おばあちゃんの趣味ランキング1位は園芸37.7%|75歳以上女性の人気7選と始め方

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「母に何か趣味を持ってほしいけれど、何をすすめたらいいのかわからない」「同世代のおばあちゃんたちは、いったい何を楽しんでいるのだろう」。そんな気持ちでこのページにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。

結論から先にお伝えします。総務省の「令和3年社会生活基本調査」をもとにした集計では、75歳以上の女性がしている趣味の1位は園芸・庭いじり・ガーデニングで37.7%。2位が趣味としての読書21.3%、3位が映画館以外での映画鑑賞18.1%と続きます。特別なことではなく、庭に出る・本を読む・家で映画を観るという、暮らしの延長にあるものが上位を占めているのです。

この記事では、実際の統計にもとづくおばあちゃんの趣味ランキングを7位まで一つずつ紹介したうえで、「なぜその趣味が選ばれるのか」「年代でどう変わるのか」「いくらかかるのか」「家族はどう関わればいいのか」まで、順を追って一緒に考えていきます。数字を眺めるだけで終わらせず、明日から一歩を踏み出せるところまでお付き合いください。

📝 この記事でわかること
・75歳以上の女性に人気の趣味ランキング1位〜7位と、その行動者率(%)
・60代・70代・75歳以上で趣味への向き合い方がどう変わるのか
・0円から月5,000円まで、費用別に選べる現実的な趣味の候補
・家族が趣味をすすめるときに、嫌がられずに背中を押す方法
目次

おばあちゃんの趣味ランキングTOP7|75歳以上の女性が実際にしていること

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まずは、いちばん知りたいランキングから見ていきましょう。ここで紹介する数字は、総務省統計局が5年ごとに実施している「社会生活基本調査」の令和3年(2021年)調査をもとにした、75歳以上女性の趣味・娯楽の種類別行動者率です。行動者率とは、過去1年間にその活動を行った人の割合のこと。複数回答なので、合計は100%になりません。

📊 データで見る
75歳以上女性の趣味・娯楽 行動者率トップ3は、園芸・庭いじり・ガーデニング37.7%、趣味としての読書21.3%、映画館以外での映画鑑賞18.1%。ちなみに75歳以上男性の1位も園芸で33.7%と、庭仕事は男女を問わずシニア世代の定番です(出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」をもとにした集計)。

1位は園芸・庭いじり37.7%|10人に約4人が土に触れている

堂々の1位は園芸・庭いじり・ガーデニングで、行動者率37.7%。75歳以上の女性の10人に約4人が、1年のうちに何らかの形で植物の世話をしている計算になります。

これほど高い理由は3つあります。第一に、自宅の庭やベランダで完結するため、外出の準備も交通費もいりません。第二に、朝の10分・夕方の10分といった細切れの時間でも成り立ちます。第三に、水やりや草取りは体調に合わせて量を加減できるので、膝や腰に不安があっても続けやすいのです。

費用も現実的です。ホームセンターで売られている草花の苗は1ポット100〜300円程度、培養土は5リットルで300〜500円前後が目安。プランター1つと土、苗3ポットで1,500円ほどあれば始められます。野菜なら、ミニトマトやシソ、ネギのように収穫まで短く失敗しにくいものから入るのが定番です。

注意したいのは、夏場の作業時間です。日中の炎天下での草取りは体への負担が大きく、水分補給を忘れがちになります。作業は朝の涼しい時間か夕方に回し、1回30分を上限にする。それだけで、長く続けられる趣味になります。集合住宅で庭がない場合は、自治体が運営する市民農園や区民農園という選択肢もあります。区画の広さや年間使用料は自治体によって差があるので、お住まいの市区町村の窓口で確認してみてください。

2位は読書21.3%|図書館通いが「外出の口実」になる

2位は趣味としての読書で21.3%。5人に1人が、仕事や実用の必要ではなく楽しみとして本を読んでいます。

読書が上位に来る背景には、この世代の生活習慣があります。テレビ以外の娯楽が限られていた時代に育ち、貸本屋や文庫本に親しんだ経験がある方が多いこと。そして何より、費用がほとんどかからないことです。公立図書館の貸出は無料で、多くの自治体で1人10冊前後・2週間程度の貸出が可能。大活字本や録音図書を備えた図書館も増えています。

実用面で見逃せないのが、図書館通いそのものが「週1回の外出予定」になる点です。返却期限があるので、自然と家を出るきっかけができる。館内で新聞を読んだり、掲示板で地域の講座情報を見つけたりと、副産物も大きいものです。

気をつけたいのは、細かい文字が読みづらくなってきたときに「もう本は無理」とあきらめてしまうこと。大活字本のコーナーや、朗読CD・デイジー図書の貸出を用意している図書館は少なくありません。読書灯を手元に置く、拡大鏡を使うといった工夫でも、読める本はぐっと増えます。

