「ANAにシルバー割引があるって聞いたけど、どうやって使うの?」「当日しか予約できないって本当?」──65歳を迎えると気になるのが、航空会社のシニア向け割引運賃です。ANAには「スマートシニア空割」と「シニア運賃」という2つの割引があり、うまく使えば通常運賃の半額近くで国内線に乗れることもあります。ただし、予約のタイミングや登録手続きなど、知っておかないと当日空港で慌てるポイントもいくつかあります。この記事では、ANAシルバー割引の条件・料金の目安・予約のコツから、JALとの比較、マイル積算の仕組みまで、気になる疑問をまるごと整理しました。
・ANAシルバー割引(スマートシニア空割・シニア運賃)の条件と違い
・路線別の料金目安と割引率のリアルな数字
・当日予約で席を確保するコツと失敗しやすいポイント
・マイル積算・座席指定・同行者のルールなどよくある疑問の答え
ANAシルバー割引とは?65歳以上が使える2つのシニア運賃の基本

スマートシニア空割──当日予約でお得に乗れる看板運賃
ANAのシルバー割引として最も知られているのが「スマートシニア空割」です。満65歳以上のANAマイレージクラブ会員が、搭乗当日に予約・購入できる割引運賃で、路線によっては通常の普通運賃から50〜60%ほど安くなります。たとえば東京─福岡の普通運賃が約46,000円の区間でも、スマートシニア空割なら15,000〜20,000円台で乗れるケースがあります。予約は搭乗当日の午前0時から可能で、ANAのウェブサイト・アプリ・空港カウンターのいずれからでも手続きできます。ただし「当日限定」という性質上、繁忙期や人気路線では朝の便から満席になることもあるため、出発日が決まっているなら早い時間帯に予約を入れるのがポイントです。
シニア運賃──2026年5月から登場した新しい選択肢
2026年5月19日搭乗分から、ANAは従来のスマートシニア空割に加えて「シニア運賃」を新設しました。こちらも満65歳以上が対象ですが、スマートシニア空割とは運賃設定や適用路線が異なります。シニア運賃は「当日のみ予約可能」という点は同じですが、運賃水準やマイル積算率の設定に違いがあり、路線や時期によってはシニア運賃のほうが安くなる場合もあります。ANAの公式サイトでは搭乗当日に両方の運賃を比較できるので、予約時に金額を見比べてから選ぶのが賢い使い方です。新しい運賃体系に変わったばかりなので、以前の情報だけで判断せず、搭乗当日に必ず最新の運賃を確認しましょう。
JALの当日シニア割引とANAはどう違う?
ライバルのJALにも「当日シニア割引」があり、条件はほぼ同じ──満65歳以上、当日予約限定です。大きな違いは運賃水準と就航路線です。同じ東京─沖縄でも、ANAとJALで数千円の差が出ることは珍しくありません。また、ANAはスマートシニア空割とシニア運賃の2種類があるのに対し、JALは当日シニア割引の1種類のみです。選択肢が多いぶん、ANAのほうが「自分の旅程に合った運賃を選びやすい」という声があります。一方、JALはマイル積算率が75%と明示されている点がわかりやすいメリットです。どちらが得かは路線と日程で変わるため、両社の運賃を当日に比較するのが理想的です。
| 項目 | ANAスマートシニア空割 | JAL当日シニア割引 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 満65歳以上 | 満65歳以上 |
| 予約タイミング | 搭乗当日 | 搭乗当日 |
| 割引率目安 | 約50〜60%OFF | 約50〜60%OFF |
| 運賃の種類 | 2種類(空割+シニア運賃) | 1種類 |
| 会員登録 | AMC会員+生年月日登録 | JMB会員+生年月日登録 |
利用するには何が必要?登録から搭乗までの3ステップ
ANAマイレージクラブの入会と「生年月日確認登録」が必須
