敬老の日ののしは「祝 敬老の日」が正解|水引・名入れ・内のし外のしの全マナー

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デパートのギフト売り場で「のしはお付けしますか」と聞かれて、一瞬言葉に詰まった経験はありませんか。孫や子どもから贈られる立場になっても、いざ自分が贈る側にまわると、敬老の日ののしは必要なのか、表書きに何と書けばいいのか、名前は誰の名前を入れるのか、迷いどころばかりです。

先に結論をお伝えします。敬老の日ののしは、法律やしきたりで義務づけられたものではありません。ただ、つけると「きちんとお祝いしています」という気持ちが形になって伝わります。表書きは「祝 敬老の日」、水引は紅白の蝶結び5本、名前はのし下に贈る側の名前。この3点さえ押さえておけば、まず失礼にはなりません。

この記事では、のしをつけるべき場面とつけないほうがいい場面の分かれ目から、水引の選び方、表書きに使える言葉、孫と連名で贈るときの名入れ、内のしと外のしの使い分けまで、贈る側が実際に迷う順番で整理しました。2026年の敬老の日である9月21日に向けた準備の逆算表と、いまどきの予算のリアルもあわせてお伝えします。

📝 押さえておきたいポイント
・敬老の日ののしは必須ではないが、つけると改まった印象になる
・水引は紅白か金銀の蝶結び、本数は5本が定番(7本はより丁寧)
・表書きは「祝 敬老の日」が無難。4文字の言葉は避ける
・名前はのし下に贈る側の名前。孫が多いときは「孫一同」でよい
目次

敬老の日ののしは必要?つける・つけないの分かれ目

敬老の日ののしは必要?つける・つけないの分かれ目の解説画像

のしがなくても失礼ではない、では何のためにつけるのか

敬老の日の贈り物にのしをつけるかどうかは、贈る側が選べます。つけなかったからといってマナー違反になるものではありません。それでも百貨店やギフト専門店がのしをすすめるのは、のし紙が「この品物はお祝いとして贈っています」という宣言の役割を果たすからです。

贈り物は、渡した瞬間に気持ちが伝わるとは限りません。娘や息子から届いた荷物が、祖父母の家に着いたときには箱だけになっていて、何のお祝いだったのか本人がぴんと来ない、ということが実際に起こります。のし紙に「祝 敬老の日」と書かれていれば、包みを開ける前に用向きが伝わります。同居していない親へ贈るときほど、この一枚の効き目は大きくなります。

目安として、改まった気持ちを表したい相手(義理の親、離れて暮らす親、日ごろあまり会えない親戚)にはのしをつける、毎週顔を合わせている親にちょっとした菓子を持っていく程度なら不要、と考えると迷いません。地域によっては「お祝いごとに掛け紙をかけないのは物足りない」という感覚が残っている土地もあり、配偶者の実家に贈るときは相手方の習慣に合わせておくと安心です。

のしをつけないほうがいいのは、この3つのケース

つけるか迷う以前に、のしを避けたほうがいい贈り物があります。ひとつ目は生ものです。のしはもともと干したあわびの代用品で、それ自体が生ものを意味します。鮮魚や肉を贈るときにのしを付けると意味が重複するため、熨斗は付けず、代わりに笹の葉を敷くのが本来の作法です。かに、刺身、ステーキ肉といった敬老の日らしい品を選んだときは、店の担当者に「生ものなので掛け紙だけで」と伝えれば通じます。

ふたつ目は花です。花束や鉢物には、のし紙ではなく立て札やメッセージカードを添えるのが一般的で、多くの花店が無料で用意しています。立て札は改まった贈り物向け、メッセージカードは親しい間柄で祝福や感謝を伝えるときや、立て札では大げさになる場合に使います。

3つ目は、孫が自分のお小遣いで買った品や手作りの工作です。ここにきっちりした水引の掛け紙をかけると、かえって子どもらしさが消えてしまいます。似顔絵や手紙のほうが祖父母の記憶に残ります。注意したいのは、家族で1つの贈り物にまとめる場合。誰から贈られた品か分からなくなるため、代表者の名前か「孫一同」だけは入れておきたいところです。

