「小学校の入学祝い、祖父母としていくら包めばいいのかしら」——かわいいお孫さんがランドセルを背負う日が近づくと、うれしさと同時にこんな悩みが浮かんでくるものですよね。多すぎても気を遣わせるし、少なすぎても気がかり。同じ孫でも父方・母方で差が出ないか、現金がいいのか品物がいいのか、考え出すときりがありません。
結論からお伝えすると、祖父母から孫への小学校入学祝いは1万〜3万円が中心で、ランドセルなどの品物を兼ねる場合は5万円以上になることもあります。大切なのは金額の正解探しではなく、両家のバランスと我が家の家計、そして「これから何度も続くお祝い」を見据えて無理のない額に落ち着けることです。
この記事では、祖父母の立場から見た小学校入学祝いの相場と決め方、渡す時期、のし袋の書き方、お返しの考え方まで、人生の先輩同士でお茶を飲みながら一緒に考えるような気持ちで、ひとつずつ整理していきます。最後まで読めば「これで安心して渡せる」と思っていただけるはずです。
・祖父母から孫への小学校入学祝いの相場(1万〜3万円が中心)
・金額を両家・家計・地域で上手に決めるコツ
・渡す時期・のし袋の書き方・新札などの基本マナー
・お返し(内祝い)の考え方と、祖父母がやりがちな失敗の避け方
小学校の入学祝いは祖父母からいくらが相場?金額の全体像

まずは「だいたいいくらが普通なのか」という全体像をつかんでおきましょう。相場を知っておけば、多すぎ・少なすぎの不安が一気に軽くなります。ここでは中心となる金額帯と、その幅が広い理由、立場別の目安を順に見ていきます。
中心は1万〜3万円、ランドセルを兼ねると5万円以上も
祖父母から孫への小学校入学祝いは、現金で渡す場合10,000円〜30,000円が中心的な相場です。世の中全体で見ても「1万〜5万円」の範囲に収まる家庭がほとんどで、その中でも1万円台・2万円台・3万円台が多くを占めます。一方で、ランドセルや学習机といった高額な品物を祖父母が用意するケースでは、お祝いの実質的な金額が50,000円以上になることも珍しくありません。なぜこれほど幅があるかというと、現金だけを渡すのか、品物とセットなのか、品物だけなのかで「お祝いの形」が家庭ごとに違うからです。たとえば現金2万円とは別にゲームや図書カードを添える家もあれば、ランドセル一式で気持ちを表す家もあります。注意したいのは、金額の大小よりも「我が家はどういう形で祝うか」を先に決めておくこと。形が決まれば、おのずと適切な金額が見えてきます。
なぜ相場の幅がこんなに広いのか
相場が1万円から5万円超まで開く背景には、「6ポケット」と呼ばれる現代の事情があります。両親に加えて父方・母方の祖父母を合わせた最大6人の財布が、ひとりの孫に向けられるという意味の言葉です。少子化で孫の数が減った分、一人ひとりにかけられる予算が増え、結果として高めの相場が形成されやすくなりました。とくにランドセル市場では祖父母が購入の担い手になる家庭が過半数に達しているという調査もあり、祖父母の存在感は年々大きくなっています。ただし、ここで張り合う必要はまったくありません。経済状況も家庭の方針もそれぞれ違うのが当たり前で、「よそはよそ、うちはうち」で構わないのです。むしろ高額化に引っ張られて無理をすると、このあとに続く中学・高校・大学のお祝いが重くのしかかります。長い目で見た持続可能な金額を選ぶことが、結局は孫のためにもなります。
【高齢者あんしんノート調べ】立場・贈り方別の相場早見表
言葉だけではイメージしづらいので、立場と贈り方ごとの目安を表に整理しました。各種マナー情報や相場資料をもとに、当サイトで使いやすい形にまとめたものです。あくまで目安として、ご家庭の事情に合わせて調整してください。
| 贈り方・立場 | 金額の目安 |
|---|---|
| 現金のみ(祖父母から孫) | 10,000〜30,000円 |
| 現金+ちょっとした品物 | 10,000〜30,000円+数千円分の品 |
| ランドセル・学習机を兼ねる | 50,000円以上になることも |
| 親戚(おじ・おば)の参考値 | 5,000〜10,000円 |
表を見るとわかるように、現金だけなら1万〜3万円が無理のないラインです。品物を兼ねるなら現金は少なめにする、という調整も自然です。表書きや渡し方の細かなマナーは、入学・進学のお祝い全般で共通する部分が多いので、行事別の相場一覧もあわせて参考にすると全体像がつかみやすくなります。

