「孫からLINEが来たのに、返し方がわからない」「役所の手続きがスマホでできると言われても、どこを押せばいいのか」。そんなときに頼りになるのが、シニア向けのスマホ教室です。ただ、教室と聞くと「月謝がかかるのでは」「携帯を買い替えさせられるのでは」と身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、シニア向けのスマホ教室は無料で受けられるものが数多くあります。携帯大手3社のショップはもちろん、都道府県や市区町村、さらには警視庁までもが無料の講座を開いています。しかもドコモ・ソフトバンクの教室は他社のスマホを使っている方も参加でき、スマホを持っていない方には体験用の端末を貸してくれるところまであります。
一方で、2026年3月末には5年間続いた国の「デジタル活用支援推進事業」がひと区切りを迎えました。無料教室の地図は、いま少しずつ描き替わっている最中です。この記事では、2026年8月時点で実際に申し込める無料スマホ教室を運営元ごとに整理し、費用・対象年齢・スマホの貸出有無・予約方法まで公式情報にもとづいて比べていきます。読み終えるころには、ご自身やご家族がどの教室に電話をかければよいかが決まっているはずです。
・携帯3社・自治体・警視庁など、無料で受けられるスマホ教室は複数の系統がある
・ドコモは他社契約者もOK、体験用スマートフォンの貸出まで用意されている
・自治体の教室は対象年齢(60歳以上・65歳以上など)が決まっているぶん、貸出や回数コースが手厚い
・国のデジタル活用支援推進事業は令和7年度で終了。2026年度以降は自治体・企業の講座を直接探すのが近道
シニアのスマホ教室が無料で受けられるのはなぜ?お金の出どころと2026年の変化

「無料」と聞くと、その裏側が気になるものです。まずは、誰がその費用を負担しているのかを知っておきましょう。仕組みがわかると、どの教室を選べばよいかの判断もつきやすくなります。
無料教室の運営費はどこから出ている?国の事業と企業のサービスという2本柱
シニア向けの無料スマホ教室は、大きく2つのお金の流れで成り立ってきました。ひとつは国や自治体の予算、もうひとつは携帯会社などの企業が自社サービスの一環として負担するものです。
前者の代表が、総務省の「デジタル活用支援推進事業」でした。高齢者などがオンラインの行政手続きに不安なく取り組めるよう、身近な場所で講習会を開き、講師を派遣する事業です。基本講座はスマートフォンの操作の基本、カメラ機能、メール、インターネット、SNS、アプリの導入、キャッシュレスなど9テーマ。応用講座はマイナポータル、マイナンバーカード、確定申告、オンライン診療、AIの活用、テレビ電話など14テーマが用意されていました。税金を原資にした事業なので、受講者が支払うお金はありません。
後者は、ドコモ・au・ソフトバンクなどが自社で運営している教室です。こちらは「スマホを使いこなす人が増えれば、通信サービスを長く使ってもらえる」という考え方にもとづく投資で、受講料をとらずに開いています。ソフトバンクはショップとセミナーを合わせて年約100万回の開催規模と公表しています。
注意したいのは、企業運営の教室には一部有料の講座が混ざっている点です。ドコモスマホ教室もソフトバンクのスマホ教室も、公式サイトに「一部有料の講座があります」と明記されています。申し込むときに「この講座は無料ですか」と一言確認しておけば、行き違いは防げます。
2026年3月で国のデジタル活用支援推進事業は5年間の役目を終えた
2026年に無料教室を探す方にぜひ知っておいていただきたい変化があります。総務省のデジタル活用支援推進事業は、令和3年度から令和7年度までの5年間の事業として実施され、令和7年度をもって終了しました。総務省北海道総合通信局のページにも「デジタル活用支援推進事業(令和7年度までで終了)」と記されています。
この事業は、携帯ショップや公民館で開かれる講習会の土台になっていました。KDDIは2021年度から5年連続で実施団体に採択され、ソフトバンクも同事業の枠組みで講座を開いてきました。つまり、これまで「近所の携帯ショップで開かれていた無料講座」の一部は、国の事業として実施されていたものだったわけです。
とはいえ、無料教室そのものが消えたわけではありません。実際に2026年7月・8月にも、広島市が「スマホなんでもサポート号」による無料教室を公民館の駐車場などで開催していますし、東京都は60歳以上の都民向けの教室を通年で続けています。国の事業が終わったぶん、探し方の中心が「国の一覧ページ」から「お住まいの自治体の広報・ホームページ」へ移った、と考えるのが実情に近いでしょう。
気をつけたいのは、インターネットで「デジタル活用支援」と検索すると、令和6年度・令和7年度の古い案内ページが上位に残っていることです。ページの日付を確認せずに会場へ出向くと、すでに終わった講座だったということが起こります。日付が2026年度のものか、必ず確かめてください。
総務省「デジタル活用支援推進事業」は令和3年度〜令和7年度の5年間で実施され、令和7年度をもって終了。基本講座9テーマ・応用講座14テーマという枠組みで、スマートフォンの基本操作からマイナポータル・オンライン診療までを扱っていました。(出典:総務省 情報バリアフリー環境の整備/総務省 北海道総合通信局)
それでも無料教室が続いているのは、自治体と携帯会社が独自に走らせているから