💡 暮らしの知恵
迷ったときの中間案が「短冊のし」です。のし紙を短冊状に細長くしたもので、小さな品物やエコの観点から使われることが増えています。品物の右上に貼るだけなので、菓子折り1つ、瓶1本といった小ぶりな贈り物でも収まりがよくなります。ただし略式にあたるため、義理の親や目上の親戚へ改まって贈るときは、通常ののし紙を選んでおくほうが無難です。

贈る相手との距離感で決める、実践的な判断のしかた

結局のところ判断軸は「誰が、どこで、どんな渡し方をするか」の3つです。渡す相手が義理の親や親族なら、のしをつけたほうが場が落ち着きます。渡す場所が親族の集まる席で、ほかにも贈り物が並ぶ状況なら、誰からの品かひと目で分かるのしが役に立ちます。宅配便で送るなら、送り状だけでは用向きが伝わらないので、やはりのしが働きます。

逆に、夫婦二人で暮らす実家に週末ごとに立ち寄っている、その延長で好物を持っていく——そんな場面まで掛け紙をかけると、かえって他人行儀に感じられることがあります。母親から「そんなに気を遣わないで」と言われた経験がある人は、のしの代わりに一筆箋を添える形に切り替えると、負担感なく気持ちが伝わります。

贈り物そのものの選び方に迷っているなら、こちらの記事も参考になります。

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そもそも「のし」はあわびだった|由来を知ると迷いが消える

のしの正体は「のし鮑」、右上の飾りの意味

のし紙の右上についている、細長い六角形の飾り。あれが本来の「のし」です。語源は「のし鮑(あわび)」の略で、あわびの身をそいで干したものを贈り物に添えたのが起こりとされています。あわびは古くから貴重な食材で、不老長寿の象徴として扱われてきました。つまり「肴も添えてお贈りします」という意味を表す印だったわけです。

現在の折り熨斗は、紅白の紙を折り、その中に短冊型に切った黄色い紙片を包む形になっています。この黄色い紙片こそが、もとをたどればのし鮑にあたります。長寿を願う縁起物が起源だと知ると、長寿を祝う敬老の日との相性のよさが腑に落ちます。

ここで言葉を整理しておきます。のしと水引が印刷された紙全体が「のし紙」、のしも水引も印刷されていないただの紙は「掛け紙」と呼び分けます。弔事に使うのは掛け紙です。売り場で「のし紙をお願いします」と伝えれば慶事用が出てきますが、注文サイトの選択肢では両方が並ぶことがあるので、この違いは覚えておくと役に立ちます。

生ものに熨斗を付けない理由は「意味の重複」だった

先に触れた「生ものにはのしを付けない」という決まりも、由来を知ると理屈が通ります。のしは生あわびの代用品であり、それ自体が生ものを意味します。そこに鮮魚や肉を合わせると、生ぐさが重複してしまう——だから付けない、というのが伝統的な考え方です。

実務としては、鮮魚・精肉・かに・生ハムなどを贈るときは、のしのない掛け紙に紅白の水引だけが印刷されたものを使います。百貨店の担当者に「生ものなので」と一言添えれば、適切な紙を選んでくれます。ネット注文の場合は、備考欄にその旨を書くか、のしの種類で「短冊(水引のみ)」が選べる店ならそれを指定します。

とはいえ、現代では冷凍の海鮮セットやハムの詰め合わせに慶事用のし紙がかかっていることも珍しくありません。受け取った側がそれを咎めることはまずないので、神経質になる必要はありません。知っていて選ぶのと、知らずに選ぶのとでは、いざ改まった贈り物をするときの落ち着きが変わってきます。

⚠️ 気をつけたいこと
弔事に熨斗を付けるのは避けます。弔事では生ぐさものを断つ、引き伸ばしたくないという意味から、のしのない掛け紙を使います。敬老の日の贈り物を選ぶときに、家に余っている掛け紙を使い回すと、法事用の紙が混ざっていることがあります。買い置きの掛け紙は、右上ののしの有無を確認してから使ってください。