ANAシルバー割引を使うには、まずANAマイレージクラブ(AMC)に入会し、さらに「生年月日確認登録」を済ませておく必要があります。AMCの入会自体は無料で、ANAの公式サイトから5分ほどで完了します。問題は生年月日確認登録のほうで、これはAMCカードまたはANAカードに紐づけた個人情報の生年月日をANA側が確認する手続きです。登録がまだの場合、搭乗当日に空港カウンターで本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)を提示すれば即日登録も可能ですが、混雑時は時間がかかります。余裕をもって事前にウェブや電話で登録しておくのがおすすめです。「搭乗当日に初めて登録する」という方は、出発の1時間半前には空港に着いておくと安心です。
予約はアプリ・ウェブ・空港カウンターの3通り
生年月日確認登録が済んでいれば、予約方法は3つあります。1つ目はANAの公式アプリ。スマートフォンから搭乗当日の午前0時以降に空席検索と予約ができ、そのままオンライン決済まで完結します。2つ目はANA公式サイト。パソコンからじっくり運賃を比較したい方に向いています。3つ目は空港のANAカウンター。デジタルが苦手な方でも、カウンターで「シニア割引を使いたい」と伝えれば手続きしてもらえます。どの方法でも運賃は同じなので、自分が使いやすい方法を選べば大丈夫です。ただし空港カウンターは搭乗手続き開始時間以降しか対応できない場合があるため、人気便を狙うなら午前0時にアプリで予約するのが確実です。
搭乗日当日の流れ──チェックインから搭乗まで
予約が完了したら、あとは通常の国内線と同じ流れです。アプリやウェブで予約した場合はQRコードまたはICカードで保安検査場を通過できます。空港カウンターで予約した場合は、そのまま搭乗券を受け取ります。注意したいのは、シニア運賃・スマートシニア空割はどちらも「搭乗時に年齢を確認される場合がある」という点です。運転免許証やマイナンバーカードなど、生年月日が確認できる書類を必ず携帯してください。確認は毎回ではありませんが、求められたときに提示できないと搭乗できない可能性があります。65歳の誕生日当日から利用できるため、「あと数日で65歳」という方は誕生日以降に予約しましょう。
- Step1: ANAマイレージクラブに入会する(無料・ウェブで5分)
- Step2: 生年月日確認登録を済ませる(ウェブ・電話・空港で可能)
- Step3: 搭乗当日の午前0時以降にアプリまたはウェブで空席検索・予約する
気になる運賃はいくら?路線別の料金目安と割引率

東京─札幌・福岡・沖縄の運賃はどれくらい?
ANAシルバー割引の運賃は路線や日程で変わりますが、主要路線の目安を紹介します。東京(羽田)─札幌(新千歳)は普通運賃約40,000円に対し、シルバー割引では14,000〜18,000円前後。東京─福岡は普通運賃約46,000円に対して15,000〜20,000円前後。東京─沖縄(那覇)は普通運賃約50,000円に対して17,000〜23,000円前後が目安です。いずれも普通運賃と比べると半額以下になるケースが多く、新幹線と比較しても競争力のある価格帯です。たとえば東京─福岡は新幹線(のぞみ指定席)で約23,000円ですから、シルバー割引なら飛行機のほうが安くなる計算です。ただしこれはあくまで通常期の目安で、年末年始やお盆は運賃が上がります。
割引率50〜60%は本当にお得なのか──早割との比較で見えること
「50〜60%OFF」と聞くと飛びつきたくなりますが、実はANAには早期購入割引(ANA SUPER VALUE)という別の割引運賃もあります。75日前までに予約する「SUPER VALUE 75」なら、路線によってはシルバー割引より安いことがあります。たとえば東京─沖縄のSUPER VALUE 75が10,000円台前半で買えることもあり、この場合はシルバー割引の17,000円前後より安くなります。つまり「旅程が確定していて早めに予約できるなら早割のほうがお得」というケースがあるのです。逆にシルバー割引の強みは「予定が決まっていなくても当日に買える」という柔軟性。体調や天候を見てから出発を決めたいシニア世代にとって、この自由度は金額以上の価値があります。
繁忙期と閑散期で料金はどれくらい変わる?
