夫婦二人の食費は平均7万9千円|60代・年金暮らしのリアルな内訳と見直し方

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スーパーのレジで合計金額を見て、「先月もこんなに使っていたかな」と思う瞬間はありませんか。夫婦二人だけの暮らしになったのに、食費が思ったほど減らない。むしろ増えている気さえする——そんな感覚を持つ方は少なくありません。

結論からお伝えすると、夫婦二人世帯の食費は月およそ7万9千円が一つの目安です。総務省「家計調査」2025年(令和7年)平均によれば、世帯人員2人の世帯の食料費は79,340円。65歳以上の夫婦だけの無職世帯でも、消費支出263,979円のうち29.9%が食料に充てられており、金額に直すとやはり8万円前後になります。決してあなたの家計だけが特別なわけではありません。

この記事では、公的統計の数字をそのまま並べるのではなく、「その数字は自分の家計にどう当てはめて読めばいいのか」という視点で整理します。年代別・地域別・世帯人数別の目安、食費の中身の内訳、そして夫婦げんかにならない見直しの進め方まで。数字を知って安心し、必要なところだけ手を入れる。そんな読み終わり方をしていただけたらと思います。

📝 この記事でわかること
・夫婦二人の食費の平均額と、年金暮らし世帯のリアルな家計収支
・年代・地域・世帯人数で変わる食費の目安と、平均との比べ方
・食料費9万4,895円の内訳から見える「削れる支出・削れない支出」
・食卓を寂しくせずに月1万円下げる、4つの現実的な見直し方
目次

夫婦の食費は平均でいくら?2025年データで見る「月7万9千円」の実像

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まずは全体像から押さえていきましょう。食費の話は感覚で語られがちですが、国が毎月調べている統計があります。それが総務省統計局の「家計調査」です。

二人暮らしの食費は月79,340円、二人以上世帯の平均なら94,895円

世帯人員が2人の世帯の食料費は、月79,340円が目安です。一方、総務省「家計調査(家計収支編)2025年平均」における二人以上の世帯全体の食料費は月94,895円。この2つの数字が違うのは、後者に子どもがいる3人・4人世帯が含まれているためです。二人以上の世帯の平均世帯人員は2.87人、世帯主の平均年齢は60.7歳でした。

「二人以上の世帯」の数字がニュースで大きく取り上げられるため、夫婦二人暮らしの方が94,895円という数字を見て「うちはこんなに使っていない」と感じることがあります。逆に「うちは9万円を超えている、使いすぎだ」と落ち込む方もいます。どちらも比較する相手を間違えているだけです。夫婦二人なら、まずは79,340円のほうを基準にしてください。

なお、この食料費には外食や飲料、お酒も含まれます。「スーパーで買う食材代」だけを食費と考えている場合、統計上の食料費とは中身が違ってくる点に注意が必要です。家計簿で外食を「交際費」や「レジャー費」に振り分けている家庭では、比較すると自分の食費が不自然に少なく見えます。

また、家計調査の数字は「その支出がなかった世帯も含めた平均」です。お酒を一滴も飲まない家庭も、毎晩晩酌する家庭も、まとめて割った数字だと理解しておくと読み違えが減ります。

65歳以上の夫婦だけの世帯は、食費が消費支出の29.9%を占める

年金暮らしの世帯に絞ると、もう少し具体的な姿が見えてきます。総務省「家計調査」2025年平均によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出は月263,979円。このうち食料が占める割合は29.9%でした。金額に換算すると、およそ7万9千円です。

興味深いのは、この試算値が世帯人員2人の世帯の食費79,340円とほぼ重なることです。現役世代であっても年金生活であっても、大人二人が食べるのにかかる金額はそう大きく変わらない、ということを示しています。収入が減っても食費だけは同じようにかかる。これが定年後の家計で最初に効いてくる現実です。

同じ調査で、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は148,445円、食料の割合は28.7%(約4万3千円)でした。二人世帯の食費は単身世帯のちょうど2倍ではなく、1.8倍程度にとどまります。鍋一つで二人分作れる、調味料は同じ量で足りる——同居することで生まれるこの効率のよさは、家計上のはっきりした利点です。

ただし、割合だけを見て「食費が3割は使いすぎ」と判断するのは早計です。消費支出全体が減れば、同じ食費でも割合は自動的に上がります。住宅ローンが終わり、教育費もかからなくなった世帯では、食費の比率が高く出るのはむしろ自然なことです。

📊 データで見る
2025年(令和7年)平均の二人以上の世帯は、消費支出314,001円に対して食料が94,895円。エンゲル係数は28.6%で、前年から0.3ポイント上昇しました。(出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」)

「平均」は真ん中ではない|自分の家計と比べるときの落とし穴

平均値は「ちょうど真ん中の家庭」を表す数字ではありません。食費のように、上に大きく外れる世帯が一定数ある項目では、平均は中央値より高く出る傾向があります。つまり、平均の79,340円を下回っていても、それは「平均以下の貧しい食卓」を意味しません。実際には多くの世帯が平均を下回っています。

