乗り降りしやすい車はシート高がカギ|軽・コンパクト・SUV厳選10車種を比較

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📝 この記事でわかること
・乗り降りしやすい車に共通する5つの条件(シート高・ドア形状・ステップ高など)
・軽自動車・コンパクトカー・SUVのタイプ別おすすめ車種10選と価格帯
・購入前の試乗で必ずチェックしたい7つのポイント
・今の車のまま乗り降りをラクにする後付けグッズと工夫

「最近、車から降りるときに足がもたつく」「膝が痛くて乗り込むのがおっくうになった」――年齢を重ねるにつれ、車の乗り降りに小さなストレスを感じる場面が増えていませんか。実は、車種によってシートの高さやドアの開き方はまったく違い、選び方ひとつで毎日の外出が驚くほどラクになります。たとえば地上からシート座面までの高さが約500〜600mmの車は、椅子に座る動作と同じ感覚で乗り降りできるため、膝や腰への負担がぐっと減ります。一方で「SUVなら高いから乗りやすいはず」と思い込んで購入し、実際にはステップが高くて苦労した――そんな声も少なくありません。この記事では、乗り降りしやすい車の具体的な条件から、タイプ別のおすすめ車種、購入前のチェックポイント、さらに今の車でもできる工夫まで、まるごとお伝えします。

目次

乗り降りしやすい車に共通する5つの特徴とは?

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シート座面の高さは「地上500〜600mm」がちょうどいい

車の乗り降りで最も体に影響するのが、地上からシート座面までの高さです。この高さが500〜600mm前後だと、一般的な椅子に腰かける動作とほぼ同じ感覚で乗降できます。セダンのように座面が低い車(約400mm)は、乗るときに腰を深く沈め、降りるときに体を持ち上げる必要があるため、膝や腰に負担がかかります。反対にSUVでも車高が高すぎるモデル(約700mm以上)は、よじ登るような動作になり転倒リスクが高まります。具体的には、ダイハツ タントの座面高は約600mm、トヨタ ルーミーは約580mmで、いずれも「立った状態からスッと座れる」高さ帯に入ります。自分の腰の高さに近い座面の車を選ぶのが、快適な乗降の第一歩です。ただし同じ車種でもグレードやシート調整で数cmは変わるため、カタログ値だけでなく実車で確認することが大切です。

低床フロアとフラットステップで「段差ゼロ」に近づける

シート高に加えて見落としがちなのが、ドアを開けた足元の段差です。低床設計の車はフロアの地上高が約330〜370mmに抑えられており、足を大きく持ち上げなくても車内に入れます。ホンダ N-BOXはフロア高が約340mmと軽自動車トップクラスの低さで、さらにステップ部分がフラットに仕上げられているため、つまずきにくい構造です。一方、悪路走行を想定したSUVや4WDモデルはフロアが高く設定されていることが多く、乗降時に20cm以上の段差をまたぐ必要がある車種もあります。足腰に不安がある方は、ドアを開けたときに見えるステップ部分の高さを必ず確認しましょう。最近は軽スーパーハイトワゴンを中心に、低床フロア+フラットステップを標準装備した車種が増えています。なお、雪国では低床すぎると積雪時に底を擦る心配もあるため、地域の気候条件も考慮に入れてください。

ドア開口部の広さと高さが乗降動作を左右する

いくらシート高が適切でも、ドアの開口部が狭ければ体をねじって乗り込む必要があり、肩や腰を痛める原因になります。乗り降りしやすい車の開口部は、幅が約600mm以上、高さが約1,200mm以上あるのが目安です。ダイハツ タントの助手席側は、ピラー(柱)をドアに内蔵した「ミラクルオープンドア」により開口幅が約1,490mmに達し、車椅子からの移乗や、お孫さんを抱っこしたままの乗車も可能です。一般的な軽自動車のヒンジドア(手前に開くドア)は開口幅が約570〜620mm程度なので、その差は歴然です。背の高いスーパーハイトワゴンは開口部の高さにも余裕があり、頭をぶつける心配が少ないのも利点です。ただし、開口部が大きいほどドア自体が重くなる傾向があるため、電動スライドドアかどうかも合わせてチェックしてください。