国の事業が終わっても各地で講座が続いているのは、自治体と企業がそれぞれ独自の予算・体制で運営しているからです。国の事業に相乗りしていた時期があったというだけで、もともと自前の教室を持っていた運営元も少なくありません。
自治体側の例として、東京都はデジタルサービス局が「高齢者向けスマートフォン利用普及啓発事業」を続けています。都内在住の60歳以上の方を対象に、1回コース・4回コース・フォローアップ・ステップアップという段階別の教室と、マンツーマンの相談会を開いています。江東区は区内在住の65歳以上を対象に10種類の講座を用意し、1回完結の形にしているので、必要な講座だけを選んで受けられます。
企業側では、さいたま市のように市が携帯ショップの教室を「市公認スマホ教室」として位置づけている例があります。さいたま市在住であれば誰でも、市内13店舗のドコモショップで無料、しかも何度でも受講できるという内容です。行政と企業が組むことで、会場数と回数を確保しているわけです。
ただし、こうした事業は年度ごとに内容が見直されます。「去年通えた教室が今年もあるとは限らない」という前提で、年度が替わったら広報紙やホームページを一度確認する習慣をつけておくと安心です。
「無料だから勧誘される」は本当か。契約の話が出たときの断り方
携帯ショップの教室を敬遠する理由で最も多いのが、「その場で機種変更を勧められそう」という不安でしょう。結論としては、教室は販売の場ではなく学ぶ場として設計されており、参加条件にも契約は含まれていません。
その根拠は各社の参加条件そのものにあります。ドコモは「ドコモのケータイ・スマートフォンをご契約ではないお客さまもご参加いただけます」と明記し、ソフトバンクも「ソフトバンクのお客さまも、他社のお客さまも、ガラケーをご利用中でもご参加いただけます」としています。他社の契約者を歓迎している時点で、契約獲得だけを目的にした場ではないことがわかります。
もっとも、スタッフは販売員でもありますから、講座の終わりに「料金プランの見直しもできますよ」と声をかけられることはあり得ます。そのときは「今日は使い方だけ教わりに来ました」と伝えれば十分です。その場で決めない、書類にサインしない、この2つを守れば困ることはありません。契約内容の相談をしたい場合も、教室とは別の日に予約を取り直したほうが落ち着いて話せます。
逆に覚えておきたいのは、心配のあまり公的な講座しか受けない、という選び方はもったいないという点です。携帯ショップの教室は開催数が多く、平日の日中に予約が取りやすいという実務的な利点があります。不安があるなら、家族に一度同行してもらうところから始めてみてください。
携帯3社の無料スマホ教室を徹底比較|受けやすさの決め手は「貸出」と「他社OK」
ここからは、実際に申し込める教室を運営元別に見ていきます。まずは全国どこでも探しやすい、携帯大手3社の教室です。同じ「スマホ教室」でも、参加条件や学び方の選択肢がかなり違います。
ドコモスマホ教室|他社ユーザーもOK、体験用スマホの貸出まである
ドコモスマホ教室は、全国のドコモショップで開かれている少人数制の講座です。公式サイトには「講座受講料が無料」と記載されており、そのうえで「一部有料の講座がございます」と補足されています。
この教室の特徴は、参加のハードルの低さにあります。前述のとおりドコモ契約者以外も参加でき、さらに「スマートフォンをお持ちでなくてもご参加いただけます。体験用スマートフォンをこちらでご用意しております」と案内されています。これから買うかどうかを迷っている段階で、実物を触りながら判断できるということです。ガラケーからの乗り換えを検討している方には心強い条件でしょう。
受講にあたっては、dポイントクラブ入会・dポイントカード利用登録・dアカウント発行が必要です。いずれも無料ですが、手続きが不安な方は店頭で一緒に進めてもらうとよいでしょう。予約はインターネットからだとdアカウントのログインが必要になるため、dアカウントをまだお持ちでない場合は各ショップに電話で申し込むほうが早く済みます。
自宅で学びたい方には「ドコモスマホ教室 オンライン版」という動画版も用意されています。店舗の講座と動画を組み合わせれば、教わった内容を家で復習することもできます。ただし、講座のラインナップや開催曜日は店舗ごとに異なるため、行きたいテーマがある場合は先に講座名で検索してから店舗を決めるほうが確実です。
auスマホ教室|店舗の日替わりメニューと、自宅で見られる動画講座
auスマホ教室は、全国のau Style/auショップで開かれる店舗型の教室と、自宅で見られる動画型の2本立てになっています。公式サイトでは「かんたんスマホの基本操作から、キャッシュレス決済などの便利なアプリの使い方まで」学べると案内されています。
動画版については、「スマートフォンの操作方法やアプリのつかい方など、幅広い講座をスマートフォンやご自宅のパソコンで、お好きな時間にご覧いただけます」と説明されています。決まった時間に会場へ行くのが難しい方、人前で質問するのが苦手な方には、この形が向いています。
店舗の教室は「日替わりで講習メニューが変わります」という運営で、その日に何を扱うかは店舗ごとに決まっています。予約方法も「それぞれの実施店舗で異なります。開催店舗へお問い合わせのうえご予約ください」と案内されているため、まずは近くのau Style/auショップに電話をして、開催日と当日のテーマを聞くところから始めるのが確実です。
