「葬儀にイヤリングはつけていくべき?」「パール以外はダメなの?」——突然の訃報で慌てて準備するとき、意外と迷うのがイヤリング選びです。洋装の喪服にはアクセサリーを添えるのが正式とされていますが、選び方を間違えると周囲の目が気になってしまいますよね。実は、イヤリングは「つけない」という選択肢もマナー違反ではありません。ただし、つけるなら守るべきルールがあります。パールの色は白・グレー・黒のどれがふさわしいのか、年代によって選び方は変わるのか、金具の色やサイズはどこまで許されるのか——この記事では、葬儀のイヤリングにまつわる疑問をひとつずつ解消していきます。
・葬儀のイヤリングは「つける・つけない」どちらが正解か
・パールの色を年代・場面で使い分ける方法
・恥をかかないための5つのNGパターン
・急な訃報で手持ちがないときの対処法
葬儀のイヤリングは「つけない」もアリ?まず知っておきたい基本マナー

洋装の喪服にイヤリングは必須ではない
結論から言うと、葬儀にイヤリングをつけなくてもマナー違反にはなりません。洋装の場合、ネックレスやイヤリングなどのアクセサリーを添えるのが「正式」とされていますが、これはあくまで西洋のフォーマルマナーに由来するもの。日本の葬儀では「つけない」選択をする方も多く、特に年配の参列者はアクセサリーなしで参列される方が少なくありません。背景には、日本の弔事では「華美を避ける」という考え方が根強いことがあります。たとえば、結婚指輪以外のアクセサリーを一切つけないという家庭もあります。ただし、フォーマル度の高い葬儀(社葬や大規模な告別式など)では、一粒パールのイヤリングとネックレスを合わせることで、きちんとした印象を与えられます。迷ったら「つけなくても失礼ではないが、つけるならパール」と覚えておくと安心です。
和装の場合はイヤリング不要が原則
和装(喪服の着物)で参列する場合、イヤリングは基本的につけません。和装のフォーマルマナーでは、結婚指輪以外のアクセサリーは不要とされています。これは和装そのものが「装い」として完成されているという考え方に基づいています。帯や帯締めなどの小物で格式を表現するため、ジュエリーを加える必要がないのです。具体的には、黒紋付きの喪服に真珠のイヤリングをつけて参列すると、地域によっては「洋装のマナーを持ち込んでいる」と受け取られることもあります。ただし、最近は和洋折衷のスタイルも増えているため、絶対的なNGとまでは言い切れません。それでも、和装で迷ったら「つけない」を選ぶのが無難です。
「つける派」と「つけない派」、地域や家庭で異なる考え方
イヤリングをつけるかどうかは、地域や家庭の慣習によっても変わります。都市部では洋装のフォーマルマナーに沿って真珠のイヤリングをつける方が多い一方、地方では「葬儀にアクセサリーは不要」という考えが根強い地域もあります。たとえば、関東圏では約6〜7割の女性が真珠のイヤリングまたはピアスをつけて参列するというデータがある一方、東北や北陸の一部地域では「結婚指輪だけ」という参列者が多数派のところもあります。家庭によっても「うちは代々つけない」「母がいつもパールをしていたから自分も」と、それぞれの慣習があります。初めて参列する葬儀で不安な場合は、同行する家族や親族に「イヤリングはつけていく?」とひと声かけて確認するのが一番確実です。
通夜・告別式・法事で変わるアクセサリーの考え方
同じ弔事でも、通夜・告別式・法事ではアクセサリーの許容範囲が微妙に異なります。通夜は「急いで駆けつける」場面のため、アクセサリーをつけていなくても気にされることはほぼありません。告別式は最もフォーマルな場であるため、洋装なら一粒パールのイヤリングとネックレスを合わせると品格が出ます。一方、四十九日や一周忌などの法事では、告別式ほど厳格ではないものの、派手なアクセサリーは避けるべきです。具体的な使い分けとしては、通夜はアクセサリーなしでもOK、告別式はパールのセットが好ましい、法事は控えめなパールか、なしでも問題ないと考えてよいでしょう。注意点として、三回忌以降であっても、故人の家族が正式な喪服を着用している場合は、参列者もそれに合わせたフォーマル度を意識するのが思いやりです。
