高齢者のお祭りゲーム手作り8選|100均材料で作れる縁日の遊びと安全に盛り上げるコツ

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施設の夏祭りが近づくと、「今年は何をやろうか」と頭を悩ませる方は多いものです。市販の縁日セットは1台数千円から1万円を超えるものもあり、5種類そろえれば予算はあっという間に消えていきます。かといって、子ども向けの遊びをそのまま持ち込むと、盛り上がらないまま終わってしまうこともあります。

結論からお伝えすると、高齢者のお祭りゲームは手作りで十分に成立します。むしろ、既製品より手作りのほうが「座ったまま届く高さ」「見やすい大きさ」「その人に合わせた距離」に自由に調整できる分、参加できる人がぐんと増えます。材料も、100円ショップの木板110円やペットボトル、段ボールといった身近なもので足ります。

この記事では、輪投げや魚釣りといった定番から、千本引きや紙風船のスイカ割りまで、手作りできる縁日ゲームを8つ、材料・作り方・所要時間つきで紹介します。あわせて、費用と準備時間の比較表、当日の進行のコツ、熱中症や窒息を防ぐ安全チェックまでまとめました。デイサービスの職員さんはもちろん、お盆に孫が帰省する家庭や、自治会のサロンでも使える内容です。

📝 押さえておきたいポイント
・手作りゲームは「座ったまま遊べる」「10秒で説明できる」の2条件を満たせば失敗しにくい
・材料は100円ショップと廃材で足り、1ゲームあたり数百円から作れる
・輪投げは公式ルールで台から2mだが、高齢者は1.5〜2mに近づけてよい
・熱中症と窒息の対策だけは公的機関の基準に沿って準備しておく
目次

高齢者のお祭りゲームを手作りする前に決めたい4つの条件

高齢者のお祭りゲームを手作りする前に決めたい4つの条件の解説画像

ゲームの種類を選ぶ前に、参加する方の状態に合わせて「どんなゲームなら成立するか」の枠を決めておくと、当日の混乱が減ります。この4つを先に決めるだけで、作ったのに誰も参加できなかった、という事態を避けられます。

立てる人だけの遊びにしない|まず「座ったまま完結するか」で選ぶ

手作りゲームを選ぶ基準の一番目は、椅子や車椅子に座ったまま最初から最後まで遊べるかどうかです。ここを外すと、参加できる方が半分以下に減ってしまいます。

デイサービスや特別養護老人ホームの利用者には、歩行に杖や介助を必要とする方が少なくありません。立ち上がって的を狙う、しゃがんで拾う、といった動作が入るゲームは、その動作ができる方だけの遊びになってしまいます。介護施設の夏祭りゲームで釣りゲームやヨーヨー釣りが定番になっているのは、座ったままでも参加でき、職員の手添えがあれば手を動かしにくい方でも楽しめるからです。

具体的には、テーブルの上で完結するゲーム(魚釣り、千本引き、ピンポン玉すくい)と、座った位置から前方に投げる・当てるゲーム(輪投げ、的当て、風船バレー)の2種類を組み合わせると、車椅子の方も含めて全員に出番が回ります。的や台は、座った目線でちょうど見える高さ(床から60〜80cm程度)に置くと狙いやすくなります。

注意したいのは、片麻痺のある方への配慮です。利き手が使えない方は、投げる方向が横にそれやすくなります。台を体の正面ではなく、動かせる側の手の延長線上にずらして置くだけで、成功率が大きく変わります。

座ったままできるレクリエーションのバリエーションは、こちらの記事でもまとめています。

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説明が長いゲームは、説明の途中で飽きられる

ルールの説明が10秒を超えるゲームは、手作りする前に一度考え直したほうがいい、というのが現場でよく言われることです。理由は単純で、聞いている間に何をするゲームなのか分からなくなってしまうからです。

難聴のある方は、マイクを通した説明が聞き取りにくいことがあります。認知症のある方は、複数の手順を順番に覚えておくことが負担になります。「赤い輪は2回まで、青い輪はボーナスで、外れたら1回だけやり直せます」といった条件つきのルールは、健康な職員が聞いても一度では入ってきません。

目安として、「この輪をあの棒に投げてください」「この竿で魚を釣ってください」の一文で伝わるゲームを選びます。どうしても説明が必要なときは、言葉ではなく職員が実際にやってみせるのが確実です。見本を1回見せるだけで、説明時間はほぼゼロになります。

⚠️ 気をつけたいこと
【よくある失敗①】ルールを凝りすぎて、説明中に列が崩れる
得点表や特別ルールを作り込んだ結果、司会の説明が2分近くになり、待っている方が席を立ってしまう——これは手作りゲームで最も多い失敗です。原因は「作った人が一番楽しんでしまう」こと。対策は、ルールを紙1枚に大きな字で書いて的の横に貼り、口頭説明は一文だけにすること。凝った得点計算は、職員が裏で処理すれば十分です。