なお、受講料や参加条件について公式サイト上にはっきりした記載が見当たらないため、無料かどうかは店舗への確認をおすすめします。「参加費はかかりますか」「au以外のスマホでも大丈夫ですか」の2点を電話で聞いておけば、当日困ることはありません。
ソフトバンクスマホ教室|ガラケーの方も参加でき、講座は30種類以上
ソフトバンクの教室は、同社が独自に資格認定する「スマホアドバイザー」が講師を務めます。参加条件は3社のなかでも幅広く、「ソフトバンクのお客さまも、他社のお客さまも、ガラケーをご利用中でもご参加いただけます」と明記されています。
講座は30以上。初心者向けのスマートフォン体験・基本操作から、iPhone・Android・シンプルスマホといった機種別の使い方、決済やSNS、健康管理、ふるさと納税、防災・セキュリティ、さらには生成AIの活用まで幅があります。「基本はもうわかるけれど、もう一歩踏み込みたい」という方の受け皿がある点が特徴です。
開催場所も、ソフトバンクショップだけではありません。公民館など自治体と連携した施設でのセミナー、専用車両による移動型のスマホ教室も走っています。ショップとセミナーを合わせた開催数は年約100万回とされており、地方や離島でも接点をつくろうとしている姿勢がうかがえます。
予約は「店頭またはお電話にて、事前のご予約が必要です」とされています。ここでも「一部有料の講座があります」と明記されているため、申し込みの電話で受講料を確認しておきましょう。スマホアドバイザーが在籍する店舗で開催されるので、近所のショップすべてで開かれているわけではない点にも注意が必要です。
3社の条件を1枚にまとめると、選ぶ基準が見えてくる
3社の公式情報を、シニアの方が気にする項目で並べ直したのが次の表です。金額の差ではなく「自分が参加できるかどうか」で比べるのが、無料教室選びのコツになります。
| 項目 | ドコモ | au | ソフトバンク |
|---|---|---|---|
| 受講料 | 無料(一部有料講座あり) | 公式サイトに記載なし。店舗に要確認 | 無料が基本(一部有料講座あり) |
| 他社ユーザー | 参加できる(公式に明記) | 公式サイトに記載なし。店舗に要確認 | 参加できる。ガラケー利用中でも可 |
| スマホ未所持 | 体験用スマートフォンの用意あり | 公式サイトに記載なし | スマホ未所有の方も対象 |
| 自宅で学ぶ | オンライン版(動画)あり | 動画講座あり | スマホ教室動画あり |
| 事前準備 | dポイントクラブ入会・dアカウント発行(無料) | 店舗により異なる | 店頭または電話で事前予約 |
| 予約方法 | ネット(dアカウント)・電話・店頭 | 実施店舗ごとに異なる | 店頭または電話 |
※高齢者あんしんノート調べ。2026年8月時点の各社公式サイト記載内容を項目別に整理(ドコモスマホ教室/auスマホ教室/ソフトバンク スマホアドバイザー)
表にすると、スマホをまだ持っていない方はドコモかソフトバンク、ガラケーからの相談ならソフトバンク、というように候補が絞れます。auについては公式サイトの記載が少ないため、電話で条件を確認してから決めるのが安全です。
自治体の講座は「何度でも通える」が最大の強み|東京都・江東区・広島市の実例

携帯会社の教室が「全国どこでも探せる」強みを持つ一方、自治体の講座には別の良さがあります。対象を高齢者に絞っているぶん、進むペースがゆっくりで、スマホの貸出や回数コースといった手厚さがあるのです。
東京都の教室は60歳以上が対象。1回コースから4回コースまで選べる
東京都は、デジタルサービス局が高齢者向けスマートフォン利用普及啓発事業を続けています。対象は都内在住の60歳以上の方で、参加は無料です(ご自身のスマートフォンの通信費は自己負担)。
内容は、スマートフォン教室(1回コース・4回コース・フォローアップコース・ステップアップコース)と、マンツーマンで相談できる相談会に分かれています。4回コースは同じ講師のもとで段階を追って学べるので、「1回聞いただけでは頭に入らない」という方に向いた形です。ステップアップコースではアプリ活用や生成AIといった一歩進んだテーマも扱われています。
スマートフォンを持っていない方への配慮もあります。教室参加者でスマートフォンをお持ちでない方を対象に、試用スマートフォンの貸出申込を受け付けています。大田区のようにこの都事業を区内施設で実施している自治体では、シニアステーション、地域包括支援センター、特別出張所などが会場になり、貸出は希望者多数の場合は抽選と案内されています。
さらに、島しょ部や山間部向けに「どこでもスマホ教室・相談会」という移動式の取り組みもあります。青ヶ島村、八丈町、奥多摩町、御蔵島村、新島村などを車両で巡回する形で、対象は同じく都内在住の60歳以上、参加無料です。申込は東京都どこでもスマホ事務局(0800-111-7356、毎日9時〜17時、年末年始を除く)で受け付けています。
江東区は65歳以上・10講座が1回完結。電話1本で予約できる
区市町村が独自に開いている講座の使い勝手のよさがわかるのが、江東区の例です。対象は区内在住の65歳以上の方、受講料は無料です。
特徴は講座の細かさにあります。文字入力・タッチ操作、入門、基本、LINE(初心者向け・使いこなし)、マップ、SNS、キャッシュレス決済、マイナポータル活用、マイナンバーカード保険証、東京アプリ講座という10種類が用意され、それぞれ1回完結の講座になっています。「LINEだけ覚えたい」「マイナンバーカードの保険証の使い方だけ知りたい」という目的がはっきりしている方には、この形が効率的です。