3位は家での映画鑑賞18.1%|映画館に行かなくても楽しめる

3位は「映画館以外での映画鑑賞」で18.1%。テレビ放送やDVD、パソコン・タブレットでの視聴が含まれます。

映画館ではなく自宅というのがポイントです。上映時間に合わせて出かける必要がなく、途中で休憩を挟める。音量も自由に調整できて、字幕も自宅なら気兼ねなく使えます。足腰に不安があっても、体調がすぐれない日でも楽しめる趣味だからこそ、この順位なのでしょう。

ちなみに同じ令和3年調査で、年齢を問わない全体(10歳以上)の女性を見ると、1位はCD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞51.3%、2位が映画館以外での映画鑑賞50.0%、3位がスマートフォン・家庭用ゲームなどによるゲーム38.5%。世代を問わず「家で観る・聴く」が定着していることがわかります。

落とし穴は、動画配信サービスの契約です。「孫にすすめられて契約したけれど、操作がわからず月額だけ引き落とされている」というのはよく聞く話。契約するなら、テレビのリモコンから1ボタンで開けるかどうかを最初に確かめること。難しければ、レンタルDVDや録画したテレビ放送で十分楽しめます。

4位は編み物・手芸14.6%|孫の一言で再開する人が多い

4位は編み物・手芸で14.6%。7人に1人が針や編み棒を手にしています。

この世代の女性は、学校の家庭科や若い頃の家事のなかで編み物・縫い物の基礎を身につけている方が多く、「昔やっていたことを再開する」という形で戻ってきやすいのが特徴です。ゼロから習うのではなく、体が覚えているところから始められる。これは大きな強みです。

費用の目安は、毛糸1玉が300〜600円程度、かぎ針や棒針は1本500〜1,000円前後。100円ショップでも毛糸と針が揃うので、最初の投資は1,000円台で収まります。マフラーやアクリルたわし、コースターのように小さくて完成が早いものから始めると、達成感が続きやすくなります。

注意点は、手指の負担です。関節に痛みが出やすい方は、細い糸で長時間編むのは避け、太めの毛糸と大きめの針を選ぶと力が要りません。1回30分で切り上げ、間に手を休める時間を挟む。作品を仕上げることより、続けられることを優先するのがコツです。

5位から7位に共通する「手が動く楽しみ」|音楽・和裁洋裁・料理

ここからは5位〜7位です。行動者率は1桁台から10%台前半とぐっと下がりますが、その分「本当に好きな人が続けている」趣味とも言えます。

順位・趣味の種類行動者率(75歳以上女性)
1位 園芸・庭いじり・ガーデニング37.7%
2位 趣味としての読書21.3%
3位 映画館以外での映画鑑賞18.1%
4位 編み物・手芸14.6%
5位 CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞11.2%
6位 和裁・洋裁10.5%
7位 趣味としての料理・菓子づくり9.2%

5位は音楽鑑賞11.2%|「聴くだけ」でいいから続く

5位はCD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞で11.2%。約9人に1人です。

音楽鑑賞の強みは、体力も場所も技術も要らないことにあります。座ったままでも寝転んだままでもよく、家事をしながらでも成立する。目が疲れているときや、外出できない雨の日でも楽しめます。演歌・歌謡曲・唱歌・クラシックと、好みの幅が広いのも特徴です。

具体的な始め方としては、CDプレーヤーが手元にあるならそれがいちばん確実です。ラジオも侮れません。NHKラジオ第1・第2やFM放送では、懐かしい歌謡曲や唱歌の番組が定期的に放送されています。スマートフォンを使える方なら、無料の音楽アプリやラジオアプリで、昔よく聴いた歌手の曲を探すこともできます。

ただし、イヤホンで大音量を長時間聴くのは避けたいところ。加齢による聞こえの変化がある方は、無理に音量を上げるより、スピーカーで部屋に流すほうが耳への負担が軽くなります。聞こえづらさが気になる場合は、自己判断で済ませず耳鼻科で相談してみてください。

6位は和裁・洋裁10.5%|直しができると暮らしが変わる

6位は和裁・洋裁で10.5%。編み物・手芸(14.6%)とは別項目として集計されているのが興味深いところです。つまり、針仕事を趣味とする人は実際にはこの2つを合わせた層に広がっているとも読めます。

和裁・洋裁が今も残っている背景には、実用性があります。既製服の丈を詰める、ゴムを入れ替える、着られなくなった着物をほどいて小物に仕立て直す。趣味であると同時に、家計の役にも立つ。この「役に立っている」という感覚が、続ける動機になります。

始めるなら、まずは手縫いの直しからです。裁縫箱一式は1,000〜3,000円程度で揃い、ミシンがなくても十分。家庭用ミシンを買い直す場合は1万円台からありますが、最初から買う必要はありません。公民館の洋裁講座ではミシンを貸してくれるところも多く、そこで感触を確かめてから考えるのが賢い順番です。

気をつけたいのは、目と手元の明るさです。針に糸を通す作業は想像以上に目を使います。手元灯(デスクライト)を1つ足す、糸通し器を使う、老眼鏡の度を見直す。この3つで作業のつらさはかなり変わります。