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兄弟姉妹・いとこ同士は「そろえる」と角が立たない
金額を決めるときに見落としがちなのが、孫が複数いる場合のバランスです。上の孫に3万円渡したなら、下の孫にも同じ条件で揃えるのが基本。ここがそろっていないと、何年か経って「お兄ちゃんのときは多かったのに」と子ども世代の間にしこりが残ることがあります。背景には、お祝いが「その子個人へのもの」であると同時に「家と家のおつきあい」でもあるという事情があります。具体的には、孫ごとに同じ金額・同じ贈り方を続けると決めてメモに残しておくと、年月が経っても迷いません。注意点として、物価が上がって金額を見直したいときは、上の子にも後から差額を渡すか、全員一律で次の機会から変えるなど、不公平感が出ない工夫をすると安心です。
祝い金はどう決める?両家のバランスと家計から考える
相場がわかっても、いざ自分の家でいくらにするかは別の悩みです。ここでは、後悔やトラブルにつながりやすいポイントを押さえながら、納得して金額を決めるための考え方を整理します。
両家で金額がそろわず気まずくなる失敗
祖父母の入学祝いで最も多いつまずきが、父方と母方で金額に大きな差が出てしまうケースです。たとえば父方が奮発して5万円を包んだのに、母方が相場どおり1万円だった——後から金額を知った双方が「うちが少なすぎた」「向こうに気を遣わせた」と気にしてしまい、子ども夫婦が板挟みになることがあります。原因は単純で、両家が事前にいっさい相談していないこと。対策はとてもシンプルで、孫の親(息子や娘)を通じて「両家でだいたい同じくらいにしましょう」と一声そろえておくだけです。金額そのものより、片方だけが突出しない配慮が円満の鍵になります。下に注意点としてまとめておきます。
・直接やり取りしづらいときは、孫の親に間に入ってもらって「○万円くらいで」とすり合わせる
・現金か品物かも両家でそろえると差が見えにくい
・一度決めた水準は、下の孫のときも同じにして記録に残す
これから続くお祝いを見据えて無理をしない
小学校入学はゴールではなく、お祝いごとの「スタート地点」です。このあと中学・高校・大学、さらに就職や結婚と、孫へのお祝いは何度も続きます。だからこそ、最初の小学校で家計に無理をすると、後半が苦しくなってしまいます。年金で暮らす世代にとっては、毎月の生活費とのバランスも大切です。具体的には、「入学・進学のお祝いは1回あたり◯万円まで」と自分なりの上限を決めておくと、その都度悩まずに済みます。注意したいのは、見栄やよその家との比較で背伸びをしないこと。孫が本当に喜ぶのは金額の大きさよりも、おじいちゃん・おばあちゃんが元気で長く祝ってくれることです。年金暮らしの中でお祝いを続ける工夫については、こちらの記事も役立ちます。

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父方・母方、それぞれの立場で考える
同じ祖父母でも、父方か母方かで気の遣い方が少し変わることがあります。たとえば孫が母方の近くに住んでいて日常的に行き来があるなら、母方は普段から細々と援助している分、お祝いは相場どおりで十分という考え方もできます。逆に遠方で年に数回しか会えない父方なら、お祝いの機会にしっかり気持ちを込めたいと思うのも自然です。背景にあるのは、お祝いが「日頃のおつきあいの一部」だということ。具体的には、普段の関わりが多い側は控えめ、少ない側は節目を大切に、というように役割で考えると気が楽になります。ただし、前述のとおり差が大きくなりすぎないよう、最終的には両家でゆるやかにそろえるのが安心です。
実は「金額より使い道」を気にする親が多い
意外と知られていないのですが、お祝いを受け取る親世代が本当に気にしているのは、金額の多寡そのものよりも「何に使えばいいか」という点だったりします。高額をいただくと、ありがたい反面「全額お返しすべき?」「贅沢に使ってはいけない?」と気疲れしてしまう人も少なくありません。そこで祖父母側から「ランドセルの足しにしてね」「習い事や本に使ってちょうだい」と使い道のヒントを一言添えると、親はぐっと受け取りやすくなります。これは金額を増やすより喜ばれる、ちょっとした心配りです。お金に色はつけられませんが、言葉を添えることで「孫の成長を一緒に応援している」という気持ちが伝わります。