スマホの貸出は講座によって扱いが分かれます。文字入力・タッチ操作講座、入門講座、基本講座、LINE講座、キャッシュレス決済講座、マップ講座、SNS講座では貸出があり、マイナポータル活用講座、マイナンバーカード保険証講座、東京アプリ講座では貸出がありません。後者は自分のスマホとマイナンバーカードを使って操作するためです。
申込は電話のみで、0120-659-719(月〜金曜、祝日を除く9時00分〜17時00分)に、氏名・電話番号・希望講座・希望日・貸出の有無を伝えます。毎月の申し込みは3講座までという上限があるので、受けたい講座が多い方は月をまたいで計画を立てましょう。
LINEの文字入力そのものが負担になっている方は、講座を受ける前に設定を見直すだけでも楽になります。

「LINEの返信をしたいのに、いつの間にかキーボードが見慣れない形になっていて手が止まってしまった」「文字が小さくて読みづらいうえに、フリック入力が指についてこ…
広島市は公民館の駐車場に教室がやってくる。定員は各回3人
会場まで遠い、という悩みに応えているのが広島市の取り組みです。「スマホなんでもサポート号」という車両が公民館などの駐車場にやってきて、無料のスマホ教室を開いています。スマホを持っていない方も対象です。
2026年度は7月8日・15日、8月5日・19日・26日に開催され、会場は中野公民館西側のJAひろしま中野支店駐車場(安芸区)、高陽公民館駐車場(安佐北区)、老人いこいの家坪井荘駐車場(佐伯区)、大塚公民館駐車場(安佐南区)、早稲田公民館駐車場(東区)です。各日4回、1回1時間という区切りで進みます。
内容はスマホ基礎操作、Android・iPhoneの入門編、LINE、スマホ決済、セキュリティ、生成AIの活用などです。申込は電話による事前予約制で、予約受付コールセンター0800-111-9442(9時〜17時、土日祝も対応)または各公民館で受け付けています。
ここで見落とせないのが定員です。各回の定員は3人(先着順)と少なく、事実上ほぼマンツーマンに近い形で教われる反面、思い立ったときには埋まっていることも起こります。広報紙で開催を知ったらその日のうちに電話をする、くらいの気構えでちょうどよいでしょう。
さいたま市のように「市が公認して何度でも無料」という仕組みもある
行政と携帯会社が組むことで、回数と会場数の両方を確保している例もあります。さいたま市の「市公認スマホ教室」がその代表です。
対象は「さいたま市在住の方であれば、どなたでも受講いただけます」とされ、年齢の制限がありません。受講料は「無料(何度でも受講いただけます)」と案内されており、同じ講座を繰り返し受けても費用はかかりません。ドコモ以外のスマホを使っている方、スマホを持っていない方も参加でき、貸出端末が用意されています。
内容は、基本的な使い方(文字入力、メール、カメラ、電話、インターネット、アプリ、安全な利用)と、便利な使い方(マップ、災害対策、キャッシュレス)に分かれ、個別の相談も受け付けています。会場は市内13店舗のドコモショップ(北浦和、大宮大和田、東大宮、コクーンシティなど)で、事前の来店予約が必要です。開催店舗に電話・店頭・インターネットなどで申し込みます。
「何度でも」という条件は、シニアの学びにとって想像以上に効いてきます。1回で覚えきれなくても、来月また同じ講座を受け直せばよいからです。お住まいの市区町村のホームページで「スマホ教室」「デジタル」といった言葉で検索し、同じような仕組みがないか確かめてみてください。
自治体の講座は、広報紙の「くらし」「福祉」「講座・催し」のページに載ることがほとんどです。ホームページを見るのが苦手な方は、毎月届く広報紙のその欄だけ切り抜いて冷蔵庫に貼っておくと、申込期限を逃しにくくなります。地域包括支援センターの窓口でも、近隣の講座情報を教えてもらえます。
携帯ショップ以外にもある、意外な学び場4つ|警視庁から同世代講師まで
無料でスマホを学べる場所は、携帯ショップと役所だけではありません。目的によっては、こちらのほうが合っているという選択肢を4つ紹介します。
警視庁のスマホ防犯教室|詐欺を疑似体験できる90分(都内65歳以上)
「操作はだいたいわかるけれど、怪しいメールが怖い」という方に向いているのが、警視庁が開いているスマホ防犯教室です。参加は無料、対象は都内にお住まいの65歳以上の方です。
内容は約90分の講義で、架空料金請求詐欺、フィッシング、セキュリティ設定の3つを扱います。特徴的なのは、スマートフォン利用者を狙った詐欺被害を疑似体験できる点です。文章で「こういう手口があります」と読むのと、実際に画面上でその流れを追うのとでは、記憶への残り方が違います。講義後には希望者向けの個別相談会(1人10分程度)もあり、自分のスマホのセキュリティ設定を見てもらえます。
令和8年7月からは都内48会場での開催が案内されています。申込は電話での事前申込制で先着順、スマホ防犯教室事務局(03-4218-8386、平日午前9時〜午後5時)が窓口です。
都内以外にお住まいの方は、警視庁が公開しているオンライン型講座(架空料金請求詐欺編、フィッシング詐欺編、セキュリティ設定編)を動画で見ることができます。詳しくは警視庁「スマホ防犯教室」のページで確認してください。お住まいの都道府県警でも同様の啓発講座を開いている場合があるので、県警のホームページや広報紙もあわせて見てみるとよいでしょう。