7位は料理・菓子づくり9.2%|「毎日の食事」とは別ものと考える

7位は趣味としての料理・菓子づくりで9.2%。ここで大事なのは「趣味としての」という条件です。毎日の食事の支度は含まれず、楽しみのために作る料理・お菓子だけが集計対象になっています。

そう考えると、9.2%という数字は決して低くありません。長年の家事で培った腕をそのまま使え、作ったものを孫や近所の方に渡せば喜ばれる。手応えが返ってくる趣味です。内閣府の「令和7年版高齢社会白書」でも、65歳以上が取り組む学習内容の1位は「家政・家事(料理・裁縫・家庭経営など)」で12.0%。料理と裁縫は、この世代にとって学びの対象でもあるのです。

始め方はシンプルで、いつも作らないものを月に1回だけ作ってみる。季節の梅仕事、正月の黒豆、孫が来る日のプリン。ハードルを上げず、年に何度かの「行事料理」から入るのが続けるコツです。

注意点は、量の作りすぎです。作ることが楽しくなると、一度に大量に仕込んでしまい、食べきれずに冷蔵庫に残る。作る量は「その日に配れる分」を上限に決めておくと、後始末の負担が減ります。

ランキングの数字を鵜呑みにしない読み方

ここで一度、数字との距離の取り方を確認しておきます。行動者率は「過去1年間に1回でもその活動をした人の割合」であり、毎日打ち込んでいる人だけを数えたものではありません。年に一度プランターに花を植えただけの人も、37.7%のなかに含まれています。

また、この調査は5年ごとに実施されており、直近の公表値は令和3年(2021年)調査のものです。スマートフォンの普及はこの5年でさらに進んでいるため、実際の音楽鑑賞や動画視聴の割合は、調査時点より高くなっている可能性があります。

そしてもう一つ。順位が高い=多くの人が長く続けている、とは限りません。園芸のように「始めやすいから経験者が多い」ものと、和裁のように「人数は少ないが深く続ける人が多い」ものでは、性格がまったく違います。ランキングは選択肢を知るための地図であって、正解表ではないのです。

だからこそ、この記事の数字は「同世代の人たちはこういうことを楽しんでいるのか」と眺める材料として使ってください。そのうえで、次の章では「なぜこの顔ぶれになるのか」を掘り下げていきます。

なぜ園芸と手仕事が上位なのか|数字の裏にある背景と意外な落とし穴

なぜ園芸と手仕事が上位なのか|数字の裏にある背景と意外な落とし穴の解説画像

ランキングの顔ぶれには、偶然ではない共通点があります。ここを理解しておくと、自分や家族に合う趣味を探すときの目安になります。

家と庭で完結する|天気と体調に振り回されない

上位に入った園芸、読書、映画鑑賞、編み物、音楽鑑賞、和裁洋裁、料理。7つすべてに共通するのは、自宅で完結することです。集合場所も、開始時刻も、同行者も要りません。

この点が効いてくるのは、体調に波が出てくる年代だからです。「今日は膝の調子がよくない」「雨で外に出たくない」という日でも中断しなくてよく、逆に調子のいい日には長くできる。自分のペースで濃淡をつけられる趣味は、途切れにくいのです。

実際、社会生活基本調査(平成28年)で年齢階級別の行動者率を見ると、旅行・行楽は75歳以上の女性で47.8%まで下がる一方、趣味・娯楽全体は65.2%を保っています。出かける必要がある活動から先に減っていくという傾向が、数字にはっきり表れています。

ですから、家族が趣味をすすめるときも「まず家でできるもの」から入るほうが定着します。いきなり週2回通う教室を提案するより、窓辺のプランター1つのほうが、結果的に長く続くことが多いのです。

昭和の暮らしで身につけた技術が、そのまま趣味になる

2つ目の背景は、世代特有の生活史です。現在75歳以上の女性は、既製品や外食が今ほど手軽ではなかった時代に家庭を切り盛りしてきた世代。繕い物、着物の仕立て直し、保存食づくり、庭の菜園。これらは「趣味」ではなく「暮らしの技術」として身についています。

だからこそ、再開のハードルが低い。編み物14.6%、和裁・洋裁10.5%、料理・菓子づくり9.2%という数字は、新しく習得した人の割合というより、かつての技術が趣味の形に姿を変えた結果と見るほうが自然です。

この視点は、家族が声をかけるときにも役立ちます。「何か新しいことを始めたら?」ではなく、「昔、よく作っていたあれ、まだ作れる?」と聞くほうが話が転がる。本人にとっては、ゼロからの挑戦ではなく、できることの確認だからです。

ただし押しつけは禁物です。「家事の延長みたいなことばかりさせられている」と感じさせてしまうと逆効果になります。あくまで本人が「やってみようかしら」と言うまで待つ姿勢が大切です。