一粒パールが「正解」とされる理由と色の使い分け
なぜ葬儀では真珠だけが許されるのか
葬儀のアクセサリーでパール(真珠)だけが認められている理由は、真珠が「涙の象徴」とされているからです。真珠の丸い形と控えめな光沢が、悲しみの涙を連想させるとして、西洋のフォーマルマナーで弔事にふさわしい宝石と位置づけられてきました。この考え方が日本にも伝わり、現在では「葬儀のアクセサリー=真珠」が定着しています。ダイヤモンドやゴールドのジュエリーは華やかな印象を与えるため、弔事には不向きとされます。ジェット(黒玉)やオニキスも弔事用ジュエリーとして認められていますが、日本では真珠ほど一般的ではありません。イギリスのヴィクトリア女王がアルバート公の喪に際してジェットのジュエリーを身につけたことが、弔事用ジュエリーの起源のひとつとされています。日本で手に入りやすく、幅広い年代で使えることから、真珠が最も無難な選択です。
真珠以外にもジェット(黒玉)やオニキスは弔事に使える宝石です。ただし日本では認知度が低いため、「それは何の石?」と聞かれることも。迷ったら真珠を選んでおけば、どの地域・どの世代の方がいる葬儀でも安心です。
白パール・グレーパール・黒真珠、どれを選ぶべきか
パールの色は白・グレー・黒の3種類が葬儀にふさわしいとされています。最も一般的なのは白パールで、年齢を問わず使えるオールマイティな選択肢です。グレーパールは落ち着いた印象で、30代以降の方に好まれます。黒真珠(黒蝶真珠)は最もフォーマル度が高く、40代以降の方が身につけることが多い色です。色選びに厳密なルールがあるわけではありませんが、「年齢を重ねるほど落ち着いた色を選ぶ」という傾向はあります。具体的には、20代は白パール、30代はグレーまたは白、40代以降は黒真珠か濃いめのグレーを選ぶ方が多いです。ただし、手持ちが白パールしかない場合、50代や60代の方がつけても何ら問題ありません。「色が合っていないから買い直さなければ」と焦る必要はないのです。
パールのサイズは7〜8mmが目安
葬儀用のイヤリングに使うパールは、直径7〜8mm程度が最適とされています。この大きさは「控えめでありながら、きちんと感が出る」絶妙なサイズです。7mm未満だと遠目に見えにくく、アクセサリーとしての存在感が薄くなります。逆に10mm以上の大粒パールは華やかすぎて、弔事の場にはそぐわない印象を与えかねません。ネックレスとセットで購入する場合、ネックレスのパールが7〜8mmであれば、イヤリングも同じサイズで揃えると統一感が出ます。購入時のポイントとして、百貨店のジュエリーコーナーで「弔事用のパールセット」と伝えれば、適切なサイズのものを案内してもらえます。価格帯は、アコヤ真珠のイヤリングで1万5,000〜3万円程度、ネックレスとのセットで3万〜8万円程度が相場です。一生使えるものなので、ある程度品質のよいものを選ぶ価値はあります。
年代別で変わる?20代から60代以降のイヤリング選び

20代〜30代前半:白パール一粒で清楚にまとめる
20代〜30代前半の方は、白パールの一粒イヤリングがベストです。この年代で葬儀に参列する機会はそう多くないため、「とりあえず1組持っておく」感覚で白パールを選べば、冠婚葬祭のどの場面でも使い回せます。サイズは7mm前後が適切で、あまり大きすぎないものを選びましょう。金具はシルバーカラーが基本です。予算が限られている場合、貝パール(イミテーション)でも遠目にはわかりません。1,500〜3,000円程度で購入でき、品質のよいものなら本物と見分けがつかないほどです。ただし、光沢が強すぎるイミテーションは安っぽく見えることがあるため、実物を確認してから購入するのがおすすめです。注意点として、普段ピアスをつけている方がイヤリングに切り替える場合、挟み込みの痛みに慣れていないことがあります。長時間の式に備えて、事前に自宅で試着しておくと安心です。
30代後半〜40代:グレーパールで落ち着きを演出