楽天シニアのスマホ教室|全20講座が無料、自分のスマホ持参が条件
携帯会社系ではもうひとつ、楽天シニアが運営するスマホ教室があります。公式サイトには「全講座無料です」と記載されており、有料講座の但し書きがない点がわかりやすいところです。
講座は20種類。スマホの基本操作から、電話、カメラ、アプリのインストール、インターネット、メール、さらにマイナポータル、確定申告、オンライン診療まで並んでいます。行政手続き系のテーマが揃っているので、「役所に行かずに済ませたい」という目的がある方には使いやすい構成です。
参加条件で押さえておきたいのは2点です。ひとつは年齢制限がなく、楽天モバイル以外の携帯会社のスマートフォンを使っている方も受講できること。もうひとつは、スマートフォンを持参することが原則の条件になっていることです。つまり、これからスマホを買うか迷っている段階の方には向きません。その場合は、体験用端末を用意しているドコモや、貸出のある自治体の教室を選びましょう。
申込は、公式サイトの会場検索・予約ページから場所と受けたい講座(時間割)を選ぶ方式です。近所の施設で開講されていることが多いので、まずは郵便番号や地域名で会場を検索してみてください。
シルバー人材センター|同世代が講師だから、質問のハードルが下がる
「若いスタッフに何度も聞き返すのが気が引ける」という方に検討していただきたいのが、シルバー人材センターのスマホ・パソコン講座です。全国のセンターがそれぞれ独自に開講しています。
この選択肢の良さは、講師が同世代であることです。金沢市シルバー人材センターは、シニアICT部員を講師とした「シニアによるシニアのためのスマホ教室」を開いています。同じ年代の人が、どこでつまずくかを知ったうえで教えるので、説明の速度や言葉選びが自然と合いやすくなります。中央区シルバー人材センターでは、初めてのパソコン、Excel、Word、インターネット、スマートフォン講座など、毎月さまざまなコースが開設されています。
西東京、八王子、調布、松本など各地のセンターでも同様の講座が実施されています。地元のシルバー人材センターに電話をして「スマホの講座はありますか」と聞くのが最短ルートです。
ただし注意点があります。シルバー人材センターの講座は受講料がセンターごとに異なり、材料費や資料代を含めて有料の場合があります。無料にこだわるのであれば、申込前に受講料を確認してください。逆に、数千円で継続的に教われるなら安いと考える方には、有力な候補になります。
図書館・公民館・地域包括支援センターの単発講座も見逃せない
4つめは、身近な公共施設が独自に開く単発講座です。図書館、公民館、コミュニティセンター、地域包括支援センターなどが、地域の事業者やボランティア団体と組んで開催しています。
公民館講座の良さは、会場が歩いて行ける距離にあることと、顔見知りの方と一緒に受けられることです。新座市の公民館ではシニア向けのLINE活用講座が開かれ、那覇市中央公民館では高齢者学級としてAndroid編のスマホ講座が実施されるなど、地域ごとにテーマが工夫されています。定員は10〜20人程度と小さめのことが多く、質問しやすい雰囲気があります。
探し方は、公民館の窓口に置かれた講座チラシを見るのが確実です。多くの公民館は入口付近に講座案内のラックを置いています。図書館なら、掲示板やカウンター横のチラシ台をのぞいてみてください。ホームページの「講座・イベント」欄でも一覧が見られます。
注意したいのは、公民館講座は開催が不定期で、年に数回しかない場合が多いことです。「次はいつですか」と窓口で聞いておき、開催が決まったら電話をもらえるようお願いしておくと取りこぼしがありません。同じように無料で学べる仕組みは、スマホ以外の分野にも広がっています。

「英会話を始めたいけれど、教室に通うのは少しハードルが高い」「お金をかけずに試してみたい」——そんなふうに感じている60代・70代の方は少なくありません。実は今…
「無料スマホ教室」をうたう案内が、封書やチラシで自宅に届くことがあります。運営元が携帯会社・自治体・公共施設のいずれでもない場合は、会場で高額な機器や情報商材の販売が行われるおそれがあります。申し込む前に、主催者名と連絡先を確認し、市区町村や消費生活センターに問い合わせて実在する事業かどうかを確かめてください。
自分に合う学び場の選び方|貸出・相談会・回数コースで絞り込む

選択肢が多いと、かえって決められなくなるものです。ここでは、ご自身の状況から候補を絞る考え方を整理します。
スマホを持っていないなら、迷わず「貸出あり」の教室から
まだスマホを持っていない、あるいはガラケーを使い続けている方は、体験用端末の貸出がある教室を選んでください。これが最初の分かれ道になります。
理由は単純で、教室の多くは「自分のスマホを持ってきて操作する」形で進むからです。楽天シニアのスマホ教室のようにスマートフォンの持参が原則条件になっている講座では、端末がないと講義を聞くだけになってしまいます。
貸出が明示されているのは、ドコモスマホ教室(体験用スマートフォンを用意)、東京都の高齢者向けスマートフォン教室(教室参加者でスマホをお持ちでない方に試用スマートフォンの貸出申込を受付)、江東区の一部講座、さいたま市公認スマホ教室(貸出端末あり)、広島市のスマホ教室(スマホを持っていない方も対象)などです。ソフトバンクの教室もスマホ未所有の方を対象に含めています。