成果が目に見える|咲いた・編めた・作れたが自信になる

3つ目は、結果が形になることです。花が咲く、マフラーが編み上がる、お菓子ができる。上位の趣味はどれも、取り組んだ分だけ目に見える成果が返ってきます。

この「見える成果」は、生活の張りに直結します。内閣府の令和7年版高齢社会白書によると、何らかの社会活動に参加した人のうち生きがいを「十分感じている」または「多少感じている」と答えた人は84.6%で、いずれの活動にも参加しなかった人を23.0ポイント上回りました。活動そのものより、手応えを感じられるかどうかが効いていると考えられます。

実用面では、「1週間以内に何かが変わるもの」を選ぶと手応えが早く来ます。芽が出るまで1週間の二十日大根、1日で編めるアクリルたわし、その日のうちに食べられるお菓子。逆に、完成まで半年かかる大作から入ると、途中で気持ちが折れやすくなります。

注意したいのは、成果を人と比べ始めたときです。教室で他の人の作品と見比べて落ち込む、という話は珍しくありません。比べるなら他人ではなく、3か月前の自分。それだけで趣味は「楽しみ」のまま保てます。

実は、ランキング上位が自分に合うとは限らない

意外と知られていないのですが、ランキングを参考にしすぎると、かえって遠回りになることがあります。

1位の園芸が37.7%ということは、裏を返せば62.3%の人は園芸をしていないということです。多数派に合わせる必要はまったくありません。むしろ、上位の趣味は「みんながやっているから」という理由で始めやすい分、自分の好みと噛み合わないまま惰性で続けてしまう危険もあります。

もう一つ、ランキングに現れにくい趣味もあります。俳句や短歌、書道、詩吟、地域の体操サークル、囲碁・将棋、写経、御朱印集め。調査の分類項目に細かく載らないものや、人数が少なくて上位に出てこないものは、統計上は見えません。統計に載っていない=人気がない、ではないのです。

だから提案したいのは、ランキングを「候補リスト」ではなく「発想のきっかけ」として使うことです。1位の園芸を見て「土いじりは苦手だけど、花を見るのは好き」と気づいたなら、公園散歩や写真撮影のほうが合っているかもしれません。

💡 暮らしの知恵
趣味探しに迷ったら、ランキングを上から試すのではなく「20代のころ、時間を忘れてやっていたことは何だったか」を思い出すところから始めてみてください。歌が好きだった、生地屋をのぞくのが楽しかった、映画館に通っていた。当時の熱量がそのまま今の趣味の芯になることが多く、無理に新しい何かを探すより長続きします。

60代・70代・75歳以上で変わる|年代別の行動者率を比べてみた

「おばあちゃん」と一口に言っても、65歳と85歳では体力も生活も大きく違います。ここでは年代による違いを、数字で確かめてみましょう。以下は公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」がまとめた、社会生活基本調査(平成28年)の年齢階級別・男女別の行動者率です。

年代(女性)趣味・娯楽/スポーツ/旅行・行楽/学習
60〜64歳87.0%/65.2%/76.0%/36.8%
65〜69歳85.3%/67.8%/75.8%/35.3%
70〜74歳81.8%/63.7%/69.6%/33.1%
75歳以上65.2%/43.5%/47.8%/20.3%

(高齢者あんしんノート調べ/出典:公益財団法人長寿科学振興財団「高齢者の余暇活動の動向」に掲載の社会生活基本調査・平成28年の数値をもとに作成)

趣味・娯楽の行動者率は75歳を境に一段下がる

表を見てまず目につくのは、75歳という境目です。70〜74歳では81.8%だった趣味・娯楽の行動者率が、75歳以上では65.2%へ、16.6ポイント下がります。60代前半からの下がり方(87.0%→85.3%→81.8%)と比べると、明らかに段差があります。

この段差の理由は複合的です。体力の変化に加え、運転免許の返納で移動範囲が狭まる、配偶者や友人との別れで一緒に出かける相手が減る、といった要因が重なります。趣味そのものへの意欲が消えるというより、続けるための条件が崩れる時期だと考えたほうが実情に近いでしょう。

だとすれば対策も見えてきます。75歳より前の段階で、移動を前提としない趣味を1つ持っておくこと。庭の花でも、家での手仕事でもかまいません。出かける趣味しかない状態で75歳を迎えると、外出が難しくなった瞬間に何もなくなってしまいます。

なお、この調査の高齢者人口は増え続けています。内閣府「令和8年版高齢社会白書」によれば、令和7年10月1日現在の65歳以上人口は3,622万人、高齢化率は29.4%。3人に1人近くが高齢者という社会で、75歳以降の過ごし方はますます身近な課題になっています。

スポーツと旅行は、女性のほうが落ち込みが大きい

もう一つ、男女差にも注目してみましょう。75歳以上のスポーツ行動者率は男性58.5%に対して女性43.5%で、15.0ポイントの差。旅行・行楽も男性51.8%に対し女性47.8%です。60代前半では旅行・行楽が男性69.0%に対し女性76.0%と、女性のほうが高かったことを考えると、この逆転は見過ごせません。