30代後半〜40代になると、職場関係の葬儀や親世代の法事など、弔事に参列する機会が増えてきます。この年代では、白パールに加えてグレーパールを検討する方も多くなります。グレーパールは白よりも落ち着いた印象で、喪服との相性がよく、「大人の品格」を感じさせます。具体的な色味としては、シルバーグレーやブルーグレーが人気です。価格帯はアコヤ真珠のグレーパールイヤリングで2万〜4万円程度。白パールをすでに持っている方は、グレーパールをもう1組揃えることで、場面に応じた使い分けができます。ただし、「白パールしか持っていない」という場合でも、40代で白パールをつけることに何の問題もありません。無理に買い足す必要はなく、手持ちのもので十分対応できます。
50代〜60代以降:黒真珠でフォーマル度を高める
50代以降になると、親しい方を送る立場になることが増え、葬儀での装いにより気を配るようになります。この年代で選ばれることが多いのが黒真珠(黒蝶真珠)のイヤリングです。黒真珠は最もフォーマル度が高く、深い色合いが喪服に映えます。タヒチ産の黒蝶真珠は、黒の中にグリーンやピーコック(孔雀色)の色味が浮かぶものがあり、これが上品さの決め手になります。価格帯は黒蝶真珠のイヤリングで3万〜8万円程度と、白パールよりやや高めです。注意点として、黒蝶真珠は粒が大きめのものが多く(9〜11mm程度)、そのまま選ぶとイヤリングとしてはやや主張が強くなります。葬儀用には9mm以下のものを選ぶか、8mm程度の淡水黒パールを検討するのもひとつの方法です。長年白パールを使ってきた方が「そろそろ黒に変えようかしら」と検討するタイミングとしては、50代前後がちょうどよい頃合いです。
| 年代 | おすすめの色 | サイズ目安 | 価格帯(イヤリング単体) |
|---|---|---|---|
| 20代〜30代前半 | 白パール | 7mm前後 | 1万5,000〜2万5,000円 |
| 30代後半〜40代 | グレーパール | 7〜8mm | 2万〜4万円 |
| 50代〜60代以降 | 黒真珠(黒蝶真珠) | 8〜9mm | 3万〜8万円 |
※高齢者あんしんノート調べ(2026年6月時点の一般的な価格帯)
葬儀のイヤリングで恥をかく5つのNGパターン
NG①:揺れるデザイン・ぶら下がりタイプを選んでしまう
葬儀で最もやりがちな失敗が、揺れるタイプのイヤリングをつけてしまうことです。ぶら下がりタイプやチェーンが揺れるデザインは、動くたびにキラキラと目を引き、華やかな印象を与えます。弔事の場では「動かない・光らない・目立たない」が基本です。パール2粒が縦に並ぶデザインや、パールの下にチェーンがつながっているタイプも同様にNGです。正しい選び方は、耳たぶに密着する一粒タイプ。パールが1粒だけ、耳にぴったりとおさまるデザインを選びましょう。普段づかいのおしゃれなイヤリングと、弔事用のイヤリングはまったくの別物と考えてください。「パールだから大丈夫」と思い込んで揺れるデザインを選ぶと、受付で気まずい思いをする可能性があります。
「パールなら何でもOK」は誤解です。パール素材であっても、揺れる・複数粒・装飾過多のデザインは葬儀にふさわしくありません。一粒・耳に密着・控えめ——この3つを必ず確認しましょう。
NG②:ゴールドの金具が目立つイヤリングを使ってしまう
パールの粒自体は問題なくても、金具がゴールドだと途端に華やかな印象になってしまいます。葬儀用のイヤリングは、金具がシルバーカラー(ホワイトゴールド、プラチナ、またはシルバー色のメッキ)のものを選ぶのが基本です。なぜゴールドがNGかというと、金色は「祝い事」を連想させるためです。結婚式やパーティーではゴールドのアクセサリーが好まれますが、弔事では正反対の印象を与えてしまいます。購入時に気をつけたいのは、ネットで「フォーマル用パールイヤリング」と検索すると、慶弔兼用としてゴールド金具のものがヒットすることがある点です。慶弔兼用と書いてあっても、葬儀にはシルバーカラーの金具を選ぶほうが安全です。すでにゴールド金具のパールイヤリングしか持っていない場合は、金具が髪で隠れる程度であればギリギリ許容されることもありますが、できれば買い替えを検討しましょう。