シルバー割引の運賃は固定ではなく、時期によって変動します。お盆(8月中旬)、年末年始(12月下旬〜1月上旬)、ゴールデンウィークは「ピーク期」に分類され、通常期より3,000〜5,000円ほど高くなる傾向があります。逆に1月中旬〜2月、6月、11月などの閑散期は運賃が下がりやすく、同じ路線でもピーク期との差が5,000円以上開くことがあります。シニア世代は現役時代と違って平日に動けるのが最大の強みですから、あえて閑散期の平日を選べば、かなりお得に旅ができます。「孫の夏休みに合わせて帰省する」場合はピーク期になりがちですが、お盆のピークを1週間ずらすだけで運賃がぐっと下がることも覚えておきましょう。
| 路線 | 普通運賃(目安) | シルバー割引(目安) | 割引率 |
|---|---|---|---|
| 羽田─新千歳 | 約40,000円 | 14,000〜18,000円 | 約55〜65%OFF |
| 羽田─福岡 | 約46,000円 | 15,000〜20,000円 | 約57〜67%OFF |
| 羽田─那覇 | 約50,000円 | 17,000〜23,000円 | 約54〜66%OFF |
| 羽田─伊丹 | 約28,000円 | 11,000〜14,000円 | 約50〜61%OFF |
※運賃は時期・空席状況により変動します。搭乗当日にANA公式サイトで最新運賃をご確認ください。
予約で損しないために知っておきたい4つの注意点
当日予約のタイミングで空席状況がガラリと変わる
シルバー割引は「搭乗当日の午前0時」から予約受付が始まります。ここで重要なのは、シルバー割引用の座席数はあらかじめ限られているということです。ANAは全座席をシルバー割引に開放しているわけではなく、便ごとに一定数を割り当てています。そのため人気路線の朝便では、午前0時の予約開始から数時間で埋まってしまうことがあります。特に月曜の朝便や金曜の夕方便はビジネス需要と重なり、シルバー割引の枠が少ないことが多いです。逆に、昼前後の便や最終便は空席が残りやすい傾向があります。「絶対にこの便に乗りたい」という場合は、午前0時〜1時の間に予約を入れるのが鉄則です。
キャンセル・変更のルールを知らずに損をするケース
シルバー割引で意外と見落としがちなのがキャンセル料のルールです。スマートシニア空割は予約後のキャンセルに取消手数料がかかります。出発前であれば運賃の約5%(最低440円)のキャンセル料で済みますが、出発後や無断キャンセルの場合は運賃の全額が戻らないこともあります。「当日の体調次第で乗るかどうか決める」つもりで予約した方が、キャンセル手続きを忘れて全額損をしたという話は実際にあります。また、シルバー割引は便の変更ができない運賃クラスです。予約した便に乗り遅れた場合、同日の後続便に空席があれば振り替えてもらえる可能性はありますが、保証はされません。予約したら「その便に乗る」を前提に行動するのが基本です。
「体調が悪くなったので乗らなかった」場合でも、キャンセル手続きをしないと運賃は戻りません。乗れないと分かった時点で、アプリかウェブからすぐにキャンセル手続きをしましょう。出発前なら取消手数料は運賃の約5%で済みます。
生年月日確認登録をしていなくて搭乗できなかった例
ANAシルバー割引を使うつもりで空港に行ったのに、生年月日確認登録が済んでいなかったために購入できなかったという失敗談は少なくありません。AMC会員であっても、生年月日確認登録は別の手続きです。「カードを持っているから大丈夫」と思い込んでいた方が、当日カウンターで初めて未登録に気づくケースがあります。空港での即日登録は可能ですが、本人確認書類が必要で、繁忙期には手続きに30分以上かかることもあります。その間に希望の便が満席になってしまえば元も子もありません。出発の1週間前までにはANAのマイページで登録状況を確認しておきましょう。確認方法は、ANA公式サイトにログイン→「お客様情報」→生年月日の登録ステータスを見るだけです。