「引き伸ばす」から広がった、贈答文化としてののし

のしが慶事全般に使われるようになった背景には、「のす(引き伸ばす)」という言葉の縁起があります。長く伸びる、末永く続くという意味が重ねられ、婚礼や出産だけでなく、季節の贈答にも広く使われるようになりました。お中元やお歳暮にのし紙がかかっているのも、この流れの延長です。

敬老の日は1966年に国民の祝日として制定された、贈答の歴史から見れば新しい行事です。そのため「敬老の日はこう贈るもの」という全国共通の型は、婚礼や葬儀ほど固まっていません。逆にいえば、基本の形さえ守れば、あとは家族の事情に合わせて崩してよい行事だということです。

実際、贈り物の中身も、かつての「長寿を願う縁起物」から、食品・スイーツ・花といった日常を楽しむ品へ移ってきました。のしのかけ方も、格式ばった形式より「誰から、何のお祝いか」が伝わることを優先して選べば十分です。形式に縛られすぎて贈るのをやめてしまうより、簡略でも贈るほうが、受け取る側はうれしいものです。

水引は紅白の蝶結び5本|結び方と本数で意味が変わる

水引は紅白の蝶結び5本|結び方と本数で意味が変わるの解説画像

蝶結びを選ぶ理由、結び切りを選んではいけない理由

敬老の日の水引は、蝶結び(花結び)を選びます。蝶結びは簡単にほどいて何度も結び直せるため、「何度繰り返してもうれしいお祝い」に使う結び方です。敬老の日は毎年めぐってくる行事ですから、この意味がぴたりと合います。

対になるのが結び切りです。こちらは一度結ぶとほどけない結び方で、「一度きりであってほしいこと」に用います。結婚祝いや快気祝いがこれにあたります。敬老の日に結び切りを使うと、「お祝いは今回限り」という意味になってしまうため、避けたい組み合わせです。

売り場では「花結び」「もろわな結び」といった呼び方をされることもありますが、どれも蝶結びを指します。市販の祝儀袋やのし紙を買うときは、パッケージの用途表示に「一般祝事」「お祝い全般」とあるものを選べば、まず間違いありません。表示が「結婚祝」となっているものは結び切りなので、棚の並びだけで選ばないよう気をつけてください。

5本か7本か、9本を使わない理由

水引の本数にも意味があります。慶事では奇数を使い、敬老の日では5本が定番です。一般には5本もしくは7本が用いられ、5本は日常の多くの慶事で使うスタンダードな本数、7本は目上の人への贈り物や格式を意識したい場面に使います。義理の親へ改まって贈るなら7本を選ぶ、という考え方もできます。

注意したいのが9本です。9は奇数ですが「苦」に通じるため用いません。数を数えて選ぶ機会はほとんどありませんが、和紙店や文具店で本数違いが並んでいるときは、確認しておくと安心です。

色は紅白または金銀を選びます。長寿祝いを兼ねる場合は金銀を選ぶとよいとされ、還暦や古希の年に敬老の日を合わせて祝うなら、金銀のほうが場に合います。ふだんの敬老の日であれば紅白で十分です。豪華さで選ぶより、その年のお祝いの意味づけで選ぶ、と覚えておくと迷いません。

⚠️ 気をつけたいこと(失敗パターン1)
状況:手元にあった祝儀袋を使って敬老の日の贈り物にお金を包んだところ、水引が結び切りだった。
原因:結婚式で余った袋や、内祝い用に買い置きした袋が引き出しに混ざっていた。結び切りとあわじ結びは見た目が似ているため、急いでいると気づきにくい。
対策:使う前に水引の端を確認する。左右に輪ができていれば蝶結び、輪がなく端が上を向いていれば結び切り。買い置きは「一般祝事」と書かれた袋だけに絞っておくと取り違えが起きない。

手書きのし紙とプリントのし紙、どちらでもいい

近ごろは、水引が印刷されたのし紙が主流です。実物の水引をかける本式に比べて格が落ちると気にする人もいますが、百貨店の店頭で出てくるのも印刷ののし紙で、これが現在の標準です。家庭でプリンター印刷したのし紙を使うことも、身内へのお祝いであれば問題ありません。