1ゲーム500円・準備30分が、続けられる現実ライン

手作りゲームは、1ゲームあたり材料費500円以内、職員1人あたりの製作時間30分以内に収まる設計にしておくと、翌年以降も無理なく続けられます。

介護施設の夏祭り企画は、参加者の状況把握、内容決定、予算決定、備品のリストアップ、職員の役割分担という5つのステップで進めるのが一般的です。このうち予算と備品で行き詰まる施設が多いのは、飾りつけや屋台のメニューにも費用がかかるためです。ゲームにかけられる予算は、全体の一部にすぎません。

2026年時点で、ダイソーのヒノキ工作板は110円(税込、約10cm×30cm×1cm)、工作用の細い竹ひごは110円から、セリアの木板45×12cmも110円です。段ボール、ペットボトル、新聞紙、牛乳パックは施設に集まる廃材で足ります。つまり、購入するのは色画用紙・毛糸・磁石・両面テープといった小物だけで、1ゲーム330〜550円に収まる計算になります。

気をつけたいのは、材料費より人件費です。夜勤明けの職員が休憩時間に工作しているような状態では、翌年は誰も手を挙げなくなります。利用者と一緒に作る時間を「レクの1コマ」として組み込めば、準備そのものが活動になり、負担が半分になります。

点が入らない人が出ない得点設計にしておく

手作りだからこそ調整できるのが、得点のつけ方です。全員が最低でも何点かは取れる設計にしておくと、場の空気が最後まで温まります。

既製品の縁日ゲームは、健康な大人が遊ぶことを前提に難易度が設定されています。輪投げの公式ルール(日本ワナゲ協会公認)では、投輪ラインは台から2m、リングはゴム製で外径16.5cm・内径13.5cm・重さ135gと決まっていますが、この距離と輪の大きさで9本投げて0点、という方が出ると、その方はもう2回目に来てくれません。

手作りなら、輪を直径25cmまで大きくする、的の棒を太く低くする、距離を1.5mに縮める、といった調整が自由にできます。実際、公式ルールでも子どもや高齢者が遊ぶ場合は1.5〜2mほどに近づけてよいとされています。さらに、「棒に当たったら1点」「台に乗ったら2点」というルールを足せば、ほぼ全員が得点します。

一方で、簡単すぎるのも考えものです。全員が満点だと、勝負としての面白みがなくなります。距離の異なるラインを2本引き、手前は基本点、奥は2倍点として、挑戦したい方だけ奥から投げてもらう形にすると、力のある方も満足できます。

定番の手作り縁日ゲーム4選|輪投げ・魚釣り・的当て・ヨーヨー釣り

まずは、どの施設でも外さない定番の4つです。いずれも座ったまま参加でき、材料は100円ショップと廃材でそろいます。

輪投げ|牛乳パックの土台と園芸支柱で作る、一番作りやすい定番

手作りゲームで最初に作るなら輪投げです。土台さえ作ってしまえば、以降は毎年使い回せます。

投げる・狙うという動作は、肩関節の可動域を保つ運動になり、点数を数える場面が自然な会話のきっかけにもなります。日本ワナゲ協会の公認台は木製60cm×60cmの白地で、数字の配列は上段4・9・2、中段3・5・7、下段8・1・6と決まっており、9本の輪を投げ終えた時点の合計が得点です。この配列をそのまま真似ると、本格的な見た目になります。

作り方は、段ボールか厚めの板(60cm四方)に、牛乳パックに新聞紙を詰めた重しを貼り、そこへ園芸支柱を9本立てるだけです。輪は、新聞紙を細長くねじって輪にし、ビニールテープを巻けば直径25cm前後の軽い輪ができます。材料費は支柱9本とテープでおよそ400円、製作時間は40分ほどです。

注意点は、台の固定です。輪が当たったときに台が倒れると、狙う楽しみが半減します。板の裏に2Lのペットボトル(水を入れたもの)を1本テープで留めるだけで、ほとんど動かなくなります。

✅ 輪投げ台の作り方3ステップ
  1. Step1: 段ボールを60cm四方に切り、白い模造紙を貼って上段4・9・2/中段3・5・7/下段8・1・6の数字を大きく書く
  2. Step2: 数字の位置に園芸支柱(30cm程度)を9本立て、裏からガムテープで十字に固定する
  3. Step3: 新聞紙をねじって直径25cmの輪を9本作り、赤・黄・青のビニールテープを巻いて色分けする