同行者が65歳未満の場合、割引は本人だけ
夫婦や友人との旅行で注意したいのが、シルバー割引は本人だけに適用されるという点です。たとえば68歳の方と60歳の配偶者が一緒に旅行する場合、68歳の方はシルバー割引を使えますが、60歳の方は通常運賃か他の割引運賃を利用することになります。2人分の合計で考えると、「2人ともSUPER VALUE 28(28日前までの早割)で予約したほうが安かった」というケースも出てきます。同行者がいる場合は、シルバー割引と早割の両方で合計金額を比較するのが賢明です。また、シルバー割引は同じ便でも座席の予約タイミングが異なるため、隣同士の座席が確保できないこともあります。座席を並びにしたい場合は、チェックイン時にカウンターで相談しましょう。
「当日しか予約できない」が不安な方へ──安心して使うコツ
早朝便と昼過ぎの便は意外と空席がある
シルバー割引の最大の不安は「当日にならないと予約できない=席が取れないかもしれない」ということでしょう。ただ、実際には時間帯を選べば空席はかなりの確率で残っています。狙い目は早朝6〜7時台の便と、昼の12〜14時台の便です。ビジネス利用が集中する8〜10時台の便は早く埋まりますが、早朝便は「朝が早すぎる」という理由で敬遠されがちです。また昼過ぎの便は出張客が少なく、閑散期なら夕方まで空席が残っていることもあります。東京─札幌や東京─福岡のようなドル箱路線はANAだけで1日10便以上飛んでいるため、すべての便が満席になることはまれです。時間にこだわりがなければ、シルバー割引で席が取れない心配はそこまで大きくありません。
バックアッププランを持っておくと気持ちがラク
それでも不安な方は、「万が一シルバー割引で席が取れなかったらどうするか」を事前に考えておくと安心です。選択肢は3つあります。1つ目は、同じ日の別の時間帯の便を探すこと。先述のとおり、昼過ぎや最終便なら空席が残っている可能性があります。2つ目は、JALの当日シニア割引を使うこと。ANAが満席でもJALに空席があるケースは多く、両社を比較すれば選択肢が倍になります。3つ目は、前日までに早割運賃で予約しておき、当日シルバー割引のほうが安ければ早割をキャンセルして乗り換える方法です。ただしこの方法は早割のキャンセル料がかかるため、差額を計算してから判断する必要があります。いずれにしても「1つの便にすべてを賭けない」ことが心の余裕につながります。
旅行代理店のシニアツアーとどちらがお得?
「当日予約が不安なら、旅行代理店のシニア向けツアーのほうがいいのでは」と思う方もいるでしょう。確かに、ツアーなら航空券とホテルがセットで事前に確定するため安心感があります。ただし価格面で見ると、シルバー割引+個別にホテルを予約するほうが安くなることが多いです。たとえば東京─沖縄2泊3日のシニアツアーが1人55,000〜70,000円だとすると、シルバー割引の往復が約40,000円+ビジネスホテル2泊10,000円で合計50,000円ほどに収まるケースもあります。ツアーの利点は「添乗員付き」「観光地の送迎付き」など、手間が省けること。自分で手配するのが苦にならない方はシルバー割引、すべてお任せにしたい方はツアーと、目的に応じて使い分けるのがベストです。
実は意外と知られていませんが、シルバー割引の空席状況はANA公式サイトの「運賃検索」で搭乗当日に確認できます。予約まではしなくても、朝起きてすぐスマートフォンで空席を確認し、席があるのを見てから出発準備を始める──という使い方をしている方もいます。「席があるかどうか分からないまま空港に行く」必要はありません。
マイルは貯まる?座席指定は?気になる疑問をまとめて解決
マイル積算率はどれくらい?シルバー割引でもマイルは貯まる