NG③:パール以外の宝石をつけていく
ダイヤモンド、ルビー、エメラルドなど、パール以外の宝石のイヤリングは葬儀にはふさわしくありません。たとえ小粒で目立たないデザインであっても、「真珠以外のジュエリーをつけている」というだけで、マナーを知らない人と見られるリスクがあります。唯一の例外は、先述したジェット(黒玉)とオニキスです。これらは黒色の天然石で、西洋では正式な弔事用ジュエリーとして認められています。ただし、日本ではジェットやオニキスの認知度が低いため、「それは何の石ですか?」と聞かれることがあります。説明を求められる可能性を考えると、真珠を選んでおくのが最もスムーズです。特に注意したいのは、普段づかいのダイヤモンドスタッドピアス。小さくて目立たないからと油断してつけていくと、年配の参列者から指摘を受けることがあります。
NG④:ネックレスとイヤリングがバラバラの印象になっている
ネックレスは白パール、イヤリングは黒真珠——というように、色やテイストがバラバラだと、ちぐはぐな印象になります。葬儀のアクセサリーは「セットで統一感を出す」のが原則です。パールの色を揃えることはもちろん、サイズ感も近いものを選ぶと全体がまとまります。理想的なのは、購入時にネックレスとイヤリングをセットで揃えること。セット購入なら色味やサイズが統一されているため、組み合わせで悩む必要がありません。すでにバラバラに買ってしまった場合は、白パール同士、またはグレーパール同士であれば、メーカーが違っていても大きな違和感は出にくいです。ただし、白パールのネックレスに黒真珠のイヤリングを合わせるのはコントラストが強すぎるため避けましょう。
ピアスホールがある場合はどうする?イヤリングとの使い分け
葬儀にピアスはOK?イヤリングとの違い
結論として、葬儀にピアスをつけても問題ありません。マナーの観点で重要なのは「ピアスかイヤリングか」という形式ではなく、デザインや素材が弔事にふさわしいかどうかです。一粒パールであれば、ピアスでもイヤリングでも同じ扱いになります。ピアスの場合、耳たぶに密着するスタッドタイプ(キャッチ式)を選びましょう。フープピアスやフックピアスは揺れるため、イヤリングと同じ理由でNGです。ピアスのメリットは、イヤリングに比べて落としにくいこと。長時間の葬儀では、イヤリングのクリップが緩んで片方落としてしまうトラブルが起きることがあります。ピアスならその心配が少ないため、普段からピアスを使っている方はピアスのほうが安心かもしれません。
複数のピアスホールがある場合の対処法
耳に2つ以上のピアスホールがある方は、葬儀ではひとつだけにパールをつけ、残りのホールには何もつけないのがマナーです。複数のピアスを重ねづけすると、どんなにシンプルなデザインでも華やかな印象になってしまいます。耳たぶの一番下のホール(ファーストピアスの位置)にパールスタッドをひとつだけ、が正解です。軟骨ピアスやトラガスピアスをつけている方は、透明のリテーナー(ピアスホール維持用の透明パーツ)に差し替えるか、可能であれば外しておきましょう。ホールが塞がるのが心配な場合、透明リテーナーは100円ショップやアクセサリーショップで300〜500円程度で手に入ります。葬儀の数時間であれば、リテーナーなしでもすぐには塞がりませんが、開けたばかりのホールは例外なので注意が必要です。
イヤリングの痛み対策——長時間の式でも耳が痛くならないコツ
普段ピアスを使っている方がイヤリングに切り替えると、クリップの挟み込みで耳が痛くなることがあります。葬儀は通夜で1〜2時間、告別式で1〜2時間と、トータルで長時間になることもあるため、痛み対策は重要です。まず、イヤリングの金具にはネジバネ式とクリップ式がありますが、長時間つける場合はネジバネ式のほうが締め具合を調整できるため痛みが出にくいです。また、イヤリング用のシリコンカバーを金具に被せると、耳たぶへの負担が軽減されます。シリコンカバーはアクセサリーショップで200〜500円程度で購入可能です。対策をしても痛みがつらい場合は、式の途中で外しても構いません。痛みを我慢して顔をしかめているほうが、アクセサリーをつけていないことよりもよほど目立ちます。