魚釣りゲーム|磁石にすれば、手が震えても釣れる

釣りゲームは男性の利用者に特に人気があり、静かにしていた方が身を乗り出してくることも珍しくありません。糸の先を釣り針ではなく磁石にするのが、高齢者向けの必須アレンジです。

針やフックの形にすると、狙って引っ掛ける動作が必要になり、手の震えがある方には難易度が高すぎます。磁石なら、近づけるだけでくっつくため、成功率が格段に上がります。ヨーヨー釣りやこよりを使う遊びも、マグネット式にアレンジするのが安全面でも有効とされています。

作り方は、画用紙で魚を作り(15cm前後の大きさ、色は赤・青・黄で塗り分け)、口の部分にゼムクリップを留めます。竿は新聞紙を巻いた棒か菜箸に、タコ糸を30cmほど(長すぎると狙いが定まりません)、先端に丸型の磁石を結びます。材料費は磁石とクリップで200円前後、製作時間は30分ほどです。魚の色ごとに1点・3点・5点と配点を変えると、狙う楽しみが生まれます。

注意点は、糸の長さと磁石の強さです。強力なネオジム磁石は、指を挟むと痛みますし、誤飲のリスクもあります。フェライト磁石(黒くて厚みのある一般的なもの)で十分です。

的当て・射的|紙コップのピラミッドなら、当たった瞬間に音が出る

射的は夏祭りに欠かせない出し物ですが、コルク銃を使わなくても成立します。紙コップとペットボトルで作る的当てなら、道具は輪ゴム鉄砲も不要です。

ペットボトルや紙コップを的にする方法は、介護施設の夏祭りゲームとして定番になっています。的に職員の顔写真を貼っておくと、狙う側に「あの人を倒したい」という目標ができて、笑いが起きやすくなります。倒れたときに軽い音が出るのも、聴覚と視覚の両方で結果が分かる利点です。

作り方は、紙コップ10個をピラミッド状に積み、投げる玉は新聞紙を丸めてビニールテープを巻いた直径6cm程度の玉を3個用意します。テーブルの上に積めば、座ったまま1.5m前後の距離で狙えます。材料費は紙コップ1袋110円のみ、製作時間は10分です。景品として、倒した数に応じてくじを引ける形にすると流れがよくなります。

注意したいのは、投げる玉の重さです。硬いボールや重い玉は、そばにいる方に当たると危険です。新聞紙を軽く丸めた玉(30g以下が目安)にして、机の向こう側に人が立たない配置にします。

ヨーヨー釣り|水を使わない「乾いた」形にすると片づけが5分で終わる

ヨーヨー釣りは夏祭りらしさが一番出る遊びですが、水の後始末が最大の負担です。水を張らない形にすれば、準備も片づけも大幅に短くなります。

水を使う遊びは、床にこぼれた水が転倒の原因になります。金魚すくいでも、水が怖いという方に向けて水を使わない「乾いた金魚すくい」という方法が紹介されています。ヨーヨー釣りも同じ考え方で、ビニールプールの中に膨らませた水風船(またはヨーヨー型の紙風船)を並べ、輪ゴムの輪をひっかけて釣り上げる形にできます。

作り方は、水風船を空気で膨らませて口をゴムで結び、そこへ輪ゴムを1本通しておきます。竿は割り箸にタコ糸をつけ、先端をS字に曲げたクリップにします。輪ゴムの輪に引っ掛けて持ち上げるだけなので、握力の弱い方でも成功します。材料費は水風船1袋110円と輪ゴムで、製作時間は20分ほどです。

釣ったヨーヨーはそのまま持ち帰りの記念品になります。ただし、しぼんだ風船のゴム片は誤飲の危険があるため、割れたものはその場で職員が回収してください。

手先と季節感を楽しむ手作りゲーム4選|千本引き・玉すくい・紙風船・うちわ

手先と季節感を楽しむ手作りゲーム4選|千本引き・玉すくい・紙風船・うちわの解説画像

定番の4つに加えて、少し趣向を変えたい方向けの4つです。いずれも準備の手間は小さく、写真映えするものばかりです。

千本引き|1〜2分で終わるのに、一番歓声が上がる

千本引きは、たくさんの紐の中から1本を選んで引くくじ引きです。個別参加で1〜2分程度と短く、順番待ちが発生しにくいのが利点です。

「どれにしようか」と選ぶ時間そのものが楽しみになるため、身体を大きく動かせない方でも主役になれます。紐を引くときの軽い抵抗感が手のリハビリにもなり、当たり外れが一瞬で分かる分かりやすさもあります。