背景として指摘されるのは、女性のほうが平均寿命が長く、配偶者に先立たれて単身で暮らす期間が長くなりやすいこと。そして、一緒に出かける相手がいるかどうかが、外出型の活動を大きく左右することです。

具体的な備えとしては、「誰かと一緒に行く前提の趣味」と「一人で完結する趣味」を両方持っておくこと。前者は地域のサークルや体操教室、後者は園芸や読書。片方が使えなくなっても、もう片方が残ります。

注意したいのは、スポーツの落ち込みをそのまま放置しないことです。運動を伴う活動が減ると、体力の低下がさらに外出を遠ざける流れになりかねません。ラジオ体操、家の中でのストレッチ、買い物を兼ねた散歩など、無理のない形で体を動かす習慣は残しておきたいところです。

学習・自己啓発は70代前半まで女性が男性を上回る

興味深いのが学習・自己啓発です。70〜74歳では男性25.1%に対し女性33.1%と、女性が8.0ポイント上回っています。65〜69歳でも男性30.7%・女性35.3%と女性が優勢です。75歳以上で男女とも20.3%と並びますが、それまでは学ぶ意欲において女性が一歩リードしていることになります。

この傾向は、内閣府の令和7年版高齢社会白書とも重なります。65歳以上で何らかの学習活動に参加している人は28.4%。内容の内訳は家政・家事(料理・裁縫・家庭経営など)12.0%、芸術・文化10.6%、パソコンなどの情報処理10.4%と続きます。手を動かす学びと、文化的な学びと、デジタルの学びが、ほぼ横並びで支持されている構図です。

実用的な入り口としては、自治体の公民館講座が第一候補です。たとえば岐阜県中津川市の公民館講座では、受講料が「講座回数×300円」(材料費等は実費)という設定になっています。全10回なら3,000円。民間のカルチャースクールと比べると、負担はずいぶん軽くなります。金額や制度は自治体によって違うので、お住まいの市区町村の生涯学習担当窓口で確認してみてください。

気をつけたいのは、申込時期です。公民館講座は年度の前期・後期で募集がまとまっていることが多く、募集期間を逃すと半年待ちになります。広報誌や自治体サイトの講座案内は、4月と9月ごろに目を通しておくと取りこぼしがありません。

費用で選ぶおばあちゃんの趣味|0円から月5,000円までの選択肢

費用で選ぶおばあちゃんの趣味|0円から月5,000円までの選択肢の解説画像

趣味を続けられるかどうかを左右するのが、お金の問題です。年金で暮らす家計にとって、月々の固定費が増えることの重みは小さくありません。ここでは費用帯ごとに、現実的な選択肢を整理します。

0円で始められる|図書館・公民館・スマホ教室

まず、費用ゼロでできることは想像以上にあります。公立図書館の貸出は無料。自治体の広報誌には、無料または材料費のみで参加できる健康体操、歌の会、囲碁将棋の集いなどが載っています。地域包括支援センターが把握している「通いの場」の情報も、無料で紹介してもらえます。

意外な選択肢が、携帯ショップのスマホ教室です。NTTドコモは、ドコモショップでスマートフォン・らくらくホンの使い方を学べる「ドコモスマホ教室」を無料で開催しています。レベル別の講座が用意されており、動画で学べるオンライン版もあります。参加には事前の来店予約が必要なので、最寄りの店舗に電話するか、店頭で日程を確認してください。他社でも同様の教室を実施している場合があるため、契約中の携帯会社に聞いてみる価値はあります。

スマホが使えるようになると、趣味の選択肢そのものが広がります。無料の学習アプリで語学に触れたり、写真を撮って孫に送ったり、地域の講座情報を調べたり。「スマホ操作を覚えること」自体が、当面の目標になる方も少なくありません。

ただし、無料の講座やサークルにも向き不向きがあります。人数が多くて質問しづらい、進度が合わないという声もあるので、1回参加してみて合わなければ別を探す。無料だからこそ、気軽に見切りをつけられるのが利点です。

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月1,000〜3,000円|園芸・手芸の材料費が中心

次が、月1,000〜3,000円の価格帯。ここに入るのが、上位ランキングの多くを占める在宅型の趣味です。

園芸なら、苗が1ポット100〜300円程度、培養土5リットルで300〜500円前後、肥料が数百円。季節ごとに植え替えても、月ならすと1,000〜2,000円に収まります。編み物なら毛糸1玉300〜600円程度で、月に2〜3玉使うペースなら1,000円台。裁縫の直しものは、糸とボタン程度なら数百円で済みます。

この価格帯の強みは、固定費ではなく都度払いだということです。今月は体調がすぐれないから材料を買わない、という調整ができる。月謝制と違い、休んでも損をした気持ちになりません。年金暮らしで支出を細かく管理したい方には、この点が想像以上に効いてきます。

注意点は、道具の買い足しです。「もっといい鋏があれば」「この毛糸も可愛い」と少しずつ増え、気づけば使わない材料が押し入れを占領する。買うときは「今作っているものに使うか」を基準にすると、無駄が減ります。