アシストグリップの位置と太さが安心感を決める

車に乗り込むときや降りるときに体を支えるアシストグリップ(手すり)は、位置と太さで使い勝手が大きく変わります。理想的なのは、ドアを開けたときにAピラー(フロントガラス横の柱)付近に取り付けられたグリップで、立った状態で自然に手が届く高さにあるものです。太さは直径28〜32mm程度が握りやすく、手に力が入りにくい方でもしっかりつかめます。N-BOXやスペーシアなどの軽スーパーハイトワゴンでは、運転席・助手席の両方にグリップが標準装備されています。一方、スポーツタイプの車やコンパクトSUVにはグリップが省略されているケースもあるため注意が必要です。グリップがない車でも、後付け用の補助グリップ(ドアストライカーに差し込むタイプ)が2,000〜3,000円程度で市販されていますので、購入前にディーラーに相談してみてください。見た目は地味な装備ですが、雨の日や疲れているときに「つかまれるものがある」安心感は想像以上に大きいものです。

シート高と地上高の関係|なぜ「高すぎず低すぎず」がベストなのか

セダンが乗り降りしにくいのは「低すぎる」から

かつては「高齢者=セダン」というイメージがありましたが、実は乗降性の面ではセダンは不利なボディタイプです。トヨタ カローラの座面高は約430mm、クラウンでも約460mmで、椅子から立ち上がる動作よりも深い位置から体を起こす必要があります。膝の曲がり角度が深くなるほど、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)に大きな負荷がかかり、膝関節痛を持つ方には痛みの原因になります。また、セダンはルーフ(屋根)が低いため、乗り込むときに頭を大きく下げなければならず、腰を曲げた不自然な姿勢で体をひねる動作が加わります。50代のうちは問題なくても、60代後半から70代にかけて「乗り降りがつらくなった」と感じる方が多いのは、加齢による筋力低下とセダンの低い座面高が重なるためです。今セダンに乗っている方は、次の買い替えでは座面が500mm以上の車種を意識して選ぶだけで、日々の乗降がラクになります。

SUVの落とし穴|車高が高い=乗りやすいとは限らない

「SUVは視点が高くて運転しやすいから乗り降りもラクだろう」と考えて購入したものの、実際にはステップが高すぎて苦労した――これは意外とよく聞く失敗パターンです。たとえばトヨタ ランドクルーザーの地上高は約225mm、フロア高は約550mmに達し、乗り込むには30cm近い段差を足で上がる必要があります。体格の大きな方なら問題なくても、身長150cm台の方や膝に不安がある方にとっては、毎回の乗降がちょっとした運動です。一方、同じSUVでもトヨタ ライズやダイハツ ロッキーは地上高が約185mmと控えめで、座面高もおよそ580mmと適正範囲に収まっています。SUVを選ぶなら「コンパクトSUV」「クロスオーバー」と呼ばれる車高が低めのモデルを中心に検討するのが賢い方法です。サイドステップ(乗降用のステップバー)を後付けできる車種もありますが、費用は3〜10万円程度かかります。

⚠️ 気をつけたいこと
「SUVなら安心」と思い込んで試乗せずに購入すると、ステップの高さで後悔するケースがあります。特にフル規格SUV(ランドクルーザー、ハリアーなど)は見た目の安心感と乗降性が一致しないことも。必ず実車で乗り降りを試してから判断しましょう。

ちょうどいい高さの車種はどのタイプに多い?

座面高500〜600mmの「ちょうどいい高さ」に該当する車種が最も多いのは、軽スーパーハイトワゴンとコンパクトハイトワゴンです。軽スーパーハイトワゴンではN-BOX(座面高約590mm)、タント(約600mm)、スペーシア(約590mm)がこの範囲に入ります。コンパクトカーではトヨタ ルーミー(約580mm)、ホンダ フィット(約570mm)、日産 ノート(約565mm)が該当します。これらの車種はいずれも低床フロアとスライドドア(またはワイドに開くヒンジドア)を組み合わせており、乗降性に優れた設計です。ミニバンもシートポジションが高めですが、ステップが2段になっている車種(ヴォクシー、セレナなど)は1段目のステップ高に注意が必要です。結局のところ「背が高い車=乗り降りしやすい」ではなく、「座面が腰の高さに近く、足元の段差が少ない車」がベストという点を覚えておいてください。