材料は、段ボールかパネル、毛糸か紐(1人あたり60〜80cm)、テープかホチキス、景品またはメッセージカード、番号札です。作り方は、段ボールに穴を開けて毛糸を通し、裏側で紐の端に景品を結びます。表側は毛糸をばらばらに垂らしておきます。材料費は毛糸1玉110円と段ボールで、20人分でも300円ほどです。

大切なのは、景品より雰囲気とわくわく感だという点です。高価な景品を用意する必要はなく、「肩たたき券」「好きな歌を1曲リクエストできる券」といった手作りのカードのほうが、その場の会話が続きます。

💡 暮らしの知恵
意外と知られていないのですが、手作りゲームは「きれいに作りすぎない」ほうが場が温まります。印刷したような完璧な的より、少し曲がった手描きの数字のほうが「これ、誰が書いたの」「私にも塗らせて」と会話が生まれます。前日に職員が完璧に仕上げるより、当日の朝に利用者と一緒に色を塗る時間を作るほうが、参加した実感が残ります。作品は祭りのあと壁に飾って、家族が来たときの話題にもできます。

ピンポン玉すくい|金魚すくいの現代版は、道具選びで難易度が変わる

ピンポン玉すくいは、金魚すくいの現代版として介護施設の定番になっています。破れる紙のポイを使わないので、何度でも挑戦できます。

すくう動作は、手首を返して水平を保つ細かい動きになり、集中力が自然と高まります。金魚すくいゲームの場合、材料はタライか大きめの容器、赤いスポンジで作った金魚、お玉・紙皿・プラスチックスプーンなどのすくう道具、ビニールシート、タイマーです。個別参加で3〜5分が目安になります。

難易度は道具で調整します。お玉なら誰でもすくえ、紙皿は難しく、プラスチックスプーンは最も難しい、という3段階です。「お玉なら1点、スプーンなら5点」と道具ごとに配点を変えれば、同じゲームで力の差を吸収できます。ビニールプールを使うと本格的な雰囲気になりますが、水量は5cm程度で十分です。

注意点は、床に落ちた水滴です。跳ねた水がそのまま転倒の原因になるので、必ずビニールシートを敷き、タオルを1枚そばに置いておきます。水に触れたくない方には、水を張らずにピンポン玉だけを容器に入れる形でも成立します。

紙風船のスイカ割り|本物のスイカを使わないから、誰でも打てる

スイカ割りは夏祭りの花形ですが、本物のスイカを使うと当たった衝撃や飛び散る果汁で危険があります。スイカ柄の紙風船に置き換えると、座ったまま安全に楽しめます。

目隠しをして棒を振る動作は、周囲の「もっと右」「あと一歩」という声かけが全体の一体感を生みます。見ているだけの人がいなくなるのが、このゲームの最大の価値です。材料はスイカ柄の紙風船、新聞紙を丸めた棒、アイマスク(ハンカチで代用可)、ビニールシート、タオル。全体で20〜30分が目安です。

やり方は、テーブルか床の上に紙風船を置き、目隠しをした方が新聞紙の棒で狙います。転倒リスクを減らすため、座位での実施が推奨されます。割れたら拍手で盛り上げ、そのあとに冷やしたスイカやゼリーを食べる流れにすると、余韻まで楽しめます。

注意点は、棒を振る範囲の確保です。目隠しをすると距離感が失われるため、周囲1.5mには人を入れず、職員が肩に軽く手を添えて位置を保ちます。食べる場面では、嚥下機能に応じて食形態を調整し、必要ならゼリーやシャーベットに替えてください。

うちわ玉入れ|作ったうちわが、そのまま道具になる

うちわづくりとゲームを1つにまとめたのが、うちわ玉入れです。作る時間も遊ぶ時間も、どちらも活動として成立します。

うちわづくりは、無地のうちわか厚紙+割り箸に、色鉛筆・クレヨン・スタンプ・折り紙で自由に飾りつけをする工作で、所要時間は30〜45分が目安です。完成品を施設内に展示すれば、家族との話題にもつながります。その自作うちわを使い、テーブルに置いた新聞紙の玉やピンポン玉をあおいで、向こう側の箱に落とすのがうちわ玉入れです。

作り方は、無地うちわ(100円ショップで110円)に好きな絵を描くだけ。玉は新聞紙を軽く丸めた直径5cmほどのもの、箱は段ボールを浅く切ったものを使います。制限時間30秒で何個入るかを競うと、テンポよく回ります。あおぐ動作は肩と肘の運動になり、力の弱い方でも玉が動くのが利点です。

注意点は、手が不自由な方への準備です。折り紙やシールを事前に切って用意しておくと、貼るだけで作品が完成します。同じ形の風鈴づくり(透明プラコップ・タコ糸・鈴で30〜40分)も、飾りとゲームの両方に使えます。