実物の水引を使いたい場合は、和紙店や文具店で紅白の水引と無地の掛け紙を買い、自分で結ぶ方法もあります。手間はかかりますが、孫と一緒に結ぶ時間そのものが行事になります。結び方が分からなくても、蝶結びなら靴ひもと同じ要領で結べます。

気をつけたいのは、掛け紙のサイズです。品物より紙が小さいと締まりのない見た目になり、大きすぎると折り返しが重なって表書きが読みにくくなります。箱の上面がほぼ隠れる程度が目安で、市販ののし紙はA4判とB4判が使いやすいサイズです。

のしの表書きは「祝 敬老の日」が無難|使える言葉と避けたい4文字

場面別に選ぶ、表書きの言葉早見表

表書きは水引の上段中央に書きます。敬老の日の定番は「祝 敬老の日」で、これを選んでおけば相手を選びません。長寿祝いを兼ねるなら「敬寿」「祝長寿」、シンプルにまとめたいなら「御祝」「寿」、孫から気軽に贈るなら「感謝」やメッセージ調の言葉も使われます。「寿福」「祝健勝」といった、長寿と健康を願う言葉を選ぶ人もいます。

言葉選びに正解はありませんが、相手との関係と場の改まり度で決めると迷いません。以下は、贈る相手ごとにどの表書きが収まりやすいかを整理した早見表です。

贈る相手・場面向いている表書きひとこと
義理の親・目上の親戚祝 敬老の日/御祝用向きが明確な言葉が安全
実の親(離れて暮らす)祝 敬老の日/感謝配送なら用向きを書くと伝わる
長寿祝いと重なる年敬寿/祝長寿/祝古希など水引は金銀が合う
孫から祖父母へ感謝/いつもありがとう堅さより気持ちが伝わる
健康を願う気持ちを込めて寿福/祝健勝やや改まった印象になる

※表書きの言葉は各社ギフトマナーの案内をもとに、贈る相手別に高齢者あんしんノートが整理

4文字の言葉を避ける、という小さなルール

表書きで気をつけたいのが文字数です。4文字で収めると「4=死」を連想させる忌み数字になるため、敬老の日ののしにはふさわしくないとされています。「敬老祝い」「長寿祝賀」のように、うっかり4文字になってしまう言葉は避けるのが無難です。

回避のしかたは簡単で、「祝」を頭に足す、「御」を足す、間に一字空けを入れる、のいずれかです。「祝 敬老の日」が定番になっているのは、この形が文字数の心配なく収まるからでもあります。「敬寿」は2文字、「祝長寿」は3文字なので、こちらも問題ありません。

気にしない家庭も多く、受け取った側が文字数を数えることはまずありません。ただ、冠婚葬祭の作法を大切にしてきた世代に贈る場合や、義理の親族に贈る場合は、あえて4文字を選ぶ理由もありません。知っていれば避けられる小さな配慮です。

還暦・古希と重なる年は、表書きを変えるべきか

敬老の日は9月の第3月曜日で毎年めぐってきますが、還暦や古希は一生に一度です。家族が集まりやすい正月や敬老の日に合わせて長寿祝いをするケースも多く、この場合は表書きをどうするか迷います。

考え方はシンプルで、その年の主役が長寿祝いなら「祝還暦」「祝古希」のように長寿祝いの表書きにします。長寿祝いの表書きは「御祝」「寿」、または「祝○○」の形が一般的で、水引は蝶結び、色は紅白または金銀です。敬老の日はあくまで日付として利用した、という位置づけになります。

長寿祝いの区切りは、還暦が満60歳(数え年61歳)で祝い、テーマカラーは赤。古希は70歳で紫、喜寿は77歳で日本発祥の長寿祝いとされています。テーマカラーを知っていると、贈る品の色選びにも生かせます。なお、還暦だけは満年齢で祝う点がほかと違うので、年齢の数え方を家族内で確認しておくと当日の会話が食い違いません。

名前は誰の名前を書く?のし下の名入れルール

基本は贈る側のフルネーム、書く位置と大きさ

名入れは水引の下に書きます。ここに入れるのは贈る側の名前で、受け取る人の名前ではありません。祝儀袋に慣れていない人が取り違えやすいところなので、最初に押さえておきたい点です。個人で贈る場合は、贈る側の名前をフルネームで書きます。