スライドドアは本当に必要?ドアタイプ別の乗降性を比較

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電動スライドドアの最大のメリットは「開口幅」と「安全性」

結論からいえば、乗り降りのしやすさを最優先にするなら電動スライドドアは最も有力な選択肢です。スライドドアは横にスライドして開くため、ヒンジドア(前方に開くドア)のようにドアの可動域分のスペースを必要としません。スーパーやショッピングモールの狭い駐車場でも、隣の車にぶつける心配なくドアを全開にでき、開口幅は600〜700mmを確保できます。N-BOXの電動スライドドアの開口幅は約640mm、タントのミラクルオープンドアに至っては約1,490mmです。電動なのでドアの重さを感じることもなく、ボタンひとつで開閉できます。さらに、挟み込み防止機能が付いているため、お孫さんが手を挟む事故も防げます。ただし電動スライドドアはオプション設定の場合が多く、片側のみ電動で3〜5万円、両側電動で6〜10万円の追加費用がかかる点は予算に入れておきましょう。

ヒンジドアでも乗り降りしやすい車種はある

スライドドアがすべてのシーンで万能かというと、実はそうとも限りません。ヒンジドアにもメリットがあります。まず開閉スピードが速い点。スライドドアは全開まで約3〜4秒かかりますが、ヒンジドアは1秒で全開にできます。急いでいるときや雨の日にサッと乗り込みたいシーンでは、ヒンジドアのほうが便利です。ホンダ フィットは90度近くまでドアが開く設計で、開口部の高さも約1,180mmあり、ヒンジドア車の中では乗降性がトップクラスです。日産 ノートもドア開口部が広めに設計されており、スライドドアなしでも快適に乗り降りできます。また、スライドドアの車はドア機構の分だけ車体が重くなり、燃費がわずかに悪化する傾向もあります。駐車場が広い自宅の方、運転席側の乗降がメインの方は、ヒンジドア車も十分候補に入れてよいでしょう。

電動スライドドアのメリット電動スライドドアのデメリット
開口幅が広く体をねじらずに乗降できる
狭い駐車場でも全開にできる
ボタンひとつで開閉、力が不要
挟み込み防止機能で安全
オプション費用が3〜10万円かかる
全開まで約3〜4秒とやや遅い
ドア機構の分だけ車重が増え燃費に影響
故障時の修理費が高い(5〜15万円)

ピラーレスドアという第三の選択肢

ダイハツ タントに採用されている「ミラクルオープンドア」は、助手席ドアとスライドドアの間の柱(Bピラー)をドアに内蔵することで、開口幅約1,490mmという圧倒的な広さを実現しています。これは通常のスライドドアと比べて約2倍の開口幅で、車椅子やベビーカーをたたまずに積み込めるほどのスペースです。助手席を前方にスライドさせると、後席への乗り込みがさらにスムーズになります。介護が必要な家族の送迎に使う場合、この広さは大きなアドバンテージです。ただしBピラーが固定されていない分、側面衝突時の安全性を心配する声もあります。ダイハツはドア内蔵ピラーと高張力鋼板で安全性を確保していると説明しており、JNCAP(自動車アセスメント)でも高い評価を受けています。とはいえ気になる方は、試乗の際にドアを開けた状態で車体の剛性感を確かめてみるとよいでしょう。

後部座席の乗り降りも忘れずにチェック

自分が運転する場合は運転席の乗降性ばかりに目が行きがちですが、後部座席にも同乗者が乗ることを考えておく必要があります。ご夫婦で出かける場合、助手席だけでなく後部座席に乗ることもあるでしょう。後部座席のドアがスライドドアの車種は、開口部が広く高さもあるため、高齢の方でも乗り降りがラクです。逆に、後部座席のドアが小さいクーペタイプやコンパクトカーの一部モデルでは、頭をかなり下げないと乗り込めません。また、後部座席にチャイルドシートを設置してお孫さんを乗せる機会がある方は、チャイルドシートへの乗せ降ろし動作も含めて確認してください。スライドドアなら横から真っ直ぐアクセスできるため、抱き上げた状態での乗せ降ろしが圧倒的にラクです。お孫さんの送迎が多い方は、後部座席側のスライドドアを優先条件にするのも賢い選択です。