材料費と準備時間はどのくらい?8つのゲームまるごと比較

「結局どれから作ればいいのか」を判断するために、8つのゲームを費用・準備時間・所要時間・座位対応の4項目で並べてみます。

高齢者あんしんノート調べ|8ゲームの費用と手間の一覧表

費用は100円ショップの2026年時点の価格と廃材利用を前提に、準備時間は職員1人で作った場合の目安として整理しました。

ゲーム材料費の目安製作時間1人あたり座位
輪投げ約400円40分2〜3分
魚釣りゲーム約200円30分3分
紙コップ的当て110円10分2分
ヨーヨー釣り(水なし)約220円20分2分
千本引き約300円30分1〜2分
ピンポン玉すくい約330円15分3〜5分
紙風船スイカ割り約110円10分全体20〜30分
うちわ玉入れ約110円/人30〜45分1分

※高齢者あんしんノート調べ。100円ショップの2026年時点の価格と、段ボール・新聞紙・ペットボトルなど廃材の利用を前提とした目安です。

先に作るなら「使い回せるもの」から手をつける

限られた準備時間の中で優先順位をつけるなら、翌年も使える耐久品から作るのが正解です。

輪投げの台、魚釣りの竿と魚、うちわの台紙は、片づけ方さえ丁寧なら3年以上もちます。一方、紙風船や水風船、紙コップは消耗品で、毎年買い直しになります。初年度に台と竿にしっかり時間をかけておけば、2年目以降の準備は「消耗品を買い足すだけ」になり、費用は年間500〜1,000円程度に落ち着きます。

保管のコツは、ゲームごとに透明の衣装ケースへまとめ、中身と作った年をマジックで書いておくことです。翌年の担当者が変わっても、開ければすぐ分かります。輪投げの輪だけが行方不明、という事態が一番多いので、輪はまとめて紐で束ねておきます。

注意したいのは湿気です。段ボール製の台を押し入れに1年しまうと、角が波打って倒れやすくなります。台の裏に厚紙を1枚追加するか、乾燥剤を一緒に入れておくと長持ちします。

買うより借りる・もらうという選択肢もある

すべてを手作りする必要はありません。地域の資源を使えば、費用も手間もさらに減らせます。

自治体の社会福祉協議会やボランティアセンターでは、輪投げセットや大型ボウリングといったレクリエーション用具を無料または数百円で貸し出しているところがあります。地域の中学校や高校に声をかけると、文化祭で使った看板や飾りを譲ってもらえることもあります。

手作りと借り物を組み合わせるのが、現実的な落としどころです。土台に費用のかかる大型用具は借り、魚や輪、うちわといった「その人の作品になるもの」を手作りにすると、費用対効果が最も高くなります。貸出は夏場に予約が集中するため、6月中の申し込みが目安です。

工作そのものを楽しみたい方には、材料110円で見栄えのする作品を作る方法もあります。こちらの記事も参考になります。

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当日の盛り上がりを決めるのは、ゲームより進行

同じゲームでも、進行の仕方で場の温度はまったく変わります。手作りの完成度より、ここに気を配るほうが結果につながります。

実況をつけるだけで、待っている人も参加者になる

ゲーム中に職員が一言実況を入れるだけで、順番を待っている方も一緒に楽しめます。

縁日の空気は、音と声で作られます。無言でゲームが進むと、待ち時間がただの待機になってしまいます。「〇〇さん、いま3点です。あと1本で逆転します」と声を出すだけで、周囲から自然に拍手が起きます。

実況役は、司会とは別に1人立てるのがおすすめです。マイクを使う場合は、難聴の方に配慮して音量を上げすぎず、ゆっくり、短い文で話します。BGMには炭坑節や東京音頭といった盆踊りの定番曲を小さく流しておくと、会話が途切れても場が寂しくなりません。

注意点は、音の大きさです。音が苦手な方や、聴覚が過敏になっている方には負担になります。会場の隅に音の届きにくい席を用意し、いつでも移動できるようにしておきます。

景品より、名前を呼ばれることのほうが記憶に残る

実は、参加した方の満足度を左右するのは景品の中身ではなく、自分の名前が呼ばれたかどうかです。

手作り千本引きの解説でも、景品より「雰囲気」と「わくわく感」がポイントだとされています。これは現場の実感とも一致します。高価な景品を配った年より、一人ひとりの名前を呼んで拍手を送った年のほうが、あとから「楽しかった」という声が多く残ります。

具体的には、ゲームが終わるたびに「〇〇さん、7点です」と名前と結果をセットで読み上げる、最後に全員へ手作りの参加賞カードを名前入りで渡す、といった運用にします。カードは画用紙を名刺サイズに切って、職員が一言添えるだけで十分です。20人分でも材料費110円、作業は30分ほどで終わります。