ランドセル・学習机…品物で贈るときの考え方

現金ではなく品物で気持ちを表したい祖父母も多いでしょう。とくにランドセルは祖父母が買う家庭が増えています。ここでは品物で贈る際の相場感と、失敗しない選び方を見ていきます。
ランドセルの平均は約6万円、祖父母が買うのが主流に
小学校入学の品物として真っ先に挙がるのがランドセルです。ランドセル工業会の調査によると、2026年入学モデルの平均購入金額は62,034円で、前年より1,200円以上アップしました。最も多い価格帯は「65,000円以上」で全体の46.0%を占め、6万〜8万円程度を選ぶ家庭が中心です。そして注目すべきは、祖父母による購入が過半数に達しているという点。帰省のタイミングで一緒に選ぶ家庭が増えているのです。背景には先ほどの「6ポケット」があり、孫の晴れの日にランドセルを贈ること自体が、祖父母にとっての楽しみになっています。注意点として、ランドセルは色やデザインの好みが分かれるので、必ず孫本人と親の希望を確認してから決めましょう。よかれと思って先に買ってしまうと、好みと合わずに気まずくなることがあります。
平均購入金額は62,034円(前年比1,200円以上アップ)。最多価格帯は「65,000円以上」が46.0%。祖父母による購入が過半数に増加。
(出典:ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査2026年」 https://www.randoseru.gr.jp/graph/ )
学習机・図書カード・現金の合わせ技
品物はランドセルだけではありません。学習机、勉強用のデスクライト、図書カードや文具のセットなども定番です。すべてを祖父母が用意する必要はなく、たとえば「ランドセルは母方、学習机は父方」と両家で分担する家庭もあります。背景として、入学準備には体操服・上履き・文房具など細かな出費がかさむため、現金と品物を組み合わせると親の実用的な助けになります。具体的には、図書カード5,000円分に現金2万円を添える、文具セットと一緒に1万円を包む、といった形が無理なく喜ばれます。注意点は、品物が他の親戚と重複しないように、贈る前にさりげなく確認しておくこと。同じ図書カードが何枚も重なるより、少しずつ役割が違うほうが家計の助けになります。
品物と現金、それぞれの良さを知っておく
品物で贈るか現金で贈るか迷ったら、それぞれの長所を理解して選ぶとよいでしょう。下の表に整理しました。どちらが正解ということはなく、孫の家庭の状況や、祖父母自身がどう祝いたいかで選んで構いません。
| 品物で贈る良さ | 現金で贈る良さ |
|---|---|
| 形に残り思い出になる 「選んでくれた」気持ちが伝わる 孫が直接喜ぶ顔を見られる | 必要なものに自由に使える 品物の重複を避けられる 準備品の出費をそのまま助けられる |
贈る前に親へひと声かけるのが鉄則
品物を選ぶときに最も大切なのが、事前に親へ確認することです。ランドセルの色、学習机を置くスペースの有無、すでに買う予定のものがないか——これらを聞かずに進めると、せっかくの贈り物が宙に浮いてしまいます。理由は、入学準備は親が全体を見て計画しているケースが多く、祖父母の品物がその計画とぶつかることがあるからです。具体的には、「ランドセル、よかったらおじいちゃんに買わせてくれない?」と早めに切り出し、予算感も伝えておくとスムーズです。注意点として、サプライズにこだわりすぎないこと。孫の入学準備は驚かせるより、家族で足並みをそろえるほうが結果的に喜ばれます。
小学校の入学祝いを渡す時期はいつ?祖父母の渡し方マナー
金額や品物が決まったら、次は「いつ・どうやって渡すか」です。タイミングを外すと準備に間に合わなかったり、慌ただしくなったりします。ここで段取りを押さえておきましょう。
ベストは3月中旬〜下旬、遅くとも入学式1週間前まで