月5,000円前後|教室・サークルに通うという選択

人と関わる楽しみを求めるなら、教室やサークルという選択肢があります。民間の教室の例を挙げると、シニア向けヨガは1回1,650円(75分)・初回体験1,100円という設定、女性コーラスのグループでは月4回(金曜10〜12時)で月5,000円という例があります。カラオケやボイストレーニングの個人レッスンは体験2,500円から、月4回で最大18,000円程度と幅があります。料金は教室によって大きく異なるため、必ず個別に確認してください。

この価格帯を選ぶ価値は、内容そのものより「予定が入る」ことにあります。毎週金曜の午前中が埋まっていれば、その日は必ず身支度をして家を出る。この規則性が、生活のリズムをつくります。

選ぶときの目安は3つ。自宅から片道30分以内で通えること、休んでも翌週から戻れる雰囲気であること、そして年間の総額(月謝×12+発表会費・衣装代など)を先に確認することです。とくに3つ目は見落としがちで、発表会のたびに衣装代が数万円かかるといった話は珍しくありません。

公民館のサークルなら、月500〜2,000円程度の会費で運営されているところもあります。まずは自治体の講座で始め、続けたくなったら民間の教室へ、という順番が失敗しにくい進み方です。

⚠️ 気をつけたいこと(失敗パターン①)
「思い切って月謝12,000円の教室に申し込んだものの、通うのに片道50分かかり、3か月でやめてしまった」というのはよくある失敗です。原因は、内容の良し悪しではなく通う負担を軽く見積もったこと。対策はシンプルで、申し込む前に一度、当日と同じ時間帯に同じ交通手段で現地まで行ってみることです。真夏や雨の日の移動を想像できれば、判断を誤りにくくなります。年間契約や複数回分の前払いは、体験を済ませてからにしましょう。
✅ 費用で失敗しない進め方
  1. Step1: まず0円のもの(図書館・公民館の無料講座・スマホ教室)を1つ試す
  2. Step2: 2か月続いたら、材料費が月1,000〜3,000円の在宅型に広げる
  3. Step3: 人と関わりたくなったら、体験レッスンを受けてから月謝制の教室を検討する

家族が趣味をすすめるときのコツ|押しつけずに背中を押す4つの方法

ここからは、母親や義母に趣味を持ってほしいと考えているご家族に向けた話です。良かれと思った提案が、なぜか嫌がられる。その理由と対処法を整理します。

高価な道具を贈って「もったいなくて使えない」にしてしまう

まず挙げたいのが、道具のプレゼントという失敗です。「編み物が好きだから」と3万円の高級毛糸セットを贈る、「写真を撮ってほしいから」と高性能なカメラを買う。善意なのですが、受け取る側は「高いものをもらってしまった」という負担を感じ、使わずにしまい込むことがあります。

原因は、贈る側が道具の質=やる気だと考えていることにあります。実際には、始めたばかりの人にとって高価な道具はプレッシャーでしかありません。失敗できない、雑に扱えない、途中でやめたら申し訳ない。この3つが重なると、箱を開けることすらためらってしまいます。

対策は、贈るなら消耗品にすることです。毛糸なら2〜3玉、花なら苗を数ポット、本なら1冊。使い切れる量なら気軽に手をつけられ、なくなったら本人が自分で買い足すようになります。それこそが、趣味が定着したサインです。

どうしても道具を贈りたいなら、「一緒に選びに行く」形にしてください。本人が手に取って決めたものは、値段にかかわらず使われます。選ぶ時間そのものも、いい思い出になります。

⚠️ 気をつけたいこと(失敗パターン②)
「母の日に3万円の毛糸セットを贈ったら、1年経っても包装を解いていなかった」。原因は贈り物が本人にとって『使う許可の下りていない高級品』になってしまったことです。対策は、贈るなら使い切れる量の消耗品にすること。毛糸なら2〜3玉、苗なら数ポット、本なら1冊。なくなったときに本人が自分で買い足したら、そこで初めて趣味として根づいたと考えてよいでしょう。

「何が好き?」より「昔、何をしていた?」と聞く

声のかけ方も結果を左右します。「何か趣味を持ったら?」「何が好きなの?」という聞き方は、答える側に「今の自分には何もない」と突きつける響きがあります。悪気がなくても、返ってくるのは「別に、何もいらないわ」という言葉になりがちです。

代わりにおすすめしたいのが、過去を尋ねる聞き方です。「若いころ、休みの日は何をしていたの?」「独身のとき、何にお金を使っていた?」。過去の話なら、答えるのに勇気がいりません。そして話しているうちに、本人のなかで「またやってみようかしら」という気持ちが芽生えることがあります。

実際、上位ランキングの多くは「昔やっていたことの再開」です。編み物14.6%も和裁・洋裁10.5%も、新規参入というより復帰組が支えている数字と考えられます。ゼロから探すより、記憶をたどるほうが早い道なのです。

ただし、思い出話が続くと本人が疲れることもあります。1回の会話で結論を出そうとせず、「またその話、聞かせて」で終える。何度かに分けて聞くほうが、自然に前に進みます。