なぜこうなるのか。理由は分布の形にあります。食費には下限があります。二人が最低限食べる分は削れないので、どんなに切り詰めても4万円台あたりで底を打ちます。一方、上限はありません。外食が多い世帯、お取り寄せを楽しむ世帯では月15万円を超えることもあります。下は詰まっていて上は開いている。この形が平均を押し上げます。

具体的な使い方としては、平均を「目標値」ではなく「定規」として扱うのが実用的です。79,340円という目盛りに対して自分が7万円なのか11万円なのかを知る。それだけで十分で、平均に合わせにいく必要はまったくありません。

注意したいのは、この数字を夫婦の間で「責める材料」に使ってしまうことです。「平均は7万9千円なのにうちは10万だ」という言い方は、まず間違いなく会話を止めます。数字は現状を共有するために出すもので、勝ち負けを決めるためのものではありません。

一日あたり2,600円|1食430円という感覚に置き換える

月7万9千円という金額は大きすぎて、実感が湧きにくいものです。そこで日割りにしてみます。79,340円を30日で割ると、1日あたり約2,644円。夫婦二人が3食食べるとして6食で割れば、1食あたり約440円という計算になります。

この440円という数字を出すと、多くの方が「思ったより使っていないのかもしれない」と感じます。コンビニのお弁当がひとつ600円前後、外食のランチが1,000円前後という時代に、1食440円で二人分の食事をまかなっているとすれば、それは十分に堅実な家計です。

日割りに直すもう一つの利点は、改善の手応えが見えやすくなることです。月1万円下げるのは大変そうに聞こえますが、1日あたりでは約333円。1食あたりなら約55円です。「毎食55円ぶんだけ工夫する」と考えると、急に現実的な話に変わります。缶ビールを1本減らす、外食を月2回減らす。それだけで届く金額です。

ただし、日割りの数字を厳密に守ろうとすると、かえって長続きしません。来客のあった日、法事のあった日、体調が悪くて総菜に頼った日は、当然オーバーします。日割りはあくまで感覚をつかむための道具で、毎日の予算表として運用するものではないと考えてください。

世帯タイプ1か月の食料費1日あたり
単身世帯44,659円約1,489円
2人世帯(夫婦二人)79,340円約2,645円
3人世帯92,240円約3,075円
4人世帯103,384円約3,446円
二人以上の世帯 平均94,895円約3,163円

※2025年(令和7年)のデータをもとに高齢者あんしんノート調べ。1日あたりは月30日で試算

なぜ食費は上がり続けるのか|エンゲル係数28.6%が語る家計のいま

「節約しているつもりなのに食費が減らない」。この感覚には、はっきりした裏付けがあります。ここ数年、家計が食料に振り分けざるを得ない割合そのものが上がり続けているのです。

エンゲル係数28.6%は44年ぶりの高さという事実

2025年(令和7年)の二人以上の世帯のエンゲル係数は28.6%で、前年の28.3%から0.3ポイント上昇しました。これは1981年以来、44年ぶりの高い水準です。エンゲル係数とは消費支出に占める食料費の割合のことで、一般に数値が高いほど家計に占める食費の負担が重いとされます。

背景にあるのは、食料品価格の継続的な上昇です。2025年の食料費は名目で5.5%増えた一方、物価変動を除いた実質では1.2%の減少でした。つまり、支払う金額は増えているのに、買えている量はむしろ減っている。これが「節約しているのに食費が減らない」という体感の正体です。

エンゲル係数はもともと、生活水準を測る指標として使われてきました。所得が上がれば食費の割合は下がる、という考え方です。ただし現在の上昇は、生活水準が下がったというより、食料品だけが突出して値上がりしていることの反映という側面が強いと指摘されています。数値の上下だけで一喜一憂する必要はありません。

ちなみに、家計調査でいう「食料費」には他の世帯への贈答品は含まれません。お中元やお歳暮、お供え物などは「その他の消費支出」の交際費に入ります。実際の食料品支出はもう少し多いと考えておくとよいでしょう。

2026年も1万4,902品目が値上げ|5年連続の1万品目超え

値上げの流れは2026年に入っても続いています。帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2026年の飲食料品値上げは1〜11月までの判明分で14,902品目。年間1万品目超えは、調査を開始した2022年以降5年連続となりました。

月別に見ると、2026年4月の値上げは2,798品目で、この年に入って初の「値上げラッシュ」となりました。単月で2千品目を超えるのは2025年10月以来6か月ぶりです。7月も2,566品目が値上げされています。分野別では、マヨネーズやドレッシング類を中心とした調味料が1,514品目と最も多く、加工食品609品目、酒類・飲料369品目と続きました。

調味料の値上げが多いという点は、家計にとって地味に効いてきます。調味料は一つひとつが数十円の値上げでも、種類が多く、どの料理にも使うため避けようがありません。特売で肉を安く買っても、その肉を味付けする調味料が上がっていれば、食費全体はなかなか下がらないわけです。