結論から言うと、ANAシルバー割引でもマイルは貯まります。スマートシニア空割のマイル積算率は区間基本マイレージの75%です。たとえば羽田─那覇の区間基本マイルは984マイルなので、片道で約738マイル貯まる計算です。往復なら約1,476マイル。年に4〜5回往復すれば6,000〜7,000マイル以上になり、ANAの特典航空券(ローシーズンの近距離路線で片道5,000マイル〜)に届く水準です。「安い運賃だからマイルは貯まらないだろう」と思い込んで、AMCカードの提示を忘れる方がいますが、これはもったいない話です。予約時にAMC番号を入力しておけば自動的にマイルが加算されるので、必ず番号を紐づけておきましょう。
座席指定や事前の手荷物預けは問題なくできる
シルバー割引だからといって座席指定に制限があるわけではありません。予約後にANAの公式サイトまたはアプリから座席指定が可能です。窓側・通路側の好みがある方は、予約完了後すぐに座席指定を済ませましょう。早い者勝ちなので、予約直後が最も選択肢が多いタイミングです。手荷物の預け入れも通常の国内線と同じルールで、20kgまで無料です。ANAプレミアムメンバーやSFC(スーパーフライヤーズカード)会員なら追加の手荷物枠もそのまま適用されます。シルバー割引を使うとサービスが制限されるのではないかと心配する声がありますが、機内サービスも座席のグレードもまったく同じ。違うのは運賃と予約タイミングだけです。
プレミアムクラスやラウンジは利用できるのか
シルバー割引はあくまで普通席の割引運賃なので、プレミアムクラス(ANAの国内線上位クラス)の座席を直接予約することはできません。ただし、搭乗当日に空席があれば「プレミアムクラスへのアップグレード」が可能な場合があります。アップグレード料金は路線によって異なり、9,000〜15,000円程度です。シルバー割引の運賃にアップグレード料金を足しても、プレミアムクラスの通常運賃よりは安く済むことが多いため、ちょっとした贅沢として検討する価値はあります。ANAラウンジについては、SFC会員やプレミアムメンバーの方はシルバー割引利用時でもラウンジを利用できます。一般のAMC会員の場合はラウンジ利用権がないため、有料の「ANA LOUNGE」利用券(1回1,100円前後)を購入する方法があります。
国際線にもシルバー割引はある?
ANAのシルバー割引は国内線限定の運賃です。国際線にはシニア向けの特別割引運賃は設定されていません。海外旅行を考えている場合は、早期購入割引やセール運賃を狙うか、マイルを使った特典航空券を活用するのが現実的な選択肢です。国内線でコツコツ貯めたマイルを国際線の特典航空券に交換する──これもシルバー割引を活用する醍醐味のひとつです。たとえばANAのエコノミークラスでソウルや台北に行くなら、ローシーズンで片道12,000マイル程度から交換できます。シルバー割引で年に数回国内線に乗りながらマイルを貯め、2〜3年に1回は海外旅行に使うという計画を立てている方もいます。
- ☑ マイルを貯める(積算率75%)
- ☑ 座席指定(予約後すぐ可能)
- ☑ 手荷物20kgまで無料預け
- ☑ 当日のプレミアムクラスアップグレード(空席時)
- ☐ 事前予約(前日以前の予約は不可)
- ☐ 便の変更(予約後の便変更は不可)
- ☐ 国際線での利用(国内線限定)
シルバー割引を使ったおすすめの旅の楽しみ方
平日ひとり旅で温泉地へ──片道1万円台の贅沢
定年後の時間を活かして、平日にふらりと温泉地へ出かける──シルバー割引はそんな旅のスタイルと相性抜群です。たとえば羽田から大分(別府温泉)へのシルバー割引は、閑散期の平日なら片道13,000〜16,000円程度。往復でも3万円前後です。別府には1泊5,000〜8,000円の温泉旅館がたくさんあるので、1泊2日の温泉旅行が総額4万円以内で実現します。同じように、羽田から秋田(乳頭温泉郷)、羽田から鹿児島(指宿温泉)など、新幹線では時間がかかる遠方の温泉地ほど飛行機のメリットが際立ちます。「今日は天気がいいから温泉に行こう」と思い立ったその日に出発できるのが、シルバー割引の最大の魅力です。
孫に会いに行く帰省便をお得にする方法