- Step1: パール一粒のスタッドピアスがあるか確認する(なければイヤリングを用意)
- Step2: 複数ホールがある場合、透明リテーナーを準備しておく
- Step3: イヤリングを使う場合、シリコンカバーで痛み対策をする
急な訃報で手持ちがないときの対処法
当日でも買える場所と価格の目安
急な訃報で弔事用のイヤリングが手元にない場合、慌てる必要はありません。一粒パールのイヤリングは、意外と身近な場所で購入できます。最も確実なのは百貨店のジュエリーコーナーで、「弔事用のパールイヤリング」と伝えればすぐに対応してもらえます。アコヤ真珠なら1万5,000円前後から、貝パール(イミテーション)なら2,000〜5,000円程度で購入可能です。百貨店が近くにない場合、イオンやイトーヨーカドーなどの大型スーパーのアクセサリー売り場にもフォーマル用パールが置いてあることがあります。また、しまむらやユニクロ系列のジーユーでは、1,000円以下でシンプルなパール風イヤリングが手に入ることも。緊急時には十分な選択肢です。
「つけない」と決めるのもひとつの判断
手持ちがなく、買いに行く時間もない場合は「つけない」と潔く決めてしまうのも立派な判断です。先述のとおり、イヤリングをつけないことはマナー違反ではありません。むしろ、間に合わせで選んだ安っぽいイヤリングや、弔事にふさわしくないデザインのものをつけていくほうが、周囲の印象は悪くなります。「持っていないなら、つけないほうがいい」——これは葬儀社のスタッフが口を揃えるアドバイスです。ネックレスだけつけてイヤリングはなし、という組み合わせも特に問題ありません。気になるのであれば、髪型を耳が隠れるスタイルにすることで、イヤリングなしでも自然な装いになります。無理にアクセサリーを揃えるよりも、清潔感のある身だしなみを整えることのほうがずっと大切です。
借りる場合の注意点と声のかけ方
母親や姉妹、親しい友人からイヤリングを借りるという選択肢もあります。ただし、借りる際にはいくつかの注意点があります。まず、借りるイヤリングが弔事にふさわしいデザインかどうか(一粒パール・シルバー金具)を確認しましょう。善意で貸してくれたものが実はゴールド金具だった、というケースもあります。声のかけ方としては、「急なお葬式で弔事用のイヤリングがないのだけれど、もし持っていたら貸してもらえないかしら」と素直にお願いすれば、断られることはまずありません。返却時には、クリーニングしてから返すのが礼儀です。ジュエリー用のクロスで軽く拭くだけでも十分ですが、汗や皮脂がついたまま返すのは避けましょう。お礼の気持ちとして、ちょっとしたお菓子を添えて返す方もいます。
意外と知られていないことですが、葬儀社によっては貸出用のパールアクセサリーを用意しているところもあります。急ぎの場合は、葬儀社に「パールのイヤリングをお借りできますか」と聞いてみる価値はあります。すべての葬儀社が対応しているわけではありませんが、家族葬専門の式場などではサービスの一環として用意していることがあります。
金具の色・サイズ・素材で迷ったときの判断基準
金具はシルバーカラー一択、その理由と選び方
葬儀用イヤリングの金具は、シルバーカラーを選ぶのが鉄則です。具体的には、ホワイトゴールド(WG)、プラチナ(Pt)、シルバー(SV925)、またはロジウムメッキのシルバーカラーが該当します。ゴールドが避けられる理由は前述のとおり「祝い事」を連想させるためですが、もうひとつの理由があります。シルバーカラーの金具は喪服の黒に溶け込み、パールの白や黒を引き立てるのに対し、ゴールドは金具だけが浮いて見えてしまうのです。購入時に確認すべきポイントとして、「K18WG」「Pt900」「SV925」などの刻印があれば安心です。メッキ製品の場合は「ロジウムコーティング」と表記されているものを選びましょう。注意点として、ピンクゴールドは見た目が柔らかい印象ですが、弔事ではシルバーカラー同様には扱われません。ゴールド系として避けるのが無難です。
ネジバネ式・クリップ式・マグネット式、どれがいい?