乗り降りしやすい車を軽自動車・コンパクトカー・SUVで厳選比較

📊 高齢者あんしんノート調べ|タイプ別おすすめ車種の乗降性比較
車種座面高フロア高スライドドア新車価格帯
ホンダ N-BOX約590mm約340mm両側電動あり約165〜215万円
ダイハツ タント約600mm約360mmミラクルオープンドア約140〜200万円
スズキ スペーシア約590mm約345mm両側電動あり約153〜210万円
トヨタ ルーミー約580mm約366mm両側電動あり約157〜210万円
ホンダ フィット約570mm約380mmなし(ヒンジドア)約162〜260万円
日産 ノート約565mm約385mmなし(ヒンジドア)約229〜290万円
トヨタ シエンタ約580mm約330mm両側電動あり約195〜310万円
スズキ ハスラー約595mm約375mmなし(ヒンジドア)約136〜183万円
トヨタ ライズ約580mm約395mmなし(ヒンジドア)約172〜233万円
ホンダ フリード約585mm約350mm両側電動あり約234〜343万円

軽自動車ならN-BOX・タント・スペーシアの「三強」が鉄板

軽自動車で乗り降りしやすい車を探すなら、ホンダ N-BOX、ダイハツ タント、スズキ スペーシアの3車種がまず候補に挙がります。N-BOXは2023年にフルモデルチェンジした現行モデルで、フロア高約340mmという低さと、両側電動スライドドアが特徴です。室内高が約1,400mmあるため、車内で立ったまま着替えができるほどの空間があります。タントは前述のミラクルオープンドアが最大の武器で、開口幅約1,490mmは軽自動車どころか全車種を見渡しても圧倒的です。スペーシアは2023年に刷新された現行モデルで、フラットフロアと広い後席足元スペースが魅力です。3車種とも衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能などの先進安全装備を全グレードに標準装備しており、安全性も高い水準にあります。価格帯は3車種とも最廉価グレードで約135〜165万円で、装備差を含めても大きな開きはありません。

コンパクトカーならルーミー・シエンタ・フリードが使いやすい

軽自動車では車内の狭さや高速道路でのパワー不足が気になる方には、コンパクトカーがおすすめです。トヨタ ルーミーは「軽より広く、ミニバンより小さい」というちょうどいいサイズ感で、両側電動スライドドアを装備しています。全長3,700mmとコンパクトなので、スーパーの駐車場でも取り回しに困りません。トヨタ シエンタは3列シート仕様もあるコンパクトミニバンで、フロア高が約330mmと全車種中トップクラスの低さです。お孫さん家族と一緒に6〜7人で移動する機会がある方にはベストな選択でしょう。ホンダ フリードもシエンタのライバルで、3列シートと両側スライドドアを備えながら5ナンバーサイズに収まっています。2024年にフルモデルチェンジし、ホンダセンシング(先進安全装備)が全グレードに標準装備されました。コンパクトカーは軽自動車に比べてエンジンに余裕があるため、坂道の多い地域や高速道路を頻繁に使う方には安心感があります。

SUVから選ぶならコンパクトSUVに絞るのが正解

「見た目はSUVがいいけれど、乗り降りも妥協したくない」という方は、コンパクトSUVに絞って探すのがおすすめです。トヨタ ライズは全長3,995mmと5ナンバーサイズに収まるコンパクトさで、座面高は約580mmと適正範囲内です。スズキ ハスラーは軽自動車のSUVとして唯一無二のポジションにあり、座面高約595mmで乗り降りしやすく、丸みを帯びたデザインも人気です。一方でSUVはスライドドアを持たない車種がほとんどなので、駐車場が狭い環境では乗降時にドアの開きに制限がかかります。また、SUVは車重がやや重く燃費が若干劣る傾向があり、ハスラーのWLTCモード燃費は25.0km/Lですが、同クラスのスペーシアは22.2km/Lとスーパーハイトワゴンのほうがわずかに劣ります。見た目を重視するか、乗降性と燃費を重視するか、優先順位をはっきりさせてから選ぶとよいでしょう。