ただし、点数の低い方を目立たせるような読み上げ方は避けてください。「惜しい」「あと少し」といった声かけに変えるだけで、受け取り方が変わります。

⚠️ 気をつけたいこと
【よくある失敗②】景品が途中でなくなり、後半の人に行き渡らない
人気の景品から先になくなり、最後に回った方の分が残っていない——祭りのあとに苦情が出やすい失敗です。原因は「参加人数=景品数」で用意してしまうこと。見学だけのつもりだった方や、家族が飛び入りで参加することがあります。対策は、想定人数の1.2倍を用意し、景品は種類を分けず全員同じ内容にすること。差をつけたいときは、景品ではなく点数の読み上げで表現します。

「1ゲーム3分・待ち時間5分以内」で回す配置にする

会場のつくり方ひとつで、待ち時間は半分になります。目安は、1人あたりの持ち時間3分、待ち時間5分以内です。

1か所に全員が並ぶ形にすると、後ろの方は20分以上待つことになり、その間に疲れてしまいます。ゲームを4か所に分散し、グループごとに時間差でまわる方式にすれば、常に動きがある状態を保てます。

実際の配置は、部屋の四隅にゲームを1つずつ置き、各コーナーに職員を1人配置します。5〜6人のグループを作り、10分ごとに時計回りで移動してもらいます。全4コーナーで40分、休憩を挟んで1時間の企画としてちょうど収まります。

注意点は、車椅子の動線です。通路幅は最低でも90cm、できれば120cm確保します。コーナー間の移動が長い場合は、ゲームのほうをテーブルごと動かす方式に切り替えたほうが安全です。

雨天でゲームができないときや、時間が余ったときのために、道具のいらない出し物も用意しておくと安心です。

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夏のイベントで必ず確認したい安全の3項目

楽しい時間にするために、準備の最後に確認しておきたいのが安全面です。ここだけは、公的機関が示している基準に沿って準備しておきます。

熱中症|暑さ指数28を超えたら、屋外開催は考え直す

夏祭りで最も気をつけたいのが熱中症です。屋外での実施を予定しているなら、当日の暑さ指数(WBGT)を朝のうちに確認してください。

暑さ指数は、湿度・日射や輻射などの周辺の熱環境・気温の3つを取り入れた指標で、1954年にアメリカで熱中症予防を目的に提案されました。環境省の日常生活に関する指針では、31以上が「危険」で、高齢者は安静時でも危険性が高く、外出を避けて涼しい室内へ移動することが呼びかけられています。28〜31未満は「厳重警戒」、25〜28未満が「警戒」です。暑さ指数が28を超えると、熱中症患者の発生率が急増するとされています。

2026年度は、4月22日から10月21日まで環境省の暑さ指数・熱中症警戒アラート等の情報提供が行われています。開催日の朝に環境省の熱中症予防情報サイトで自分の地域の数値を見て、28を超えるようなら屋内に切り替える、という判断基準をあらかじめ決めておくと迷いません。

📊 データで見る
2025年5〜9月の熱中症による救急搬送は100,510人で、2008年の統計開始以降で最多となりました。このうち65歳以上が約57%を占め、発生場所は住居が約38%で最も多くなっています。屋外だけでなく、風通しの悪い屋内でのイベントにも同じ注意が必要です。
(出典:総務省消防庁の熱中症による救急搬送状況の報道より)
暑さ指数の基準は環境省 熱中症予防情報サイト「暑さ指数(WBGT)について」をご確認ください。

景品と屋台メニュー|のどに詰まりやすいものを入れない

景品にお菓子を入れる場合と、かき氷やたこ焼きなどの屋台メニューを出す場合は、のどに詰まる事故への備えが必要です。

消費者庁によると、2023年(令和5年)に窒息で亡くなった65歳以上の方は7,779人で、そのうち食物の誤嚥によるものが4,215人と、窒息死の5割以上を占めています。加齢に伴って噛む力や飲み込む力が衰えるためで、餅に限らず、飴玉やこんにゃくゼリー、団子といった縁日らしい食べ物にも同じリスクがあります。

予防のポイントとして示されているのは、小さく切って食べやすい大きさにすること、一度に口に入れる量を無理なく食べられる量にすること、ゆっくりよく噛んでから飲み込むこと、そして周囲が食事の様子に注意を払って見守ることです。景品にする場合は、その場で食べずに持ち帰る形にし、袋に「ご家族と一緒に召し上がってください」と一言添える方法もあります。屋台メニューは、アレルギーと嚥下機能に配慮し、必要に応じてゼリーやシャーベットに替えます。