離れて暮らす孫に会いに行く帰省も、シルバー割引の出番です。たとえば大阪在住の祖父母が東京の孫に会いに行く場合、伊丹─羽田のシルバー割引は片道11,000〜14,000円程度。新幹線の指定席(約14,000円)とほぼ同額か、それ以下で飛行機に乗れます。所要時間も新幹線の2時間半に対して飛行機は約1時間15分と短く、体力的な負担も軽くなります。ただし、孫の誕生日や運動会など日程が決まっているイベントの場合は、「当日に席が取れなかったらどうしよう」という不安がつきまといます。そんなときは、前日までに早割で予約しておき、当日の朝にシルバー割引の空席を確認。シルバー割引のほうが安ければ早割をキャンセルして乗り換え、シルバー割引が満席なら早割のまま行く──という二段構えが安心です。
夫婦旅行なら「旅割」とどちらが安い?ケース別に比較
夫婦2人とも65歳以上ならシルバー割引を2人分使えますが、片方が65歳未満だと先述のとおりシルバー割引は1人分だけです。この場合、「ANA SUPER VALUE」(旅割)を2人分買うほうが合計で安くなるケースがあります。具体例で比較しましょう。東京─沖縄で、68歳の夫がシルバー割引20,000円+62歳の妻が普通運賃50,000円=合計70,000円。一方、2人ともSUPER VALUE 28で予約すれば1人18,000円×2=36,000円。差額は34,000円です。このケースでは明らかに早割のほうがお得です。逆に、2人とも65歳以上でシルバー割引が使え、かつ旅程が直前まで決まらないような場合は、シルバー割引2人分のほうが早割のキャンセル料リスクを考えると有利になることもあります。夫婦の年齢と旅の計画性によって最適解が変わるため、必ず両方の金額を比較しましょう。
65歳以上と65歳未満の夫婦で旅行する場合、シルバー割引+普通運賃の組み合わせは合計金額が高くなりがちです。2人分の早割と比較せずに「シルバー割引のほうが安いはず」と思い込むと、数万円単位で損をすることがあります。必ず合計金額で比較してから予約しましょう。
まとめ:ANAシルバー割引は「65歳からの自由な翼」
ANAシルバー割引は、65歳以上の方が当日予約で国内線をお得に利用できる運賃制度です。「スマートシニア空割」と2026年5月に新設された「シニア運賃」の2種類があり、路線や時期によって普通運賃の50〜60%OFFで飛行機に乗れます。事前予約ができない代わりに、体調や天候を見てから当日に判断できる柔軟性は、時間にゆとりのあるシニア世代にとって大きなメリットです。
ただし、生年月日確認登録の事前準備やキャンセルルールの確認、同行者との運賃比較など、知っておかないと損をするポイントもありました。早割のほうがお得なケースがあることも忘れずに、旅の計画に合わせて使い分けるのが賢い選択です。
この記事の要点を振り返ります。
- 対象は満65歳以上のANAマイレージクラブ会員で、生年月日確認登録が必須
- 予約は搭乗当日のみ。午前0時からアプリ・ウェブ・空港カウンターで手続き可能
- 割引率は普通運賃の約50〜60%OFF。主要路線で片道1万円台〜2万円台が目安
- 旅程が決まっているなら早割(SUPER VALUE)のほうが安いケースもある
- マイル積算率は75%。年に数回利用すれば特典航空券に届く水準
- 座席指定・手荷物預け入れは通常通り。機内サービスも普通席と同じ
- 同行者が65歳未満の場合は、2人分の合計金額で早割と比較するのが鉄則
まずはANAマイレージクラブの入会と生年月日確認登録を済ませておくことが第一歩です。登録さえしておけば、いつでも「今日ちょっと旅に出よう」と思い立ったときにシルバー割引が使えます。65歳を過ぎたからこそ手に入る、自由で気軽な空の旅を楽しんでください。
※運賃や制度の詳細は変更される場合があります。最新情報はANA公式サイトでご確認ください。

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