一方で、値上げのペース自体は少しずつ落ち着いてきているという見方もあります。値上げが完全に止まるのを待つのではなく、「毎年少しずつ上がるもの」という前提で家計を組み直すほうが現実的でしょう。

⚠️ 気をつけたいこと
「そのうち物価は元に戻る」と考えて家計を据え置くと、じわじわと貯蓄を取り崩すことになります。年間1万品目超の値上げが5年続いている以上、食費の予算そのものを毎年少しずつ上げる前提で組むほうが、結果的に慌てずに済みます。(出典:帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査」)

米は下がったのに食費は下がらない|2026年6月の物価データが示すもの

2026年に入って、ようやく明るい材料も出てきました。総務省「消費者物価指数(全国)2026年6月分」によると、総合指数は前年同月比1.7%の上昇にとどまり、生鮮食品を除く食料の上昇率は3.1%。この上昇率の縮小は11か月連続です。なかでもコメ類は8.7%の下落となりました。

米の店頭価格も落ち着いてきています。市場POSデータをもとにした調査では、2026年6月21日時点の全国スーパーにおける米5kgの平均売価は3,179円。前年秋のピーク時(4,200円前後)から約25%下がった水準です。「令和の米騒動」と呼ばれた時期を思えば、家計にとっては一息つける変化といえます。

それでも食費全体の実感が軽くならないのは、下がる品目と上がる品目が同時に存在するからです。同じ2026年6月の統計では、コーヒー豆が23.3%、マグロが17.9%上昇しています。主食が安くなっても、おかずや嗜好品が上がれば、レジの合計金額は思ったほど変わりません。

ここから読み取れる実用的なヒントは、「価格が動いた品目を意識して買い方を変える」ことです。米が下がった年は米を中心にした献立を増やし、上がっている魚は種類を替える。全部を我慢するのではなく、値段が下がっているものを積極的に食卓に乗せるほうが、無理がありません。

年金暮らしの夫婦は食費をどう賄っている?月26万円の家計のリアル

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ここからは、定年後の家計に絞って見ていきます。統計が示す年金世帯の姿は、思っていたよりも厳しく、しかし思っていたよりも「普通」です。

実収入254,395円に対して消費支出263,979円という現実

総務省「家計調査」2025年平均によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の実収入は月254,395円。このうち社会保障給付が228,614円と、収入の89.9%を占めます。ここから税金や社会保険料などの非消費支出32,850円を差し引いた可処分所得は221,544円でした。

一方、消費支出は263,979円。可処分所得を4万2,434円上回っています。平均消費性向は119.2%。つまり、平均的な年金夫婦世帯は毎月4万円強を貯蓄などから取り崩して暮らしている計算になります。この不足分が生じる理由は単純で、現役時代の生活の形をそのまま続けようとすれば、年金だけでは足りないからです。

ただし、この数字を見て慌てる必要はありません。そもそも退職金や現役時代の貯蓄は、こうして取り崩すために積み立ててきたものです。問題は「取り崩していること」ではなく、「いつまで取り崩せるかを把握していないこと」のほうにあります。

注意点として、この数字は全国平均であり、持ち家か賃貸か、地方か都市部か、子どもからの援助があるかどうかで大きく変わります。実際、消費支出のうち住居費の割合は6.7%と低く出ていますが、これは持ち家世帯が多いためです。賃貸暮らしの方はこの前提が当てはまりません。

年金暮らしで家計をやりくりする工夫については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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年齢が上がるほど支出は下がる|65〜69歳と75歳以上の差

年金世帯といっても、年齢によって家計の姿はかなり違います。同じ家計調査で、二人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯を年齢階級別に見ると、実収入は65〜69歳が290,110円、70〜74歳が287,725円、75歳以上が252,798円。可処分所得はそれぞれ245,710円、248,599円、221,235円でした。

消費支出は65〜69歳の296,997円が最も多く、年齢階級が上がるにつれて少なくなっていきます。この傾向は毎年安定して観察されるもので、旅行や外食、交際といった「出かけるための支出」が加齢とともに自然に減っていくためと考えられます。

家計の設計という観点では、この事実は救いになります。65歳時点の支出水準が90歳まで続くと仮定して老後資金を計算すると、必要額は実態よりかなり大きく出ます。実際には70代後半から支出は下がっていく。過度に切り詰めるより、動ける70代前半までは楽しむことにお金を使う、という選び方も十分に合理的です。

もっとも、支出が下がる理由には「体力が落ちて出かけられなくなる」という側面もあります。また、医療や介護に関わる費用は年齢とともに増える傾向があるため、総額が下がっても中身は入れ替わります。単純に「歳を取れば安くなる」と読むのは正確ではありません。

食費だけを削っても、月4万円の不足は埋まらない

毎月4万2,434円の不足があると聞くと、まず食費を削ろうと考えがちです。しかし冷静に見ると、食費7万9千円のうち4万円を削るというのは、食費を半分にすることを意味します。現実的ではありませんし、健康面から見ても勧められません。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出の内訳を割合で見ると、食料29.9%のほかに、その他の消費支出19.4%(うち交際費8.8%)、交通・通信11.9%、教養娯楽10.1%、光熱・水道8.9%、住居6.7%、保健医療6.8%、家具・家事用品4.3%、被服及び履物2.0%となっています。食費以外にも、見直しの余地がある費目は複数あります。