💡 暮らしの知恵
意外と知られていないことですが、同じ車種でも2WDと4WDで車高が10〜20mm違うことがあります。4WDのほうが駆動系の部品分だけ地上高が高くなり、乗降時のステップ高も変わります。雪国で4WDが必須でなければ、2WDを選ぶだけで乗り降りがわずかにラクになるケースもあるのです。

購入前に試乗でチェックすべき7つのポイント

ディーラーで確認したい「乗る・座る・降りる」の動作

カタログのスペック表だけでは乗り降りのしやすさは判断できません。試乗で最も重視してほしいのは、実際に「乗る→座る→降りる」の一連の動作を何度か繰り返すことです。具体的には、まず普段の服装と靴で試乗に行くこと。ヒールのある靴とスニーカーでは足の引っ掛かり方がまったく違います。次に、運転席だけでなく助手席と後部座席にも座り、それぞれの乗り降りを試してください。ドアを全開にした状態と、隣に車がある想定で半分だけ開いた状態の両方を確認するのがベストです。さらに、荷物を持った状態での乗り込みもシミュレーションしましょう。買い物袋を片手に持ちながら乗り込む動作は日常的に発生します。グリップの位置に手が自然に届くか、ドアの重さは片手で操作できるか、足元に段差やでっぱりがないか。こうした細かいポイントを体で確認することが、後悔しない車選びにつながります。

膝・腰への負担を実感するには「3回連続乗降テスト」

試乗では1回だけ乗り降りして「まあ大丈夫そう」と判断してしまいがちですが、膝や腰への負担は繰り返しによって顕在化します。おすすめは「3回連続乗降テスト」です。運転席から降りて、すぐにまた乗り込み、また降りる。これを3回繰り返すだけで、膝に違和感があるか、腰をひねる動作が入っていないか、体感でわかります。1回目は問題なくても、3回目で「ちょっとキツいな」と感じたら、毎日の乗り降りではさらにストレスになります。特に雨の日や寒い日は体が硬くなるため、天候条件が良い日の試乗結果に10%ほどの余裕を見ておくのが賢明です。ディーラーの営業担当に「膝が気になるので何度か乗り降りさせてほしい」と伝えれば、快く対応してもらえるはずです。遠慮せずにしっかり確認しましょう。

同行者と一緒に試乗して「第三者の目」を借りる

自分では気づかない乗降時の動作のクセを見つけるには、配偶者やお子さんに同行してもらい、外から乗り降りの様子を見てもらうのが効果的です。「お父さん、降りるときに腰をかなり曲げてるよ」「足を置く位置がずれてて危なっかしい」といった指摘は、本人では感じ取れないことが多いものです。また、同乗者がいる場合は、同乗者自身にも乗り降りを試してもらいましょう。自分は問題なくても、配偶者が乗り降りしにくいと感じる車は、長い目で見ると不満が蓄積します。ご夫婦の場合は2人のうち体が小さいほう、膝や腰に不安があるほうの基準に合わせて選ぶのが鉄則です。試乗は1車種だけでなく、できれば2〜3車種を同じ日に回って比較すると、違いがはっきりわかります。

✅ 試乗チェックリスト
  • ☐ 普段の服装・靴で試乗に行ったか
  • ☐ 運転席・助手席・後部座席すべて乗り降りを試したか
  • ☐ ドアを半分だけ開いた状態でも乗降できたか
  • ☐ 3回連続乗降テストで膝・腰に違和感がなかったか
  • ☐ グリップの位置に自然に手が届いたか
  • ☐ 荷物を持った状態でも乗り込めたか
  • ☐ 同乗者にも乗り降りを試してもらったか

福祉車両・介護車両という選択肢も知っておこう

福祉車両は「特別な車」ではなく「便利な機能付きの普通の車」

「福祉車両」と聞くと、車椅子のまま乗れる大がかりな改造車をイメージする方が多いのですが、実は見た目は普通の車とまったく同じで、乗降をサポートする機能が追加されたモデルも多数あります。たとえばトヨタの「ウェルキャブ」シリーズには、助手席が電動で回転して車外に降りてくる「助手席回転チルトシート車」があります。シートが90度回転して車外にせり出すため、椅子に座る感覚でそのまま乗り込め、膝や腰への負担がほぼゼロになります。N-BOXにも「助手席スーパースライドシート」仕様があり、助手席が57cmスライドして足元に広大なスペースを確保できます。こうした福祉車両は見た目が通常モデルと変わらないため、「特別な車に乗っている」という心理的な抵抗感がないのも大きなメリットです。