大きさの目安は、表書きよりも少し小さくすることです。表書きと同じ大きさで書くと紙面が窮屈になり、大きすぎると自己主張が強い印象になります。表書きの文字の8割ほどをイメージすると、バランスよく収まります。

位置は表書きの真下、水引の中央線に合わせます。ここがずれると全体が傾いて見えるので、鉛筆で薄く中心線を引いてから書き、乾いてから消す方法が確実です。既製ののし紙には、あらかじめ薄い罫線が入っているものもあります。

夫婦・兄弟・孫、連名はどう書き分けるか

夫婦で贈る場合は、夫の姓名を中央に書き、妻の名前をその左側に書きます。妻は名前だけでよく、姓は繰り返しません。夫婦別姓で暮らしている場合や、実家の親へ贈る場合は、その家の慣習に合わせて並べ順を決めて構いません。

兄弟姉妹や孫が複数人で贈るときは、苗字を省略して名前だけを記載します。並べる順番は、立場や年齢が高い人の姓名を中央から左へ順に書きます。連名で書けるのは3名程度までとされているので、4人以上になるなら別の書き方に切り替えます。

人数が多い場合は「子供一同」「孫一同」と書いてもよいとされています。孫が5人、6人といる家庭では、この形がすっきり収まります。全員の名前を伝えたいときは、のしには「孫一同」と書き、中に全員の名前を書いた便箋やメッセージカードを入れると、両方が立ちます。祖父母にとっては、その紙のほうが宝物になることも多いものです。

✅ のし紙を自分で書くときの手順
  1. Step1: 品物にのし紙を仮に合わせ、書ける範囲を確認する(かけてから書くと紙が動く)
  2. Step2: 水引の上段中央に表書きを書く。「祝 敬老の日」なら「祝」と「敬老の日」の間を一字空ける
  3. Step3: 水引の下に贈る側の名前を、表書きより少し小さく書く
  4. Step4: 完全に乾かしてから品物にかける(にじみ・こすれ防止)

筆記具で差がつく、書くときの道具選び

のし紙を手書きするときは、毛筆に黒の墨汁で書くのが正式です。とはいえ、いまは筆ペンやサインペンも許容されています。日常的に筆を持たない人が無理に毛筆で書くより、書き慣れた筆ペンで丁寧に書いたほうが、読みやすく整った紙面になります。

避けたいのはボールペンです。ボールペンでの記入はマナー違反とされています。線が細く事務的な印象になるうえ、慶事の掛け紙としての格が整いません。家に筆ペンがなければ、文具店やコンビニで手に入る太字のサインペンで代用できます。

もうひとつ、墨の濃さも押さえておきたい点です。慶事では濃い黒で書きます。薄墨は弔事で使うものなので、筆ペンを買うときに「薄墨」と書かれたものを選ばないよう注意してください。慶事用と弔事用がセットになった商品もあり、両端で色が違うタイプは書く前にキャップの表示を確かめます。

のし袋の書き方をもう少し詳しく知りたい方は、入学祝いを例にした解説も参考になります。表書き・中袋の書き方は敬老の日でも共通です。

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⚠️ 気をつけたいこと(失敗パターン2)
状況:通販で敬老の日の品を注文する際、のしは付けたが名入れを空欄のまま送ってしまい、祖父母が誰からの荷物か分からなかった。
原因:注文画面で名入れが任意項目になっており、入力せずに進めた。送り状の依頼主欄は小さく、荷物を開ける前に読まれないことが多い。
対策:通販の注文時は「のしの種類」「表書き」「名入れ」の3つがそろって初めて完成すると考える。孫の名前を入れる場合は、祖父母が普段呼んでいる呼び名と一致する表記(下の名前だけなど)にすると、より伝わりやすくなる。

内のしと外のし、宅配で迷わない選び方

2つの違いは、のし紙が包装紙の内側か外側か

内のしは、贈答品に直接のし紙をかけ、その上から包装紙で包む方法です。外のしは、包装紙で包んだ上からのし紙をかける方法を指します。違いはのし紙の位置だけですが、受け取ったときの印象が変わります。