ここで一つ、順番の話をしておきます。「まず機種を買ってから教室へ」と考えがちですが、逆をおすすめします。先に貸出のある教室で数種類の画面に触れてみると、文字の大きさや操作感の好みがはっきりして、機種選びで後悔しにくくなります。買ってから「思ったより小さくて見えない」となるより、ずっと確実です。
聞きたいことが1つだけなら、教室より「相談会」を選ぶ
「写真の送り方だけ知りたい」「通知音を消したい」というように、疑問がはっきり1つに絞れている場合は、集合型の教室よりマンツーマンの相談会が向いています。
集合型の教室は、決まったカリキュラムに沿って進みます。参加者全員のペースを合わせる必要があるため、自分だけの困りごとに長い時間を割いてもらうのは難しいのが実情です。一方、相談会は一対一で、自分のスマホの画面を見せながら相談できます。
東京都は教室と別に「スマートフォン相談会」を設けており、マンツーマンで対応しています。大田区でも、日常の困りごとに個別に応じる相談会が実施されています。江東区も10種類の講座に加えて相談会を開いています。ドコモショップの「くらしの相談会」のように、携帯会社側にも相談型の枠があります。
相談会を使うときのコツは、聞きたいことを紙に書いて持っていくことです。その場になると「あれ、何を聞くつもりだったか」と忘れてしまうものです。困った画面をスクリーンショットで撮っておくのも有効です。音声で操作する方法を知っておくと、そもそも困る場面が減ります。

「テレビのCMでよく聞く『ヘイ、シリ』とか『オッケー、グーグル』って、いったい何のこと?」——そんな疑問を持ちながら、なんとなく使わずに来た方は多いのではないで…
実は、有料教室のほうが結果的に安上がりになる人もいる
意外と知られていないのですが、無料教室にこだわりすぎると遠回りになることがあります。「毎週決まった曜日に、同じ先生に、同じ場所で」教わりたい方は、有料の教室を検討する価値があります。
無料教室の弱点は、開催頻度と継続性です。自治体の講座は年に数回、公民館講座は不定期、携帯ショップの教室も日替わりメニューで、同じテーマが毎週あるとは限りません。江東区のように毎月の申し込みが3講座までという上限がある場合もあります。「早く一通り使えるようになりたい」という方には、この間隔がもどかしく感じられるでしょう。
民間のパソコン・スマホ教室の料金は、月2回の少人数制で5,000円〜7,000円、月4回で8,000円〜10,000円程度が一般的とされ、1レッスン(50分〜60分)あたりでは1,500円〜3,500円程度が目安です。週1回ペースの月謝相場は約7,000円〜15,000円といわれます。これを高いと見るか、3か月で操作を身につけるための費用と見るかは、目的次第です。
おすすめの使い分けは、無料教室で一通り体験してから判断するという順番です。無料の講座を2〜3回受けてみて、「もっと速く進みたい」と感じたら有料へ、「このペースで十分」と思えばそのまま無料で続ける。お金をかけるかどうかを、受けてから決められるのが無料教室の隠れた価値でもあります。
| 無料教室のメリット | 無料教室のデメリット |
|---|---|
| 費用がかからず何度でも試せる スマホ未所持でも貸出で参加できる 近所の公民館やショップで受けられる 他社契約者・ガラケー利用者も対象 | 開催が不定期で毎週は通いにくい 定員3人など先着枠が小さい会場もある 講師や進度が回ごとに変わることがある 申込回数に上限がある自治体もある |
立場別に考える|自分で通う人、親に勧める人、離れて暮らす家族
同じ無料教室でも、どの立場から関わるかで選び方が変わります。
ご自身で通う方は、通いやすさを最優先にしてください。片道30分を超える会場は、2回目以降の足が遠のきます。近所の公民館やショップで、まずは1回完結の入門講座を受けるのが現実的です。
親に勧める立場の方は、いきなり「教室に行ってごらん」と言わないほうがうまくいきます。「一緒に予約してあげる」「初回だけ付き添う」と申し出るほうが、実際の参加率は上がります。電話予約が中心の講座が多いので、予約の電話をかける役を引き受けるだけでも負担が減ります。
離れて暮らす家族の場合は、親御さんのお住まいの自治体名と「スマホ教室」で検索し、対象年齢と申込先の電話番号を調べて伝えるのが実用的です。江東区の0120-659-719、広島市の0800-111-9442のように、専用のコールセンターが置かれている自治体もあります。番号を書いた紙を電話機のそばに貼っておいてもらえば、思い立ったときにかけられます。
いずれの立場でも共通するのは、「1回で全部覚えさせようとしない」ことです。今日はLINEの返信だけ、次はカメラだけ、と絞ったほうが定着します。
予約から当日までの流れ|持ち物と、聞きそびれないための準備
行きたい教室が決まったら、次は申し込みです。ここでの準備が、学びの成果を左右します。
予約は電話・店頭・ネットの3ルート。シニアには電話が確実
無料スマホ教室の予約方法は、大きく電話・店頭・インターネットの3つです。どれを選ぶかで手間がまったく違います。
自治体の講座は電話予約が中心です。江東区は「申込は電話のみ」と案内していますし、広島市も電話による事前予約制、東京都のどこでもスマホ教室も電話申込です。警視庁のスマホ防犯教室も電話での事前申込制で先着順となっています。番号を押すだけで済むので、スマホ操作に不慣れな段階ではこの形が最も確実です。