福祉車両は消費税が非課税になるケースがある

福祉車両を検討する際に知っておきたいのが税制面の優遇です。身体障害者手帳を持っている方が使用する場合や、車椅子対応車両など一定の条件を満たす福祉車両は、消費税が非課税になります。たとえば車両本体価格が200万円の場合、消費税10%の20万円がまるまる免除されるわけですから、家計への影響は小さくありません。さらに、自治体によっては自動車税の減免や、改造費用の助成制度を設けているところもあります。助成金額は自治体によって異なりますが、10〜20万円程度の補助が受けられるケースが一般的です。ただし、申請には事前の手続きが必要な場合が多いため、購入後に「知らなかった」とならないよう、お住まいの市区町村の福祉課に事前に問い合わせておくことをおすすめします。詳しい条件は自治体ごとに異なるため、窓口での確認が確実です。

リースやレンタルで「お試し」してから決める手もある

福祉車両は通常モデルに比べて5〜30万円ほど高額になるため、「本当に必要かどうか」を見極めてから購入したいのは当然のことです。そこで活用したいのが、福祉車両のレンタルやリースサービスです。トヨタレンタカーやニッポンレンタカーでは福祉車両の貸し出しを行っており、1日数千円〜1万円程度で実際の使い勝手を試せます。1泊2日で借りて、普段の買い物ルートや病院への送迎を実際に行ってみれば、本当に必要な機能が明確になります。また、カーリース各社も福祉車両を取り扱っており、月額リースなら初期費用を抑えて使い始められます。「いきなり数百万円の買い物は不安」という方は、まずレンタルで体験し、必要性を確認してからリースまたは購入に進むという3ステップが堅実です。

✅ 福祉車両を検討するならやっておきたいこと
  1. Step1: お住まいの市区町村の福祉課に、助成制度や税制優遇の有無を問い合わせる
  2. Step2: ディーラーで福祉車両の展示車・試乗車を確認し、実際に乗り降りを試す
  3. Step3: レンタカーで1〜2日借りて、普段の生活圏で使い勝手を体験する

今の車でもできる!乗り降りをラクにする後付けグッズと工夫

ポータブル補助グリップは2,000円台から買える手軽さ

車を買い替えるほどではないけれど、乗り降りのサポートがほしい――そんな方にまずおすすめしたいのが、ポータブル補助グリップです。ドアのストライカー(ロック部分の金具)に差し込んで使うタイプが主流で、価格は2,000〜4,000円程度とお手頃です。工具不要で取り付けでき、使わないときは外しておけるため、同乗者がいるときだけセットすることもできます。耐荷重は多くの製品で130〜150kg程度あり、体重をしっかり預けても問題ありません。ただし安価な製品の中にはストライカーとの適合性が悪く、ガタつくものもあるため、購入前に自分の車のストライカー形状を確認し、適合車種リストに載っている製品を選びましょう。カー用品店で実物を手に取って確認するのが一番確実です。

回転クッションで「体のひねり」をゼロにする

膝は問題ないけれど腰のひねりがつらい――そんな方には回転クッション(ターンクッション)が効果的です。シートの上に敷いて使う円形のクッションで、座った状態で体の向きを変えられるため、乗り込んだ後に体を正面に向ける動作がスムーズになります。価格は1,500〜3,000円程度で、介護用品店やネット通販で手に入ります。使い方は簡単で、シートに載せた回転クッションの上に座り、足を車外に出した状態から回転して正面を向くだけです。降りるときはその逆で、座ったまま体を横に向けてから足を地面に降ろします。腰椎ヘルニアやすべり症など、腰のひねりに問題がある方には特に有効なグッズです。ただし、運転席での使用は運転中にシートがずれる危険があるため、助手席や後部座席での使用にとどめてください。