入学祝いを渡す時期は、入学式の1か月前から1週間前までが一般的です。とくにおすすめは3月中旬〜下旬。理由は、お祝いを入学準備の実費にあててもらうには、準備品を買いそろえる前に届いているほうが役立つからです。新学期間際のバタバタの中で渡すより、少し余裕を持って渡したほうが、親も計画的に使えます。具体的には、合格・入学が正式に決まった2月下旬以降に用意を始め、3月中旬には手渡しか発送を済ませるのが理想的な段取りです。注意点として、早すぎる年明けすぐの時期は「気が早い」と感じられることもあるので、入学が確定してからにしましょう。逆に入学式後になってしまうと、準備に間に合わず「お祝いの意味が薄れた」と感じさせてしまうので避けたいところです。
- Step1: 2月下旬、入学が決まったら金額・贈り方を両家で軽くすり合わせる
- Step2: 3月上旬、のし袋と新札を用意する
- Step3: 3月中旬〜下旬、手渡しまたは現金書留で届ける
手渡し・現金書留・振込、それぞれの注意点
渡し方は、会って手渡しするのが最も丁寧ですが、遠方ならほかの方法もあります。現金を郵送する場合は必ず「現金書留」を使うのがルールで、普通郵便で現金を送るのは法律上できません。理由は、現金書留なら万一の紛失時に補償があり、安全だからです。具体的には、郵便局の窓口で専用封筒を購入し、のし袋ごと入れて送ります。銀行振込で渡す家庭もありますが、その場合はのし袋の代わりにメッセージカードや手紙を別送すると、味気なさを補えます。注意点として、振込だけだと事務的に感じられることがあるので、「お祝いを振り込みました」と電話やLINEで一言添えると気持ちが伝わります。孫の顔を見て渡せるなら、やはり手渡しが一番の思い出になります。
遠方の孫へは「物より気持ち」を形にする工夫
離れて暮らす孫の場合、会って渡せないもどかしさがありますよね。そんなときは、お祝いに手紙やメッセージカードを添えるのがおすすめです。背景として、現金や品物だけだと「もらった」事実は残っても「祖父母の気持ち」が伝わりにくいもの。一筆あるだけで、孫の記憶に残るお祝いになります。具体的には、「ピカピカの一年生、おめでとう。元気に学校へ通ってね」といった短い言葉で十分です。低学年の孫ならひらがなで書くと、本人が自分で読めて喜びます。注意点として、長文や立派な文章である必要はありません。むしろ手書きのあたたかみが何よりのプレゼントです。ビデオ通話で「おめでとう」を伝えてから贈ると、距離があっても気持ちはしっかり届きます。
のし袋の書き方とお金のマナー|表書き・水引・新札
現金を包むなら、のし袋の選び方と書き方も気になるところ。ここを丁寧にすると「さすが」と思ってもらえます。難しく考えず、基本を押さえれば大丈夫です。
水引は紅白の「蝶結び」を選ぶ
入学祝いののし袋は、紅白の蝶結び(花結び)の水引を選びます。理由は、蝶結びがほどいて何度でも結び直せることから、「何度あってもうれしいお祝い事」に使われるからです。入学や進学、出産などの成長の節目はまさにこれにあたります。具体的には、文具店やスーパーの慶事用コーナーで「入学祝い」用として売られているものを選べば間違いありません。包む金額が1万〜3万円なら、それに見合った中級程度ののし袋がバランスよく見えます。注意したいのは、結婚祝いに使う「結び切り」やあわじ結びを選ばないこと。これらは「一度きりがよい」お祝い用で、入学祝いには不向きです。迷ったら店員さんに「入学祝い用」と伝えれば選んでもらえます。
表書きは「御入学祝」、名前の書き方
のし袋の表書き(上段)は「御入学祝」または「祝御入学」と書くのが一般的です。下段には贈り主である祖父母の名前を書きます。理由は、誰からのお祝いかを明確にして、後で親が整理しやすくするためです。具体的には、夫婦連名なら夫の姓名を中央に、その左に妻の名前を添えます。孫との間柄なら堅苦しくせず、「おじいちゃん・おばあちゃんより」とやわらかく書く形も近年は増えています。筆記具は毛筆か筆ペンを使い、濃い黒で書くのが慶事のマナー。注意点として、ボールペンや薄墨は避けましょう。薄墨は弔事用なので、お祝いには使いません。のし袋の書き方の細部をもっと知りたい方は、こちらの記事で表書き・中袋・金額の書き方をまとめて確認できます。

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中袋の金額・新札のマナー