実際に効きやすいのは、金額が大きく、かつ一度手を入れれば毎月自動的に効く「固定費」のほうです。通信費のプラン変更、使っていないサブスクリプションの解約、電力会社の見直し、自動車の保有台数の見直し。これらは一度の手続きで年間数万円が浮くことがあります。食費は毎日の努力が必要なわりに、下げ幅が限られます。

そのうえで食費に手を入れるなら、目標は「月1万円」が現実的なラインです。7万9千円を6万9千円にする。この程度なら食卓の質を落とさずに届きますし、続けられます。

【失敗パターン】食費を削りすぎて、食卓が寂しくなってしまった

定年後の家計を引き締めようとして、真っ先に食費を大幅カットしてしまう。これは実際によくある失敗です。もやしと豆腐を中心にした献立に切り替え、肉や魚の登場回数を減らし、果物やデザートをやめる。数字の上では確かに食費は下がります。

原因は、食費が「毎日目に見える支出」だからです。通信費や保険料は月に一度、通帳の上でしか意識しませんが、食費はレジで毎回突きつけられます。そのため実際の削減効果以上に「ここを削らねば」という気持ちが働いてしまいます。

対策は二つあります。一つは、削減の順番を「固定費 → 嗜好品 → 主菜」の順にすること。主菜(肉・魚・卵)は最後に手をつける対象と決めておきます。もう一つは、食費の予算を決めるときに「削減額」ではなく「上限額」で決めることです。「1万円削る」ではなく「月7万円以内」と決めれば、その範囲内で何を食べるかは自由になります。

食卓が寂しくなると、家の中の会話も減ります。夫婦二人の暮らしでは、食事の時間がそのまま一日の中心になることも多いものです。家計の数字だけを見て、その時間の質まで削ってしまわないよう気をつけたいところです。

わが家の食費は多い?少ない?年代・地域・世帯人数で変わる目安

「平均」という一つの数字だけでは、自分の家計は判断できません。同じ夫婦二人でも、住んでいる場所や収入によって、妥当な食費の水準は変わります。

世帯人数別|1人44,659円から5人112,019円までの階段

2025年のデータをもとにした世帯人数別の食費は、1人44,659円、2人79,340円、3人92,240円、4人103,384円、5人112,019円です。人数が1人増えるごとに増える金額を計算すると、1人目から2人目で34,681円、2人目から3人目で12,900円、3人目から4人目で11,144円、4人目から5人目で8,635円となります。

人数が増えるほど「1人あたりの追加コスト」が下がっていくのがわかります。これは、まとめて調理することで無駄が減り、調味料や光熱の効率も上がるためです。逆に言えば、子どもが独立して夫婦二人になった時点で、1人あたりの食費は上がるということでもあります。

実用的な意味は大きいところです。「子どもが出て行ったのに食費が思ったほど減らない」という悩みには、統計的な裏付けがあるのです。4人世帯103,384円が2人世帯79,340円になっても、減るのは24,044円。人数は半分になっても、食費は23%しか減りません。

注意点として、これらの数字は世帯主の年齢や収入をまたいだ平均です。同じ2人世帯でも、共働きの30代夫婦と年金暮らしの70代夫婦では、外食の頻度も食べる量も違います。あくまで「人数が変わるとどれくらい動くか」を見るための数字として使ってください。

住む地域で1万5千円違う|関東96,893円と九州81,418円

地域差も無視できません。二人以上の世帯の食費を地方別に見ると、関東96,893円、東北83,580円、九州81,418円と、関東と九州では月15,475円の差があります。年間に直せば18万円以上です。

この差が生まれる理由は複数あります。物価水準そのものの違い、外食の機会の多さ、そして地元で採れる食材が安く手に入るかどうか。地方では家庭菜園や近隣からのおすそ分けが日常的にある一方、都市部ではすべてを購入する必要があります。

エンゲル係数で見ると、地域差はさらにはっきりします。2025年の都道府県庁所在市別では、最も高いのが大阪市の32.2%、最も低いのが水戸市の26.1%でした。全国47市のうち27市で2000年以降の最高値を更新しています。「食い倒れの街」と言われる大阪の数値が高いのは、外食文化の厚みも影響しているとみられます。

ここで大事なのは、自分の住む地域の水準と比べることです。関東にお住まいで食費9万円なら平均以下ですが、九州で9万円なら平均を1万円近く上回っています。全国平均だけを見て判断すると、方向を誤ることがあります。

収入で10ポイント違うエンゲル係数|低所得ほど高くなる理由

年間収入の階級別にエンゲル係数を見ると、差は一段と大きくなります。2025年のデータでは、年間収入が最も多いグループ(1,152万円以上)が24.1%であるのに対し、最も少ないグループ(280万円未満)は34.4%。その差は10.3ポイントにのぼります。