送迎と申込みだけ手伝い、中身は本人に任せる

3つ目は、手を貸す範囲の線引きです。家族ができるのは、環境を整えるところまで。何を学ぶか、誰と話すか、どこまでやるかは本人の領分です。

具体的には、インターネットでの申込み、初回の送迎、必要書類の記入といった「入口の手間」を引き受けるのが効果的です。この3つは、シニア世代が始める際につまずきやすいポイント。ここさえ越えれば、あとは自分で通える方が大半です。

逆に、やらないほうがいいのが「一緒に参加して見守ること」を長く続けることです。家族がそばにいると、本人は周囲と関係をつくる必要がなくなり、いつまでも輪に入れません。初回だけ付き添い、2回目からは玄関で見送る。この切り替えが、その後の定着を分けます。

孫の立場なら、成果を受け取る役に回るのがいちばんです。編んでもらったマフラーを実際に使い、写真を送る。作ってもらったお菓子の感想を伝える。「誰かの役に立っている」という手応えは、どんな励ましの言葉より続ける力になります。

立場別に、関わり方を少しずつ変える

同じ家族でも、立場によって効果的な関わり方は違います。同居の嫁・婿は、日常の家事の負担を少し引き受けることで時間をつくるのが現実的です。「今日の夕飯は私が作るので、その間に庭を見てきては」という形なら、押しつけになりません。

離れて暮らす息子・娘は、情報を届ける役が向いています。実家の自治体の広報誌をオンラインで確認し、「近所の公民館でこんな講座があるみたい」と電話で伝える。調べる手間を代わりに引き受けるだけで、参加のハードルは下がります。

孫の立場は、いちばん強力です。「これ作ってほしい」「教えてほしい」という頼みごとは、本人にとって断る理由がありません。編み方を教わる、料理を習う、庭の花の名前を聞く。教える側に回ることで、趣味が自然と再開されます。

気をつけたいのは、複数の家族が同時に別々の提案をすることです。息子は旅行、娘はカルチャースクール、嫁は体操教室と一斉にすすめられると、決められないまま何もしないことになりかねません。家族内で「まずはこれを一つ」と足並みを揃えておくと、話が前に進みます。

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「趣味がない」と言われたときの4つの入り口

「趣味なんてないわ」と言われてしまったら、どうすればいいのでしょうか。ここでは、ゼロから探すときの現実的な入り口を4つ紹介します。

入り口①:家事の延長線上から探す

いちばん抵抗が少ないのが、すでにやっていることを少し広げる方法です。毎日の料理をしている方なら、月に一度だけ「作ったことのないもの」に挑戦する。庭の草取りをしているなら、片隅に花を1株植えてみる。掃除が好きなら、季節ごとに1か所ずつ整理する。

この方法の利点は、新しく何かを始める決断が要らないことです。「趣味を持つ」と構えると気が重くなりますが、「いつもの家事にひと足し」なら心理的な負担がありません。ランキング7位の料理・菓子づくり9.2%が「趣味としての」料理に限った数字であることを思い出すと、日常と趣味の境目は案外あいまいだとわかります。

具体的には、月1回のペースから始めるのが現実的です。梅の季節に梅シロップ、秋に栗の甘露煮、正月前に黒豆。年に数回の行事料理でも、「今年もやる」と決まっているものがあれば、それは立派な趣味です。

注意点は、家族が「家事の延長でしょう」と軽く扱わないこと。作ったものに感想を伝える、写真を撮る。少しの反応があるだけで、本人のなかでの位置づけが「作業」から「楽しみ」に変わります。

入り口②:週1回の外出予定を先につくる

2つ目は、内容より先に「予定」を決めてしまう方法です。何をするかは後回しにして、毎週水曜の午前は外に出る、と決める。行き先は図書館でも、スーパーでも、近所の公園でもかまいません。

この順番が有効なのは、外出の習慣が途切れると、趣味への意欲も一緒に下がっていくからです。前述の通り、75歳以上では旅行・行楽の行動者率が女性47.8%まで下がります。まず家を出る習慣を確保しておけば、そこから広がる余地が残ります。

おすすめは、返却期限のある図書館です。2週間ごとに必ず行く理由ができ、館内の掲示板で地域の講座やサークル情報も目に入る。無料で、天候にかかわらず行ける屋内施設という点も現実的です。

ただし、外出を義務にしすぎないことも大切です。「行かなければ」と思い始めると負担になります。体調が悪い日は休んでいい、というルールを最初に決めておいてください。

入り口③:人と一緒にやるものを1つだけ入れる

3つ目は、意識的に「人がいる場」を1つ確保する方法です。在宅型の趣味は続けやすい一方、人と話す機会は増えません。両方をバランスよく持つのが理想です。

内閣府の令和7年版高齢社会白書では、何らかの社会活動に参加した人のうち生きがいを感じている人が84.6%で、参加しなかった人を23.0ポイント上回りました。一人でできる趣味に、人と関わる活動を1つ足すだけで、暮らしの手応えは変わります。