携帯ショップの教室は、店頭・電話・インターネットから選べることが多くなっています。ドコモスマホ教室はインターネット予約にdアカウントのログインが必要で、dアカウントを持っていない方は各ショップへの電話でも受け付けています。ソフトバンクは「店頭またはお電話にて、事前のご予約が必要です」、auは「それぞれの実施店舗で異なります」と案内しています。
電話をかけるときは、伝える内容をあらかじめ紙に書いておくとスムーズです。江東区の場合、氏名・電話番号・希望講座・希望日・スマホ貸出の有無を伝える決まりになっています。この5項目をメモしておけば、どの教室でもだいたい対応できます。
- Step1: お住まいの市区町村名+「スマホ教室」で検索するか、広報紙の講座欄を確認する
- Step2: 対象年齢・受講料・スマホ貸出の有無の3点を、申込先の電話で確認する
- Step3: 氏名・電話番号・希望講座・希望日・貸出の有無をメモしてから電話をかける
- Step4: 予約が取れたら、日時と会場をカレンダーと冷蔵庫の両方に書く
- Step5: 前日までに、聞きたいことを箇条書きで3つまで絞っておく
当日の持ち物リスト|パスワードを控えずに行くと、その場で手詰まりになる
当日に持っていくものは、スマホ本体だけでは足りません。持ち物の不足で講座の半分が無駄になる、というのがよくある失敗です。
実際に起こりがちなのが、次のような場面です。アプリの入れ方を教わろうと教室へ行ったものの、Apple IDやGoogleアカウントのパスワードを覚えておらず、アプリを入れる直前で止まってしまう。講師も本人以外がパスワードを操作するわけにはいかないので、「ご自宅で確認してから、もう一度いらしてください」となってしまいます。1時間の講座がまるごと持ち越しになるわけです。
対策は、パスワードを紙に書いて封筒に入れて持参することです。デジタルで管理しようとせず、紙のほうが確実です。あわせて充電器(または充電を満タンにしておく)、老眼鏡、筆記用具とノートを用意しましょう。自治体の講座では本人確認のため保険証などを求められる場合があるので、申込時に確認してください。
もう一点、機種変更したばかりの方は、前の機種も持っていくと役に立つことがあります。写真や連絡先の移し方を相談するときに、両方の端末があれば話が早く進みます。
- ☑ スマートフォン本体(充電は満タンに)
- ☐ Apple ID/Googleアカウントのパスワードを書いた紙
- ☐ 老眼鏡・筆記用具・ノート
- ☐ 聞きたいこと3つを書いたメモ
- ☐ 充電器(長時間コースの場合)
- ☐ 本人確認書類(自治体講座で求められる場合)
- ☐ マイナンバーカード(マイナポータル関連の講座の場合)
質問メモの作り方|困った画面はその場で撮っておく
講座の時間を無駄にしない最大のコツは、質問を用意していくことです。ただし、質問の書き方にも工夫の余地があります。
「スマホがよくわからない」という漠然とした質問では、講師も何から答えてよいか迷います。「孫からのLINEに写真を付けて返したい」「文字が小さくて読めないので大きくしたい」というように、やりたいことの形で書くのが正解です。目的が具体的なほど、その場で解決まで到達できます。
困った画面が出たときは、スクリーンショットを撮っておきましょう。iPhoneならサイドボタンと音量を上げるボタンを同時に押す、Androidなら電源ボタンと音量を下げるボタンを同時に押すのが一般的な方法です。この撮り方自体を最初の講座で教わってしまうのも良い手です。画面が残っていれば、「こういう表示が出るのですが」と見せるだけで話が通じます。
質問は3つまでに絞ることをおすすめします。1回1時間の講座で、丁寧に解決できるのは2〜3個が現実的な線です。江東区や広島市のように1回1時間・1回完結の形が多いことを考えると、欲張らずに絞ったほうが持ち帰れるものが増えます。
一度で覚えられなくて当たり前。復習の型をつくる
教室を出た瞬間に手順を忘れてしまった、という経験は珍しくありません。これは能力の問題ではなく、復習の仕組みがないだけです。
人は、教わっただけの操作を数日後に再現するのが苦手です。特にスマホの操作は「押す場所」が画面の中にあり、目印が覚えにくいという性質があります。だからこそ、教室で教わったその場で、自分の言葉に置き換えたメモを残すことが効きます。
実用的な復習の型は3つあります。1つめは、講座中に自分の手で操作してみて、その手順をノートに番号付きで書くこと。2つめは、家に帰ったその日のうちに、もう一度同じ操作をやってみること。3つめは、うまくいった画面をスクリーンショットで残しておくことです。
さらに、動画講座を組み合わせると定着が良くなります。ドコモスマホ教室にはオンライン版の動画があり、auも自宅のパソコンやスマホで好きな時間に視聴できる動画講座を用意しています。ソフトバンクもスマホ教室の動画を公開しています。教室で教わったテーマと同じ動画を家で見返せば、講師に何度も同じ質問をする気兼ねもいりません。
よくあるつまずきと、その場でできる対処法
最後に、無料スマホ教室を使ううえで実際に起こりやすいつまずきと、その対処法をまとめます。事前に知っておけば、避けられるものばかりです。
定員3人・先着順を知らずに直前予約し、満席で受けられない
2つめの代表的な失敗が、予約のタイミングです。広報紙で「無料スマホ教室」を見つけ、開催週になってから電話をしたところ「すべて満席です」と言われてしまう、というケースです。