この差が生まれる理由は、食費に「下限」があるからです。収入が半分になっても、食べる量が半分になるわけではありません。分母である消費支出だけが小さくなるため、割合としての食費は自動的に膨らみます。エンゲル係数が高いことは、必ずしも「食べ過ぎ」を意味しません。

年金暮らしの世帯は、収入階級で見れば下のほうに位置することが多くなります。65歳以上の夫婦のみの無職世帯の食料割合29.9%という数字も、この文脈で読むと納得できます。決して贅沢をしているわけではなく、収入の構造上そうなるということです。

やりがちな失敗は、エンゲル係数を「家計の成績表」のように受け止めてしまうことです。この指標は国際比較や時系列比較のために作られたもので、個々の家庭の良し悪しを測るものではありません。自分の家の数値を計算して落ち込む必要はまったくないと考えてください。

実は、食費が平均より高いことは問題とは限らない

意外と知られていないことですが、食費が平均を上回っている家庭のほうが、家計全体では健全なケースがあります。理由は、食費が「削りやすい支出」だからです。

家計の支出は、大きく固定費と変動費に分かれます。住宅ローン、保険料、通信費、車の維持費といった固定費は、一度契約すると簡単には動かせません。一方、食費は明日から調整できます。つまり、食費の比率が高い家計は、いざというときに手を打てる余地が大きいということです。

逆に、食費を極限まで切り詰めているのに家計が苦しい家庭は、固定費が重すぎる可能性があります。この場合、これ以上食費を削っても効果は薄く、むしろ生活の質だけが落ちていきます。使っていない保険、乗る回数が減った車、高い通信プラン。手を入れるべき場所は別にあります。

もう一つの視点として、定年後の食費には「楽しみへの投資」という側面もあります。旅行や趣味の支出が減っていく年代にとって、日々の食事は数少ない継続的な楽しみです。月に何度か少し良いものを食べる支出は、削減対象というより、暮らしを支える費用と捉えたほうが納得のいく家計になります。

💡 暮らしの知恵
食費を見直す前に、まず1か月だけ「固定費の棚卸し」をしてみてください。通帳とクレジットカードの明細を並べ、毎月自動で引き落とされているものを書き出すだけです。使っていないサブスクや重複した保険が1つ見つかれば、食費を毎日切り詰めるより大きな効果になることがあります。

食費の中身を分解すると見えてくる、削れる支出と削れない支出

食費を「ひとかたまり」で見ている限り、どこに手を入れればいいかは見えてきません。統計は、食費の内訳まで細かく教えてくれます。

外食16,563円・調理食品13,580円|3万円が「時間を買う支出」

二人以上の世帯の食料費94,895円の内訳を見ると、最も大きいのは外食の16,563円、次いで調理食品(総菜・弁当など)の13,580円です。この2つを合わせると30,143円となり、食料費全体の31.8%を占めます。

この3万円は、言い換えれば「調理の手間を買っている支出」です。食材を買って自分で作れば同じ料理がもっと安く作れることは誰もが知っていますが、それでもこれだけの金額が使われているのは、時間と労力に価値があるからにほかなりません。

見直すとしても、ゼロにする必要はありません。実用的なのは、「外食は減らさず、単価を下げる」という発想です。シニア割引を使う、ランチタイムに行く、割引デーを狙う。同じ回数外食しても、1回あたりを300円下げれば、月に何度か行く家庭なら1,000円前後の差になります。

調理食品も同様です。総菜を全部やめるのではなく、「主菜だけ買って副菜は自分で作る」「半額シールの時間帯を把握する」といった調整のほうが続きます。全面禁止は必ず反動が来ます。

外食の単価を下げる具体的な方法としては、飲食チェーンのシニア向け優待も選択肢になります。

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野菜・海藻9,715円と菓子類9,211円が、ほぼ同額という事実

内訳を眺めていて多くの方が驚くのが、この2つの数字の近さです。野菜・海藻が9,715円、菓子類が9,211円。差はわずか504円しかありません。健康のために買う野菜と、嗜好品であるお菓子に、ほぼ同じ金額が使われているのです。

ここに、食費の見直しで最初に手を入れるべき場所があります。菓子類9,211円のうち、たとえば3割を減らせば月2,700円ほどの削減になります。同じ金額を野菜で削ろうとすると、食卓の品数が目に見えて減り、満足度が大きく下がります。

あわせて飲料5,859円、酒類3,784円も見てみましょう。菓子類と合わせた「嗜好品まわり」は18,854円。食料費全体の約20%です。ここは家庭によって金額の幅が最も大きい部分で、削減余地が大きい家庭と、もともとほとんど使っていない家庭にはっきり分かれます。

注意したいのは、嗜好品を「無駄」と決めつけないことです。夕食後のお茶とお菓子の時間が夫婦の会話の場になっているなら、それは食費というより暮らしの一部です。金額を確認したうえで、納得して使っているならそのままで構いません。