のし袋の中袋(中包み)には、表面に包んだ金額、裏面に住所と氏名を書きます。金額は「金壱萬円」のように旧字体の漢数字で書くのが正式ですが、最近は「金10,000円」と算用数字でも問題ありません。理由は、後で親が「どなたからいくら」と整理しやすくするためです。お札は必ず新札(ピン札)を用意しましょう。新札には「この日のために前もって準備しました」という気持ちが込められており、お祝い事の基本マナーとされています。具体的には、銀行の窓口やATM、両替機で新札に交換できます。注意点として、入学シーズンは新札が品薄になりやすいので、3月に入ったら早めに用意を。手元になければ、アイロンを軽く当ててシワを伸ばすだけでも印象が変わります。お札は表(肖像画の面)を上にして包むと、より丁寧です。
- ☑ 水引は紅白の蝶結びを選んだ
- ☑ 表書きは「御入学祝」、下段に贈り主名を記入した
- ☑ 中袋に金額・住所・氏名を書いた
- ☑ 新札を表向きに包んだ
お返しは必要?祖父母が知っておきたい内祝いの考え方
お祝いを渡したあと、「お返しはいらないと言ったほうがいいのかしら」と気になる祖父母も多いはず。ここでは内祝いの基本と、祖父母としての心構えを整理します。
そもそも入学祝いのお返しは原則不要
入学祝いは「身内から子どもへの贈り物」であるため、正式なマナーではお返し(内祝い)は不要とされています。子どもにはまだ収入がなく、お返しを前提としたお祝いではない、という考え方が根底にあります。ですから祖父母としては、「お返しは気にしないでね」と先に伝えておくと、親世代の負担が軽くなります。理由は、高額のお祝いをいただいた親ほど「半返ししなければ」と気を張ってしまうからです。具体的には、お祝いを渡すときに「これでランドセルの足しにしてね、お返しはいらないからね」と一言添えるだけで十分。注意点として、相手が律儀にお返しを用意してくれた場合は、ありがたく受け取りましょう。「いらない」と固辞しすぎると、かえって相手の気持ちを行き場のないものにしてしまいます。
お返しを受け取る場合の相場は「半返し〜3分の1」
親世代がどうしてもお返しをしたいという場合、相場はいただいた金額の半額(半返し)〜3分の1程度です。たとえば3万円のお祝いなら、1万〜1万5千円ほどのお返しが一般的です。タイミングは入学式後の1か月以内が目安で、入学前に渡すのはフライングになるため避けられます。のし紙は紅白の蝶結びに「内祝」と表書きするのが正式です。背景として、お返しはあくまで「感謝の気持ちの形」であり、金額の正確さより心が大切にされています。注意点として、祖父母としては受け取ったお返しが相場より控えめでも気にしないこと。子育て世帯は何かと物入りなので、「気持ちだけで十分」とおおらかに構えるのが、孫の家庭を支える祖父母の余裕です。
何よりのお返しは「孫の成長報告」
ここで祖父母としてぜひ知っておいてほしいのが、品物のお返しよりも喜ばれるものがあるということです。それは、孫の成長を伝えてもらうこと。入学式の写真、ランドセルを背負った姿、学校で楽しかった出来事——こうした報告こそ、祖父母にとって何よりのお返しです。理由はシンプルで、お祝いを贈った一番の動機が「かわいい孫の成長を応援したい」という気持ちだからです。具体的には、親に「お返しはいいから、入学式の写真を送ってちょうだい」と伝えておくと、お互いに気持ちのよいやり取りになります。注意点として、これを押しつけにしないこと。「報告がない」と不満に思うのではなく、便りがあれば素直に喜ぶ姿勢でいると、孫の家庭との関係が長くあたたかく続きます。
お返しを辞退するときは「お返しはいらないから、その分この子の本やおやつに使ってね」と伝えると、相手も受け取りやすくなります。お金のやり取りを家族の温かいコミュニケーションに変えるのが、円満のコツです。
祖父母がやりがちな失敗とトラブル回避のコツ
最後に、実際によくある失敗例とその防ぎ方をまとめます。先回りして知っておけば、せっかくのお祝いが気まずい思い出にならずに済みます。
渡す時期を逃して入学後になってしまう失敗