候補としては、公民館のサークル、地域の体操教室、コーラス、ボランティア。費用の目安は前章の通りで、公民館なら月500〜2,000円程度から、民間のヨガなら1回1,650円(75分)といった例があります。まずは体験や見学から入るのが安全です。

気をつけたいのは、人間関係が合わなかったときに「自分が悪い」と思い込んでしまうことです。グループには相性があります。合わなければ別のところを探せばいいだけで、やめることは失敗ではありません。

入り口④:スマートフォンを趣味の入り口にする

4つ目は、スマートフォンそのものを入り口にする方法です。操作を覚えることが目標になり、覚えた先に写真・音楽・動画・調べものと、いくつもの趣味がつながっています。

実際、令和3年社会生活基本調査で全体(10歳以上)の女性の1位は「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」51.3%、2位が「映画館以外での映画鑑賞」50.0%。すでに世の中の趣味の主流は、手のひらの端末の中にあります。75歳以上女性でも音楽鑑賞は11.2%で5位に入っており、この数字は今後さらに伸びる可能性があります。

学ぶ場としては、前述のドコモスマホ教室のように無料で参加できるものがあります。自治体が携帯会社と連携してスマホ講座を開いているケースもあるので、広報誌を確認してみてください。内閣府の白書でも、65歳以上の学習内容として「パソコンなどの情報処理」が10.4%を占めています。

注意すべきは、覚えることを詰め込みすぎないことです。1回の教室で全部わかろうとせず、「今日は写真を撮る」「今日は電話帳に登録する」と目標を1つに絞る。焦らず進めるほうが、結果的に早く使えるようになります。あわせて、身に覚えのない電話やメールには反応しない、という安全のルールも最初に共有しておくと安心です。

✅ 趣味探しチェックリスト
  • ☑ 家の中・庭でできるものが1つあるか
  • ☐ 人と会う機会が週に1回以上あるか
  • ☐ 月々の費用は無理のない範囲か(固定費が増えていないか)
  • ☐ 1週間以内に手応えが返ってくるものか
  • ☐ 休んでも再開しやすいものか
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まとめ|ランキングは地図、選ぶのは本人

🍀 この記事の結論

75歳以上女性の趣味1位は園芸で37.7%、2位は読書21.3%。上位は家で完結する趣味が占める。

✅ 要点チェック
  • 1位は園芸37.7%:庭とベランダで完結する
  • 2位読書・3位映画:どちらも自宅で楽しめる
  • 75歳が分かれ目:行動者率が16.6ポイント低下
  • 0円から始まる:図書館・公民館・スマホ教室
  • 家族は入口だけ:申込みと送迎を手伝う

総務省の令和3年社会生活基本調査をもとにした集計では、75歳以上の女性がしている趣味の上位は、園芸・庭いじり37.7%、読書21.3%、家での映画鑑賞18.1%、編み物・手芸14.6%、音楽鑑賞11.2%、和裁・洋裁10.5%、料理・菓子づくり9.2%という顔ぶれでした。特別な習い事や高価な道具は、上位にひとつも入っていません。

共通しているのは、自宅で完結すること、体調に合わせて量を加減できること、そして成果が目に見えることの3点です。この条件を満たす趣味は、体力や移動範囲が変わっても手放さずに済みます。逆に、出かける前提の趣味だけを持っていると、75歳前後で条件が崩れたときに一気に空白ができてしまいます。

そして忘れたくないのが、1位の園芸でも37.7%、つまり6割以上の人はやっていないという事実です。ランキングは、同世代がどんな暮らしをしているかを知るための地図であって、正解表ではありません。俳句でも写経でも、統計に載らない趣味を続けている方はたくさんいます。

最初の一歩としておすすめしたいのは、費用のかからないものを1つ試してみることです。図書館で本を1冊借りる。100円ショップで毛糸を1玉買う。ホームセンターで苗を1ポット選ぶ。携帯ショップのスマホ教室を予約する。どれも今週中にできて、続かなくても失うものがありません。

ご家族が背中を押す立場なら、「何か趣味を持ったら?」ではなく「昔、何をしていたの?」と聞くところから始めてみてください。答えのなかに、次の一歩のヒントが必ず隠れています。

📝 押さえておきたいポイント
この記事の統計値は、総務省「社会生活基本調査」(令和3年・平成28年)および内閣府「高齢社会白書」(令和7年版・令和8年版)に基づく2026年7月時点の内容です。講座の費用や開催状況、教室の月謝は地域・時期によって変わります。参加を検討する際は、お住まいの自治体の生涯学習担当窓口や各教室の公式サイトで最新情報をご確認ください。
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この記事を書いた人

シニア世代の暮らしに役立つ情報を発信中。孫へのお祝いマナーや冠婚葬祭のしきたり、健康管理や終活の準備まで、日常の「困った」を解決する記事を心がけています。ご家族の方にも読んでいただける、安心できる情報源を目指しています。

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