詳しい注意点は、消費者庁「コラムVol.12 高齢者の事故」で確認できます。

転倒|床の水・コード・立ち上がりの3か所を先につぶす

祭りの当日にけがが起きるとすれば、多くは転倒です。原因になる場所は、事前にほぼ特定できます。

危ないのは、水を使うゲームの周りの床、音響機器の電源コード、そして「もう一度やりたい」と思わず立ち上がる瞬間の3つです。特に3つ目は、楽しくなって普段より活動的になったときに起こります。スイカ割りも、転倒リスクを減らすために座位での実施が推奨されています。

対策は具体的に決めておきます。水を使うゲームにはビニールシートとタオルを必ずセットにする、コードは養生テープで床に固定するかマットで覆う、投げる位置の椅子は肘掛けつきのものを使い、職員が斜め後ろに立つ。この3点で、想定される転倒の大半は防げます。

注意点は、履物です。スリッパのまま参加すると、脱げた拍子につまずきます。かかとのある靴か、滑り止めのついた室内履きに履き替えてもらってから始めてください。

✅ 当日の朝に確認するチェックリスト
  • ☑ 環境省サイトで地域の暑さ指数を確認した(28以上なら屋内へ変更)
  • ☐ 麦茶・冷水を各コーナーに用意し、声かけの担当を決めた
  • ☐ 景品の食品は持ち帰り用に個包装し、袋に注意書きを添えた
  • ☐ 電源コードを固定し、水を使う場所にシートとタオルを敷いた
  • ☐ 車椅子の通路幅90cm以上を確保した
  • ☐ 見学だけの方が座れる席を、涼しい場所に用意した

参加が難しい方にも役割をつくる

体調や意欲の面でゲームに参加しにくい方には、「見ているだけ」ではない役割を用意すると、その場にいる意味が生まれます。

介護施設の夏祭りでは、全員参加型の企画を設計しつつ、見学という選択肢も用意することが大切だとされています。ただ、何もせずに眺めているだけの時間が長いと、疎外感につながることもあります。

おすすめは、審判・得点係・応援団長といった役です。得点を数える、拍手の合図を出す、次の方の名前を読み上げる。どれも座ったままできて、しかもその人がいないと進行が止まります。手が使いにくい方には、職員が隣で数字を指差し、うなずいてもらう形でも成立します。

注意点は、役割を押しつけないことです。「今日は見ていたい」という気持ちも尊重し、「やってみますか」と一度声をかけて、断られたらそこで引く。そのやりとり自体が、参加している実感につながります。

施設・家庭・地域|立場によって作るものは変わる

同じ手作りゲームでも、誰が誰のために開くかによって、選ぶべきものは変わります。

デイサービスなら、半日で完結する4種類に絞る

通所の方が対象なら、送迎の時間に収まる規模に絞るのが現実的です。

デイサービスは午前中に入浴や機能訓練が入ることが多く、祭りに使えるのは午後の1〜2時間程度です。この時間で8種類を回すのは無理があり、結果としてどれも中途半端になります。

おすすめは、輪投げ・魚釣り・的当て・千本引きの4つです。いずれも1人2〜3分で終わり、20人規模でも1時間以内に全員が全コーナーを回れます。飾りつけは提灯とうちわだけにして、盆踊りの曲を流せば雰囲気は十分に出ます。

注意点は、送迎時間との兼ね合いです。終了予定の15分前には片づけを始められるよう、最後のコーナーは時間の読めるゲーム(千本引きなど)を配置しておくと安全です。

特養やグループホームなら、家族が参加できる形にする

入所施設では、家族が来る機会としての意味が大きくなります。一緒に手を動かせるゲームを選ぶと、面会だけでは生まれない会話ができます。

入所している方にとって、家族と過ごす時間は年に数回しかないこともあります。向かい合って話すだけだと会話が続かないという声も少なくありませんが、ゲームを挟むと自然に言葉が出ます。

具体的には、うちわづくりや風鈴づくりのように、2人1組で作れる工作系がよく合います。孫が色を塗り、祖父母が形を整える、といった分担ができます。完成品は施設内に展示すれば、次の面会のときの話題にもなります。魚釣りゲームで孫と点数を競うのも、世代を超えて盛り上がります。

注意点は、家族の人数の読みにくさです。当日に兄弟が増えることもあるため、材料は想定の1.2倍用意しておきます。

自宅で孫と楽しむなら、材料は3つまでに絞る

お盆に孫が帰省するタイミングなら、家にあるもので30分だけ遊べるものが向いています。

家庭では、施設ほど道具も人手もありません。凝ったものを作ろうとすると、準備で疲れて当日を迎えることになります。

おすすめは、新聞紙の輪投げ(新聞紙・ペットボトル・ビニールテープの3点)と、磁石の魚釣り(画用紙・クリップ・磁石)の2つです。どちらも材料は3種類以内、20〜30分で作れます。作る工程から孫と一緒にやれば、それだけで半日の思い出になります。点数を紙に書いて競うと、小学生でも真剣になります。