意外に多いのが、「気づいたら入学式が終わっていた」というタイミングの失敗です。合格発表から入学式まではあっという間で、準備に追われているうちに渡しそびれてしまうのです。原因は、いつ渡すかを具体的に決めずに「そのうち」と先延ばしにしてしまうこと。対策は、入学が決まった2月下旬の時点で「3月中旬に渡す」と日を決めてしまうことです。万一遅れてしまった場合でも、慌てる必要はありません。「準備でバタバタしていてごめんね」と一言添えて渡せば角は立ちませんし、お祝いの気持ちはきちんと伝わります。注意点として、遅れたことを過度に詫び続けないこと。あっさり渡して、これからの学校生活を一緒に応援する姿勢を見せるほうが、孫も親も気持ちよく受け取れます。
・現金か品物か親に確認せず、ランドセルが他の親戚と重複した
・四(死)や九(苦)を連想させる4,000円・9,000円など縁起の悪い金額にしてしまった
・サプライズにこだわり、親の入学準備計画とぶつかった
親の意向を確認せずに進めてしまう失敗
もうひとつの典型的な失敗が、孫の親(息子・娘夫婦)の考えを聞かずに、祖父母だけで贈り物を決めてしまうことです。よかれと思った高額のお祝いが、かえって親に気を遣わせたり、教育方針と合わなかったりすることがあります。原因は、「孫のためなら喜ばれるはず」という思い込み。対策は、金額も品物も渡し方も、事前に親へ一声かけることに尽きます。具体的には、「入学祝い、いくらくらいがいい?」「ほしいものはある?」と率直に聞いてしまうのが一番確実です。注意点として、聞くことを遠慮しないこと。お祝いは祖父母の自己満足ではなく、孫の家庭を支えるためのもの。親と足並みをそろえることが、結局は一番喜ばれる贈り方になります。中学・高校と続くお祝いも、この姿勢があればずっとスムーズです。
金額の縁起・受け取り方にも気を配る
細かなところですが、包む金額の縁起にも触れておきましょう。お祝い事では、4(死)や9(苦)を連想させる4,000円・9,000円・40,000円といった金額は避けるのが慣習です。理由は、せっかくのお祝いに縁起の悪い数字を持ち込まないという昔ながらの配慮から。具体的には、10,000円・20,000円・30,000円・50,000円といったきりのよい金額や、奇数を基本に選ぶと安心です。ただし、これは絶対のルールではなく地域や家庭によって考え方が異なります。注意点として、縁起を気にしすぎて本来渡したい額から大きくずらす必要はありません。気になる場合だけ、きりのよい金額に整える程度で十分。形式よりも、孫の門出を祝う気持ちが何より大切です。
まとめ|祖父母の小学校入学祝いは「金額より気持ちのそろえ方」
祖父母から孫への小学校入学祝いは、現金なら1万〜3万円が中心、ランドセルなどの品物を兼ねるなら5万円以上になることもあります。ただ、この記事を通してお伝えしてきたように、本当に大切なのは正解の金額を当てることではありません。両家でバランスをそろえ、我が家の家計とこれから続くお祝いを見据え、孫の家庭の意向に寄り添うこと——その姿勢こそが、長く喜ばれる祖父母のお祝いの形です。お返しは原則不要で、何よりのお返しは孫の成長報告。そう考えれば、肩の力を抜いてお祝いに向き合えるはずです。
最後に、要点を振り返っておきましょう。
・現金の相場は1万〜3万円が中心、品物を兼ねると5万円以上も
・父方・母方で金額をそろえ、突出させないのが円満の鍵
・ランドセル平均は約6万円、祖父母が買う家庭が過半数(2026年)
・渡す時期は3月中旬〜下旬、遅くとも入学式1週間前まで
・のし袋は紅白の蝶結び、表書きは「御入学祝」、新札を用意
・お返しは原則不要。半返し〜3分の1が目安
・金額より、両家・親との足並みをそろえる気持ちが大切
まずは最初の一歩として、入学が決まったら孫の親に「入学祝い、いくらくらいがいいかしら」と気軽に聞いてみることから始めてみてください。そこから金額も贈り方も、自然と気持ちよく決まっていきます。かわいいお孫さんのピカピカの一年生姿を、どうぞ心から楽しんでお祝いしてあげてくださいね。
※相場やマナーは地域・家庭によって考え方が異なります。お返しや贈与に関する個別の判断で迷う場合は、お住まいの地域の慣習や専門家にご確認ください。最新のランドセル価格などのデータは、ランドセル工業会など公式情報もあわせてご参照ください。

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