内のしは包装紙に包まれて表書きが見えないため、控えめな印象になります。外のしは渡すときに表書きが見えるので、どんな目的で誰が贈ったのかがひと目で分かります。この性質の差が、そのまま使い分けの基準になります。

大切なのは、のし紙をかけること自体であり、内のし・外のしの使い分けに厳密な決まりはないという点です。渡す状況によってどちらがより適切かの傾向がある、という程度に受け止めておけば十分です。売り場で聞かれて答えに詰まったら、「手渡しなので外のしで」「配送なので内のしで」と伝えれば話が早く進みます。

外のしが向く場面内のしが向く場面
手渡しでお祝いの気持ちを伝えたいとき
親族が集まり贈り物が複数並ぶとき
誰から何のお祝いかを明確にしたいとき
宅配便で送るとき(のし紙が傷つかない)
控えめな印象にしたいとき
内祝いなど自分側の慶事の返礼のとき

宅配便で送るなら内のしが基本

離れて暮らす親へ送る場合は、内のしを選びます。宅配便で送る際は、贈り物の用途とは関係なく、のし紙が傷つかない配慮として内のしを使うのが一般的です。外のしのまま配送すると、伝票や梱包材とこすれて表書きがかすれたり、紙が破れたりすることがあります。

ここで心配になるのが、「包装紙の中では用向きが伝わらないのでは」という点です。多くの通販サイトでは、送り状の品名欄に「敬老の日ギフト」と記載する配慮がされていますし、包みを開ければのし紙は目に入ります。届いた瞬間に分かってほしいなら、別便でハガキや手紙を出す方法もあります。

反対に、当日持参して手渡しするなら外のしが向きます。玄関先で包みを渡した瞬間に「祝 敬老の日」の文字が見えると、お祝いに来たという気持ちがそのまま伝わります。親族が集まる席で複数の贈り物が並ぶ場面でも、外のしなら誰からの品か迷いません。

施設に届ける・家族で1つにまとめる、迷いやすい場面別の選び方

親が介護施設や病院にいる場合は、配送でも手渡しでも内のしが扱いやすくなります。職員が荷物を預かって本人に渡す流れになることが多く、包装のまま保管されるためです。名入れは省かず、下の名前まで書いておくと、職員が本人に説明するときに伝わります。事前に持ち込みの決まりを施設へ確認しておくと、当日あわてずに済みます。

兄弟で費用を出し合って1つの品を贈る場合は、外のしにして「子供一同」と入れると、まとめた形がきれいに伝わります。それぞれ別々に贈るより金額をかけられるので、家電や旅行券のようなまとまった品を選びたいときにも向く方法です。

迷ったときは、渡す場面を思い浮かべてください。目の前で手渡す絵が浮かぶなら外のし、玄関に届く段ボールの絵が浮かぶなら内のし。この一問だけで、ほとんどの場面は決まります。どちらを選んでも、のし紙をかけた時点でお祝いの体裁は整っています。

2026年は9月21日|準備の逆算と、いまどきの予算のリアル

今年の日付と、連休の使い方

敬老の日は祝日法で「9月の第3月曜日」と定められ、その趣旨は「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」とされています。2026年は9月21日(月)です。翌2027年は9月20日にあたり、毎年日付が動くため、カレンダーで確認する習慣をつけておくと安心です(出典:内閣府「国民の祝日について」)。

2026年の敬老の日は、9月19日から23日までのシルバーウィーク(5連休)の3日目にあたります。連休の中日なので、前後に帰省の予定を組みやすい年です。帰省して手渡しするなら外のし、帰省が難しければ内のしで配送、と早い段階で決めておくと、注文のときに迷いません。

配送で贈る場合は、連休直前の配送混雑を見込んで、遅くとも1週間前には注文を済ませておくと落ち着いて構えられます。冷蔵・冷凍品は受け取り日時の相談も必要になるため、実家の予定を先に聞いておくとやりとりが一度で済みます。