注意点は、小さなお子さんが同席する場合です。磁石やクリップは誤飲の危険があるため、3歳未満のお子さんがいる場では磁石を使わず、輪ゴムを引っ掛ける形に変えてください。

📝 押さえておきたいポイント
デイサービスなら1〜2時間で回せる4種類、入所施設なら家族と2人1組で作れる工作系、自宅なら材料3種類以内で30分。開く場所と人数で「作るもの」を決めると、準備の量がちょうどよくなります。

自治会やサロンなら、片づけまで含めて2時間で設計する

地域のサロンや自治会の集まりでは、会場の使用時間が決まっていることがほとんどです。準備と片づけを含めた総時間で考えます。

公民館などの会場は、借りられる時間が午前・午後の枠で区切られており、その中に設営と原状復帰が含まれます。ゲームの時間を長く取りすぎると、片づけが慌ただしくなり、けがのもとになります。

目安は、設営30分・ゲーム60分・片づけ30分の2時間構成です。会場で組み立てる必要のある大型の道具は避け、そのまま置くだけで使えるもの(千本引きのパネル、テーブルに並べる魚釣り)を中心にします。テーブルと椅子の配置図を1枚作っておくと、当日の設営が10分短くなります。

注意点は、参加者の体力差です。地域のサロンには60代から90代まで幅広い年代が集まります。距離の異なるラインを2本引くなど、同じゲームで難易度を選べるようにしておくと、どの年代も満足できます。

まとめ|手作りだからこそ、その人に合わせて調整できる

🍀 この記事の結論

高齢者のお祭りゲームは、100円ショップと廃材で1つ数百円から手作りできる。座ったまま遊べる形にして、距離と得点をその人に合わせて調整するのが成功のコツ。

✅ 要点チェック
  • 選ぶ基準:座位で完結・説明10秒・1ゲーム500円以内
  • 定番4つ:輪投げ・魚釣り・紙コップ的当て・ヨーヨー釣り
  • 変化球4つ:千本引き・玉すくい・紙風船スイカ割り・うちわ玉入れ
  • 輪投げの距離:公式は2m、高齢者は1.5〜2mでよい
  • 熱中症:暑さ指数28超で屋内へ、31以上は「危険」
  • 景品の食品:その場で食べず持ち帰り、小さく切って見守る
  • 盛り上がりの鍵:景品より名前を呼ばれることが記憶に残る

手作りのお祭りゲームがいいのは、安く作れるからだけではありません。既製品では変えられない「距離」「高さ」「輪の大きさ」「得点の付け方」を、目の前のその人に合わせて自由に調整できることが、いちばんの価値です。9本投げて0点だった方も、輪を大きくして距離を1.5mにすれば、笑顔で「入った」と言えます。

作るものが決まったら、まずは一番使い回しの利く輪投げ台から手をつけてみてください。段ボールと園芸支柱、新聞紙があれば40分で形になります。1つできると、次からは要領がつかめて2つ目、3つ目は半分の時間で作れます。利用者と一緒に色を塗る時間を作れば、その工程自体がレクリエーションの一コマになります。

そして当日は、完成度より進行に気を配ってください。名前を呼び、点数を読み上げ、拍手を送る。それだけで、少し曲がった手描きの的も立派な縁日の景色になります。暑さ指数の確認と、のどに詰まりやすい食べ物への配慮という2点だけは、公的機関の基準に沿って準備しておけば安心です。

今年の夏、少しの材料と少しの時間で、その場にいる全員が主役になれる時間を作ってみませんか。うまくいったゲームは写真に残して、来年の担当者へ引き継いでおくと、そのまま施設の財産になります。

※本記事で紹介した価格・データは2026年7月時点の情報です。暑さ指数や熱中症警戒アラートの最新情報は環境省熱中症予防情報サイト、食品による窒息予防の詳細は消費者庁の公表資料をご確認ください。施設での実施にあたっては、参加される方の心身の状態に応じて、施設の方針や主治医・専門職の判断に従ってください。

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この記事を書いた人

シニア世代の暮らしに役立つ情報を発信中。孫へのお祝いマナーや冠婚葬祭のしきたり、健康管理や終活の準備まで、日常の「困った」を解決する記事を心がけています。ご家族の方にも読んでいただける、安心できる情報源を目指しています。

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