イヤリングの金具には主に3つのタイプがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ネジバネ式は、ネジで締め具合を調整できるため、耳たぶの厚さに合わせてフィット感を変えられます。長時間の葬儀でも痛みが出にくく、最もおすすめのタイプです。クリップ式はバネの力で挟むタイプで、つけ外しが簡単な反面、締め付けが強く感じる方もいます。耳たぶが薄い方には向いていますが、厚い方には痛みの原因になることがあります。マグネット式は磁石で耳たぶを挟むタイプで、痛みが最も少ないのが特徴です。ただし、磁力が弱いとお辞儀をした際にポロッと落ちてしまうリスクがあります。葬儀ではお焼香時に深くお辞儀をする場面があるため、マグネット式を選ぶなら磁力が強めのものを選びましょう。総合的には、ネジバネ式が葬儀向きです。
本真珠と貝パール(イミテーション)の見分け方と使い分け
「本真珠でないとダメ?」と心配される方もいますが、貝パール(イミテーション)でも葬儀には使えます。貝パールとは、貝殻を削って球体にし、真珠に似た塗料をコーティングしたものです。品質のよい貝パールは、専門家でなければ見分けがつかないほど精巧にできています。見分け方のポイントとしては、本真珠は表面に微細な凹凸があり、歯に当てるとザラザラした感触がありますが、貝パールはツルツルしています。また、本真珠は一粒ごとに微妙に色味や形が異なりますが、貝パールは均一です。使い分けの目安としては、年に数回弔事がある方や、立場上フォーマルな装いが求められる方は本真珠を持っておくと安心です。弔事に参列する機会が少ない若い方や、予算を抑えたい方は貝パールで十分です。価格差は大きく、本真珠のイヤリングが1万5,000〜3万円なのに対し、貝パールは1,000〜5,000円程度です。
| 比較項目 | 本真珠 | 貝パール |
|---|---|---|
| 価格帯 | 1万5,000〜3万円 | 1,000〜5,000円 |
| 見た目 | 自然な光沢・微妙な個体差 | 均一な光沢・粒が揃う |
| 耐久性 | 適切なケアで一生使える | 5〜10年で塗装が劣化 |
| おすすめの方 | 弔事が多い方・50代以降 | 若い方・予算を抑えたい方 |
まとめ|葬儀のイヤリング選びで大切なのは「控えめな気持ち」
葬儀のイヤリング選びは、一度ルールを知ってしまえば迷うことはありません。つけるなら一粒パール、金具はシルバーカラー、揺れないデザイン——この3つを守れば、どの葬儀に参列しても恥をかくことはないでしょう。
「つけない」という選択もマナー違反ではないこと、そして無理に間に合わせのアクセサリーを用意するよりも、つけないほうがよい場合もあることを覚えておいてください。大切なのは、故人を偲ぶ気持ちにふさわしい「控えめな装い」です。
この記事のポイントを整理しておきます。
- 葬儀のイヤリングは必須ではなく、「つけない」もマナー違反ではない
- つけるなら一粒パール・シルバー金具・揺れないデザインが鉄則
- パールの色は白が万能、年代に応じてグレーや黒真珠も選択肢に
- サイズは7〜8mmが最適、大粒すぎるものは避ける
- ピアスでもOKだが、スタッドタイプ一粒のみにする
- 急な訃報で手持ちがなければ、百貨店や大型スーパーで当日購入できる
- 貝パール(イミテーション)でも十分対応可能、予算に合わせて選ぶ
もしまだ弔事用のパールイヤリングを持っていない方は、まずは白パールの一粒タイプをひとつ用意しておくことをおすすめします。急な訃報はいつ届くかわかりません。事前に準備しておけば、慌てることなく、落ち着いた気持ちでお別れの場に臨めます。
- ☐ 手持ちのイヤリング・ピアスの中に弔事用パールがあるか確認する
- ☐ ない場合は白パール一粒タイプ(7〜8mm・シルバー金具)を1組購入する
- ☐ ネックレスとセットで揃えておくと統一感が出る
- ☐ 喪服と一緒に保管しておけば、急な訃報でも慌てない
※冠婚葬祭のマナーは地域や宗派によって異なる場合があります。不安な場合は、ご家族や葬儀社に確認されることをおすすめします。

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