📊 データで見る(二人以上の世帯・1か月平均/2025年)
外食16,563円/調理食品13,580円/野菜・海藻9,715円/菓子類9,211円/穀類8,808円/肉類8,520円/魚介類6,293円/飲料5,859円/乳卵類4,612円/油脂・調味料4,221円/酒類3,784円/果物3,729円 合計94,895円
(出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年平均」)

削らないほうがいい支出|肉・魚・卵は合わせて19,425円

一方で、優先度を下げるべきではない費目もあります。肉類8,520円、魚介類6,293円、乳卵類4,612円。この3つを合わせると19,425円で、食料費全体の20.5%です。主菜になる食材と考えてよいでしょう。

この部分を削ると、食費は確かに下がります。ただし食卓の満足度は大きく落ちますし、献立のバリエーションも一気に狭まります。同じ1,000円を削るなら、菓子類から削るほうが痛みは小さく済みます。

具体的な工夫としては、「品目を替えて単価を下げる」方法があります。牛肉を豚肉や鶏肉に替える、切り身の魚をアジやサバなど価格の安定した魚に替える、旬のものを選ぶ。品数を減らすのではなく、同じ品数のまま単価を調整するという考え方です。2026年6月の統計ではマグロが17.9%値上がりしている一方、価格が落ち着いている魚種もあります。

なお、食事の内容と体調の関係については個人差が大きく、持病のある方は自己判断で大きく献立を変えないほうが安心です。気になることがあれば、かかりつけの医師や自治体の栄養相談などに相談してみてください。

【失敗パターン】まとめ買いで安く買ったのに、食費が増えていた

「安いときにまとめて買う」は節約の基本のように語られますが、夫婦二人の家庭では逆効果になることがあります。大容量パックのほうが単価は安い。しかし二人では食べきれず、冷蔵庫の奥で傷ませてしまう。結果として、単価は下がったのに支出は増えるという事態が起きます。

原因は、「単価の安さ」と「実際に食べた量あたりの支出」を混同していることです。半額で買っても、半分捨てれば節約効果はゼロ。3割を捨てれば、定価で必要量だけ買ったほうが安くなることさえあります。

対策は明快です。買い物の前に冷蔵庫の中を写真に撮る、大容量品は買った日に小分けして冷凍する、まとめ買いの対象を「日持ちする乾物・缶詰・調味料」に限定する。この3つを守るだけで、多くの取りこぼしは防げます。

特売品を「安いから」という理由だけで買わないことも大切です。予定していた献立に使えるかどうかを先に考える。買い物メモを持っていく。子育て期に身についた「たくさん買う」習慣は、夫婦二人の暮らしには合わなくなっていることが少なくありません。

夫婦の食費平均を月1万円下げる4つの見直し方

ここからは実践編です。無理なく、しかも効果がはっきり出る方法を4つに絞ってご紹介します。すべてやる必要はありません。1つでも合いそうなものから始めてみてください。

買い物の回数を週2回に絞る|行くほどに増える仕組みを止める

最も効果が出やすいのが、買い物に行く回数を減らすことです。スーパーに行けば、必ず予定外のものを買います。特売のワゴン、レジ前のお菓子、目に入った季節の果物。1回あたり数百円でも、週5回行けば月に何千円という差になります。

なぜ回数を減らすと効くのか。理由は在庫管理が簡単になるからです。週2回の買い物なら、次に来るのは3〜4日後だとわかっているので、その間に食べきれる量だけを買います。毎日行っていると、いま何が家にあるのか把握しないまま買い足すことになります。

具体的な進め方としては、まず「買い物に行く曜日」を決めます。たとえば火曜と金曜。前日の夜に冷蔵庫を確認し、必要なものをメモに書く。そのメモにないものは買わない、というルールを1か月続けてみてください。3,000〜5,000円の差が出る家庭が多い部分です。

注意点として、買い物が運動や気分転換を兼ねている場合は、回数を減らすと別の面で損をします。その場合は「行くけれど財布は持たず、散歩として歩く日を作る」といった折衷案のほうが現実的です。

シニア割引と割引日を、家計の仕組みに組み込む

60歳・65歳を過ぎると使える割引は想像以上にあります。スーパーの「シニア感謝デー」、ドラッグストアの高齢者割引、飲食チェーンのシニアメニュー。1回あたり5%の割引でも、食費8万円のうち半分に適用できれば月2,000円になります。

ポイントは、「思い出したときに使う」のではなく「その日に買い物に行く」と決めてしまうことです。割引日をカレンダーに書き込み、買い物の曜日をその日に合わせる。仕組みにしてしまえば、意志の力を使わずに毎月効果が出ます。

年齢の条件は店舗によってばらつきがあり、55歳から使えるものもあれば65歳からのものもあります。よく行く店のレジ横やホームページで、対象年齢と必要な証明書類を一度確認しておくとよいでしょう。会員カードの提示が必要な場合も多いので、財布に入れておくのを忘れずに。

電子マネーやポイントカードを組み合わせると、割引が重なることもあります。シニア向けの割引カードについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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食品ロスを減らす|1人年間37kgは「毎日おにぎり1個分」