⚠️ 気をつけたいこと
回転クッションを運転席に敷いたまま運転するのは危険です。カーブやブレーキ時に体が回転して姿勢が崩れ、重大な事故につながるおそれがあります。回転クッションはあくまで「乗り降り時」に使い、運転中は外すか、助手席・後部座席専用にしましょう。

サイドステップの後付けでSUVの弱点を克服

SUVやミニバンに乗っていて、ステップの高さが気になる方には、サイドステップ(ランニングボード)の後付けという方法があります。車体の側面、ドアの下に取り付ける踏み板で、乗降時の段差を10〜15cm縮めることができます。純正オプションとして用意されている車種もあれば、社外品で対応できる車種もあります。費用は純正品で3〜8万円(工賃込み)、社外品で2〜5万円程度が相場です。ステップの幅は8〜12cm程度のものが多く、足を置くには十分なサイズです。ただし、サイドステップを付けると車幅が広がるため、最低地上高が変わったり、狭い道路で縁石に擦るリスクが増えたりする点には注意が必要です。取り付け前にディーラーや整備工場で車検対応かどうかを確認してもらうと安心です。

駐車の仕方ひとつで乗り降りの快適さは変わる

お金をかけずにすぐ実践できる工夫として、駐車の仕方を見直すという方法があります。たとえば自宅の駐車場では、助手席側(同乗者が降りる側)にゆとりを持たせて駐車するだけで、ドアを大きく開けられるようになります。スーパーの駐車場では、空いているエリアや端の広いスペースを選ぶことで、両側のドアをしっかり開いて乗り降りできます。バック駐車よりも前向き駐車のほうが、降車時にドアを開けやすい場合もあります(壁や柱の位置次第)。また、傾斜のある駐車場では、車が低い側に傾く向きに停めると、降りるときに体を持ち上げる負担が軽くなります。こうした「ちょっとした意識」の積み重ねが、日々の乗り降りストレスを大きく軽減してくれます。グッズを買う前に、まず駐車の仕方を工夫してみるのがおすすめです。

まとめ|乗り降りしやすい車選びで毎日の外出をもっと気軽に

車の乗り降りは毎日のことだからこそ、小さなストレスが積み重なると外出そのものが億劫になってしまいます。逆にいえば、乗り降りしやすい車を選ぶだけで「ちょっとそこまで」のハードルがぐっと下がり、買い物や通院、お孫さんの送迎がもっと気軽になります。

この記事のポイントをおさらいしておきましょう。

  • シート座面高は500〜600mmが理想。椅子に座る感覚で乗り降りでき、膝・腰への負担が少ない
  • 低床フロア+フラットステップの車は足を高く上げる必要がなく、つまずきリスクを軽減できる
  • 電動スライドドアは開口幅が広く、狭い駐車場でも安心。ただしヒンジドアでも乗りやすい車種はある
  • 軽自動車ならN-BOX・タント・スペーシア、コンパクトカーならルーミー・シエンタ・フリードが乗降性に優れている
  • SUVは「コンパクトSUV」に絞るのがコツ。車高が高すぎるモデルは逆に乗り降りしにくい
  • 福祉車両は見た目も普通で税制優遇もある。レンタルでお試しも可能
  • 後付けグッズや駐車の工夫で、今の車のまま乗り降りを改善する方法もある

まず手軽にできることとして、次のお休みの日にお近くのディーラーへ出かけてみてはいかがでしょうか。N-BOXやタント、ルーミーは展示車を置いている店舗が多いので、予約なしでも座面の高さやドアの開き具合を体感できます。「乗る→座る→降りる」を3回繰り返すだけで、自分に合う車のタイプがはっきりわかるはずです。日々の乗り降りがラクになれば、外出の回数が増え、暮らしの充実感も自然と高まっていきます。

※記事中の価格・スペックは2026年6月時点の情報です。最新の仕様や価格はメーカー公式サイトまたはディーラーでご確認ください。

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この記事を書いた人

孫のお祝い・冠婚葬祭マナー・定年後の暮らし・シニア割引・高齢者の運転免許など、人生の節目で「今さら聞けない」疑問にやさしく答える情報メディアです。50代後半〜70代の方が「これで安心できた」と思える、正確で実用的な情報をお届けしています。運営は株式会社てまひま(名古屋市)。

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