原因は、無料教室の定員の小ささにあります。広島市のスマホなんでもサポート号は各回の定員が3人(先着順)です。公民館の講座でも10〜20人程度が一般的で、人気のLINE講座やキャッシュレス決済講座は早い段階で埋まります。江東区のように毎月の申し込みが3講座までと決められている場合、受けたい講座を選び損ねると翌月まで待つことになります。
対策はシンプルで、「開催情報を見た日に電話する」ことです。広報紙が届いたら、講座欄を先に開く習慣をつけましょう。もう一つの手は、複数の系統に申し込みを分散させることです。自治体の講座が埋まっていても、携帯ショップの教室なら平日の枠が空いていることがあります。
あわせて、キャンセル待ちを申し出ておくのも有効です。定員が小さい講座ほど、1人のキャンセルで順番が回ってくる確率は高くなります。電話を切る前に「空きが出たら連絡をいただけますか」と一言添えてください。
講座名だけで選んで、レベルが合わなかった
「入門」「基本」「使いこなし」といった講座名は、運営元によって指す範囲が違います。名前だけで選ぶと、簡単すぎたり難しすぎたりということが起こります。
江東区の講座を例にとると、文字入力・タッチ操作講座、入門講座、基本講座、LINE初心者講座、LINE使いこなし講座と、細かく段階が分かれています。この場合、画面をなぞる操作から不安な方は文字入力・タッチ操作講座、電話とメールはできる方は基本講座、というように選び分けができます。一方で、講座が2〜3種類しかない自治体では、1つの講座に幅広いレベルの方が集まります。
失敗を避けるには、申込の電話で「どのくらいのレベルの方が対象ですか」と聞くのが確実です。「ガラケーから替えたばかりです」「電話とメールはできますが、アプリを入れたことがありません」と現状を伝えれば、向いている講座を案内してもらえます。
それでも合わなかった場合は、遠慮なく別の講座に申し込み直してください。無料教室の利点は、失敗しても金銭的な損がないことです。さいたま市のように「何度でも受講いただけます」という自治体なら、同じ講座を受け直すこともできます。
通信費は自己負担。教室でデータ通信量を使い切らないために
見落とされがちなのが通信費です。受講料が無料でも、自分のスマートフォンの通信費は自己負担になります。東京都の教室も大田区の教室も、この点を明記しています。
動画の見方やアプリの入れ方を扱う講座では、その場でデータ通信を使います。契約しているデータ量が月1GBや3GBといった小容量プランの場合、1回の講座で残量を大きく減らしてしまう可能性があります。月末に速度制限がかかると、かえって不便になってしまいます。
対策は2つです。1つは、会場にWi-Fiがあるかを申込時に確認し、あれば接続方法を最初に教わること。公民館やショップにはWi-Fiが整備されていることが多く、これを使えばデータ量を消費しません。もう1つは、自宅にWi-Fiがある方は、その接続方法もあわせて教わっておくことです。
データ量の残りを確認する方法自体を、講座の質問リストに入れておくのも良い考えです。「今月あとどれくらい使えるか」を自分で見られるようになると、動画を見るのをためらわなくて済むようになります。
まとめ|無料のスマホ教室は「近い・貸出・何度でも」で選ぶ
シニア向けのスマホ教室は、無料で受けられる場所が想像以上に用意されています。携帯大手3社のショップ、都道府県や市区町村、楽天シニア、シルバー人材センター、公民館や図書館、さらには警視庁の防犯教室まで、それぞれ違う強みを持った教室が動いています。2026年3月末に総務省のデジタル活用支援推進事業が5年間の役目を終えましたが、自治体と企業がそれぞれの形で講座を続けているため、無料で学べる機会そのものは残っています。
選ぶときの基準は3つです。第一に「近いこと」。片道30分を超える会場は続きません。第二に「貸出があること」。スマホをまだ持っていない方は、体験用端末のある教室から始めれば、機種選びの失敗も防げます。第三に「何度でも受けられること」。さいたま市の市公認スマホ教室のように繰り返し受講できる仕組みがあれば、1回で覚えきれなくても焦る必要がありません。
そのうえで、目的別に使い分けてください。聞きたいことが1つだけなら相談会、段階を追って学びたいなら東京都の4回コースのような回数型、詐欺やセキュリティが心配なら警視庁のスマホ防犯教室、同世代の講師に教わりたいならシルバー人材センターです。無料教室を2〜3回受けたうえで「もっと速く進みたい」と感じたら、月2回5,000円〜7,000円程度から通える民間の教室に切り替えるという道もあります。
最初の一歩は、お住まいの市区町村名と「スマホ教室」の2語で検索するか、今月の広報紙の講座欄を開くことです。見つかったら、その日のうちに電話をかけてください。伝えるのは、氏名・電話番号・希望講座・希望日・スマホ貸出の有無の5つだけです。予約が取れたら、聞きたいことを3つ書き出して、パスワードを書いた紙と老眼鏡を鞄に入れておきましょう。それだけで、次の1時間はぐっと実りのあるものになります。
なお、講座の開催日程・対象年齢・受講料は年度ごとに見直されます。この記事の内容は2026年8月時点で各運営元が公表している情報にもとづいています。お申し込みの際は、必ず各自治体・各社の公式サイトや窓口で最新の情報をご確認ください。

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