捨てている食べ物を減らすのは、我慢を伴わない唯一の節約です。消費者庁の資料によると、日本の食品ロスは年間464万トン。うち家庭から出るものが233万トンで、全体のちょうど半分を占めます。国民1人当たりに換算すると年間37kg、毎日おにぎり1個分(102g)の食べ物を捨てている計算です。

家庭系食品ロスの内訳は、手つかずのまま捨てる「直接廃棄」が100万トン、「食べ残し」が97万トン、皮を厚くむきすぎるなどの「過剰除去」が36万トンです。最も多いのは、買ったまま食べずに捨てているぶんだということになります。

対策としては、冷蔵庫に「今週食べきる棚」を1段作るのが手軽です。賞味期限が近いもの、開封済みのものをそこに集め、献立を考えるときはまずその棚から選ぶ。これだけで直接廃棄はかなり減ります。買い物前に冷蔵庫を写真に撮っておくのも、同じ理由で効果的です。

やりがちな失敗は、「もったいないから」と傷みかけたものを無理に食べようとすることです。体調を崩しては元も子もありません。捨てないことより、そもそも余らせないことに重点を置いてください。

✅ 今月から試したい3ステップ
  1. Step1: 買い物に行く曜日を週2日に決め、前日の夜に冷蔵庫を確認してメモを作る
  2. Step2: よく行く店のシニア割引・割引デーを調べ、買い物の曜日をその日に合わせる
  3. Step3: 冷蔵庫の1段を「今週食べきる棚」にして、献立はそこから先に考える

外食はやめずに「安く楽しむ」へ切り替える

4つ目は、削減ではなく置き換えの発想です。外食16,563円という金額を見て「全部やめれば1万6千円浮く」と考えたくなりますが、これはまず続きません。外食は食事であると同時に、外出の口実であり、夫婦の会話の場でもあるからです。

そこで、回数は維持したまま単価を下げます。夜のコースをランチに替えるだけで、同じ店でも半額近くになることがあります。シニアメニューのある店を選ぶ、平日を狙う、割引デーに合わせる。これらを組み合わせれば、月に4回外食する家庭なら3,000〜4,000円の差が生まれます。

もう一つの方法が、「半分外食」です。総菜や弁当を買って家で食べる。調理食品13,580円という統計上の費目がこれにあたります。外食より安く、自炊より手軽で、後片付けも少ない。週に一度この日を作ると、料理をする側の負担も軽くなります。

気をつけたいのは、削減の対象を夫婦のどちらか一方の楽しみだけに偏らせないことです。「あなたの晩酌をやめて」「あなたの友達とのランチをやめて」という話になると、節約は途端に感情の問題に変わります。減らすなら両方から少しずつ、が原則です。

食費の見直しでやってはいけないこと|夫婦げんかにならないコツ

食費の話は、家計の話であると同時に、生活習慣と価値観の話でもあります。数字の正しさだけで進めると、思わぬところでこじれます。

相手の楽しみだけを削らない|酒類3,784円・菓子類9,211円の扱い方

統計で見ると、酒類は月3,784円、菓子類は9,211円です。どちらも「なくても生きていける」費目であり、削減対象として真っ先に名前が挙がります。しかし、この2つはたいてい夫と妻で偏りがあります。

問題は、削減を提案する側が「自分が使っていないほう」を狙いがちだという点です。お酒を飲まない側は酒類を、甘いものを食べない側は菓子類を削ろうと言う。これは節約の提案ではなく、価値観の押しつけとして受け取られます。

実務的な解決策は、「両方から同じ割合で減らす」と最初に決めることです。酒類も菓子類も2割減らす、というルールなら、どちらかが一方的に我慢する構図になりません。金額でいえば酒類が757円、菓子類が1,842円ほどの削減になります。

もう一つの方法は、それぞれに「自由に使える食費枠」を月3,000円ずつ設けることです。その範囲内なら何を買っても口を出さない。全体の予算は守りつつ、干渉されない領域を残すという考え方は、長く続けるうえで効きます。

⚠️ 気をつけたいこと
「あなたのお酒代が月4,000円もかかっている」という言い方は、事実であっても関係を悪くします。同じ内容でも「二人で嗜好品に月1万9千円使っているみたい。少し見直してみない?」と主語を変えるだけで、話し合いとして成立しやすくなります。

「1か月いくら」より「1週間いくら」で管理する

月単位の予算管理は、月末にならないと結果がわかりません。使いすぎに気づいたときには、もう取り返しがつかない。これが月次管理の弱点です。

そこで、週単位に切り替えます。月7万円なら、週あたり約16,000円。この金額を封筒に入れるか、専用の電子マネーにチャージしておけば、残高を見るだけで進み具合がわかります。使いすぎた週があっても、翌週で調整できます。

週単位のもう一つの利点は、献立の計画と単位が合うことです。買い物を週2回にすると決めた場合、1回あたりの上限は8,000円。レジに並ぶ前に、だいたいの合計を頭の中で確認できる金額です。1か月7万円という数字を持ってスーパーに行っても、判断の役には立ちません。

