は高校・大学の最上級生を指す場合もあり、文脈で意味が変わります。年齢の話だと明確にしたいときは senior citizens と2語で言うと誤解がありません。
年齢に触れる表現は一歩引く
英語のカードでは、年齢そのものを話題にしない書き方が無難です。「まだお若いですね」「その年でお元気で」といった日本語では好意的な表現も、英語に移すと年齢を強調する形になり、受け取り方が分かれます。
この感覚の差は、英語圏で年齢が個人情報として扱われる度合いが強いことに由来します。職場で年齢を尋ねない、書類に生年月日を書く場面が限られる、といった慣習があり、年齢に触れること自体が踏み込んだ行為とみなされやすいのです。
言い換えの実例を挙げます。「お年の割にお元気ですね」→「You always look so energetic.(いつも元気そうですね)」。「もう80歳なんてすごい」→「Congratulations on your 80th birthday!(80歳のお誕生日おめでとうございます)」。前者は年齢を比較の材料にせず、後者は祝う対象を誕生日に限定しています。
ただし、節目の年齢を祝う場面では数字を出して構いません。誕生日や還暦・米寿などの祝いは、年齢が主役の行事だからです。「触れてはいけない」のではなく、「比較や評価の材料にしない」——この区別を押さえておけば大丈夫です。
手紙の宛名と結びの形
英語の手紙は、書き出しが「Dear Grandma,」「Dear Mr. and Mrs. Smith,」、結びが「Love, Hanako」「With love, Taro」「Best wishes, Taro」という型で完成します。親族には Love、親しくない相手には Best wishes、と使い分けます。
型が決まっているのは、英語の手紙が形式を重んじる文化の中で発達したためです。日本語の「拝啓・敬具」と同じで、決まった枠に中身を入れれば形が整います。自由に書こうとするより、型を借りるほうが失敗しません。
宛名で迷いやすいのが、義理の祖父母や配偶者の親族です。相手が普段何と呼ばれているかに合わせるのが確実で、分からなければ「Dear Grandma and Grandpa,」とまとめてしまって差し支えありません。ファーストネームで呼び合う関係なら「Dear John and Mary,」でも失礼にはなりません。
やりがちなのは、日本語の敬称をそのまま付けることです。「Dear Grandma-san」は英語話者には不自然に映ります。敬称は Mr. / Ms. を使うか、家族なら不要——これで統一してください。
掲示物・カレンダーは「Respect for the Aged Day」、個人へのカードは「Happy Grandparents’ Day!」や「Thank you」。同じ日を指していても、相手との距離で言葉を選ぶ——これが英語メッセージでいちばん大切な使い分けです。
翻訳アプリを味方にするコツ
翻訳アプリは、短く区切って使えば頼りになります。長い日本語をまとめて入れるのではなく、1文ずつ、主語をはっきりさせて入力する。これだけで精度が変わります。「いつまでもお元気でいてください」より「あなたが健康であることを願っています」と入力したほうが、自然な英文が返ってきます。
精度が変わる理由は、日本語が主語を省く言語だからです。「元気でね」だけでは誰が元気なのかアプリが判断できず、命令形の直訳になりがちです。主語を補って入力する——この一手間が誤訳を防ぎます。
できあがった英文は、そのまま使わずに逆翻訳してみてください。英語をもう一度日本語に戻し、意味が変わっていなければ合格です。「Don’t get sick.」が「病気にならないで」と戻ってきたら、命令形になっていると気づけます。この往復のひと手間で、失敗の大半は防げます。
英語に少しずつ慣れておきたい方は、無料のアプリで日常的に触れておくと、こうした場面での判断がしやすくなります。シニア世代向けの選び方は、こちらの記事にまとめました。

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まとめ:公式表記を知れば、あとは気持ちを短く書くだけ
敬老の日を英語で伝えるときにつまずくのは、単語が分からないからではなく、「どこまで説明すればいいか」が見えないからです。公式名の Respect for the Aged Day、日付の the third Monday of September、趣旨の honor と celebrate。この3つを押さえてしまえば、あとは相手との距離に合わせて言葉を選ぶだけになります。
そして、個人に贈るメッセージでは祝日名を無理に使う必要はありません。英語圏の人にとって親しみがあるのは Grandparents Day のほうですし、それすら省いて「Thank you for everything.」の一文だけでも、気持ちは十分に伝わります。長く書こうとするほど直訳が増えて、かえって遠回りになります。
この記事の要点を、もう一度整理しておきます。
- 敬老の日の公式英語名は「Respect for the Aged Day」。国民の祝日に関する法律の政府英訳に基づく
- 日付は9月の第3月曜日で毎年動く。2026年(令和8年)は9月21日
- 9月15日は「老人の日」、9月15日〜21日は「老人週間」。いずれも祝日ではない
- アメリカの Grandparents Day は2026年9月13日、イギリスは10月4日、カナダは9月13日。いずれも祝日ではなく日曜日の記念日
- 韓国の老人の日は10月2日、中国の重陽節(老年節)は2026年10月18日、国連の高齢者の日は10月1日
- カードは3文で完成。「Happy Grandparents’ Day! → 感謝 → 健康を願う言葉 → 署名」の型を使う
- 個人に old と言わない。older people、senior、あるいは Grandma / Grandpa と呼ぶ
最初の一歩としておすすめしたいのは、この記事の中から気に入った英文を1つだけ選んで、紙に書き写してみることです。「Thank you for always being there for me.」でも「Wishing you good health and happiness.」でも構いません。手を動かして書いた一文は、いざカードを前にしたときに自然と出てきます。敬老の日の当日、その一文が誰かの一日を明るくしてくれるはずです。
なお、祝日の日付や制度の詳細は改定されることがあります。最新情報は内閣府「国民の祝日について」など公式サイトでご確認ください。

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