実は「老人の日」は別にあり、9月15日から1週間続く

意外と知られていませんが、9月15日は「老人の日」で、9月15日から21日までの7日間は「老人週間」です。これは国民の祝日ではなく、老人福祉法に基づいて定められたもので、国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すことを目的としています(出典:厚生労働省「老人の日・老人週間」)。

もともと敬老の日は9月15日でしたが、2003年からハッピーマンデー制度により9月の第3月曜日へ移りました。その際、9月15日という日付が「老人の日」として老人福祉法に残った、という経緯です。祝日ではないため休みにはなりませんが、この期間は自治体や地域の団体が高齢者向けの行事を開く時期でもあります。

ここに準備の余裕が生まれます。敬老の日当日に予定が合わなくても、老人週間にあたる9月15日から21日までの間に訪ねれば、「敬老の日の集まり」として自然に成立します。連休は道路も新幹線も混みますから、日をずらして訪ねるほうが、ゆっくり話せることも多いものです。

予算のリアル|主流は3,000円から5,000円の帯

のしのかけ方と並んで迷うのが金額です。敬老の日ギフトの情報メディア「敬老の日.jp」が2025年6月22日から7月13日にかけて全国の10代から60代の男女359名に行った調査では、予算帯の分布が公表されています。

📊 データで見る 敬老の日ギフトの予算
4,000円〜5,000円未満が20.3%で最多、次いで2,000円〜3,000円未満が19.5%、3,000円〜4,000円未満が15.6%。1,000円〜2,000円未満が9.7%、5,000円〜8,000円未満が7.0%と続き、8,000円以上は合計で2.3%にとどまりました。「お金をかけない」も13.9%あります。(出典:敬老の日.jp 2025年調査/Groov株式会社

この数字が示しているのは、敬老の日が見栄を張る行事ではなくなっているということです。高額な品を用意しなければという気負いは要りません。3,000円前後の菓子折りにきちんとのしをかけて渡すほうが、金額だけ大きくて用向きの分からない荷物より、受け取る側の記憶に残ります。

年金で暮らす親に高額な品を贈ると、「お返しをしなければ」と気を遣わせてしまうこともあります。相手の性格を考えて、負担にならない範囲に収めるのも心配りのうちです。何を贈るか、当日をどう過ごすかで迷っている方は、こちらもどうぞ。

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✅ 贈る前の最終チェックリスト
  • ☑ 水引は蝶結びか(結び切りになっていないか)
  • ☐ 表書きは4文字になっていないか
  • ☐ 名入れは贈る側の名前か(受け取る人の名前になっていないか)
  • ☐ 手渡しは外のし、配送は内のしになっているか
  • ☐ 生ものにのし付きの紙を使っていないか
  • ☐ 筆ペンは濃墨か(薄墨を使っていないか)

まとめ

🍀 この記事の結論

敬老の日ののしは必須ではないが、つければお祝いの用向きが確実に伝わる。紅白の蝶結びに「祝 敬老の日」と書き、のし下に贈る側の名前を入れれば整う。

✅ 要点チェック
  • 水引:紅白か金銀の蝶結び、5本が定番
  • 表書き:「祝 敬老の日」。4文字は避ける
  • 名入れ:贈る側の名前。多いときは孫一同
  • 掛け方:手渡しは外のし、配送は内のし
  • 例外:生ものと花にはのしを使わない

のしは形式の話に見えて、その正体は「誰が、何のために贈ったか」を一枚の紙で伝える仕組みです。2026年の敬老の日は9月21日。まずは手渡しか配送かを決めるところから始めてみてください。それが決まれば、外のしか内のしかも、表書きも、自然と決まっていきます。

水引の本数や表書きの言葉には地域差・家庭差があり、ここで紹介した形が唯一の正解というわけではありません。ギフトサービスの内容や制度の運用は変わることがあるため、詳細は各公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

シニア世代の暮らしに役立つ情報を発信中。孫へのお祝いマナーや冠婚葬祭のしきたり、健康管理や終活の準備まで、日常の「困った」を解決する記事を心がけています。ご家族の方にも読んでいただける、安心できる情報源を目指しています。

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