細かく記録する必要はありません。家計簿を1円単位でつけようとすると、たいてい3か月ほどで挫折します。封筒の残りを見る、あるいはレシートを1週間ぶんクリップでまとめておく。その程度の管理で、食費は十分にコントロールできます。

数字を突きつけない|家計簿は責める道具ではない

最後に、いちばん大切なことをお伝えします。家計の数字は、現状を二人で共有するためのものであって、どちらかの行動を批判するためのものではありません。

定年後の夫婦は、それまで別々だった生活時間が重なります。長年それぞれのやり方で買い物をしてきた二人が、同じ財布を細かく突き合わせるようになる。ここで摩擦が起きるのは、ある意味で自然なことです。食費の話がこじれやすいのは、金額の問題というより、「自分のやり方を否定された」と感じるからです。

進め方として有効なのは、最初に目標を共有することです。「食費を減らしたい」ではなく、「毎月4万円ずつ貯蓄を取り崩している状態を、2万円にしたい」。数字の先にある目的が共有できれば、手段の話し合いはずっと穏やかになります。

そして、うまくいった月は口に出して確認してください。「今月は7万円で収まったね」の一言があるかないかで、翌月の続き方が変わります。家計の見直しは1か月で終わる作業ではなく、これから何十年も続けていく暮らしの一部です。続けられる形にすることが、いちばんの節約になります。

✅ 話し合う前のチェックリスト
  • ☑ 削減の話より先に「何のために」を共有したか
  • ☐ 固定費の棚卸しを先に済ませたか
  • ☐ 削る対象が相手の楽しみだけに偏っていないか
  • ☐ 主菜(肉・魚・卵)を最初の削減対象にしていないか
  • ☐ 上限額を決めて、その中の使い道は自由にしたか

まとめ|夫婦の食費は「平均」より「わが家の納得」で決める

🍀 この記事の結論

夫婦二人の食費は月7万9千円前後が目安。平均に合わせるのではなく、内訳を知って納得できる形に整えるのが近道です。

✅ 要点チェック
  • 2人世帯の食費:月79,340円(2025年)
  • 年金夫婦世帯:消費支出263,979円の29.9%が食料
  • エンゲル係数:28.6%で44年ぶりの高水準
  • 削る順番:固定費→嗜好品→主菜の順で
  • 管理単位:月ではなく週16,000円で見る

ここまで見てきたように、夫婦二人の食費は月7万9千円前後が一つの目安です。総務省「家計調査」2025年平均では、二人以上の世帯全体の食料費が94,895円、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では消費支出263,979円の29.9%を食料が占めていました。エンゲル係数28.6%は44年ぶりの高水準で、食費が下がりにくいのはあなたの家庭だけの問題ではありません。

大切なのは、平均に自分を合わせにいかないことです。地域が変われば1万5千円の差があり、収入が変われば食料の割合は10ポイント動きます。平均は自分の位置を知るための定規であって、目指すべき目標値ではありません。

最後に、この記事の要点をまとめておきます。

  • 世帯人員2人の食費は月79,340円、二人以上の世帯全体では94,895円(2025年)
  • 65歳以上の夫婦のみの無職世帯は、実収入254,395円に対し消費支出263,979円で毎月4万2,434円の持ち出し
  • 食料費の内訳では外食16,563円と調理食品13,580円が上位、菓子類9,211円は野菜・海藻9,715円とほぼ同額
  • 削る順番は固定費 → 嗜好品 → 主菜。肉・魚・卵の19,425円は最後に手をつける
  • 2026年も飲食料品の値上げは1万4,902品目と5年連続で1万品目超。予算は毎年少し上げる前提で組む
  • 食品ロスは1人年間37kg。冷蔵庫に「今週食べきる棚」を作るだけで直接廃棄は減らせる
  • 管理は月単位ではなく週16,000円で。上限を決めたら、その中の使い道は互いに干渉しない

最初の一歩としておすすめしたいのは、今週のレシートを捨てずに取っておくことです。1週間ぶんを並べて合計を出し、16,000円と比べてみる。それだけで、わが家の食費が平均に対してどのあたりにいるかがわかります。数字がわかれば、必要以上に不安になることも、根拠なく安心することもなくなります。

食費は毎日のことだけに、削ろうとすれば暮らしの手ざわりまで削れてしまいます。夫婦二人でこれから何年も続く食卓です。減らすことより、納得して使うことを目標にしてみてください。

※本記事の数値は2026年7月時点で公表されている統計に基づいています。統計値は毎年更新されるため、最新の情報は総務省統計局「家計調査(家計収支編)調査結果」や消費者庁「食品ロス削減」のページでご確認ください。個別の家計や健康に関するご相談は、お住まいの自治体の窓口や専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

シニア世代の暮らしに役立つ情報を発信中。孫へのお祝いマナーや冠婚葬祭のしきたり、健康管理や終活の準備まで、日常の「困った」を解決する記事を心がけています。ご家族の方にも読んでいただける、安心できる情報源を目指しています。

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